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一章〜ギルド設立を目指して〜
十二話 冒険者適正⑦(終)
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ネネのニャンドレインは、私達にまで降り掛かった。
微粒の電磁波ーーそれは、無風の場所では霧雨のようにひらひらと落ちていく。
質が悪いのは、雨と違って見えないことだった。
ニャンドレインされて、無事に立っていたのは私一人。
シュートとアリアータは、見事なまでに撃沈した。
精気を吸い取られる即ち、魔力を奪い取られる。
魔力がギリギリのラインで残っただけのシュートとアリアータは、地面に他の大勢の冒険者達と同様に倒れ込み、
「気持ちが悪いわあ……」
「やっべえ。二日酔いの次の日みたいだぜ……」
などと、顔を青くして二日酔いのおっさんと化している。
無事に私が立っていられるのは、魔力をどれだけ吸われても溢れてくるからであり、ニャンドレインーー正式名称エナジードレインは、吸い取れる精気に限度ある。
つまり私の魔力が吸い切られる前に、ネネに限界が来ていた。
「ネネ、帰るわよー。試験も終わりよー」
「は、はいなのですよー」
ネネは崖の上から手だけ見せて返事して、降りてきた。
許容範囲のギリギリでドレインを止めたらしい。
普通に会話ができ、フラついてもいない。
「ほら、二人も帰るわよー」
「う、うす」
「ああ……気持ち悪い……」
二人は舌を出し、手をぶらぶらさせながらも立ち上がった。
私達の他に立っている者はいない。
フラッグを奪われる危険性はなしの中、監視官の元へと私達は戻る。
さて、フラッグと仮病人を二人連れて戻っている訳なのだけどもーー。
一向に、いつになっても広場に出れない。
いやーー出れないのではなく、同じ道をループしている気がする。
「ねえ」
「ああ、ドレインされて気分が悪いせいではないらしいなあ……」
「そうみたいね……何よ、これ」
「空間認識……猫の目………………ここ一体が、無限にコピーされているですよ? それを繋ぎ合わせて、無限地獄……的なですよ」
「誰の仕業よーー最後の試験とか?」
私が笑ってみせると、シュートが、
「笑えるぜそれ」
と、やっと気分が戻ったのか剣柄を握って構えた。
まあ、最後の試験と言うのなら、本当に良い笑い話だけどもーー。
「でもこれ、魔力が異常な者じゃないと作ることのできない、幻影魔法よ? ーー嫌な気がするんだけど」
こっちも気分が戻ったようだ。
アリアータは首を回して、骨を何回か鳴らしてからーー現状況を瞬時に理解した。
理解していようが、してまいが、実際問題それは関係ないことでーー。
理解したからといって、この状況を打破できることはない。
何故ならーーこの幻影魔法はーー。
「ーーへえ。今年の冒険者適正試験で、ドンパチ起してた奴らがこれかあ。ケッケッ! 良いじゃねーか、なかなかの面構えだぜ」
「失礼ーー私達は、ギルド『ローズ』です。この馬鹿者が騒ぎ、幻影魔法などーー謝罪しかできませぬ。しかし、これも謝罪しかできぬことでありますがーー失礼承知で言わせていただきます。あなた達ーーどんぱち起こして一番になるほど、強くはなさそうですね」
そう、この高度な幻影魔法はーーこの二人によるものだ。
放つオーラが段違いーー化物にしか、思えない。
圧迫感で全身がつぶれそうになる。
「ーーお前らがこれしでかしてくれたのか? まあ、良いやーーぶった斬ってやらあ!」
「ーーフン! 弱いやつに興味ねーよ!! お前らの面見て、どうすっか決めるつもりだったけどーーああ、殺してやっかああああ! ドラゴントルネード!!」
突如、幻影魔法の中から霧のように現れた青髪の男は、シュートの剣をひらりと避けると、背中に備えた二本の双剣を抜いて龍ーーいや、風が龍に化けたそれは竜巻ーー。
風魔法で一番簡単とされるトルネードに、ドラゴンの力を混ぜた一撃が直撃する。
シュートが私達の前に、吹き飛んできては転げる。
「……なんだあいつ!?」
「俺か? 俺はベルク! 世界で十本の指に入る双剣使いーー双龍のベルクだあ!」
「「……なに!? 双龍のベルク!?」」
シュートとアリアータの目が開いて閉じなくなる。
ベルクーー双龍のベルクーー? 聞いたことあるような、ないようなーー。
私は脳を回転させて冒険者の有名人から名前を引っ張りだして来る。
すると、すぐにベルクの名は見つかった。
龍が巻きついた柄の双剣を持ち、そしてベルク自身が龍を身に宿すーー。
化物の中の化物……。
魔法適正値7000オーバーの上に、剣の腕前は世界で十本の指に入るほどの達人。
今私達の目の前には、化物が一人立っている。いや、良く考えれば、ギルド『ローズ』は聞いたことがありその中で唯一女のその人こそがギルド名のローズ。
マリネット・ローズーー。
ギルドを率いるリーダーでありながら、戦争において最前線で指揮を取り、右手に持つ扇一つで駆け巡りーー勝利へ導いた英雄。
ギルド『ローズ』は、世界三大ギルドの一つ。そして生まれたのはこの国ーーバルテン王国で。
「何故……あなた達が」
「ウッフフ。ただの、野次馬ですよーーでは、これで失礼」
「ま、待って! 私と一勝負してーー」
「今のあなたではーー私の足を舐めることも不可能です。またの機会にでもーーでは、また会えることをーー」
ローズは扇で口を隠しながら、微笑んだ。
そして霧のように消えていった。
二人が消えると、森に砂嵐が走り、収まるとそこは既に広場だった。
私達は、冒険者適正試験最後に、格の違う大物に最強の実力を思い知らされたのだった。
それがどれだけ、私の冒険者魂を震わせたかはーー誰も知らはい。
微粒の電磁波ーーそれは、無風の場所では霧雨のようにひらひらと落ちていく。
質が悪いのは、雨と違って見えないことだった。
ニャンドレインされて、無事に立っていたのは私一人。
シュートとアリアータは、見事なまでに撃沈した。
精気を吸い取られる即ち、魔力を奪い取られる。
魔力がギリギリのラインで残っただけのシュートとアリアータは、地面に他の大勢の冒険者達と同様に倒れ込み、
「気持ちが悪いわあ……」
「やっべえ。二日酔いの次の日みたいだぜ……」
などと、顔を青くして二日酔いのおっさんと化している。
無事に私が立っていられるのは、魔力をどれだけ吸われても溢れてくるからであり、ニャンドレインーー正式名称エナジードレインは、吸い取れる精気に限度ある。
つまり私の魔力が吸い切られる前に、ネネに限界が来ていた。
「ネネ、帰るわよー。試験も終わりよー」
「は、はいなのですよー」
ネネは崖の上から手だけ見せて返事して、降りてきた。
許容範囲のギリギリでドレインを止めたらしい。
普通に会話ができ、フラついてもいない。
「ほら、二人も帰るわよー」
「う、うす」
「ああ……気持ち悪い……」
二人は舌を出し、手をぶらぶらさせながらも立ち上がった。
私達の他に立っている者はいない。
フラッグを奪われる危険性はなしの中、監視官の元へと私達は戻る。
さて、フラッグと仮病人を二人連れて戻っている訳なのだけどもーー。
一向に、いつになっても広場に出れない。
いやーー出れないのではなく、同じ道をループしている気がする。
「ねえ」
「ああ、ドレインされて気分が悪いせいではないらしいなあ……」
「そうみたいね……何よ、これ」
「空間認識……猫の目………………ここ一体が、無限にコピーされているですよ? それを繋ぎ合わせて、無限地獄……的なですよ」
「誰の仕業よーー最後の試験とか?」
私が笑ってみせると、シュートが、
「笑えるぜそれ」
と、やっと気分が戻ったのか剣柄を握って構えた。
まあ、最後の試験と言うのなら、本当に良い笑い話だけどもーー。
「でもこれ、魔力が異常な者じゃないと作ることのできない、幻影魔法よ? ーー嫌な気がするんだけど」
こっちも気分が戻ったようだ。
アリアータは首を回して、骨を何回か鳴らしてからーー現状況を瞬時に理解した。
理解していようが、してまいが、実際問題それは関係ないことでーー。
理解したからといって、この状況を打破できることはない。
何故ならーーこの幻影魔法はーー。
「ーーへえ。今年の冒険者適正試験で、ドンパチ起してた奴らがこれかあ。ケッケッ! 良いじゃねーか、なかなかの面構えだぜ」
「失礼ーー私達は、ギルド『ローズ』です。この馬鹿者が騒ぎ、幻影魔法などーー謝罪しかできませぬ。しかし、これも謝罪しかできぬことでありますがーー失礼承知で言わせていただきます。あなた達ーーどんぱち起こして一番になるほど、強くはなさそうですね」
そう、この高度な幻影魔法はーーこの二人によるものだ。
放つオーラが段違いーー化物にしか、思えない。
圧迫感で全身がつぶれそうになる。
「ーーお前らがこれしでかしてくれたのか? まあ、良いやーーぶった斬ってやらあ!」
「ーーフン! 弱いやつに興味ねーよ!! お前らの面見て、どうすっか決めるつもりだったけどーーああ、殺してやっかああああ! ドラゴントルネード!!」
突如、幻影魔法の中から霧のように現れた青髪の男は、シュートの剣をひらりと避けると、背中に備えた二本の双剣を抜いて龍ーーいや、風が龍に化けたそれは竜巻ーー。
風魔法で一番簡単とされるトルネードに、ドラゴンの力を混ぜた一撃が直撃する。
シュートが私達の前に、吹き飛んできては転げる。
「……なんだあいつ!?」
「俺か? 俺はベルク! 世界で十本の指に入る双剣使いーー双龍のベルクだあ!」
「「……なに!? 双龍のベルク!?」」
シュートとアリアータの目が開いて閉じなくなる。
ベルクーー双龍のベルクーー? 聞いたことあるような、ないようなーー。
私は脳を回転させて冒険者の有名人から名前を引っ張りだして来る。
すると、すぐにベルクの名は見つかった。
龍が巻きついた柄の双剣を持ち、そしてベルク自身が龍を身に宿すーー。
化物の中の化物……。
魔法適正値7000オーバーの上に、剣の腕前は世界で十本の指に入るほどの達人。
今私達の目の前には、化物が一人立っている。いや、良く考えれば、ギルド『ローズ』は聞いたことがありその中で唯一女のその人こそがギルド名のローズ。
マリネット・ローズーー。
ギルドを率いるリーダーでありながら、戦争において最前線で指揮を取り、右手に持つ扇一つで駆け巡りーー勝利へ導いた英雄。
ギルド『ローズ』は、世界三大ギルドの一つ。そして生まれたのはこの国ーーバルテン王国で。
「何故……あなた達が」
「ウッフフ。ただの、野次馬ですよーーでは、これで失礼」
「ま、待って! 私と一勝負してーー」
「今のあなたではーー私の足を舐めることも不可能です。またの機会にでもーーでは、また会えることをーー」
ローズは扇で口を隠しながら、微笑んだ。
そして霧のように消えていった。
二人が消えると、森に砂嵐が走り、収まるとそこは既に広場だった。
私達は、冒険者適正試験最後に、格の違う大物に最強の実力を思い知らされたのだった。
それがどれだけ、私の冒険者魂を震わせたかはーー誰も知らはい。
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