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2章 無垢な黒
セレン湖へ
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遠くから声が聞こえる。もやがかかったような視界が開けると、薄桃色の瞳が見えた。
「ジブ……」
声を掛けるとジブは涙ぐんだ。
「気が付いて良かった。大丈夫? 痛みは?」
「痛みは、ない。それよりルガーは……」
「もういない」
ジブの肩を借りてトニーは立ち上がった。多少ふらつきはしたが、歩けないほどではない。大事を取ってジブに寄りかかったが、彼の鍛えられた体はトニーが寄りかかったくらいではびくともしなかった。
「あいつ、頭おかしいんじゃないのか。俺の口答えに過剰反応しすぎだ」
ジブが気色ばんで言う。トニーは口を噤んだまま頷いた。その後もジブは、ルガーに対する不満を垂らしていたが、トニーは曖昧に答えることしかできなかった。
ーーあの目。
首を絞めてきた瞬間の、ルガーの目。
あれは部下を嗜めるようなものでも脅しでもなかったよう。もっと別の、強い感情を秘めているように思えた。
それでも、なんだったかと考える余裕はない。
出撃の時間が迫っている。
ジブとトニーは急いで自室に戻り、支給されたバッグに荷物を詰め込んで、集合場所である中庭に向かうはめになった。
中庭には、朝食後の集会場で挨拶を交わした第三騎士団が集まっていた。
「遅いぞ。新兵なら一番に来い」
ガヨが腕に抱えている透明のタブレットを触った。ジブが覗き込むと、名簿が表示されていて、ガヨは名簿の最下部のチェックが入っていない二箇所にチェックマークを書き込んでいたところだった。
「覗き込むな」
ガヨは画面をぴったりと体につけ、ジブに注意した。ジブは、はいはいと軽く返してその場を離れる。
ジブとトニーは、先ほど集会場であった出来事は一旦伏せておくことにした。ルガーの情報を持っている者がいれば、それとなく聞きだす方がいいであろうとは二人で一致した意見だ。
しかし、上役に理不尽なしごきを受けたと口で言ったとしても、まだ第三騎士団員と信頼関係がないから、悪戯に立場を悪くするだけだと考えたからだった。
ガヨが指笛を短く鳴らす。
即座にざわめきが収まり、団員がガヨに注目した。
「今回は魔獣の討伐のため、複数の目撃情報のあるセレンの湖に向かう。期間は最大で十日間。幌馬車が一台。馬は十二頭だ。効率よく使え。入団試験中の傭兵、十三名を連れていく。戦闘や雑用は原則傭兵にさせろ。お前らは探索、鍛錬がメインになる。団長はいないがハメを外すな」
ガヨはもう一度指笛を短く鳴らすと、場に走っていた緊張が解け、それぞれがしていた作業に戻った。
幌馬車には大きい荷物や共用物が積まれている。手荷物は自身で管理することになった。
ガヨは幌馬車に最後の荷を詰め込まれたことを確認してタブレットにサインをした。
中庭全体を見回すと、飾り柱に背を預けるトニーが目に入った。騎士団の黒を基調にした制服の中で白い修道服はひどく目立つ。顎までかかりそうなハイネックのインナー。中指に着けている留め具まで伸びた袖。修道服に特徴的な前垂れとショートブーツに身を包んだトニーは手持ち無沙汰な様子で居る。
ーー浮いている。
入団して三ヶ月が経ったものの、トニーは騎士団に馴染んでいないように見えた。
ジブはあれはあれでなかなかに明るい。槍の使い手で訓練での成績も良く愛想がいいから、溶け込むのも早かったがーー。
団員の人間関係の調整はガヨに期待されている役目の一部であり、トニーを分隊長として抱える身としても早く第三騎士団に馴染んで欲しいところだった。ガヨはタブレットを脇に抱えて、ぼうっと佇むトニーの元へと向かった。
歩みを進めながら、ふと身長差に気づく。トニーは筋肉自慢の多い団員たちの中では小柄なほうだった。カタファも小柄だが、わずかにカタファの方が高い。ガヨとは肩を並べて立つには少しの差がある。ジブとエイラスは団員の中でも背が高い。トニーと比べると拳一つ分あるだろうか。
細いなと、素直にガヨは思った。
とはいっても、トニーは大陸の男性の中では平均的な体格だ。ただ、騎士団員に大柄な人間が多いだけである。
トニーは後頭部に手を当てている。頭痛だとしたら声をかけないほうが良いかとガヨは思ったが、緑色の瞳に射抜かれては喋らないほうが不自然だった。
「騎士団員としては初出撃だな。トニー。馬には乗れるか?」
「……俺は乗れない。ジブは乗れるが」
「なら早く乗れるようになれ。階級を叙されているわけじゃないが、外部から騎士と呼ばれる身になる」
「わかった。練習しておく」
トニーは答えたが、目線はガヨの肩越しに見える中庭の団員たちに注がれていた。ガヨは立ち位置を直してトニーの視線に無理やり入った。
「ついてこい」
二人は中庭の中央、幌馬車の近くまで移動した。
「トニーが馬に乗れない」
ガヨが背後に立つトニーを指差すと、荷台部分の防護布を割ってカタファが顔を出してきた。カタファは荷台に乗って移動するようだった。
「練習すれば乗れるって。これから、これから」
バンダナについた細かい飾りが揺れる。そこにトニーとって見慣れた赤髪が視界に入った。馬車の裏からジブが荷物を抱えながら話しかけてくる。
「どうせ馬は足りてないから、歩く奴が大多数だろ。歩いていけばいい」
そっと腰に誰かが触れるーーこんなことをするのは一人しかいない。
「騎乗なら俺が教えられますよ。馬上槍試合では負けたことありませんから」
やはりエイラスだった。
「御者台の隣が空いてる。御者を動かせるようになったら役に立つぞ」
今度はガヨが幌馬車に繋がれた馬の首を撫でながら振り返った。
トニーは正直、興味がなかった。目的地に着ければ手段など関係ない。だから、次に最初に声を発した者についていこうと決めた。
最初に声をかけたのは
トニーは正直、興味がなかった。目的地に着ければ手段など関係ない。だから、次に最初に声を発した者についていこうと決めた。
最初に声をかけたのは
ガヨだった
カタファだった
エイラスだった
ジブだった
「ジブ……」
声を掛けるとジブは涙ぐんだ。
「気が付いて良かった。大丈夫? 痛みは?」
「痛みは、ない。それよりルガーは……」
「もういない」
ジブの肩を借りてトニーは立ち上がった。多少ふらつきはしたが、歩けないほどではない。大事を取ってジブに寄りかかったが、彼の鍛えられた体はトニーが寄りかかったくらいではびくともしなかった。
「あいつ、頭おかしいんじゃないのか。俺の口答えに過剰反応しすぎだ」
ジブが気色ばんで言う。トニーは口を噤んだまま頷いた。その後もジブは、ルガーに対する不満を垂らしていたが、トニーは曖昧に答えることしかできなかった。
ーーあの目。
首を絞めてきた瞬間の、ルガーの目。
あれは部下を嗜めるようなものでも脅しでもなかったよう。もっと別の、強い感情を秘めているように思えた。
それでも、なんだったかと考える余裕はない。
出撃の時間が迫っている。
ジブとトニーは急いで自室に戻り、支給されたバッグに荷物を詰め込んで、集合場所である中庭に向かうはめになった。
中庭には、朝食後の集会場で挨拶を交わした第三騎士団が集まっていた。
「遅いぞ。新兵なら一番に来い」
ガヨが腕に抱えている透明のタブレットを触った。ジブが覗き込むと、名簿が表示されていて、ガヨは名簿の最下部のチェックが入っていない二箇所にチェックマークを書き込んでいたところだった。
「覗き込むな」
ガヨは画面をぴったりと体につけ、ジブに注意した。ジブは、はいはいと軽く返してその場を離れる。
ジブとトニーは、先ほど集会場であった出来事は一旦伏せておくことにした。ルガーの情報を持っている者がいれば、それとなく聞きだす方がいいであろうとは二人で一致した意見だ。
しかし、上役に理不尽なしごきを受けたと口で言ったとしても、まだ第三騎士団員と信頼関係がないから、悪戯に立場を悪くするだけだと考えたからだった。
ガヨが指笛を短く鳴らす。
即座にざわめきが収まり、団員がガヨに注目した。
「今回は魔獣の討伐のため、複数の目撃情報のあるセレンの湖に向かう。期間は最大で十日間。幌馬車が一台。馬は十二頭だ。効率よく使え。入団試験中の傭兵、十三名を連れていく。戦闘や雑用は原則傭兵にさせろ。お前らは探索、鍛錬がメインになる。団長はいないがハメを外すな」
ガヨはもう一度指笛を短く鳴らすと、場に走っていた緊張が解け、それぞれがしていた作業に戻った。
幌馬車には大きい荷物や共用物が積まれている。手荷物は自身で管理することになった。
ガヨは幌馬車に最後の荷を詰め込まれたことを確認してタブレットにサインをした。
中庭全体を見回すと、飾り柱に背を預けるトニーが目に入った。騎士団の黒を基調にした制服の中で白い修道服はひどく目立つ。顎までかかりそうなハイネックのインナー。中指に着けている留め具まで伸びた袖。修道服に特徴的な前垂れとショートブーツに身を包んだトニーは手持ち無沙汰な様子で居る。
ーー浮いている。
入団して三ヶ月が経ったものの、トニーは騎士団に馴染んでいないように見えた。
ジブはあれはあれでなかなかに明るい。槍の使い手で訓練での成績も良く愛想がいいから、溶け込むのも早かったがーー。
団員の人間関係の調整はガヨに期待されている役目の一部であり、トニーを分隊長として抱える身としても早く第三騎士団に馴染んで欲しいところだった。ガヨはタブレットを脇に抱えて、ぼうっと佇むトニーの元へと向かった。
歩みを進めながら、ふと身長差に気づく。トニーは筋肉自慢の多い団員たちの中では小柄なほうだった。カタファも小柄だが、わずかにカタファの方が高い。ガヨとは肩を並べて立つには少しの差がある。ジブとエイラスは団員の中でも背が高い。トニーと比べると拳一つ分あるだろうか。
細いなと、素直にガヨは思った。
とはいっても、トニーは大陸の男性の中では平均的な体格だ。ただ、騎士団員に大柄な人間が多いだけである。
トニーは後頭部に手を当てている。頭痛だとしたら声をかけないほうが良いかとガヨは思ったが、緑色の瞳に射抜かれては喋らないほうが不自然だった。
「騎士団員としては初出撃だな。トニー。馬には乗れるか?」
「……俺は乗れない。ジブは乗れるが」
「なら早く乗れるようになれ。階級を叙されているわけじゃないが、外部から騎士と呼ばれる身になる」
「わかった。練習しておく」
トニーは答えたが、目線はガヨの肩越しに見える中庭の団員たちに注がれていた。ガヨは立ち位置を直してトニーの視線に無理やり入った。
「ついてこい」
二人は中庭の中央、幌馬車の近くまで移動した。
「トニーが馬に乗れない」
ガヨが背後に立つトニーを指差すと、荷台部分の防護布を割ってカタファが顔を出してきた。カタファは荷台に乗って移動するようだった。
「練習すれば乗れるって。これから、これから」
バンダナについた細かい飾りが揺れる。そこにトニーとって見慣れた赤髪が視界に入った。馬車の裏からジブが荷物を抱えながら話しかけてくる。
「どうせ馬は足りてないから、歩く奴が大多数だろ。歩いていけばいい」
そっと腰に誰かが触れるーーこんなことをするのは一人しかいない。
「騎乗なら俺が教えられますよ。馬上槍試合では負けたことありませんから」
やはりエイラスだった。
「御者台の隣が空いてる。御者を動かせるようになったら役に立つぞ」
今度はガヨが幌馬車に繋がれた馬の首を撫でながら振り返った。
トニーは正直、興味がなかった。目的地に着ければ手段など関係ない。だから、次に最初に声を発した者についていこうと決めた。
最初に声をかけたのは
トニーは正直、興味がなかった。目的地に着ければ手段など関係ない。だから、次に最初に声を発した者についていこうと決めた。
最初に声をかけたのは
ガヨだった
カタファだった
エイラスだった
ジブだった
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