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2部
チョコレートパーティー
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久しぶりに街に出た私とヘルは、お菓子作りに必要なものを買いにきました。
クッキーを作ろうと思ったけど……テトがあんまり好きじゃないみたいで。
「じゃあ生チョコ作ろうよ! お母さん!」
と、完璧な娘ヘルの要望通りにチョコレートに牛乳に……と。
冷蔵庫に沢山あったはずなのになぜかすぐに牛乳が無くなっててビックリだった。
ショッピングモールに行けたらもう少し安くで帰るのだけど、テトがいないと遠くて行けない。
「お母さん! お父さんはブラックコーヒーが好きだからブラックチョコレートにしない?」
「よく知ってたねヘル! えらいえらい!」
「ブラックチョコレート5枚ね! はい、お釣りだよ!」
本当に、とても周りを見ているいい娘です。
私がそのおかげで色々と楽できて……。
これが一般家庭の娘がいるというあれなんだと実感できた。
買い物が終わって屋敷に戻った私とヘルは、さっそく厨房へ向かった。
厨房に入ると、中でアメス様とネメシス様の双子神が待っていた。
「アリアちゃんおかえりやなー」
「ええの買えたん?」
「チョコレートと牛乳を買いに行ってただけですよ」
チョコレートを作ると話を聞いたお二人は暇を持て余していたためから来たと。
神様方……本当に大丈夫ですか。
「そこはこうして……ここはこうです!」
「ヘルちゃんチョコレート舐めた?」
「舐めた!」
「これでこうでこうで……そうですそうです!」
四人でワイワイと作ったチョコレートを、テトへ渡しに四人で行くと……。
チョコレートと言えばこの神様、ロキ様がいた。
「美味しいね! このチョコ!」
「数が足りんくなってもうたな……。新しく作ろうや」
本日二度目のチョコレート作りに取り掛かり、男性陣の愚痴が飛び交う厨房は小さな混沌だった。
できあがったチョコレートを、みんなで一つずだけ摘んで出しに行くと……。
また増えていた。
「美味しい……アリア、ヘル、アメス、ネメシス、ありがとう」
「うーんもう! トール様のためなら作るわ私!」
「え、え、あれ? 旦那の僕は放置!?」
そして私だけが本日三度目のチョコレート作りに取り掛かった。
できあがったチョコレートにトール様専用! と、白色のチョコペンで書いて持っていくと。
また増えていた。
お願いだからもうやめて!
「結局、男性陣全員そろうてしもたな──」
「やね──。もう作るのは嫌やしな……」
「と言うことで、おかえり願いまーす!」
「「えぇ──!?」」
女性陣のほうが、「「えぇ──!」」なチョコレートパーティーでした。
クッキーを作ろうと思ったけど……テトがあんまり好きじゃないみたいで。
「じゃあ生チョコ作ろうよ! お母さん!」
と、完璧な娘ヘルの要望通りにチョコレートに牛乳に……と。
冷蔵庫に沢山あったはずなのになぜかすぐに牛乳が無くなっててビックリだった。
ショッピングモールに行けたらもう少し安くで帰るのだけど、テトがいないと遠くて行けない。
「お母さん! お父さんはブラックコーヒーが好きだからブラックチョコレートにしない?」
「よく知ってたねヘル! えらいえらい!」
「ブラックチョコレート5枚ね! はい、お釣りだよ!」
本当に、とても周りを見ているいい娘です。
私がそのおかげで色々と楽できて……。
これが一般家庭の娘がいるというあれなんだと実感できた。
買い物が終わって屋敷に戻った私とヘルは、さっそく厨房へ向かった。
厨房に入ると、中でアメス様とネメシス様の双子神が待っていた。
「アリアちゃんおかえりやなー」
「ええの買えたん?」
「チョコレートと牛乳を買いに行ってただけですよ」
チョコレートを作ると話を聞いたお二人は暇を持て余していたためから来たと。
神様方……本当に大丈夫ですか。
「そこはこうして……ここはこうです!」
「ヘルちゃんチョコレート舐めた?」
「舐めた!」
「これでこうでこうで……そうですそうです!」
四人でワイワイと作ったチョコレートを、テトへ渡しに四人で行くと……。
チョコレートと言えばこの神様、ロキ様がいた。
「美味しいね! このチョコ!」
「数が足りんくなってもうたな……。新しく作ろうや」
本日二度目のチョコレート作りに取り掛かり、男性陣の愚痴が飛び交う厨房は小さな混沌だった。
できあがったチョコレートを、みんなで一つずだけ摘んで出しに行くと……。
また増えていた。
「美味しい……アリア、ヘル、アメス、ネメシス、ありがとう」
「うーんもう! トール様のためなら作るわ私!」
「え、え、あれ? 旦那の僕は放置!?」
そして私だけが本日三度目のチョコレート作りに取り掛かった。
できあがったチョコレートにトール様専用! と、白色のチョコペンで書いて持っていくと。
また増えていた。
お願いだからもうやめて!
「結局、男性陣全員そろうてしもたな──」
「やね──。もう作るのは嫌やしな……」
「と言うことで、おかえり願いまーす!」
「「えぇ──!?」」
女性陣のほうが、「「えぇ──!」」なチョコレートパーティーでした。
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