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聖女
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「やってまえー可憐さん! いぇーい!」
「分らず屋には──お仕置きよ! 聖の光る剣!」
「なに──!? うわぁあああぁあぁああ!」
宙を飛んだ可憐さんは、空中で剣を振り下ろしてエクスカリバーと呼ばれる光属性の強攻撃を放った。
エクスカリバーは、邪悪な者を鎮める力がある。
この商人には、お似合いの強攻撃なわけで──
「体が……動かね!」
「聖女にかかれば清めることくらい簡単なのよ! 精霊達のおかげで、私は聖女には特定アイテムでしか開放されない攻撃型リミッターを解除してるのよ!」
「参った参った……。分かったよ! 今回は引いてやる!」
「「「「二度と来るなー!」」」」
商人はそそくさと、荷物をまとめて街を出ていった。
商人を撃退した可憐さんは、また治癒ボランティアを再開し、私達も中に戻って販売を再開した。
今日はお客様の出入りが激しいから、生成しているのペースか追いつかなくて貧血になってきている。
と言うか、今日は異常なまでに怪我をしたプレイヤーが多い気がする。
「お兄さん達、何かあったん?」
「聞いてないのかお前さんら? 今、街の外でレッドドラゴンが襲撃してきて、緊急クエスト態勢へと運営が変えたらしい。なんでも、運営が用意した敵ではないらしい」
「それって……モンスター制御システムが、本社の方で不具合もしくはオーバーヒートして起きる暴走だよ?」
開発本社、つまりゲームの運営側が用意をしていない謎のモンスターの暴走。
モンスター制御システムは、世界全プレイヤーが共通の【ディーヴェルクオンライン】内では一番大事なシステム。
突然のモンスターレベルの急上等を防ぐためのシステムが、不具合もしくはオーバーヒートで異常が起きているなんて……あってはいけない。
「行くしかないよね。けど……店はどうする?」
「私と……休憩がてらにリミアちゃんを連れて行くね!」
「私ですか!? ポーションを……えーと……これ持っていきます!」
「気をつけてな姉ちゃん達! ただのレッドドラゴンじゃない! いいことも教えておくぜ? 報酬金は500万ロトだぜ!」
突然の緊急クエスト。
運営も予期していなかった自体での緊急クエストは、やっぱり高額報酬なんだ。
500万……お店を改築できる費用になるから是非とも倒しておきたい。
移動は可憐さんにおんぶをしてもらっている。
精霊の羽を生やして、空から倒す作戦。
「ドラゴン見えてきたよー! しっかりと手前で落とすから、ポイズンポーションを浴びせてきてね! その後、旋回して戻ってきた私が一撃で仕留めるから!」
「でも、大丈夫ですか? レッドドラゴンのレベルを見る限り……100ですよ?」
「ポーションは確か、レベル差関係なく効くよ?」
軽い会話をしているうちにレッドドラゴンが姿を現し、私はレッドドラゴンの鼻先ギリギリかすめるかの位置で降ろされた。
「もう唱え終えてるんで、毒をどうぞ!」
ポーション解放の詠唱を、移動中に済ましておいた私は瓶を投げつけた。
そのまま凄い速度で私は落下していくも、素早く旋回してきた可憐さんがレッドドラゴンの首を一撃で刎ね、地面とギリギリのところで拾われた。
「危なかったねー! リミアちゃんが地面に落ちるところまでは私考えていなかったよー」
「そこは考えておいて欲しかったですうぅぅ……」
レッドドラゴンは、運営のパトロールプレイヤーが駆けつけて処理されていった。
私達は、パトロールプレイヤーから一枚の紙を渡された。
「500万って本当に書いてあるものなんだねー」
「凄い金額ですね! 現実で欲しいくらいですけど……」
「あれ? ここってゲーム世界?」
「それ……無限ループになりますよ可憐さん」
ゲームの世界と現実の世界の区別がつかなくなっている可憐さんは、笑顔で紙を頬にスリスリしている。
辺りを見渡すと、ほとんど人がいなかった。
多分、みんなレベル100のレッドドラゴンに傷を負わされたのか、戦闘不能でスタート画面へ戻されたかのどちらかだと見て分かる。
レベル100のレッドドラゴンは、可憐さんの話では見たことが無かったと言うほどの大物だった。
「おかえり! もう運営からのメールで名前上がってるよ!」
「緊急クエスト、任務達成者は可憐、リミアの女戦士だって。いい書き方されるなほんま」
「アグナも何回か乗ってるよね? 確か……ヴァルキリー狂乱イベントの緊急で、みんな戦闘不能になる中で残った俺が一撃で急所を貫いた件な」
笑い話だったり、負けた時の悔しい話だったりと、ポーションを求めて来てくれたプレイヤーさん達も交えて話をする。
本当の町の薬屋さんみたいな雰囲気が出ていていい感じだと思う。
治癒ボランティアも、気づけばSNSで拡散されて有名になっているからこれはまた大繁盛。
「薬師のお姉ちゃん! 今日はガルブラから買いに戻ってきたぜ!」
「いつもありがとうございます! と言っても、転移ゲートを抜けて移動してきてるじゃないですか! アハハハ!」
毎日のように来てくれるプレイヤーの皆さんは、どこの街、大陸、洞窟に居てもわざわざ来てくれるよう。
街のいい薬屋になった。
けれど、やっぱり私のレベル1固定スキルは治らずにいる。
それどころか、一週間が経っているのに運営は何も言ってこない。
やっぱり、私個人のレベルは見放されているのだと思う。
「分らず屋には──お仕置きよ! 聖の光る剣!」
「なに──!? うわぁあああぁあぁああ!」
宙を飛んだ可憐さんは、空中で剣を振り下ろしてエクスカリバーと呼ばれる光属性の強攻撃を放った。
エクスカリバーは、邪悪な者を鎮める力がある。
この商人には、お似合いの強攻撃なわけで──
「体が……動かね!」
「聖女にかかれば清めることくらい簡単なのよ! 精霊達のおかげで、私は聖女には特定アイテムでしか開放されない攻撃型リミッターを解除してるのよ!」
「参った参った……。分かったよ! 今回は引いてやる!」
「「「「二度と来るなー!」」」」
商人はそそくさと、荷物をまとめて街を出ていった。
商人を撃退した可憐さんは、また治癒ボランティアを再開し、私達も中に戻って販売を再開した。
今日はお客様の出入りが激しいから、生成しているのペースか追いつかなくて貧血になってきている。
と言うか、今日は異常なまでに怪我をしたプレイヤーが多い気がする。
「お兄さん達、何かあったん?」
「聞いてないのかお前さんら? 今、街の外でレッドドラゴンが襲撃してきて、緊急クエスト態勢へと運営が変えたらしい。なんでも、運営が用意した敵ではないらしい」
「それって……モンスター制御システムが、本社の方で不具合もしくはオーバーヒートして起きる暴走だよ?」
開発本社、つまりゲームの運営側が用意をしていない謎のモンスターの暴走。
モンスター制御システムは、世界全プレイヤーが共通の【ディーヴェルクオンライン】内では一番大事なシステム。
突然のモンスターレベルの急上等を防ぐためのシステムが、不具合もしくはオーバーヒートで異常が起きているなんて……あってはいけない。
「行くしかないよね。けど……店はどうする?」
「私と……休憩がてらにリミアちゃんを連れて行くね!」
「私ですか!? ポーションを……えーと……これ持っていきます!」
「気をつけてな姉ちゃん達! ただのレッドドラゴンじゃない! いいことも教えておくぜ? 報酬金は500万ロトだぜ!」
突然の緊急クエスト。
運営も予期していなかった自体での緊急クエストは、やっぱり高額報酬なんだ。
500万……お店を改築できる費用になるから是非とも倒しておきたい。
移動は可憐さんにおんぶをしてもらっている。
精霊の羽を生やして、空から倒す作戦。
「ドラゴン見えてきたよー! しっかりと手前で落とすから、ポイズンポーションを浴びせてきてね! その後、旋回して戻ってきた私が一撃で仕留めるから!」
「でも、大丈夫ですか? レッドドラゴンのレベルを見る限り……100ですよ?」
「ポーションは確か、レベル差関係なく効くよ?」
軽い会話をしているうちにレッドドラゴンが姿を現し、私はレッドドラゴンの鼻先ギリギリかすめるかの位置で降ろされた。
「もう唱え終えてるんで、毒をどうぞ!」
ポーション解放の詠唱を、移動中に済ましておいた私は瓶を投げつけた。
そのまま凄い速度で私は落下していくも、素早く旋回してきた可憐さんがレッドドラゴンの首を一撃で刎ね、地面とギリギリのところで拾われた。
「危なかったねー! リミアちゃんが地面に落ちるところまでは私考えていなかったよー」
「そこは考えておいて欲しかったですうぅぅ……」
レッドドラゴンは、運営のパトロールプレイヤーが駆けつけて処理されていった。
私達は、パトロールプレイヤーから一枚の紙を渡された。
「500万って本当に書いてあるものなんだねー」
「凄い金額ですね! 現実で欲しいくらいですけど……」
「あれ? ここってゲーム世界?」
「それ……無限ループになりますよ可憐さん」
ゲームの世界と現実の世界の区別がつかなくなっている可憐さんは、笑顔で紙を頬にスリスリしている。
辺りを見渡すと、ほとんど人がいなかった。
多分、みんなレベル100のレッドドラゴンに傷を負わされたのか、戦闘不能でスタート画面へ戻されたかのどちらかだと見て分かる。
レベル100のレッドドラゴンは、可憐さんの話では見たことが無かったと言うほどの大物だった。
「おかえり! もう運営からのメールで名前上がってるよ!」
「緊急クエスト、任務達成者は可憐、リミアの女戦士だって。いい書き方されるなほんま」
「アグナも何回か乗ってるよね? 確か……ヴァルキリー狂乱イベントの緊急で、みんな戦闘不能になる中で残った俺が一撃で急所を貫いた件な」
笑い話だったり、負けた時の悔しい話だったりと、ポーションを求めて来てくれたプレイヤーさん達も交えて話をする。
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治癒ボランティアも、気づけばSNSで拡散されて有名になっているからこれはまた大繁盛。
「薬師のお姉ちゃん! 今日はガルブラから買いに戻ってきたぜ!」
「いつもありがとうございます! と言っても、転移ゲートを抜けて移動してきてるじゃないですか! アハハハ!」
毎日のように来てくれるプレイヤーの皆さんは、どこの街、大陸、洞窟に居てもわざわざ来てくれるよう。
街のいい薬屋になった。
けれど、やっぱり私のレベル1固定スキルは治らずにいる。
それどころか、一週間が経っているのに運営は何も言ってこない。
やっぱり、私個人のレベルは見放されているのだと思う。
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