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第三十一話 真実と嘘
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「国王!全ての嘘を正しに来た!覚悟しや……」
「はぁてー?どなたたちじゃ?」
「テト、あれは……近所のおじいちゃんよ」
「……。僕のカッコイイはずのセリフが台無しだーー!!この罪は、成敗だけでは済まないぞ国王!」
「テト神、真実とはいかに?」
後ろからコツコツと音を立てながら歩いてくる男、マントを身にまとい、王を引き継ぐさいに前国王より渡される神聖の首輪をつけたその姿は国王の姿そのもの。
「アリア……スカちゃん?」
「スカーレットです!バカ!」
「そうそう、そのいきそのいき!」
「やっぱりはらたちゅあいつゅ……」
からかわれた私は頬を膨らませて、釣り人に釣り上げられたフグのようにパタパタとその場で小刻みに暴れる。
それを横で見ているテトが、呆れた顔をしてつぶやく。
「アリア、普通に相手の挑発にのってるけど……大丈夫?」
そのテトの声は相手のことを、「コイツ、多分ほんまのバカだ……」と思っている人へ言うこと言葉の様な残念さを混ぜこんだ声していた。
「多分スカちゃんはバカだよ?テト神」
「ですよね!アリアって絶対バカですよね!」
「この際バカなのはおいておくけど……なんで敵と仲良くなって先輩と後輩のような会話してるのよ!」
「はぁっ!忘れていた!あの人は敵だ!」
「ハハハ……敵なんてひどいなー」
バカ夫のテト神と、ハハハと軽く笑いながらお気楽な国王。
この2人で話は成り立つのか……いや、私がしっかりしなきゃ!
私はそう思って話を切り出す。
「国王!あなたには、罪を償ってもらうわ!私へきせた罪とお父様の殺害の件で!」
「ふむ。それは困るなー。僕は口止めされてやらされただけでからねー。君のお父様は殺してないしー」
「どういうことだテト神」
「テト神はおバカだから困るよー、理解して理解して」
「アリアーー!うわはぁああ!バカって言われよ!あんな軽い男にバカって!」
救い用の無いバカはほっておくことにした私は、テトをとりあえずおすわりで静かにさせて話を続ける。
「どういうこと?誰かが裏で操ってたってこと?」
「そうそう!君の住んでるラグナロクの神なら皆知っている人物」
「それってもしかして……」
イシス様を先頭に、騎士団の足を止めてくれていた神様一行が入ってくる。
すると一番後ろにいたシヴァ様が先頭へと華麗な宙返りを決めて立つと、ある人物の名前をあげた。
「カルマ大総帥……ですかね?ガクカ国王様」
「うーん。もうここまでバレたら言うしかないよねー、そうだよー。その通り!」
「ブフッ!オカマキャラなの王さんって!キャハハハハハ!腹痛いよー!」
「同感……ブフォッ!」
アマテラス様とアヌビス様は、国王の話し方と仕草が壺にハマったらしく、お腹を抱えて大笑いをする。
緊張感がないどころか、真実はどうでもいいように。
「笑うなんてひどいなー。普通に話してるのにー」
「で、国王。カルマ大総帥がなぜ裏の首謀者?」
「簡単簡単!まずー、カルマ大総帥と君のお父さん、ダルマンは仲が良かったのだけどね?同じ宗教信仰者で、どうしても対立が起きてしまって、それの2つの軍勢のリーダーがカルマくんと君のお父さんだったわけ。そして宗教反乱にでたカルマ軍は、九尾の存在を使って君のお父さんに化けさせて罪を被せた」
「カルマ大総帥も中々のアホなのね」
「うん!僕以上のバカがいて立ち直れた!」
「テトが一番のバカよ?バカ」
「そんな……。僕は……僕は……くそぅ……」
「次はお父さんの死の真相ね!あれもカルマが九尾を使ってしたことだよー。僕に化けさせて命令を下して海賊に襲わせた。僕は確かにこのことを追求しようとしたんだけど口止めされてね。「今ここで九尾の存在とダルマンの死の真相が世界に広まれば、この国は終わりだ!」なんて脅されちゃってねー。それでダルマンが君を殺そうとしているのを知って上手いこと追放で逃したのだけど……テト神はびっくらポン!」
「じゃあ九尾の死は?どうなって九尾は死んだの?」
「僕の憶測になるけど、僕に化けさせてアリア暗殺計画でもしたんだろうね、知らないけどねー。アハハハ。そして用が済んだからと言って、恋人の女の子を宗教漬けして洗脳でもして殺させたと思うよ?」
「倒すべきはカルマか……」
「呼んだかね?神様御一行」
そう言って姿を現したのはカルマ大総帥だった。
そして、不気味な笑みを浮かべながら語り始めた。
「ダルマンは死んだね。私の作戦で死んだ友は素敵だったよー。そして君が真実に辿りつく前に葬りたかったのにねー……誠に無念だよ」
「カルマ大総帥……」
「ガクカ国王、口止めしたのに言ってしまうのはいけないよー?」
「さてはて、どの口が言うかな?僕をこけに使っておいて達者だね、君のお口は」
「カルマさん、全てお話願いますね?」
「いいでしょうー。素晴らしき友情の真実をお話しましょう」
カルマが真犯人で裏の首謀者。
そしてカルマが語る真実のすべて。
私は、これで最後の、お父様とお母様の無念を晴らす!
「はぁてー?どなたたちじゃ?」
「テト、あれは……近所のおじいちゃんよ」
「……。僕のカッコイイはずのセリフが台無しだーー!!この罪は、成敗だけでは済まないぞ国王!」
「テト神、真実とはいかに?」
後ろからコツコツと音を立てながら歩いてくる男、マントを身にまとい、王を引き継ぐさいに前国王より渡される神聖の首輪をつけたその姿は国王の姿そのもの。
「アリア……スカちゃん?」
「スカーレットです!バカ!」
「そうそう、そのいきそのいき!」
「やっぱりはらたちゅあいつゅ……」
からかわれた私は頬を膨らませて、釣り人に釣り上げられたフグのようにパタパタとその場で小刻みに暴れる。
それを横で見ているテトが、呆れた顔をしてつぶやく。
「アリア、普通に相手の挑発にのってるけど……大丈夫?」
そのテトの声は相手のことを、「コイツ、多分ほんまのバカだ……」と思っている人へ言うこと言葉の様な残念さを混ぜこんだ声していた。
「多分スカちゃんはバカだよ?テト神」
「ですよね!アリアって絶対バカですよね!」
「この際バカなのはおいておくけど……なんで敵と仲良くなって先輩と後輩のような会話してるのよ!」
「はぁっ!忘れていた!あの人は敵だ!」
「ハハハ……敵なんてひどいなー」
バカ夫のテト神と、ハハハと軽く笑いながらお気楽な国王。
この2人で話は成り立つのか……いや、私がしっかりしなきゃ!
私はそう思って話を切り出す。
「国王!あなたには、罪を償ってもらうわ!私へきせた罪とお父様の殺害の件で!」
「ふむ。それは困るなー。僕は口止めされてやらされただけでからねー。君のお父様は殺してないしー」
「どういうことだテト神」
「テト神はおバカだから困るよー、理解して理解して」
「アリアーー!うわはぁああ!バカって言われよ!あんな軽い男にバカって!」
救い用の無いバカはほっておくことにした私は、テトをとりあえずおすわりで静かにさせて話を続ける。
「どういうこと?誰かが裏で操ってたってこと?」
「そうそう!君の住んでるラグナロクの神なら皆知っている人物」
「それってもしかして……」
イシス様を先頭に、騎士団の足を止めてくれていた神様一行が入ってくる。
すると一番後ろにいたシヴァ様が先頭へと華麗な宙返りを決めて立つと、ある人物の名前をあげた。
「カルマ大総帥……ですかね?ガクカ国王様」
「うーん。もうここまでバレたら言うしかないよねー、そうだよー。その通り!」
「ブフッ!オカマキャラなの王さんって!キャハハハハハ!腹痛いよー!」
「同感……ブフォッ!」
アマテラス様とアヌビス様は、国王の話し方と仕草が壺にハマったらしく、お腹を抱えて大笑いをする。
緊張感がないどころか、真実はどうでもいいように。
「笑うなんてひどいなー。普通に話してるのにー」
「で、国王。カルマ大総帥がなぜ裏の首謀者?」
「簡単簡単!まずー、カルマ大総帥と君のお父さん、ダルマンは仲が良かったのだけどね?同じ宗教信仰者で、どうしても対立が起きてしまって、それの2つの軍勢のリーダーがカルマくんと君のお父さんだったわけ。そして宗教反乱にでたカルマ軍は、九尾の存在を使って君のお父さんに化けさせて罪を被せた」
「カルマ大総帥も中々のアホなのね」
「うん!僕以上のバカがいて立ち直れた!」
「テトが一番のバカよ?バカ」
「そんな……。僕は……僕は……くそぅ……」
「次はお父さんの死の真相ね!あれもカルマが九尾を使ってしたことだよー。僕に化けさせて命令を下して海賊に襲わせた。僕は確かにこのことを追求しようとしたんだけど口止めされてね。「今ここで九尾の存在とダルマンの死の真相が世界に広まれば、この国は終わりだ!」なんて脅されちゃってねー。それでダルマンが君を殺そうとしているのを知って上手いこと追放で逃したのだけど……テト神はびっくらポン!」
「じゃあ九尾の死は?どうなって九尾は死んだの?」
「僕の憶測になるけど、僕に化けさせてアリア暗殺計画でもしたんだろうね、知らないけどねー。アハハハ。そして用が済んだからと言って、恋人の女の子を宗教漬けして洗脳でもして殺させたと思うよ?」
「倒すべきはカルマか……」
「呼んだかね?神様御一行」
そう言って姿を現したのはカルマ大総帥だった。
そして、不気味な笑みを浮かべながら語り始めた。
「ダルマンは死んだね。私の作戦で死んだ友は素敵だったよー。そして君が真実に辿りつく前に葬りたかったのにねー……誠に無念だよ」
「カルマ大総帥……」
「ガクカ国王、口止めしたのに言ってしまうのはいけないよー?」
「さてはて、どの口が言うかな?僕をこけに使っておいて達者だね、君のお口は」
「カルマさん、全てお話願いますね?」
「いいでしょうー。素晴らしき友情の真実をお話しましょう」
カルマが真犯人で裏の首謀者。
そしてカルマが語る真実のすべて。
私は、これで最後の、お父様とお母様の無念を晴らす!
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