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緊急──チータ─との大戦(アキラ視点)3

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 ここが最後。
 神がチータ─を選べば、俺は不正ウイルスに脳内細胞を破壊されるか運にかけなければいけない。そして、俺が勝てば運営からゲーム機材の破壊がチータ─に与えられる。
 神……いや、俺の場合は悪魔か。アスモデウス──俺に力を貸してくれよ? 守りたいものができたんだ。

「メデューサは知っているか? 不死は死なないわけではない。死ぬんじゃなくて、消し去れば死んだことになるんだってことを」
「同じ考え……と言うわけね? それなら面白いわ。お互いに一撃で終わらさないとね」
「あぁ……。俺はお前を一撃で倒す。チーターってゴッドモードでの体力無限ってあるらしいが、現実と完璧と言っていいほどにリンクしているここでは──それは通用しないんだよ。肉体を失えば!」

 俺はタタッ……! と壁を蹴って着地し、その足で地面を蹴ってメデューサに向かって突っ込む。
 速度が早いほうが勝ち目は上がる特殊スキル。
 レベル100を超えた際に増えるスキル装備欄につけた速度に応じて破壊力の増す──破壊神の呪い。
 空中で2段蹴り、3段蹴りを決め、速度を上げる。
 時速70キロ……100キロ……200キロ……!

「メデューサー!」
「来なさい、アスモデウス杯優勝者……アグナ!」
「はーっ!」「はーっ!」

 俺は胸に手を当て、アスモデウス杯で手にした破壊刀ディーストラクションソードを体内から引き出す。
 そして剣柄を強く握り、腰に漆黒の炎と共に現れた鞘に納めて居合いの形をとる。
 メデューサとの距離は1メートル。これで決着だ!

「破壊の狂乱曲をここに奏でよ! 居合いの音は高音奏で、破壊されし者からの悲痛な叫びは低音奏で……狂乱の協奏曲と共に世界を壊したまえ! ディーストラクション・ザ・ワールド=デスマーチ!」
「蛇の前に人立たぬ。見た者は岩に……岩には破壊の物理を! 時は来たれり100蛇の使い魔メデューサよ! 第三の目と共に前に立つ者への裁きを。マンハグドレッド・スネーク・ムード……地獄蛇の乱舞!」

 ギュイーン……! バババババババババン!

 俺の持つ最高魔法と、メデューサによるチートで強化された最高魔法が衝突し、システムエラーを引き起こした。
 ギュイーンと鳴ったのは、俺とメデューサの魔法の衝突によって仮想空間が歪んだ音。そして、その後に鳴った爆発音はどちらかの機材がオーバーヒートした際に起こるオーバーバニッシュ。上限を超えたことによって消えたのだ。
 そして俺は無事……残りHP1の状態で生きていた。

「鼎の……ポーションのおかげで何とかギリ耐えれたな……。1つ、何かを守れた気がするわ……」

 俺は無事戦いを終えた。
 そして必然的にと大蛇も消えた。
 マスターも大蛇と互角の勝負だったのか、少し疲れて見える。

「おいアグナ! 大丈夫か!」
「いや……悪いんだけど動かねーわ体。こういう時に、鼎か可憐さん必要だな」
「今回復ポーション使ってやるから待ってろよ!」
「自然回復するから安心してやマスター。それより、タブレットで高音さんとテリヌの現場を見せてほしいんだが……」

 マスターが使おうとした回復ポーションを無理やり動かした右手でしまわせ、タブレットで第1チームの現状を見た。
 すると……

「やっぱり……やばいなこりゃ。アイツが黒幕か──もしくはその一個したの副とかあたりの強さだぞ」

 タブレットに映る顔が骨の気味の悪いチーター。
 アイツのスキルは……死神だ。
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