朝日に捧ぐセレナーデ 〜天使なSubの育て方〜

沈丁花

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第二部

猫の日ss

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※ほぼノリと勢いで書いています。読み返しもしておりませんので、優しい心でお読みいただけると幸いです※

(静留side)
2月22日。

“静留君、誕生日だって知らなくて遅くなってごめんねー!絶対に2月22日に開けて東弥の前でだけ使ってね!”

以前谷津にそう言ってこっそり渡された荷物を、静留は丁寧に開けてみた。

中には黒いカチューシャや黒い布、マフラーにしては細い何か、そして触り心地の良い黒い手袋が入っている。

他はどうしていいのかよくわからないので、ひとまず手袋とカチューシャをつけ鏡を見た。

「…ねこさん!!」

鏡の中の自分を見て思わず声を上げる。

カチューシャには猫耳が、手袋にはピンク色の肉球がついていて、とても可愛らしい。

可愛い動物が好きな静留はそれを早く東弥に見せたくなり、ソファーで勉強をしていた東弥のもとへ駆け込んだ。

「東弥さん、見て!ねこさん!!」

静留を見た東弥は何故か一瞬固まり、持っていたペンをことんと落とした。

「…静留、それ、どうしたの…?」

その上何故か声がいつもより低い。

「えっと、ね、…谷津さんに、おたんじょうびにもらって、2月22日に東弥さんのまえでだけつかってねって…ごめんなさい…。」

何かしてしまっただろうかと静留が理由を説明し謝ると、東弥はなんとも形容し難い唖然とした表情で口を開いた。

「静留、こうやって右手を上にあげてみて。」

言いながら、東弥が右手を上げ手のひらを頬の横に持っていくような仕草をする。

「…こう…?」

「そう。そのまま、にゃあっていってみて。」

「…にゃあ…?…!?」

何がどうなっているのかわからないまま首を傾げてそれを発すると、突然身体を抱きしめられ、静留はぴくりと肩を跳ねさせた。

彼の反応がなにかいつもと違っておかしい。

もしかして、入っていたものを全部はつけていないせいだろうか。

「あのね、…他のはつけかたがよくわからなくて、つけられなかったの…。東弥さん、教えてくれる…?」

「…他の…?」

「うん。もってくるね!」

静留は自分の部屋から細長い何かとよくわからないてかてかした布を持ってきて、東弥に渡す。

それを見た東弥はまた一瞬固まり、長く息を吐いた後で静留に言った。

「…今のは静留が悪いよ。」
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