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一章〜ギルド設立を目指して〜

二十八話 ギルド設立

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「……」

「静かね今日は」

「そりゃだってーーアリアータは病院。『聖杯戦争』は開戦確定ーー静かになるって」

「そうなのですよ」

「まあね……」

 昨日のバトルロイヤル後、私達はずっとこんな感じで静かに時間を過ごしていた。
 マスターは相変わらず、何も言わず普通にグラスを拭いているだけ。
 アリアータは骨折で病院へ、『クイーン』リーダーのアルラーネとアルバータは脱退し依頼を引き受ける万事屋へと転職。

 私達の中では、勝利に喜ぶ以前に人の人生を変えてしまった結末を罪悪感へと勝手に変えてしまい、気持ちが沈む沈む。
 誰かがこの空気を打破しなければ、ギルド設立の話に移ることは不可能だ。

「……どうしよう…………」

「なーに落ち込んでのよ、リリー」

「……え、あんた! 何此処来てんのよ!?」

 私のぼやきに応えたのは、まさかのアリアータだった。
 一応は骨折のみで済んだアリアータだったが、それでも完治まで入院が必要とされた。
 そのアリアータが、今此処にーー現れた。
 それも、アルラーネに肩を借りて。

 アルラーネはアリアータと入ってくると、頬を少し赤らめながら私に向かって微笑んだ。
 その後ろからは、恥ずかしそうに顔だけを出すアルバータ。
 この姉妹は基本強気だが可愛い一面を持っているただの女の子でもある。

「アリアータが、連れ出してくれと依頼してきてな。だから連れ出した。私達は万事屋だ、何でも依頼されればやる」

「それにしても……アルバータ、止めなさいよ」

「お姉様がやると決めれば私もやるだけです。それに、リリーに会えると言われたので」

「……此処はキャバクラだったかしら、マスター?」

「さあーー明日からキャバクラかも、しれないね」

 一人で笑うマスターだが、私達三人は誰一人として笑えなかった。

「で、ギルド設立の申請は?」

「あんたが居ないとできないから、とりあえず退院まで待ってることにしたけどーーにしても、その前によ。色々と重くて」

「ーー『聖杯戦争』だろ? それなら心配いらない。戦場に放り出してすぐ死ぬような雑魚を選んであのローズが指名するはずがない。それに、まだ時はある。つまり、その間に私達が世界に通用するだけの才能があると言うことだーーまあ、気負いはしないで良い」

「いや、するわよ……」

 アルラーネがアリアータを椅子に座らせながら、そうは言ってくれるものの、しかし、私としてはその時がいつ来るか分からないので素直に喜べない。
 シュートも同じように、昼間からラガーを飲みながら上の空で悩み事をしている顔で天井を見つめている。

 私が後ろを振り向くと、横目でシュートが見てくる。
 シュートはため息を吐くと、空のジョッキをマスターに返し後ろから凭れ掛かってくる。

「……気持ちわりい……」

「飲み過ぎよ。でシュート、どうする? ギルド設立しておく?」

「それが一番じゃねーか? ああ……吐きそう。リリー、俺が吐いたら厠へ頼む……」

「その前に私の着替えが先よ! もう、使えないわね、この男は」

「アッハハハハッ! 仲良いな二人は。付き合ってでもいるのか?」

「「ーーはあ!?」」

 私とシュートは同時に立ち上がり、アルラーネに詰め寄る。
 アルラーネが顔を引き攣らせながら、「じょ、冗談だ」と身を引いた。

「付き合っていないのだな」

「何よ、付き合っていた方が良かった? それならごめんなさいね~私この男と付き合うのは無理無理。だってチャランポランだから」

「ああ? お前よく言うぜ、抱きしめたろかお前」

「やってみなさいよ! それで私が動じるとでも?」

「……どうだ?」

「……べ、別に」

 シュートに抱きしめられて、実は胸がドキッとしたが認めない私。
 私はシュートを引き離すと、アルバータと影縫が射殺すような視線を向けてきている。

 ーーあれ、一人増えてる?

 そう、影縫が気づいたら増えていた。
 影縫が天井から降りてきて、スタッと着地するとすぐに私に飛びついてきて、シュートから遠ざけてきた。

「何してるのよ」

「リリー殿! 獣に食われますぞ!」

「あんたが獣よ、目付き何とかしてなさい」

「そうですリリー。ここには獣が二人いますーー今すぐこの場から離脱しましょう」

 もう突っ込むのが大変になって、何も言わない。
 この場には、獣が三人いるのだがーー。
 まあ、この三人が喧嘩してくたばってくれれば、静かに話ができるというもの。

 ほっておくが先決である。
 私が影縫から逃げ出すと、ネネが盾になってくれてカウンターに腰を下ろした。
 マスターがスッと飲み物を適当に出してくれて、それを片手に話を戻すことにする。

「で、ギルド設立だけどーー」

「おお、集まっているな。影縫、リリー殿の近くから獣臭がとか言っていたがお前が一番獣だぞ」

「厚成……あんた達は私に話をさせないつもり?」

「そんなことないない!」

「黙りなさい睡蓮。もう、白煉なんとかしなさいよ」

「無理だな。てかおい小娘、お前ピンピンしてるけど吐血してたじゃねーか。治ってんのか?」

「……どっかの魔道士が治してくれたわ。それより、出てきなさいーーガリレオ」

 厚成、睡蓮、白煉の後ろに、まだ一人分人影があり、名前を当てずっぽうで読んでみると、


「……リリー、来たよ。大丈夫?」


 睡蓮の後ろから金髪を揺らして、ガリレオが顔を見せた。
 私と似ているガリレオーー実は昨日のバトルロイヤル以後、私達が双子なのではとそんな噂が流れているとかいないとか。

「大丈夫よ妹」

「私が姉! 冒険者として」

「身長は小さいーーあたっ!」

 ガリレオの袖から100トンハンマーが飛んできて、頭に当たった。

「お前も小さいだろちびが」

「五月蝿いわね……シュート。やっぱりあんたと付き合うとかないわー」

「「私達がいる限り、付き合わせないです(ぞ)!」」

「チッ……!」

「まあまあシュート。おい、面貸せよ良いこと教えてやらあ」

「……んだよ白煉」

「まあ、いいから」

 ネネと、馬鹿二人に守られる私の目の前で、シュートが白煉に連れ出される。
 私の口がどんどん尖る。
 
「ーーこれで面子は揃ったな」

「……は?」

「面子だ。私が誘った面子は全部揃っている」

「いや、意味がーー」

 突然アルラーネが面子と言うので、私が首を傾げるとみんな一斉に、それは本当に突然にーー。
 クラッカーを出して鳴らしてきた。
 私、ネネ、アリアータがびっくりして固まると、マスターが咳払いした。

「ではこれより、ギルド設立を私が勝手にしたことでこうなりましたギルド設立記念とこれまた勝手に称して、パーティーを開きます」

「……マスター?」

「良いんだよ。これは君達が頑張ったから、私がしてあげられる最高の褒美だ。ギルド設立は、私が勝手にしておいたーーそしてギルド名はーーーー」


 ーー『ドリーマー』だ。


 ギルド名を勝手に決めたマスターの発表に、みんなが手を叩いて笑う。

「最高だな! 夢ってお似合いだ!」

「良い名前ねリリー! ドリーマー……ププッ! いつまでも夢を追い掛け続けないとね」

「……あんた達ねえ。まあ、でも、良いんじゃない?」

「だーな。おら、お前も夢掴んどけ今」

「ーーうおっと! おい、押すなよ白煉」

 ギルド名の発表後、やっと戻ってきたシュートと白煉は仲良くじゃれ合う。
 背中を押され、私の前にふらつきながら来たシュートは、恥ずかしそうに頬を掻くと、


「……やるよ、これ」


 そう言って、幾らするのか予想もできないほどに大きなダイヤの付いた純プラチナ製のネックレスを見せてきた。
 私は言葉を失う。口が開かなくなり、シュートの顔とネックレスを交互に見る。

「付き合うとかそんなのどうでも良いけど……俺の気持ちだ、一緒にいてくれ」

「……あんたが、私にこれを?」

「以外だろうよ……高かったんぞこれ。うん百万ギルはしてる…………付けてやるから後ろ向け」

「あ、え……うん」

 私は言われるがままに後ろを向き、シュートがネックレスを付けてくれた。
 以外だったーー本当に驚きだった。
 シュートがまさか、私を好きだったなんて言うことが。
 まさかーーだった。

「似合ってるぜ」

「……五月蝿いわね。じゃあ、わたしもあげるわよ、目を閉じなさいアホ」

「馬鹿って今日は言わねーのな。ほらよ」

 シュートは私の指示通り目を閉じる。
 顔を近づけ、そしてーー。

「良いわよ」

「……ん? 何だこれ!」

「ハハハハッ! 私からの気持ちよばーか!」

「て! テメェ……!」

 私はシュートの頬に魔法陣をタトゥーみたく付けてやった。
 その魔法陣は、親愛の証と呼ばれる告白に応える意味を持った物。
 シュートは何を期待していたのか(大体分かっている)、ため息を吐いたが「まあ、いっか!」と言って私を抱き上げた。

「ギルド設立ーー始まるぜリリー!」

「ーーええ、そうねっ! みんなーーやるわよお!」

「おおー!」

「お、おおーですよ?」

「どうしたのネネ?」

 やけにネネの声が小さくて、みんながカウンターに目をやるとそこでは、

「……ウゥ………」

「あっ……」

 ネネを膝に乗せて、抱きしめているアリアータの姿があった。
 ネネの顔が真っ赤で、今にも噴火しそうな火山見たく湯気も上げている。

「はあ~ん」

「アリアータは昔から、可愛い小さな女の子が好きだからなーーそこが先にくっついてたか」

「ニャッ! アータン離すでよおお!」

「アータンと呼んでるですぞ……ププッ!」

「アータンね……傑作傑作!」

 アリアータをアータンと呼ぶネネを、影縫とガリレオが笑う。

「まあまあ。さあ、今日は私とマスターの奢りだ全員好きなだけ飲んで食べて騒げ! 明日のことは気にするな、私達は冒険者ーー好きなことだけして生きていけばいいっ!」

 アルラーネが、手を叩きながら完全に仕切る。

「良いの、そんなことして?」

「ああ、良いんだよ。昨日の敵は今日の親友……みんな、私のことを理解してくれた。そして受け入れてくれて嬉しんだ……だから、これくらいさせてくれリリー」

「親友ねえ……。本当は可愛い妹二号のためが半分以上でしょ?」

「馬鹿言うなっ! ーーお前も飲めリリー!」

「未成年よ私はああああ! やめーー苦ああああ!」

 アルラーネに無理矢理ラガーを飲まされ、私はシュートの足元にそれを吐いた。
 
「おいお前! そんなの見せるな! 見せられたら……うええええ!」

「ああああ! 馬鹿! 何吐いてーーうええええ!」

 私とシュートは二人で吐き続ける。
 そう、これが私達のギルド設立初日のーー良いのか悪いのか分からない変な記念日となった。
 
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