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緊急──チーターとの大戦(カチーシェ視点&ルル視点)1
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「ここで誰が来るか……ワクワクするね!」
「でもルル? もし殺されることがあれば、その後は死との隣り合わせ。賭けだよ?」
「とりあえずですが、現実もゲームも、身体に何ら変わりの無い状態での不正ウイルスによる機材壊し。脳細胞ごと……怖いですね」
もしここで私達が負ければ、みんなに負担を増やし──死ぬかもしれない。
ゲームでの死が現実に反映される世界になっただなんて……恐ろしいとしか言えない。
私とルル、そしてグレモアさんでカルバーク10丁目に来ている。
人が住んでおらず、破壊された町……。
こんなところが戦場となると、ルルはさぞ嬉しいんだろうなー。
「で……そこにいるのは主犯のお仲間さんかい?」
「そしてその反対にもいる猫のお姉さんも」
「そして……雲に乗って見下ろしている雷神さんも」
私達3人は、敵3人を感知し、自分から一番近い敵を一人ずつ見つめた。
中世の……ドラキュラが住んでいそうな館から一人姿をを見せ、向かいのドームからまた一人。道を挟んでやっぱり囲まれていた!
そして、グレモアさんが見上げる空からは、雲を突き抜けて神が降臨するかの如く現れた。また一人……明らか殺意に満ちている。
「よく感知したのうカチーシェと言う者よ。嬉しい思うわ。自己紹介いたしましょか……我、酒呑童子。天下一の色女……酒と男あるところに我あり」
「先に酒呑童子に挨拶取られてしまったわ。妾はクレオパトラ! アフリカに敵無し、黄金女とは妾のことよ」
「そして私は……チンギス・ハーン。名馬の騎手にして、最高美の小さな体を持つ童女」
酒瓶を片手に持ち、腰には5本の刀を挿し、肩にはひょうたんを下げているのが酒呑童子……。霧ちゃんがいてくれたら良かったけど──なんで高校はテスト期間に入ってしまったのか。
そして……リアルスフィンクスに乗るのがクレオパトラ。金に金で金金で見ていられない。眩しすぎていい迷惑だなあれは。
そして──コイツが一番怖い。
童女……小さい体に、全く合わないランスを背に背負っているし、馬にもちゃんと乗っているな。チンギス・ハーンではなく、チビデス・ヤーンだ。だが……コイツが暴れれば負けるかもしれない。
「それで……なんや弱そうやなー。期待してきたものの、見た目から拍子抜けもええのー」
「私達は見た目以上に強いから馬鹿にするな!」
「馬鹿にするな……なんて、馬鹿だから言えることやで!?」
あえて挑発してくるクレオパトラにルルが頬を膨らませている。
ルルも子供だから……仕方ないかな。
でも、クレオパトラの頭につけている蛇が何かありそうだな。
と、そこでチンギス・ハーンがグレモアさんの前に雷を意図的に落として長い前髪で片目を隠すように俯いた。
「死ぬ時一瞬……それまで長く。苦しむ時間は──長いほうがいい」
ピカーン!
前髪で隠れていない左目が、真っ赤に光り、稲妻を左右の方向に走らせて建物を破壊した。目からビームならぬ、目から稲妻って何でもありかチートは。
すると、チンギス・ハーンの背後からは武神らしき大剣を持った大男の化身が現れ、その持つ大剣を私達に向けて振り下ろしてくる。
「トールの盾でガードするよー!」
「私も!」
「ではこちらはガルムドルの咆哮で跳ね返すことにします!」
ガキーン! ……ゴゴゴコゴ!
私とルルは瞬時に盾を出し、ギリギリのところで3メートルほどの大剣を受け止める。
だが、化身の一振りはレベル500プレイヤーを遥かに超えるほど重い。
防げるわけがない! 化身の力に押されて、足がコンクリにめり込んだし、地割れも起きてる! 一部では液状化現象で建物がスッキリ形を保ったまま消えていっている。
2人でも止めきれない相手に、グレモアさんはガルムドルの咆哮を放ってくれたおかげで大きな爆風と翼竜の声に化身が少し怯んだ。
──この隙だ!
何も言わずとも、私とルルは意思疎通が完璧だ。
そして、同時に盾で剣を押しのける。
3人で防ぐ相手……一対一じゃ勝てない!
「一対一では勝てないと分かったはず。こちらにつきなさい。でなければ──」
「お前らの仲間になるもーんか! ベー! てか、チート使って最強気取りとかゲーマーとしての恥は無いの!? どうせその様子じゃゲームをまともに進めていないんでしょ? ゲームをするなら正々堂々と冒険して強くなってみろやー!」
ルルはチンギス・ハーンに指を差して最もなことを言った。
チートはズル。だから止めないといけない。
みんなが楽しくプレイする環境を作るために……。
「私がチンギス・ハーンとやる! ルルは酒呑童子、グレモアさんはクレオパトラをお願いします!」
「任せて!」
「了解しました」
一対一? 違うでしょ……こっちは絆があって3人だ。
「でもルル? もし殺されることがあれば、その後は死との隣り合わせ。賭けだよ?」
「とりあえずですが、現実もゲームも、身体に何ら変わりの無い状態での不正ウイルスによる機材壊し。脳細胞ごと……怖いですね」
もしここで私達が負ければ、みんなに負担を増やし──死ぬかもしれない。
ゲームでの死が現実に反映される世界になっただなんて……恐ろしいとしか言えない。
私とルル、そしてグレモアさんでカルバーク10丁目に来ている。
人が住んでおらず、破壊された町……。
こんなところが戦場となると、ルルはさぞ嬉しいんだろうなー。
「で……そこにいるのは主犯のお仲間さんかい?」
「そしてその反対にもいる猫のお姉さんも」
「そして……雲に乗って見下ろしている雷神さんも」
私達3人は、敵3人を感知し、自分から一番近い敵を一人ずつ見つめた。
中世の……ドラキュラが住んでいそうな館から一人姿をを見せ、向かいのドームからまた一人。道を挟んでやっぱり囲まれていた!
そして、グレモアさんが見上げる空からは、雲を突き抜けて神が降臨するかの如く現れた。また一人……明らか殺意に満ちている。
「よく感知したのうカチーシェと言う者よ。嬉しい思うわ。自己紹介いたしましょか……我、酒呑童子。天下一の色女……酒と男あるところに我あり」
「先に酒呑童子に挨拶取られてしまったわ。妾はクレオパトラ! アフリカに敵無し、黄金女とは妾のことよ」
「そして私は……チンギス・ハーン。名馬の騎手にして、最高美の小さな体を持つ童女」
酒瓶を片手に持ち、腰には5本の刀を挿し、肩にはひょうたんを下げているのが酒呑童子……。霧ちゃんがいてくれたら良かったけど──なんで高校はテスト期間に入ってしまったのか。
そして……リアルスフィンクスに乗るのがクレオパトラ。金に金で金金で見ていられない。眩しすぎていい迷惑だなあれは。
そして──コイツが一番怖い。
童女……小さい体に、全く合わないランスを背に背負っているし、馬にもちゃんと乗っているな。チンギス・ハーンではなく、チビデス・ヤーンだ。だが……コイツが暴れれば負けるかもしれない。
「それで……なんや弱そうやなー。期待してきたものの、見た目から拍子抜けもええのー」
「私達は見た目以上に強いから馬鹿にするな!」
「馬鹿にするな……なんて、馬鹿だから言えることやで!?」
あえて挑発してくるクレオパトラにルルが頬を膨らませている。
ルルも子供だから……仕方ないかな。
でも、クレオパトラの頭につけている蛇が何かありそうだな。
と、そこでチンギス・ハーンがグレモアさんの前に雷を意図的に落として長い前髪で片目を隠すように俯いた。
「死ぬ時一瞬……それまで長く。苦しむ時間は──長いほうがいい」
ピカーン!
前髪で隠れていない左目が、真っ赤に光り、稲妻を左右の方向に走らせて建物を破壊した。目からビームならぬ、目から稲妻って何でもありかチートは。
すると、チンギス・ハーンの背後からは武神らしき大剣を持った大男の化身が現れ、その持つ大剣を私達に向けて振り下ろしてくる。
「トールの盾でガードするよー!」
「私も!」
「ではこちらはガルムドルの咆哮で跳ね返すことにします!」
ガキーン! ……ゴゴゴコゴ!
私とルルは瞬時に盾を出し、ギリギリのところで3メートルほどの大剣を受け止める。
だが、化身の一振りはレベル500プレイヤーを遥かに超えるほど重い。
防げるわけがない! 化身の力に押されて、足がコンクリにめり込んだし、地割れも起きてる! 一部では液状化現象で建物がスッキリ形を保ったまま消えていっている。
2人でも止めきれない相手に、グレモアさんはガルムドルの咆哮を放ってくれたおかげで大きな爆風と翼竜の声に化身が少し怯んだ。
──この隙だ!
何も言わずとも、私とルルは意思疎通が完璧だ。
そして、同時に盾で剣を押しのける。
3人で防ぐ相手……一対一じゃ勝てない!
「一対一では勝てないと分かったはず。こちらにつきなさい。でなければ──」
「お前らの仲間になるもーんか! ベー! てか、チート使って最強気取りとかゲーマーとしての恥は無いの!? どうせその様子じゃゲームをまともに進めていないんでしょ? ゲームをするなら正々堂々と冒険して強くなってみろやー!」
ルルはチンギス・ハーンに指を差して最もなことを言った。
チートはズル。だから止めないといけない。
みんなが楽しくプレイする環境を作るために……。
「私がチンギス・ハーンとやる! ルルは酒呑童子、グレモアさんはクレオパトラをお願いします!」
「任せて!」
「了解しました」
一対一? 違うでしょ……こっちは絆があって3人だ。
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