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ウロボロス討伐 ②
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「リミアちゃんが凄いことしてるよー!?」
「ダメージ受けながらも回復していく気だ」
「でもあれじゃ持たないよ!」
持続型回復ポーションはせいぜい持っても1分間。
だから私は──効果を持続させていくだけ!
「ポーション効果起動! 長時間回復……長時間高回復!」
「重ねた!」
「重ねて持続していくつもりだ!」
残り数秒になれば新しくポーションの効果を起動させ、持続時間を伸ばせば無限に耐えきれる。
でも……なんで放射が全く止まらないのよ!
ウロボロスボルフの放射が一切止まない。
ポーションを使って効果を伸ばしても、放射勢いが落ちることなく私を襲い続ける。
次のポーションを使わないと……うそ!? あとポーションが2つしかない!
「やばいぞ! リミアちゃんのポーションが少ない!」
「じゃあこれを使いますか……。黄金は天守の飾り刀。金に世界が染まる時、見える世界は絶景かな……我にその頂を! 金狼! お姉さんは頭を下げてください!」
──狼の猛襲……。
「「ワオ───────────────────ン!」」
「「狼!?」」」
カチーシェさんとルルさんの声に反応して後ろを振り向くと、霧ちゃんの持つ金狼刀の刀身から狼の群れが飛び出してきた。
15体の狼が、私の頭上を飛び越えてウロボロスボルフに向かっていく。
ウロボロスボルフが、放射対象を狼に変えるも華麗にそれを避ける狼。
その間に高身長のカチーシェさんに軽々と抱えられ、盾の中に避難できた。
「無謀だねー! でもリミアちゃんカッコ良かったよー?」
「それはよく分からないですけど……ありがとうございます!」
「いやいや! あれはやばかったぞ!」
「すいません……」
アグナさんに頭をコツンとグーで殴られ、頭に軽い衝撃が走る。
頭を抑えながら、「へへへ」と少し誤魔化すと霧ちゃんもしゃがんでまた隠れた。
「金狼とかどこで手に入れたんだよ霧ちゃん」
「ガチャですよガチャ! 霧雨も金狼も課金です! 日本刀シリーズガチャがやる度に数百万で課金してます!」
「金持ちのお嬢様だったね……カイトお兄さん」
「あぁ……。霧ちゃんがまさかの日本刀コレクターの正体だったとは……」
隠れることに慣れてくると、ウロボロスボルフと戦っていながらも雑談ができるほどになっていた。
数分間、盾に隠れて雑談をしていると放射が終わったのか歯ぎしりがまた聞こえた。
「じゃあ……急所を一撃でつくために力を貸してくれ」
「どうするのですか?」
「俺とカイトで、2個ある心臓をランスで貫く。そのために、カチーシェとルルは疾風二対の盾を使って俺とカイトを風で勢い良く飛ばしてくれ」
「「了解であります!」」
「次にリミアちゃんは、ウロボロスボルフの足元に通常の小爆弾ポーションを投げて欲しい。ステータスがカンストしているから、絶対に小爆弾で体制を崩す」
「はい!」
「次は霧ちゃんと可憐さん。霧ちゃんは霧雨で霧を出して、可憐さんは治癒魔法を俺とカイトに当て続けてください」
「「おっけーでーす!」」
作戦が決まり、盾から勢い良く飛び出て陣形を取った。
四方陣と呼ばれるその陣形は、先頭にアグナさんとカイトさんを置き、左右に霧ちゃんと可憐さん、一番後ろに私で、真ん中にカチーシェさんとルルさんの配置だった。
ダイヤ形に作られた陣形の中に盾役を挟む四方陣は、あまり使われることのない究極陣形らしい。
「「作戦スタート!」」
「「暴風よ来たれ! 彼らをその風に乗せなさい!」」
アグナさんとカイトさんが勢い良く走り出し、その後ろからカチーシェさんとルルさんが盾を振り回すと暴風が吹き乱れた。
暴風に乗ったアグナさんとカイトさんは勢い良くウロボロスボルフにクロスしながら飛び込んでいく。
ここで私がポーションを投げれば霧ちゃんと可憐さんが合わせてくれる!
「ポーション効果起動! 小さく爆発しなさい……炎炎!」
「霧雨!」
「ダブルキュアでーす」
回復魔法をまといながら飛び込んでいくアグナさんとカイトさんの目の前でポーションが小さく爆発、ウロボロスボルフが体制を崩した上に掛け合わせて霧が襲った。
ウロボロスボルフは完全に戦闘力を失って倒れ込んだ。
そして、3つある顔の左右を義兄弟のランスが高速で貫いてウロボロスボルフは完全に戦闘不能になった。
ブ──! ブ──! ブ──!
「はいはーい! リリーミ・シュテンでーす! お疲れ様でした! ではまた明日来てくださいね!」
と、突然現れたリリー……なんたらさんにコロシアムからあっさりと追い出されてしまった。
プレゼントボックスをタブレットで確認すると、しっかりと報酬が入っていた。
中にはウロボロスの宝玉があり、ウロボロスグラダス、通称グラダスと呼ばれる大剣を作れるほどの素材が揃っていた。
「……これみんなで分けてください」
「どうして? これリミアちゃん持ってたほうがいいって!」
「私……薬師ですので、大剣素材は──」
「「「「「「そうだった!」」」」」」
私が薬師だということを、あっさりと忘れられていた。
結局私はウロボロスボルフ討伐の報酬を貰ったけれど、薬師はポーションの装備スペースしかなく、持っていても仕方のない素材だったのでみんなにあげることに。
「それで……3時間かけて帰る?」
「ここでベースキャンプ張っておいて、また明日ログインしたらここへスポンするように設定しよう!」
「ならスポン設定はしておくよ」
3時間かけて街へと戻るのは体が持たないとみんなで判断し、コロシアム前でキャンプを張ってスポン地点を変更した。
「ダメージ受けながらも回復していく気だ」
「でもあれじゃ持たないよ!」
持続型回復ポーションはせいぜい持っても1分間。
だから私は──効果を持続させていくだけ!
「ポーション効果起動! 長時間回復……長時間高回復!」
「重ねた!」
「重ねて持続していくつもりだ!」
残り数秒になれば新しくポーションの効果を起動させ、持続時間を伸ばせば無限に耐えきれる。
でも……なんで放射が全く止まらないのよ!
ウロボロスボルフの放射が一切止まない。
ポーションを使って効果を伸ばしても、放射勢いが落ちることなく私を襲い続ける。
次のポーションを使わないと……うそ!? あとポーションが2つしかない!
「やばいぞ! リミアちゃんのポーションが少ない!」
「じゃあこれを使いますか……。黄金は天守の飾り刀。金に世界が染まる時、見える世界は絶景かな……我にその頂を! 金狼! お姉さんは頭を下げてください!」
──狼の猛襲……。
「「ワオ───────────────────ン!」」
「「狼!?」」」
カチーシェさんとルルさんの声に反応して後ろを振り向くと、霧ちゃんの持つ金狼刀の刀身から狼の群れが飛び出してきた。
15体の狼が、私の頭上を飛び越えてウロボロスボルフに向かっていく。
ウロボロスボルフが、放射対象を狼に変えるも華麗にそれを避ける狼。
その間に高身長のカチーシェさんに軽々と抱えられ、盾の中に避難できた。
「無謀だねー! でもリミアちゃんカッコ良かったよー?」
「それはよく分からないですけど……ありがとうございます!」
「いやいや! あれはやばかったぞ!」
「すいません……」
アグナさんに頭をコツンとグーで殴られ、頭に軽い衝撃が走る。
頭を抑えながら、「へへへ」と少し誤魔化すと霧ちゃんもしゃがんでまた隠れた。
「金狼とかどこで手に入れたんだよ霧ちゃん」
「ガチャですよガチャ! 霧雨も金狼も課金です! 日本刀シリーズガチャがやる度に数百万で課金してます!」
「金持ちのお嬢様だったね……カイトお兄さん」
「あぁ……。霧ちゃんがまさかの日本刀コレクターの正体だったとは……」
隠れることに慣れてくると、ウロボロスボルフと戦っていながらも雑談ができるほどになっていた。
数分間、盾に隠れて雑談をしていると放射が終わったのか歯ぎしりがまた聞こえた。
「じゃあ……急所を一撃でつくために力を貸してくれ」
「どうするのですか?」
「俺とカイトで、2個ある心臓をランスで貫く。そのために、カチーシェとルルは疾風二対の盾を使って俺とカイトを風で勢い良く飛ばしてくれ」
「「了解であります!」」
「次にリミアちゃんは、ウロボロスボルフの足元に通常の小爆弾ポーションを投げて欲しい。ステータスがカンストしているから、絶対に小爆弾で体制を崩す」
「はい!」
「次は霧ちゃんと可憐さん。霧ちゃんは霧雨で霧を出して、可憐さんは治癒魔法を俺とカイトに当て続けてください」
「「おっけーでーす!」」
作戦が決まり、盾から勢い良く飛び出て陣形を取った。
四方陣と呼ばれるその陣形は、先頭にアグナさんとカイトさんを置き、左右に霧ちゃんと可憐さん、一番後ろに私で、真ん中にカチーシェさんとルルさんの配置だった。
ダイヤ形に作られた陣形の中に盾役を挟む四方陣は、あまり使われることのない究極陣形らしい。
「「作戦スタート!」」
「「暴風よ来たれ! 彼らをその風に乗せなさい!」」
アグナさんとカイトさんが勢い良く走り出し、その後ろからカチーシェさんとルルさんが盾を振り回すと暴風が吹き乱れた。
暴風に乗ったアグナさんとカイトさんは勢い良くウロボロスボルフにクロスしながら飛び込んでいく。
ここで私がポーションを投げれば霧ちゃんと可憐さんが合わせてくれる!
「ポーション効果起動! 小さく爆発しなさい……炎炎!」
「霧雨!」
「ダブルキュアでーす」
回復魔法をまといながら飛び込んでいくアグナさんとカイトさんの目の前でポーションが小さく爆発、ウロボロスボルフが体制を崩した上に掛け合わせて霧が襲った。
ウロボロスボルフは完全に戦闘力を失って倒れ込んだ。
そして、3つある顔の左右を義兄弟のランスが高速で貫いてウロボロスボルフは完全に戦闘不能になった。
ブ──! ブ──! ブ──!
「はいはーい! リリーミ・シュテンでーす! お疲れ様でした! ではまた明日来てくださいね!」
と、突然現れたリリー……なんたらさんにコロシアムからあっさりと追い出されてしまった。
プレゼントボックスをタブレットで確認すると、しっかりと報酬が入っていた。
中にはウロボロスの宝玉があり、ウロボロスグラダス、通称グラダスと呼ばれる大剣を作れるほどの素材が揃っていた。
「……これみんなで分けてください」
「どうして? これリミアちゃん持ってたほうがいいって!」
「私……薬師ですので、大剣素材は──」
「「「「「「そうだった!」」」」」」
私が薬師だということを、あっさりと忘れられていた。
結局私はウロボロスボルフ討伐の報酬を貰ったけれど、薬師はポーションの装備スペースしかなく、持っていても仕方のない素材だったのでみんなにあげることに。
「それで……3時間かけて帰る?」
「ここでベースキャンプ張っておいて、また明日ログインしたらここへスポンするように設定しよう!」
「ならスポン設定はしておくよ」
3時間かけて街へと戻るのは体が持たないとみんなで判断し、コロシアム前でキャンプを張ってスポン地点を変更した。
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