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第三話 過去
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テト……、ありがとう。そして、私は消えるわ。
あなたには本当に愛する人がいたはずよ……。
ーー朝
私は、テトと寝泊まりをしていたホテルから一人さまよいどこかへ行こうとしていた。
宛があるわけでもない、目的すらないけれど、どこか遠くへと……。
私は気づいてしまった、テトには私とそっくりな女人がいてその人にテトは心を奪われていた……、だから本命は私じゃないのではないかと……。
「きっとテトにこのことを話したら、怒るんだろうな。まだ出会って三日しかたってないけどなんかわかっちゃった。テトは私じゃない誰かを……」
考えると涙が止まらなくなる。
私はあんな勝手でファーストキスを簡単に奪ってくるような男に本気で好きになっていってた。いいえ、もう好きになっている……、
だからこそ辛いの……。私の知らない誰かで私に似た人が心に残っているあなたの横にいることが……。
「何を泣いているんだいお嬢様。君の王子様は、君に嘘をつけるに男だったかい?過去の恋人に似ているからと言う理由だけで好きだと言うような男なのかい?もしそうだとするならば……、君は結婚する人を間違えたと見えるが君の心の中ではそうは思っていない。もう、何も考えなくていいんだ……。君は勘が鋭いからね、色々と気づいてしまうのかもしれないけど、僕はアリアを誰かと比べたり代わりにしたことはない」
「テ、ト……。テトーー!!ごめんな、ごめんなさい……。うわぁぁぁ!うぐっ、うわぁぁん!あなたは私を代わりと置いているのかもしれない、その代わりになった私はあなたを本気で愛してしまっているなんて考えたらこうするしかなかったのーー!!ごめんなさいテトーー、うわぁぁん!!」
ぎゅ……。
「何を一人で言っているの?アリアは僕がいい前に僕の過去に勘づいた。確かに僕は二百年前に君によく似た人間と仲が良かった。でも、僕はその人間を助けれなかった。助けに駆け付けた時はもう火だるまの中だった、助けられなかった、彼女を。でも、彼女によく似た君を見つけて最初は観察程度の遊びでラグナロクから見てた。けど、君は彼女とも全く別の人間だった……、本当の笑みを見せない、辛い過去を持ち、人一倍地面をはいずくばってきた人間。そんな君が自分の体力と引き換えに民の為に聖女としステルスを使っている君を守りたいと思った救いたいと思った笑わせたいと思った、本当の笑顔を見たいと思った。それだけの理由ではだめなのだろうか……、君の愛する人としてはまだ僕は足りなぬだろうか」
「いいえ、十分すぎるわ。 十分すぎて胸から喜びが溢れ出てる……。もし、あの時私の前にあなたが現れなかった私は一生死ぬまで笑えなかったわ……。ありがとうテト。私は心を十五年間も閉ざしてきた、人間が必要としているのは私ではなく私のステルスだとわかっていた。だからこそ、王国追放された私を拾ってくれたのが、ど変態でどうしようもなくてわがままで……かっこよくて……強いあなたで良かったです! 」
私は今、あなたの前でちゃんと笑えていますか?あなたの前で泣いていないですか?自分が一番良くわかっていてわかっていないもの。
人は鏡を通さなければ自分のがどんな表情を無意識に作り出せるのか見ることはできない、笑っているつもりが相手からしてみれば怒っているかもしれない。
テト?私はあなたの前だから心から笑えているわ、喜びを感じているわ。
だから、だからね……テト。
「私綺麗な笑顔だった?テト」
「あぁ。僕が求めていた宝石をお目にかかれたよ」
テト、私はファーストキスを奪われたからあなたと結婚したわけではないわ。
私はあなたに気付かされた、そしてあなたはきっと私を必ず最後まで導いてくれると信じたからよ。
もう、勝手にいなくならないからね、テト……。
ーーラグナロク最南 スピラクト連邦配下地マナ島
「テト・シーラルドーラ・プロメテウス魔王三世……。フハハハ、フハハハハハ!見つけたぞ、プロメテウス!覚えておけ、その女から殺してお前の本性を見てやる。そして、俺はお前の本性をを倒し魔王の座についてやる」
あなたには本当に愛する人がいたはずよ……。
ーー朝
私は、テトと寝泊まりをしていたホテルから一人さまよいどこかへ行こうとしていた。
宛があるわけでもない、目的すらないけれど、どこか遠くへと……。
私は気づいてしまった、テトには私とそっくりな女人がいてその人にテトは心を奪われていた……、だから本命は私じゃないのではないかと……。
「きっとテトにこのことを話したら、怒るんだろうな。まだ出会って三日しかたってないけどなんかわかっちゃった。テトは私じゃない誰かを……」
考えると涙が止まらなくなる。
私はあんな勝手でファーストキスを簡単に奪ってくるような男に本気で好きになっていってた。いいえ、もう好きになっている……、
だからこそ辛いの……。私の知らない誰かで私に似た人が心に残っているあなたの横にいることが……。
「何を泣いているんだいお嬢様。君の王子様は、君に嘘をつけるに男だったかい?過去の恋人に似ているからと言う理由だけで好きだと言うような男なのかい?もしそうだとするならば……、君は結婚する人を間違えたと見えるが君の心の中ではそうは思っていない。もう、何も考えなくていいんだ……。君は勘が鋭いからね、色々と気づいてしまうのかもしれないけど、僕はアリアを誰かと比べたり代わりにしたことはない」
「テ、ト……。テトーー!!ごめんな、ごめんなさい……。うわぁぁぁ!うぐっ、うわぁぁん!あなたは私を代わりと置いているのかもしれない、その代わりになった私はあなたを本気で愛してしまっているなんて考えたらこうするしかなかったのーー!!ごめんなさいテトーー、うわぁぁん!!」
ぎゅ……。
「何を一人で言っているの?アリアは僕がいい前に僕の過去に勘づいた。確かに僕は二百年前に君によく似た人間と仲が良かった。でも、僕はその人間を助けれなかった。助けに駆け付けた時はもう火だるまの中だった、助けられなかった、彼女を。でも、彼女によく似た君を見つけて最初は観察程度の遊びでラグナロクから見てた。けど、君は彼女とも全く別の人間だった……、本当の笑みを見せない、辛い過去を持ち、人一倍地面をはいずくばってきた人間。そんな君が自分の体力と引き換えに民の為に聖女としステルスを使っている君を守りたいと思った救いたいと思った笑わせたいと思った、本当の笑顔を見たいと思った。それだけの理由ではだめなのだろうか……、君の愛する人としてはまだ僕は足りなぬだろうか」
「いいえ、十分すぎるわ。 十分すぎて胸から喜びが溢れ出てる……。もし、あの時私の前にあなたが現れなかった私は一生死ぬまで笑えなかったわ……。ありがとうテト。私は心を十五年間も閉ざしてきた、人間が必要としているのは私ではなく私のステルスだとわかっていた。だからこそ、王国追放された私を拾ってくれたのが、ど変態でどうしようもなくてわがままで……かっこよくて……強いあなたで良かったです! 」
私は今、あなたの前でちゃんと笑えていますか?あなたの前で泣いていないですか?自分が一番良くわかっていてわかっていないもの。
人は鏡を通さなければ自分のがどんな表情を無意識に作り出せるのか見ることはできない、笑っているつもりが相手からしてみれば怒っているかもしれない。
テト?私はあなたの前だから心から笑えているわ、喜びを感じているわ。
だから、だからね……テト。
「私綺麗な笑顔だった?テト」
「あぁ。僕が求めていた宝石をお目にかかれたよ」
テト、私はファーストキスを奪われたからあなたと結婚したわけではないわ。
私はあなたに気付かされた、そしてあなたはきっと私を必ず最後まで導いてくれると信じたからよ。
もう、勝手にいなくならないからね、テト……。
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