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ep13
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皮膚が焼かれるようなちりちりとした痛みが、何倍にもなったような、そんな感覚。
蘭は一葉の髪と同じ色の局部の茂みを無造作に掴み、そして身体が持ち上がりそうなほど強く引っ張ったのだ。
全てではないとはいえ体重の一部をその細い糸で支えたのだから、ぶち、と音を立て何本かがたやすく散って。
裸で、commandにより抵抗もできなくて、暴力まがいのプレイをされて。
…同じだ。
「ねえ一葉さん、やっぱり綺麗だけど、やっぱりついてると萎えるんだよね。
…切っていい?」
「い、いやっ… 」
どこから取り出したのか、鋭利なナイフが一葉の性器に近づけられる。
…いくら暴力を振るわれてもこんなことはされたことがなかったから、流石に恐怖で一葉はがたがたと震え始めた。
逃げたい。逃げられない。
「あははっ、嘘だよ!
震えちゃって、かわいいね。」
バカだなぁと、蘭が高い声でからからとわらった。そのまま無造作に腕を掴まれ、彼に尻を向ける体勢を取らされる。
相手は絶対に一葉のことなど考えてくれない。一葉は今まで一度だって…
…いや、一度だけ大切にされたことがあった。
どうしてこのタイミングで思い出すのかと、愚かな自分にため息が漏れる。
脳裏に浮かんだのは、紅司とのプレイ。彼はプレイ中、ずっと一葉のことを見ていた。
セーフワードも確認していたのに、大切にされていると感じることができて、もしかしたらセーフワードを拒んだのは、本能だけではなかったのかもしれない。
一葉の心もまた、本当は…
頬を生温かい液体が伝うのがわかった。
…言葉は出なくても、動くことができなくても、皮肉なことに涙は出るのかと、やけに冷静に自分を呪った。
どうせ、紅司もまた一葉のことなど丁度いいおもちゃだと思っている。クラブに行って相手探しをしていたのだから、本命を作る気はないのだろう。
いい家柄の素敵なパートナーと結婚して、社会的な地位を築いてほしい。自分ははその横で、彼が幸せになる過程を支えられればいい。
当て馬なんてごめんだ。結婚したら用済みの、おもちゃになんてなりたくない。次捨てられたら今度こそ、一葉の心は壊れてしまう。
…紅司のためにも一葉のためにも、どちらにせよ自分たちは仕事だけの関係でいた方がいい。むしろこんなことが起こるなら、離れた方がいいくらいなのだ。
「んー、気絶しない程度の痛みって、どのくらいかな?」
彼が手を上げて、また殴られると思った。大きく加速度のついた平手は、触れていなくても一葉の背に大きな風圧を与えた。
…当たる。
衝撃を覚悟して目を瞑った。手が見えないから余計に、その瞬間が怖くて。
しかし、その手が一葉の背中を打つことはなかった。
代わりに車のドアが開き、ずるりと蘭の身体が外に引き摺り出された。
「ふざけるな。」
一葉の背後で低く雄々しい声が、大きな威圧を持って響く。
振り返らなくても、その声の主が誰なのかは明らかだった。
蘭は一葉の髪と同じ色の局部の茂みを無造作に掴み、そして身体が持ち上がりそうなほど強く引っ張ったのだ。
全てではないとはいえ体重の一部をその細い糸で支えたのだから、ぶち、と音を立て何本かがたやすく散って。
裸で、commandにより抵抗もできなくて、暴力まがいのプレイをされて。
…同じだ。
「ねえ一葉さん、やっぱり綺麗だけど、やっぱりついてると萎えるんだよね。
…切っていい?」
「い、いやっ… 」
どこから取り出したのか、鋭利なナイフが一葉の性器に近づけられる。
…いくら暴力を振るわれてもこんなことはされたことがなかったから、流石に恐怖で一葉はがたがたと震え始めた。
逃げたい。逃げられない。
「あははっ、嘘だよ!
震えちゃって、かわいいね。」
バカだなぁと、蘭が高い声でからからとわらった。そのまま無造作に腕を掴まれ、彼に尻を向ける体勢を取らされる。
相手は絶対に一葉のことなど考えてくれない。一葉は今まで一度だって…
…いや、一度だけ大切にされたことがあった。
どうしてこのタイミングで思い出すのかと、愚かな自分にため息が漏れる。
脳裏に浮かんだのは、紅司とのプレイ。彼はプレイ中、ずっと一葉のことを見ていた。
セーフワードも確認していたのに、大切にされていると感じることができて、もしかしたらセーフワードを拒んだのは、本能だけではなかったのかもしれない。
一葉の心もまた、本当は…
頬を生温かい液体が伝うのがわかった。
…言葉は出なくても、動くことができなくても、皮肉なことに涙は出るのかと、やけに冷静に自分を呪った。
どうせ、紅司もまた一葉のことなど丁度いいおもちゃだと思っている。クラブに行って相手探しをしていたのだから、本命を作る気はないのだろう。
いい家柄の素敵なパートナーと結婚して、社会的な地位を築いてほしい。自分ははその横で、彼が幸せになる過程を支えられればいい。
当て馬なんてごめんだ。結婚したら用済みの、おもちゃになんてなりたくない。次捨てられたら今度こそ、一葉の心は壊れてしまう。
…紅司のためにも一葉のためにも、どちらにせよ自分たちは仕事だけの関係でいた方がいい。むしろこんなことが起こるなら、離れた方がいいくらいなのだ。
「んー、気絶しない程度の痛みって、どのくらいかな?」
彼が手を上げて、また殴られると思った。大きく加速度のついた平手は、触れていなくても一葉の背に大きな風圧を与えた。
…当たる。
衝撃を覚悟して目を瞑った。手が見えないから余計に、その瞬間が怖くて。
しかし、その手が一葉の背中を打つことはなかった。
代わりに車のドアが開き、ずるりと蘭の身体が外に引き摺り出された。
「ふざけるな。」
一葉の背後で低く雄々しい声が、大きな威圧を持って響く。
振り返らなくても、その声の主が誰なのかは明らかだった。
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