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第四章 夢の見つけ方
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「あ、でもさ。好きなことはどうしてもやりたいんだ。それだけは譲れない」
エコバッグの口からは、綺麗な水色の毛糸が顔を覗かせている。きっと、また何かを編むための毛糸だと思う
艶々のミートボールを挟んだ割り箸を口に運んだ明日希ちゃん。真剣な眼差しがふにゃりと歪んだ。
「おいしーいっ!」
おにぎりも一緒に頬張って、幸せそうに笑うから、嬉しくなった。
「明日希ちゃんの夢は、美容師さん?」
「まぁ、それもあるよね」
「……それも?」
「うん」
ちょっと待ってねと言って、詰め込んだものを飲み込むと、明日希ちゃんはペットボトルのお茶を飲んでからこちらを向く。
「私さ、やりたいことが多すぎて。それを全部夢って言ってたらキリがないんだよね。だから、まぁ、美容師もやりたいことの一つだし、編みぐるみ作るのもやりたいこと。そよ葉と友達になりたいなって思ったことまで全部夢になる。まぁ、それはもう叶ったけど」
ニシシと笑う明日希ちゃんに、友達になりたいと思ってもらえていたことが分かって、なんだか心の奥がむず痒くなる。
「楽しいことは多い方が良いじゃん。親から見放されようが、別に見捨てられたわけじゃないし。まぁ、こんな性格だから会えば毎回ふざけるなって怒られるけど、だからって心配してくれてないわけじゃなさそうだし。でも、まさかお弁当まではお願いできないから自分でやるしかないかなぁって感じだったの」
どこまでも清々しく明るい明日希ちゃん。
「私は明日の希望で明日希よ? 明日が暗くちゃどうしようもない。なんとかなるなる。小さいことは気にしないの」
そんなふうに、考えたことなんてなかった。
悩みは悩むものだと、そんなふうに悩むことは嫌だから、なるべく悩みがないように、正しい判断をして、波風立てずに平和に。そんな風に思っていた。
私は、自分のしたいことだって、よくわからなかったから。
「すごいね、明日希ちゃん」
「へ!? なにが? なんもすごいことないよ。そよ葉の方が、こんな私のために早起きしてお弁当作ってくれるとか、女神じゃん! やばい。もう私今日からそよ葉んちに足向けて寝れない」
手を合わせて拝まれるから、慌ててしまう。
だけど、本当だ。誰かのために何かしたいなんて、初めて思ったかもしれない。
理穏くんの行動力に影響されたのだろうか。
ふとそう思って、笑ってしまう。
「私も頑張ってお弁当作りしよっかなぁ。絶対節約になるよね。パンばっかり飽きるし」
お弁当の中身を綺麗に平らげて、明日希ちゃんは決意するように言う。
「私もお母さんにずっと頼ってきてたけど、朝は早いし時間はあっという間だし、やってみて大変なことを知ったから、たまには手伝わないとなって、思ったよ」
毎日あんな感じなのかと考えたら、疲れてしまう。
「あ、ねぇ、そよ葉」
お弁当も食べ終わって教室に戻る準備をしていると、立ち上がった明日希ちゃんが思い出すように言った。
「そよ葉と同じクラスにいるさぁ、りらと光と姫奈だけどさ」
まさか、三人の名前が明日希ちゃんの方から出て来るとは思わなくて、ただ驚いてしまう。
関わるなとか、仲良くしないでとか、そんなことを言われるんじゃないかと、少し身構えてしまう。せっかく明日希ちゃんと仲良くなれたのに、みんなとも、なかよくなれそうなのに。そんなのは、私は嫌だ。嫌だけど。もしそんなふうに言われたら、友達じゃいられなくなっちゃう。
「みんないい子達だから仲良くしてやってね」
「……え」
思っていたこととまったく真逆の答えが返って来るから、頭の中が真っ白になった。
「お弁当箱洗ってから明日返すね! ごちそうさまでした! またねー」
変わらない笑顔で行ってしまった後ろ姿に、遅れて手を振った。
「あの子、たぶん言葉が足りないのよ」
「うわっ!?」
急に聞こえてきたマンデリンの声に、あからさまに驚いてしまった私は辺りを見回してから咳払いをしてゆっくり歩き出す。
「なに? どう言うこと?」
「さっきね、ちょっとした魔法を使って、あの子の心の内を吐かせたのよ」
「え? 魔法? 吐かせる?」
「じゃないと、たぶんあの子の心の中が分からないままだったから。色々話させちゃったの。きっとさっき話したこともそよちゃんにしか今まで打ち明けてないことだと思う。今頃何で話しちゃったんだろう? まぁ、いっか! ってなってるはずよ。楽観的な性格なことが救いだわ」
私は明日希ちゃんと話し始めた時に感じた違和感を思い出す。マンデリンがウインクをしたのが気になっていたけど、まさかあの時。
「そよちゃんが、あの子達のいざこざで悩む必要はないけど、向こうは向こうですれ違っててなんだか青春よねぇ。いいわぁ」
楽しそうに笑って、マンデリンはそのままただの編みぐるみに戻ってしまった。
明日希ちゃんの心の内を吐き出させた?
マンデリンってやっぱりなんなの?
魔法使い? 魔女? 魔女ぐるみ? マンデリンのマは、魔法の魔!?
頭の中でぐるぐるとたどりつかない答えが巡っていろんなことが回っている。
だけど、一つだけ分かったのは、私もなにか目標を持ちたいってこと。
やりたいことはたくさんあって良いって、明日希ちゃんが言っていた。だから、私は、やっぱりマスターと一緒に「待つノ木」を再開したい。そして、友達にも「待つノ木」に来て欲しい。みんなを、私の魔法のひと匙で、笑顔にしてあげたい。
まだまだ私も修行がいると思う。
今日も、真っ直ぐ「待つノ木」に帰る。
裏口から入って、マスターに「ただいま」を言う。いつも通りのこと。
「マスター! 私もここで修行させてください」
キョトンとしたマスターは、カップを置くと、こちらに向かって歩いてくる。
「……え? そよ葉まで修行?」
不思議な顔をしながらも、私が真剣なことを伝えようと頭を下げると、目の前まで来たマスターは立ち止まって、ふうっと小さく息を吐き出した。
「そよ葉の思うようにやってみなさい。私は、なんでも協力するから。一緒に頑張ろう」
スッと差し出された手。
それは、きっと「待つノ木」を共に再開するための絆を結ぶ握手に感じて、私は顔を上げると、両手でマスターのしわしわで大きな手を握り返した。
「よろしくお願いしますっ」
一歩ずつ、「待つノ木」再開に向けて動き出そう。ゆっくりだったけど、今、ようやくスタートラインに立つことができたよ。
おばあちゃん、見ててね。
私、しっかり自分で考えて、自分の気持ちをきちんと伝えて、これから進んでいくから。おばあちゃんみたいにはなれなくても、私もいつか、誰かの心の支えになりたい。
マンデリンとおばあちゃんの金のスプーンで、これからたくさんのお客さんを迎え入れる準備をする。
そして、みんなの心と顔にいつもスマイルがあることを願って、これからも「待つノ木」を続けていきたい。
私、頑張るからね。おばあちゃん。だからどうか、見守っていてください。
エコバッグの口からは、綺麗な水色の毛糸が顔を覗かせている。きっと、また何かを編むための毛糸だと思う
艶々のミートボールを挟んだ割り箸を口に運んだ明日希ちゃん。真剣な眼差しがふにゃりと歪んだ。
「おいしーいっ!」
おにぎりも一緒に頬張って、幸せそうに笑うから、嬉しくなった。
「明日希ちゃんの夢は、美容師さん?」
「まぁ、それもあるよね」
「……それも?」
「うん」
ちょっと待ってねと言って、詰め込んだものを飲み込むと、明日希ちゃんはペットボトルのお茶を飲んでからこちらを向く。
「私さ、やりたいことが多すぎて。それを全部夢って言ってたらキリがないんだよね。だから、まぁ、美容師もやりたいことの一つだし、編みぐるみ作るのもやりたいこと。そよ葉と友達になりたいなって思ったことまで全部夢になる。まぁ、それはもう叶ったけど」
ニシシと笑う明日希ちゃんに、友達になりたいと思ってもらえていたことが分かって、なんだか心の奥がむず痒くなる。
「楽しいことは多い方が良いじゃん。親から見放されようが、別に見捨てられたわけじゃないし。まぁ、こんな性格だから会えば毎回ふざけるなって怒られるけど、だからって心配してくれてないわけじゃなさそうだし。でも、まさかお弁当まではお願いできないから自分でやるしかないかなぁって感じだったの」
どこまでも清々しく明るい明日希ちゃん。
「私は明日の希望で明日希よ? 明日が暗くちゃどうしようもない。なんとかなるなる。小さいことは気にしないの」
そんなふうに、考えたことなんてなかった。
悩みは悩むものだと、そんなふうに悩むことは嫌だから、なるべく悩みがないように、正しい判断をして、波風立てずに平和に。そんな風に思っていた。
私は、自分のしたいことだって、よくわからなかったから。
「すごいね、明日希ちゃん」
「へ!? なにが? なんもすごいことないよ。そよ葉の方が、こんな私のために早起きしてお弁当作ってくれるとか、女神じゃん! やばい。もう私今日からそよ葉んちに足向けて寝れない」
手を合わせて拝まれるから、慌ててしまう。
だけど、本当だ。誰かのために何かしたいなんて、初めて思ったかもしれない。
理穏くんの行動力に影響されたのだろうか。
ふとそう思って、笑ってしまう。
「私も頑張ってお弁当作りしよっかなぁ。絶対節約になるよね。パンばっかり飽きるし」
お弁当の中身を綺麗に平らげて、明日希ちゃんは決意するように言う。
「私もお母さんにずっと頼ってきてたけど、朝は早いし時間はあっという間だし、やってみて大変なことを知ったから、たまには手伝わないとなって、思ったよ」
毎日あんな感じなのかと考えたら、疲れてしまう。
「あ、ねぇ、そよ葉」
お弁当も食べ終わって教室に戻る準備をしていると、立ち上がった明日希ちゃんが思い出すように言った。
「そよ葉と同じクラスにいるさぁ、りらと光と姫奈だけどさ」
まさか、三人の名前が明日希ちゃんの方から出て来るとは思わなくて、ただ驚いてしまう。
関わるなとか、仲良くしないでとか、そんなことを言われるんじゃないかと、少し身構えてしまう。せっかく明日希ちゃんと仲良くなれたのに、みんなとも、なかよくなれそうなのに。そんなのは、私は嫌だ。嫌だけど。もしそんなふうに言われたら、友達じゃいられなくなっちゃう。
「みんないい子達だから仲良くしてやってね」
「……え」
思っていたこととまったく真逆の答えが返って来るから、頭の中が真っ白になった。
「お弁当箱洗ってから明日返すね! ごちそうさまでした! またねー」
変わらない笑顔で行ってしまった後ろ姿に、遅れて手を振った。
「あの子、たぶん言葉が足りないのよ」
「うわっ!?」
急に聞こえてきたマンデリンの声に、あからさまに驚いてしまった私は辺りを見回してから咳払いをしてゆっくり歩き出す。
「なに? どう言うこと?」
「さっきね、ちょっとした魔法を使って、あの子の心の内を吐かせたのよ」
「え? 魔法? 吐かせる?」
「じゃないと、たぶんあの子の心の中が分からないままだったから。色々話させちゃったの。きっとさっき話したこともそよちゃんにしか今まで打ち明けてないことだと思う。今頃何で話しちゃったんだろう? まぁ、いっか! ってなってるはずよ。楽観的な性格なことが救いだわ」
私は明日希ちゃんと話し始めた時に感じた違和感を思い出す。マンデリンがウインクをしたのが気になっていたけど、まさかあの時。
「そよちゃんが、あの子達のいざこざで悩む必要はないけど、向こうは向こうですれ違っててなんだか青春よねぇ。いいわぁ」
楽しそうに笑って、マンデリンはそのままただの編みぐるみに戻ってしまった。
明日希ちゃんの心の内を吐き出させた?
マンデリンってやっぱりなんなの?
魔法使い? 魔女? 魔女ぐるみ? マンデリンのマは、魔法の魔!?
頭の中でぐるぐるとたどりつかない答えが巡っていろんなことが回っている。
だけど、一つだけ分かったのは、私もなにか目標を持ちたいってこと。
やりたいことはたくさんあって良いって、明日希ちゃんが言っていた。だから、私は、やっぱりマスターと一緒に「待つノ木」を再開したい。そして、友達にも「待つノ木」に来て欲しい。みんなを、私の魔法のひと匙で、笑顔にしてあげたい。
まだまだ私も修行がいると思う。
今日も、真っ直ぐ「待つノ木」に帰る。
裏口から入って、マスターに「ただいま」を言う。いつも通りのこと。
「マスター! 私もここで修行させてください」
キョトンとしたマスターは、カップを置くと、こちらに向かって歩いてくる。
「……え? そよ葉まで修行?」
不思議な顔をしながらも、私が真剣なことを伝えようと頭を下げると、目の前まで来たマスターは立ち止まって、ふうっと小さく息を吐き出した。
「そよ葉の思うようにやってみなさい。私は、なんでも協力するから。一緒に頑張ろう」
スッと差し出された手。
それは、きっと「待つノ木」を共に再開するための絆を結ぶ握手に感じて、私は顔を上げると、両手でマスターのしわしわで大きな手を握り返した。
「よろしくお願いしますっ」
一歩ずつ、「待つノ木」再開に向けて動き出そう。ゆっくりだったけど、今、ようやくスタートラインに立つことができたよ。
おばあちゃん、見ててね。
私、しっかり自分で考えて、自分の気持ちをきちんと伝えて、これから進んでいくから。おばあちゃんみたいにはなれなくても、私もいつか、誰かの心の支えになりたい。
マンデリンとおばあちゃんの金のスプーンで、これからたくさんのお客さんを迎え入れる準備をする。
そして、みんなの心と顔にいつもスマイルがあることを願って、これからも「待つノ木」を続けていきたい。
私、頑張るからね。おばあちゃん。だからどうか、見守っていてください。
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