87 / 92
第二部
猫の日ss
しおりを挟む
※ほぼノリと勢いで書いています。読み返しもしておりませんので、優しい心でお読みいただけると幸いです※
(静留side)
2月22日。
“静留君、誕生日だって知らなくて遅くなってごめんねー!絶対に2月22日に開けて東弥の前でだけ使ってね!”
以前谷津にそう言ってこっそり渡された荷物を、静留は丁寧に開けてみた。
中には黒いカチューシャや黒い布、マフラーにしては細い何か、そして触り心地の良い黒い手袋が入っている。
他はどうしていいのかよくわからないので、ひとまず手袋とカチューシャをつけ鏡を見た。
「…ねこさん!!」
鏡の中の自分を見て思わず声を上げる。
カチューシャには猫耳が、手袋にはピンク色の肉球がついていて、とても可愛らしい。
可愛い動物が好きな静留はそれを早く東弥に見せたくなり、ソファーで勉強をしていた東弥のもとへ駆け込んだ。
「東弥さん、見て!ねこさん!!」
静留を見た東弥は何故か一瞬固まり、持っていたペンをことんと落とした。
「…静留、それ、どうしたの…?」
その上何故か声がいつもより低い。
「えっと、ね、…谷津さんに、おたんじょうびにもらって、2月22日に東弥さんのまえでだけつかってねって…ごめんなさい…。」
何かしてしまっただろうかと静留が理由を説明し謝ると、東弥はなんとも形容し難い唖然とした表情で口を開いた。
「静留、こうやって右手を上にあげてみて。」
言いながら、東弥が右手を上げ手のひらを頬の横に持っていくような仕草をする。
「…こう…?」
「そう。そのまま、にゃあっていってみて。」
「…にゃあ…?…!?」
何がどうなっているのかわからないまま首を傾げてそれを発すると、突然身体を抱きしめられ、静留はぴくりと肩を跳ねさせた。
彼の反応がなにかいつもと違っておかしい。
もしかして、入っていたものを全部はつけていないせいだろうか。
「あのね、…他のはつけかたがよくわからなくて、つけられなかったの…。東弥さん、教えてくれる…?」
「…他の…?」
「うん。もってくるね!」
静留は自分の部屋から細長い何かとよくわからないてかてかした布を持ってきて、東弥に渡す。
それを見た東弥はまた一瞬固まり、長く息を吐いた後で静留に言った。
「…今のは静留が悪いよ。」
(静留side)
2月22日。
“静留君、誕生日だって知らなくて遅くなってごめんねー!絶対に2月22日に開けて東弥の前でだけ使ってね!”
以前谷津にそう言ってこっそり渡された荷物を、静留は丁寧に開けてみた。
中には黒いカチューシャや黒い布、マフラーにしては細い何か、そして触り心地の良い黒い手袋が入っている。
他はどうしていいのかよくわからないので、ひとまず手袋とカチューシャをつけ鏡を見た。
「…ねこさん!!」
鏡の中の自分を見て思わず声を上げる。
カチューシャには猫耳が、手袋にはピンク色の肉球がついていて、とても可愛らしい。
可愛い動物が好きな静留はそれを早く東弥に見せたくなり、ソファーで勉強をしていた東弥のもとへ駆け込んだ。
「東弥さん、見て!ねこさん!!」
静留を見た東弥は何故か一瞬固まり、持っていたペンをことんと落とした。
「…静留、それ、どうしたの…?」
その上何故か声がいつもより低い。
「えっと、ね、…谷津さんに、おたんじょうびにもらって、2月22日に東弥さんのまえでだけつかってねって…ごめんなさい…。」
何かしてしまっただろうかと静留が理由を説明し謝ると、東弥はなんとも形容し難い唖然とした表情で口を開いた。
「静留、こうやって右手を上にあげてみて。」
言いながら、東弥が右手を上げ手のひらを頬の横に持っていくような仕草をする。
「…こう…?」
「そう。そのまま、にゃあっていってみて。」
「…にゃあ…?…!?」
何がどうなっているのかわからないまま首を傾げてそれを発すると、突然身体を抱きしめられ、静留はぴくりと肩を跳ねさせた。
彼の反応がなにかいつもと違っておかしい。
もしかして、入っていたものを全部はつけていないせいだろうか。
「あのね、…他のはつけかたがよくわからなくて、つけられなかったの…。東弥さん、教えてくれる…?」
「…他の…?」
「うん。もってくるね!」
静留は自分の部屋から細長い何かとよくわからないてかてかした布を持ってきて、東弥に渡す。
それを見た東弥はまた一瞬固まり、長く息を吐いた後で静留に言った。
「…今のは静留が悪いよ。」
0
お気に入りに追加
274
あなたにおすすめの小説

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
うちの鬼上司が僕だけに甘い理由(わけ)
みづき(藤吉めぐみ)
BL
匠が勤める建築デザイン事務所には、洗練された見た目と完璧な仕事で社員誰もが憧れる一流デザイナーの克彦がいる。しかしとにかく仕事に厳しい姿に、陰で『鬼上司』と呼ばれていた。
そんな克彦が家に帰ると甘く変わることを知っているのは、同棲している恋人の匠だけだった。
けれどこの関係の始まりはお互いに惹かれ合って始めたものではない。
始めは甘やかされることが嬉しかったが、次第に自分の気持ちも克彦の気持ちも分からなくなり、この関係に不安を感じるようになる匠だが――

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
あなたの隣で初めての恋を知る
ななもりあや
BL
5歳のときバス事故で両親を失った四季。足に大怪我を負い車椅子での生活を余儀なくされる。しらさぎが丘養護施設で育ち、高校卒業後、施設を出て一人暮らしをはじめる。
その日暮らしの苦しい生活でも決して明るさを失わない四季。
そんなある日、突然の雷雨に身の危険を感じ、雨宿りするためにあるマンションの駐車場に避難する四季。そこで、運命の出会いをすることに。
一回りも年上の彼に一目惚れされ溺愛される四季。
初めての恋に戸惑いつつも四季は、やがて彼を愛するようになる。
表紙絵は絵師のkaworineさんに描いていただきました。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる