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5.冷たい兄?(ジュリアン視点)
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ある日のこと僕がいつものように仕事をこなしているときに実家から手紙が届いた。
コンコン
「入れ」
「失礼します,団長宛に手紙が届いております」
「そこに置け……いや,やっぱ僕にくれ」
僕は手紙の内容を見てため息をついた。どうやら僕の弟が婚約破棄されたらしい。それで僕に弟を慰めろと。全く,こんな忙しい時期に面倒なことをしやがって。
「全く,面倒な野郎だ」
僕はすぐに支度をした。
残りの仕事はどうしようか……アベルに任せるか。
支度を終え僕はシャーウッド家へ向かう馬車へ行く。
「待ってくださいー団長!」
足速にこちらへ向かって走ってくる赤髪の男アベルが息を切らしながら話し出した。
「ちょっ,いきなり実家に帰るってなんで!あと俺に仕事を押し付けるな!!俺,忙しいんだよ」
「お前には関係ないだろ,あとお前が忙しいわけないだろ?いつもナンパしかしていないお前が忙しいだと?その冗談面白くないぞ」
どうやら図星だったようでアベルは矢に打たれたような声をあげて反論してきた。
「俺はベータだぞ,アルファみたく優秀じゃないんだよ。雄一の取り柄と言ったら顔くらいだ。今のうちに遊んでおきたいんだよ。だから仕事はお前が戻ってきたときにやればいいだろ?」
「お前……一体どうやって副団長って位になったんだよ」
「……ナイショ⭐︎」
内緒……か。まぁどうでもいいことだ。僕は馬車に乗り出発した。
「ちょっ!団長ーーー」
シャーウッド家についた頃には真夜中になっていた。
(この時間帯は寝ているな)
「ジュリアン様おかえりなさいませ。お部屋の準備は整っております」
「あぁ……シエルはもう寝たか?」
何当たり前の質問をしているんだ僕はシエルならもうとっくに寝てる時間だというのに。
「シエル様でしたら今は読書中です。向かわれるのであればマドレーヌをお持ちください」
「マドレーヌ?なぜだ?」
「お喜びになりますよ」
「そうか,ではもらおう」
喜ぶ……か。楽しみだな。
コンコンコン
そういえば僕が帰ってくることシエル知っているだろか。母上と父上があれだからな,伝えていないだろ。
ガチャ
「はい,どちら様でしょう,か?ってジュリアン様!?どうしてこちらにって何故マドレーヌをお持ちで?あっ!シエル様にですか?すみませんシエル様は先程お眠りになりまして……あっ!俺が食べましょうか?」
寝たのか。期待した僕も僕だが相変わらずわこいつはうるさい。シエルが起きるだろ。
「煩い,黙れ」
僕はこいつの顔を鷲掴みにした。
「ふぇっ!ちょっと顔を鷲掴みにしないでください!俺はシエル様以外お断りです!!」
「おい,黙れと言ったよな?シエルが起きるだろ,クビにされたいのか?」
「ヒェック、クビだけは……シエル様に毎日会えないと考えると,俺死んじゃいますよ」
僕はさっさと寮に帰るよういい自室に行き支度をし寝た。
※
この兄弟もしや仲が悪いのか?舌打ちをされたような睨まれたような?これが普通なのか?俺は兄弟いたことないからよくわからんな。でも全体的に冷たい気がする。まぁ,いいや。さっさと部屋に戻って寝よう。この身体に憑依してから好きなことできるわ俺の知らない食べ物が食べれるわでワクワクが止まらない。これが幸せというものか。
※
先程シエルに会えた…………か,可愛すぎる!!昨日は寝てたから会えなかったがあのモグモグと食べてる姿が愛おしいぃぃ。
危うく通りすがりにキスしそうになった。我慢できた僕偉い!クソ,あの第三皇子めぇよくも僕の可愛いシエルを傷つけやがったな,許さん。不能にしてやる。
あっ!そういえば通りすがりにキスしそうになって「チッ」で音が鳴ったかも……シエル絶対舌打ちされたと思ってるよ~
さっき舌打ちしてないよってシエルに言いに行こうと思ったのに……
『お前,婚約破棄されたんだって?』
って僕何聞いてるんだよ!手紙に書いてたのに慰めてって書いてたのに~僕,絶対嫌われた,可愛いシエルに嫌われた。ゔぅ~。よし!明日は昨日渡せなかったマドレーヌと誤解を解きに行こう!そうしよう!
コンコン
「入れ」
「失礼します,団長宛に手紙が届いております」
「そこに置け……いや,やっぱ僕にくれ」
僕は手紙の内容を見てため息をついた。どうやら僕の弟が婚約破棄されたらしい。それで僕に弟を慰めろと。全く,こんな忙しい時期に面倒なことをしやがって。
「全く,面倒な野郎だ」
僕はすぐに支度をした。
残りの仕事はどうしようか……アベルに任せるか。
支度を終え僕はシャーウッド家へ向かう馬車へ行く。
「待ってくださいー団長!」
足速にこちらへ向かって走ってくる赤髪の男アベルが息を切らしながら話し出した。
「ちょっ,いきなり実家に帰るってなんで!あと俺に仕事を押し付けるな!!俺,忙しいんだよ」
「お前には関係ないだろ,あとお前が忙しいわけないだろ?いつもナンパしかしていないお前が忙しいだと?その冗談面白くないぞ」
どうやら図星だったようでアベルは矢に打たれたような声をあげて反論してきた。
「俺はベータだぞ,アルファみたく優秀じゃないんだよ。雄一の取り柄と言ったら顔くらいだ。今のうちに遊んでおきたいんだよ。だから仕事はお前が戻ってきたときにやればいいだろ?」
「お前……一体どうやって副団長って位になったんだよ」
「……ナイショ⭐︎」
内緒……か。まぁどうでもいいことだ。僕は馬車に乗り出発した。
「ちょっ!団長ーーー」
シャーウッド家についた頃には真夜中になっていた。
(この時間帯は寝ているな)
「ジュリアン様おかえりなさいませ。お部屋の準備は整っております」
「あぁ……シエルはもう寝たか?」
何当たり前の質問をしているんだ僕はシエルならもうとっくに寝てる時間だというのに。
「シエル様でしたら今は読書中です。向かわれるのであればマドレーヌをお持ちください」
「マドレーヌ?なぜだ?」
「お喜びになりますよ」
「そうか,ではもらおう」
喜ぶ……か。楽しみだな。
コンコンコン
そういえば僕が帰ってくることシエル知っているだろか。母上と父上があれだからな,伝えていないだろ。
ガチャ
「はい,どちら様でしょう,か?ってジュリアン様!?どうしてこちらにって何故マドレーヌをお持ちで?あっ!シエル様にですか?すみませんシエル様は先程お眠りになりまして……あっ!俺が食べましょうか?」
寝たのか。期待した僕も僕だが相変わらずわこいつはうるさい。シエルが起きるだろ。
「煩い,黙れ」
僕はこいつの顔を鷲掴みにした。
「ふぇっ!ちょっと顔を鷲掴みにしないでください!俺はシエル様以外お断りです!!」
「おい,黙れと言ったよな?シエルが起きるだろ,クビにされたいのか?」
「ヒェック、クビだけは……シエル様に毎日会えないと考えると,俺死んじゃいますよ」
僕はさっさと寮に帰るよういい自室に行き支度をし寝た。
※
この兄弟もしや仲が悪いのか?舌打ちをされたような睨まれたような?これが普通なのか?俺は兄弟いたことないからよくわからんな。でも全体的に冷たい気がする。まぁ,いいや。さっさと部屋に戻って寝よう。この身体に憑依してから好きなことできるわ俺の知らない食べ物が食べれるわでワクワクが止まらない。これが幸せというものか。
※
先程シエルに会えた…………か,可愛すぎる!!昨日は寝てたから会えなかったがあのモグモグと食べてる姿が愛おしいぃぃ。
危うく通りすがりにキスしそうになった。我慢できた僕偉い!クソ,あの第三皇子めぇよくも僕の可愛いシエルを傷つけやがったな,許さん。不能にしてやる。
あっ!そういえば通りすがりにキスしそうになって「チッ」で音が鳴ったかも……シエル絶対舌打ちされたと思ってるよ~
さっき舌打ちしてないよってシエルに言いに行こうと思ったのに……
『お前,婚約破棄されたんだって?』
って僕何聞いてるんだよ!手紙に書いてたのに慰めてって書いてたのに~僕,絶対嫌われた,可愛いシエルに嫌われた。ゔぅ~。よし!明日は昨日渡せなかったマドレーヌと誤解を解きに行こう!そうしよう!
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