6 / 6
理事長は狸
しおりを挟む
「失礼します。理事長、転入生のことで報告があります。」
「え?なに?早速あの子問題起こしてくれた?」
やっぱり。彼が問題児だと知っていて転入を許可したのか。
「はい。今日は意味の分からない言葉を話し続け、正当防衛とはいえ生徒をぶん投げて壁を壊しました。風紀が過労死したら、どうしてくれるんですか?」
「あっははは。やっぱり期待通りだわ~、あの子。」
理事長は僕の報告に、とても嬉しそうに相槌を打っている。
地獄に堕ちてほしい。
「あの子、一応あの子の叔父なんだよねー。あの子の母親からこの学園に入れて欲しいとか言われたけど、面白いことになったわー。」
「あの子、転入試験受けてないですよね?それか受けたけど、合格はしていないのどちらかでしょう?」
この学校には入学試験と転入試験がある。入学試験よりも転入試験の方が難しいと言われていて、毬藻くんに出来るとは思えなかった。
「そうだよ。彼ねー、全部一桁代だったんだよねー。テストの点数。」
不合格ということが真実だとしても、簡単に教えないで欲しい。
一桁代ってヤバくないか?どんなに頭悪くても真面目に頑張れば40点はいけると思うんだけど。
転入試験は基本問題は解けて当たり前で応用問題で勝負がつく問題だからね。
「これ以上、問題を起こすようでしたら風紀が対応するので。」
「あれっ。やっぱり、あの子嫌いになったんだねー。」
「私情で判断なんてしませんよ。彼を野放しにするのは危ないと思ったので。」
「嘘つけ~。いつもは、もうちょっと様子を見ますとか言うのにさー。」
僕は今までも問題児がいても、とりあえず様子見ということをしてきた。
問題児にも事情や原因など色々あると思うから。
でも毬藻くんは問題児とは少し違う気がする。僕の勘がもっと面倒くさいことを起こすと言っている。
彼がこれ以上問題を作り続けるのだったら、僕だって容赦はしない。
「でも毬藻、期末試験大丈夫なのか?この学園、かなり難しい問題が出ると思うんだけど、転入試験も合格してなかったら赤点なんじゃね?」
今まで静観を務めてきた蓮が疑問を口にした。
「そこらへんは上手く隠しておくように彼の母親から言われてるー。」
「彼の母親も、かなり頭おかしくないですか?子供は親に似るんですね、やっぱり。」
「まぁ、この学園って一応名門だから就職とかが楽になるからね。毬藻くんの母親はそれも狙ってるんだろうね。」
「なるほどね。」
「とにかく、僕は手出しはしないよ。」
つまり毬藻くんを援護もしないし、風紀に味方するわけではないと言うこと。本当にこの人、理事長なのかな?
「構いませんよ。ですが彼がこれ以上、問題を起こさないことを願っていますね。風紀が手を出す前に。」
「え?なに?早速あの子問題起こしてくれた?」
やっぱり。彼が問題児だと知っていて転入を許可したのか。
「はい。今日は意味の分からない言葉を話し続け、正当防衛とはいえ生徒をぶん投げて壁を壊しました。風紀が過労死したら、どうしてくれるんですか?」
「あっははは。やっぱり期待通りだわ~、あの子。」
理事長は僕の報告に、とても嬉しそうに相槌を打っている。
地獄に堕ちてほしい。
「あの子、一応あの子の叔父なんだよねー。あの子の母親からこの学園に入れて欲しいとか言われたけど、面白いことになったわー。」
「あの子、転入試験受けてないですよね?それか受けたけど、合格はしていないのどちらかでしょう?」
この学校には入学試験と転入試験がある。入学試験よりも転入試験の方が難しいと言われていて、毬藻くんに出来るとは思えなかった。
「そうだよ。彼ねー、全部一桁代だったんだよねー。テストの点数。」
不合格ということが真実だとしても、簡単に教えないで欲しい。
一桁代ってヤバくないか?どんなに頭悪くても真面目に頑張れば40点はいけると思うんだけど。
転入試験は基本問題は解けて当たり前で応用問題で勝負がつく問題だからね。
「これ以上、問題を起こすようでしたら風紀が対応するので。」
「あれっ。やっぱり、あの子嫌いになったんだねー。」
「私情で判断なんてしませんよ。彼を野放しにするのは危ないと思ったので。」
「嘘つけ~。いつもは、もうちょっと様子を見ますとか言うのにさー。」
僕は今までも問題児がいても、とりあえず様子見ということをしてきた。
問題児にも事情や原因など色々あると思うから。
でも毬藻くんは問題児とは少し違う気がする。僕の勘がもっと面倒くさいことを起こすと言っている。
彼がこれ以上問題を作り続けるのだったら、僕だって容赦はしない。
「でも毬藻、期末試験大丈夫なのか?この学園、かなり難しい問題が出ると思うんだけど、転入試験も合格してなかったら赤点なんじゃね?」
今まで静観を務めてきた蓮が疑問を口にした。
「そこらへんは上手く隠しておくように彼の母親から言われてるー。」
「彼の母親も、かなり頭おかしくないですか?子供は親に似るんですね、やっぱり。」
「まぁ、この学園って一応名門だから就職とかが楽になるからね。毬藻くんの母親はそれも狙ってるんだろうね。」
「なるほどね。」
「とにかく、僕は手出しはしないよ。」
つまり毬藻くんを援護もしないし、風紀に味方するわけではないと言うこと。本当にこの人、理事長なのかな?
「構いませんよ。ですが彼がこれ以上、問題を起こさないことを願っていますね。風紀が手を出す前に。」
0
お気に入りに追加
21
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。
かーにゅ
BL
「君は死にました」
「…はい?」
「死にました。テンプレのトラックばーんで死にました」
「…てんぷれ」
「てことで転生させます」
「どこも『てことで』じゃないと思います。…誰ですか」
BLは軽い…と思います。というかあんまりわかんないので年齢制限のどこまで攻めるか…。
言い逃げしたら5年後捕まった件について。
なるせ
BL
「ずっと、好きだよ。」
…長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。
もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。
ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。
そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…
なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!?
ーーーーー
美形×平凡っていいですよね、、、、
親衛隊総隊長殿は今日も大忙しっ!
慎
BL
人は山の奥深くに存在する閉鎖的な彼の学園を――‥
『‡Arcanalia‡-ア ル カ ナ リ ア-』と呼ぶ。
人里からも離れ、街からも遠く離れた閉鎖的全寮制の男子校。その一部のノーマルを除いたほとんどの者が教師も生徒も関係なく、同性愛者。バイなどが多い。
そんな学園だが、幼等部から大学部まであるこの学園を卒業すれば安定した未来が約束されている――。そう、この学園は大企業の御曹司や金持ちの坊ちゃんを教育する学園である。しかし、それが仇となり‥
権力を振りかざす者もまた多い。生徒や教師から崇拝されている美形集団、生徒会。しかし、今回の主人公は――‥
彼らの親衛隊である親衛隊総隊長、小柳 千春(コヤナギ チハル)。彼の話である。
――…さてさて、本題はここからである。‡Arcanalia‡学園には他校にはない珍しい校則がいくつかある。その中でも重要な三大原則の一つが、
『耳鳴りすれば来た道引き返せ』
モブらしいので目立たないよう逃げ続けます
餅粉
BL
ある日目覚めると見慣れた天井に違和感を覚えた。そしてどうやら僕ばモブという存存在らしい。多分僕には前世の記憶らしきものがあると思う。
まぁ、モブはモブらしく目立たないようにしよう。
モブというものはあまりわからないがでも目立っていい存在ではないということだけはわかる。そう、目立たぬよう……目立たぬよう………。
「アルウィン、君が好きだ」
「え、お断りします」
「……王子命令だ、私と付き合えアルウィン」
目立たぬように過ごすつもりが何故か第二王子に執着されています。
ざまぁ要素あるかも………しれませんね
和泉くんの受難
慎
BL
『こっちへおいで…』
翁のお面を付けた和服の青年に手を引かれ、少年はその手を掴んだ。
――――――――‥
――‥
「…ってことで、和泉くんにはそろそろ うちの学園に入ってもらいたいんですがねぇ」
「え、無理」
首を傾げる翁お面の青年に顔をしかめる。
「だって、俺は…」
遠い昔、人間であったことを捨てた少年は静かに溜め息ついた-
真冬の痛悔
白鳩 唯斗
BL
闇を抱えた王道学園の生徒会長、東雲真冬は、完璧王子と呼ばれ、真面目に日々を送っていた。
ある日、王道転校生が訪れ、真冬の生活は狂っていく。
主人公嫌われでも無ければ、生徒会に裏切られる様な話でもありません。
むしろその逆と言いますか·····逆王道?的な感じです。
風紀“副”委員長はギリギリモブです
柚実
BL
名家の子息ばかりが集まる全寮制の男子校、鳳凰学園。
俺、佐倉伊織はその学園で風紀“副”委員長をしている。
そう、“副”だ。あくまでも“副”。
だから、ここが王道学園だろうがなんだろうが俺はモブでしかない────はずなのに!
BL王道学園に入ってしまった男子高校生がモブであろうとしているのに、主要キャラ達から逃げられない話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる