37 / 92
第二部
※お泊まりと2度目の事件※②(静留side)
しおりを挟む
一日中離れたことは東弥と出会ってから一度もなかったので、我慢できるかと尋ねられた時は正直不安だった。
けれど東弥はとても苦しそうな表情でその話をしていて、それに静留を心配して谷津達と話までつけてくれて。
それが嬉しかったから、静留は悲しくなかった。
「静留くん、明楽、一緒にお菓子作りしない?」
谷津の家のソファに座りどうしていいのかわからず、ぬいぐるみを抱えながら固まっていると、真希が明るい声でそんなことを言った。
「えっ、うそうそ、マキちゃんのお菓子食べれんの!?」
谷津が楽しそうに声を上げる。
「手伝ってくれたらねー!」
「やるやる!!静留くんも手伝おう?楽しいよー!それにマキちゃんのお菓子、すごく美味しいんだよ。」
__おいしいおかし…。
それを聞いて、静留は脳裏に東弥の顔を浮かべる。
「東弥さんにもあげられる…?」
恐る恐る尋ねると、真希が口元を押さえてうっと唸った。“てんし”、と聞こえた気がしたが、方言か何かなのかもしれない。
「もちろん。上手にできたのを持って帰ろうね。静留君が作ったお菓子なんて言ったら、東弥君はもう大喜びよ。」
真希の言葉に、静留は目を輝かせた。
東弥が大喜びするだなんて、それはもうやるしかない。
「おてつだい、します。」
静留が言うと、真希は嬉しそうに笑んだ。
「やった!じゃあ私のエプロンを… 」
「俺とってきたよー!!」
「明楽ありがとうー!天才!!」
「えへへ、やった。」
エプロンを手に持ってきた谷津を抱きしめ、真希がよしよしと頭を撫でる。
谷津は幸せそうで、なんだか東弥と自分みたいだなと思った。
__東弥さん、元気かな…?
まだ新幹線の中にいるであろう彼は、どんな表情をしているのだろう。いつものように眼鏡をかけて難しそうな方を読んでいるのだろうか。
そんなことを考えながら静留は真希と谷津につられキッチンに向かった。
ちなみに静留はエプロンと三角巾を自分で付けられず、結局真希が全てつけてくれた。
「明楽、これ白っぽくなるまで混ぜて。こぼさないようにね。」
「はーい!わっ、結構硬い…。」
真希が計量した材料を入れたボウルと泡立て器を谷津に渡し、谷津はそれを受け取ると指示通りに泡立て器を動かし始める。
谷津が混ぜ初めてしばらくするとバターの香りがうっすら漂ってきて、その優しい香りに静留はぎゅっと目を細めた。
「静留君は、普段東弥君とお休みの日何をしてるの?」
ずっと手持ち無沙汰の静留に、真希が優しく問いかけてくる。
「えっと、お花にお水をあげたり、ピアノをひいたり。」
「そっか。東弥君は?」
「むずかしそうな本をよんだり、レポート?したり。」
静留は誰かと話すのが少し怖い。これはもともと他人と話し慣れていないからだ。しかし東弥の友人である谷津、真希、幹斗、由良たちとは少し話すことができるようになった。
全て東弥のおかげだと思うと、くすぐったいような気持ちになる。
しばらく話していると、谷津が息を切らせながら“できた!”と言って、真希にボウルの中を見せた。
「うん、これで大丈夫。よくできました。じゃあ次はこれを入れて…っと。静留君、混ぜてみる?」
「うん。」
先ほどのボウルの中に卵と砂糖を入れたものが静留に渡される。
真希は静留がこぼさないようにとボウルを支え、泡立て器もはじめは一緒に回してくれた。
「そうそう、上手。こんなもんかなー。このあとちょっと準備するから、明楽たちはちょっとソファーで休んでてね。」
「はーい!行こっ、静留君。」
谷津に手を引かれ、静留はソファーに誘導される。
そういえば前にもこの手に救われたな、と、ふと思い出し、彼の手を頼もしく感じた。
「普段どんなプレイしてんの?」
「えっと、ボールあそびしたり、おくちさわってもらったり…?」
真希が準備をしている間、ソファーの上で突然谷津に小声で尋ねられた。
彼が小声だったので、静留も自然と小声で答える。
「じゃあ夜のアレはどんなことしてんの?東弥上手いでしょ?」
今度はさらに声を小さくして耳打ちされた。
耳の近くで喋られたので、少しくすぐったい。
しかし谷津の言葉の意味がわからず、静留は首を傾げる。
「よるのアレ… 」
「ほら、…えっと、お互いに恥ずかしいとこ触り合ったり。」
__そ、そんなこと、聞くの??
静留は真っ赤になって口を押さえた。
けれど静留がそう思うだけで案外普通の会話内容なのかもしれない。
「おたがい…じゃなくて…、僕がさわってもらってるだけ…。」
真っ赤になりながら答えると、今度は谷津が、驚いたように大きく目を見開き口を押さえる。
「うそっ!!それじゃ東弥生殺しじゃん!」
「ころし…?東弥さん、死んじゃう!?」
「…うーんいずれ死ぬかも。我慢のしすぎで。」
あまりにもびっくりして、静留は涙目になった。
__東弥さんが僕のせいで死んじゃうなんて…
「…ど、どうしたら死なない?」
「…んー、静留君も東弥にしてあげればいいんじゃないかな?」
「あーきーらー…。」
いつの間にか声が大きくなっていたようで、話を聞きつけた真希がやってきて谷津のほっぺたを強く引っ張った。
「ひえっ…。俺何かした!?」
「静留君に何吹き込んでるの!!静留君、明楽が言ったことは気にしなくていいからね。」
にっこりと笑う真希の目が笑っていなくて、静留はさらに涙目になる。
しかも、気にしなくていい、と言われても気にしない方が無理だ。
静留がぐずぐずと泣いていると、静留のスマホの着信音が鳴った。
番号を知っているのは東弥だけだから、着いたという連絡だろう。
「東弥さん…。」
“どうしたの、静留。泣いてるの?なにかあった?”
電話の向こう側で、彼の声は慌てていた。
おそらく静留が涙声だったからだろう。
東弥に心配をかけてはいけないと思い、静留は涙を拭って、声を治すためにオレンジジュースを一口飲んだ。
「なにもない。東弥さんは?」
“ああ、こっちは無事着いたよ。本当に、何かあったら連絡してね。…あっ、ごめん、迎えが来ちゃった。じゃあまたね。”
「いってらっしゃい…。」
ぷつり、と電話を切ると、当たり前だが東弥の声は聞こえてこなくなる。
「じゃ、準備も終わったから、お菓子作り再開しよっか。」
寂しさや不安に浸る余裕はなく、静留は真希キッチンへと連れられた。
「こうやって、クッキーの型をぬくの。いろいろな形があるから、明楽も一緒にやってね。」
__まずは東弥さんにおいしいおかしを作ろう…。
静留は雑念を払うようにごくんと息を呑んでから、真希に渡されたクッキーの型をにぎったのだった。
けれど東弥はとても苦しそうな表情でその話をしていて、それに静留を心配して谷津達と話までつけてくれて。
それが嬉しかったから、静留は悲しくなかった。
「静留くん、明楽、一緒にお菓子作りしない?」
谷津の家のソファに座りどうしていいのかわからず、ぬいぐるみを抱えながら固まっていると、真希が明るい声でそんなことを言った。
「えっ、うそうそ、マキちゃんのお菓子食べれんの!?」
谷津が楽しそうに声を上げる。
「手伝ってくれたらねー!」
「やるやる!!静留くんも手伝おう?楽しいよー!それにマキちゃんのお菓子、すごく美味しいんだよ。」
__おいしいおかし…。
それを聞いて、静留は脳裏に東弥の顔を浮かべる。
「東弥さんにもあげられる…?」
恐る恐る尋ねると、真希が口元を押さえてうっと唸った。“てんし”、と聞こえた気がしたが、方言か何かなのかもしれない。
「もちろん。上手にできたのを持って帰ろうね。静留君が作ったお菓子なんて言ったら、東弥君はもう大喜びよ。」
真希の言葉に、静留は目を輝かせた。
東弥が大喜びするだなんて、それはもうやるしかない。
「おてつだい、します。」
静留が言うと、真希は嬉しそうに笑んだ。
「やった!じゃあ私のエプロンを… 」
「俺とってきたよー!!」
「明楽ありがとうー!天才!!」
「えへへ、やった。」
エプロンを手に持ってきた谷津を抱きしめ、真希がよしよしと頭を撫でる。
谷津は幸せそうで、なんだか東弥と自分みたいだなと思った。
__東弥さん、元気かな…?
まだ新幹線の中にいるであろう彼は、どんな表情をしているのだろう。いつものように眼鏡をかけて難しそうな方を読んでいるのだろうか。
そんなことを考えながら静留は真希と谷津につられキッチンに向かった。
ちなみに静留はエプロンと三角巾を自分で付けられず、結局真希が全てつけてくれた。
「明楽、これ白っぽくなるまで混ぜて。こぼさないようにね。」
「はーい!わっ、結構硬い…。」
真希が計量した材料を入れたボウルと泡立て器を谷津に渡し、谷津はそれを受け取ると指示通りに泡立て器を動かし始める。
谷津が混ぜ初めてしばらくするとバターの香りがうっすら漂ってきて、その優しい香りに静留はぎゅっと目を細めた。
「静留君は、普段東弥君とお休みの日何をしてるの?」
ずっと手持ち無沙汰の静留に、真希が優しく問いかけてくる。
「えっと、お花にお水をあげたり、ピアノをひいたり。」
「そっか。東弥君は?」
「むずかしそうな本をよんだり、レポート?したり。」
静留は誰かと話すのが少し怖い。これはもともと他人と話し慣れていないからだ。しかし東弥の友人である谷津、真希、幹斗、由良たちとは少し話すことができるようになった。
全て東弥のおかげだと思うと、くすぐったいような気持ちになる。
しばらく話していると、谷津が息を切らせながら“できた!”と言って、真希にボウルの中を見せた。
「うん、これで大丈夫。よくできました。じゃあ次はこれを入れて…っと。静留君、混ぜてみる?」
「うん。」
先ほどのボウルの中に卵と砂糖を入れたものが静留に渡される。
真希は静留がこぼさないようにとボウルを支え、泡立て器もはじめは一緒に回してくれた。
「そうそう、上手。こんなもんかなー。このあとちょっと準備するから、明楽たちはちょっとソファーで休んでてね。」
「はーい!行こっ、静留君。」
谷津に手を引かれ、静留はソファーに誘導される。
そういえば前にもこの手に救われたな、と、ふと思い出し、彼の手を頼もしく感じた。
「普段どんなプレイしてんの?」
「えっと、ボールあそびしたり、おくちさわってもらったり…?」
真希が準備をしている間、ソファーの上で突然谷津に小声で尋ねられた。
彼が小声だったので、静留も自然と小声で答える。
「じゃあ夜のアレはどんなことしてんの?東弥上手いでしょ?」
今度はさらに声を小さくして耳打ちされた。
耳の近くで喋られたので、少しくすぐったい。
しかし谷津の言葉の意味がわからず、静留は首を傾げる。
「よるのアレ… 」
「ほら、…えっと、お互いに恥ずかしいとこ触り合ったり。」
__そ、そんなこと、聞くの??
静留は真っ赤になって口を押さえた。
けれど静留がそう思うだけで案外普通の会話内容なのかもしれない。
「おたがい…じゃなくて…、僕がさわってもらってるだけ…。」
真っ赤になりながら答えると、今度は谷津が、驚いたように大きく目を見開き口を押さえる。
「うそっ!!それじゃ東弥生殺しじゃん!」
「ころし…?東弥さん、死んじゃう!?」
「…うーんいずれ死ぬかも。我慢のしすぎで。」
あまりにもびっくりして、静留は涙目になった。
__東弥さんが僕のせいで死んじゃうなんて…
「…ど、どうしたら死なない?」
「…んー、静留君も東弥にしてあげればいいんじゃないかな?」
「あーきーらー…。」
いつの間にか声が大きくなっていたようで、話を聞きつけた真希がやってきて谷津のほっぺたを強く引っ張った。
「ひえっ…。俺何かした!?」
「静留君に何吹き込んでるの!!静留君、明楽が言ったことは気にしなくていいからね。」
にっこりと笑う真希の目が笑っていなくて、静留はさらに涙目になる。
しかも、気にしなくていい、と言われても気にしない方が無理だ。
静留がぐずぐずと泣いていると、静留のスマホの着信音が鳴った。
番号を知っているのは東弥だけだから、着いたという連絡だろう。
「東弥さん…。」
“どうしたの、静留。泣いてるの?なにかあった?”
電話の向こう側で、彼の声は慌てていた。
おそらく静留が涙声だったからだろう。
東弥に心配をかけてはいけないと思い、静留は涙を拭って、声を治すためにオレンジジュースを一口飲んだ。
「なにもない。東弥さんは?」
“ああ、こっちは無事着いたよ。本当に、何かあったら連絡してね。…あっ、ごめん、迎えが来ちゃった。じゃあまたね。”
「いってらっしゃい…。」
ぷつり、と電話を切ると、当たり前だが東弥の声は聞こえてこなくなる。
「じゃ、準備も終わったから、お菓子作り再開しよっか。」
寂しさや不安に浸る余裕はなく、静留は真希キッチンへと連れられた。
「こうやって、クッキーの型をぬくの。いろいろな形があるから、明楽も一緒にやってね。」
__まずは東弥さんにおいしいおかしを作ろう…。
静留は雑念を払うようにごくんと息を呑んでから、真希に渡されたクッキーの型をにぎったのだった。
0
お気に入りに追加
274
あなたにおすすめの小説
【完結】相談する相手を、間違えました
ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。
自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・
***
執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。
ただ、それだけです。
***
他サイトにも、掲載しています。
てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。
***
エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。
ありがとうございました。
***
閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。
ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*)
***
2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。
平凡な俺が双子美形御曹司に溺愛されてます
ふくやまぴーす
BL
旧題:平凡な俺が双子美形御曹司に溺愛されてます〜利害一致の契約結婚じゃなかったの?〜
名前も見た目もザ・平凡な19歳佐藤翔はある日突然初対面の美形双子御曹司に「自分たちを助けると思って結婚して欲しい」と頼まれる。
愛のない形だけの結婚だと高を括ってOKしたら思ってたのと違う展開に…
「二人は別に俺のこと好きじゃないですよねっ?なんでいきなりこんなこと……!」
美形双子御曹司×健気、お人好し、ちょっぴり貧乏な愛され主人公のラブコメBLです。
🐶2024.2.15 アンダルシュノベルズ様より書籍発売🐶
応援していただいたみなさまのおかげです。
本当にありがとうございました!
Sweet☆Sweet~蜂蜜よりも甘い彼氏ができました
葉月めいこ
BL
紳士系ヤクザ×ツンデレ大学生の年の差ラブストーリー
最悪な展開からの運命的な出会い
年の瀬――あとひと月もすれば今年も終わる。
そんな時、新庄天希(しんじょうあまき)はなぜかヤクザの車に乗せられていた。
人生最悪の展開、と思ったけれど。
思いがけずに運命的な出会いをしました。
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!
お見合いから始まる冷徹社長からの甘い執愛 〜政略結婚なのに毎日熱烈に追いかけられてます〜
Adria
恋愛
仕事ばかりをしている娘の将来を案じた両親に泣かれて、うっかり頷いてしまった瑞希はお見合いに行かなければならなくなった。
渋々お見合いの席に行くと、そこにいたのは瑞希の勤め先の社長だった!?
合理的で無駄が嫌いという噂がある冷徹社長を前にして、瑞希は「冗談じゃない!」と、その場から逃亡――
だが、ひょんなことから彼に瑞希が自社の社員であることがバレてしまうと、彼は結婚前提の同棲を迫ってくる。
「君の未来をくれないか?」と求愛してくる彼の強引さに翻弄されながらも、瑞希は次第に溺れていき……
《エブリスタ、ムーン、ベリカフェにも投稿しています》
幸せの温度
本郷アキ
BL
※ラブ度高めです。直接的な表現もありますので、苦手な方はご注意ください。
まだ産まれたばかりの葉月を置いて、両親は天国の門を叩いた。
俺がしっかりしなきゃ──そう思っていた兄、睦月《むつき》17歳の前に表れたのは、両親の親友だという浅黄陽《あさぎよう》33歳。
陽は本当の家族のように接してくれるけれど、血の繋がりのない偽物の家族は終わりにしなければならない、だってずっと家族じゃいられないでしょ? そんなのただの言い訳。
俺にあんまり触らないで。
俺の気持ちに気付かないで。
……陽の手で触れられるとおかしくなってしまうから。
俺のこと好きでもないのに、どうしてあんなことをしたの? 少しずつ育っていった恋心は、告白前に失恋決定。
家事に育児に翻弄されながら、少しずつ家族の形が出来上がっていく。
そんな中、睦月をストーキングする男が現れて──!?
オメガ修道院〜破戒の繁殖城〜
トマトふぁ之助
BL
某国の最北端に位置する陸の孤島、エゼキエラ修道院。
そこは迫害を受けやすいオメガ性を持つ修道士を保護するための施設であった。修道士たちは互いに助け合いながら厳しい冬越えを行っていたが、ある夜の訪問者によってその平穏な生活は終焉を迎える。
聖なる家で嬲られる哀れな修道士たち。アルファ性の兵士のみで構成された王家の私設部隊が逃げ場のない極寒の城を蹂躙し尽くしていく。その裏に棲まうものの正体とは。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる