ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで魔物の大陸を生き抜いていく〜

西館亮太

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お店経営編

第二章 61話『『元』究極メイド、情報を得る』

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 アミナは西部にある広場で出会った道化師のヒューリーに街の中を案内してもらう事になった。
 彼はザストルクを仕切っている人物――つまりザストルクの町長へと会いに行くついでに、案内をしてくれるらしく、彼は楽しそうにペラペラと喋っていた。

「この街はいい街ですよねぇ。人々が活気に溢れ、仕事をしている事に喜びを感じている。嫌々仕事をしている者は1人としておらず、コルネロ帝国という体全身へと、荷物や人という血液と酸素を送り出している。この街の作業が滞れば、他の街や帝都にどれだけの被害が出るかは……考えたくはありませんねぇ。しかも、ここの運営をなさっている町長殿は、元々冒険者という不確定な身分でありながら、その能力を皇帝陛下に買われて、この街の町長を任せてもらっているそうです。実力があれば誰であろうと活躍の機会を与える……これ程素晴らしい街はとても珍しい!この街に滞在しているだけの私ですが、とても鼻が高いのですよ。鼻は赤くて丸いのですが」

 饒舌で特徴的な声で沢山喋る事や、アミナよりもはるかに大きくて目立つ格好をしているのもあってか、かなり街の人から声をかけられた。

「おう、ヒューリーさん。この前は楽しませてもらったよ」「手を出す手品、また見せてね」「車輪が側溝にはまった時はありがとうな」「荷物が重い時はまた頼むよ」「今度ウチ寄ってって」「果物持って行くかい?」

 アミナが思っている以上に彼の人望は凄まじく、たった2週間で住人達の心を完全に鷲掴みにしていた。愛嬌のある体つきと便利なスキル、そして社交的な性格。それら全てがいい具合に働いて街の人の助けになっているようだった。

「すごい人気ですね」

「いやはや、ありがたい限りですよ。己の役に立たないと思っていた能力や才能ででここまで人の役に立てる……本当に嬉しい限りです」

 ヒューリーは意味ありげに呟く。それに対してアミナも思うところがあった。
 彼は最初、冒険者を目指していた。しかし彼が言うには折角のスキルも使い物にならなかったらしく、冒険者を諦めて道化師になった事でそちらの才能が開花した。
 そんな彼は己のスキルを自分自身の願いすら叶えられない『いらないもの』と考えていた。
 ……私と同じだ。アミナは心の中で呟く。

 アミナも仕事的にも性格的にもスキルは必要の無い、いらないものと認識していた。しかし、そんな力で今は店を経営し、様々な依頼を熟して人を助けてきた。
 境遇や環境、目指していたものは違えど、彼とアミナは似ている所があったのかもしれない。

「さぁ、到着致しました。こちらがザストルクの町長の仕事場兼自宅の本庁舎です」

 彼の考えと自身の考えを重ねていたアミナは、声をかけられて顔を上げる。
 するとそこには、他の建物より大きくてよく目立つ、石造りの建物があった。街の外から目立って見えた建物はこれだったのか。

「この建物に町長さんが?」

「はい。つい2週間前に私も同じような感想を述べました。何分、ここまで大きな庁舎は中々無いものですから」

 ニコリと笑いながら、彼も庁舎を見上げる。
 本当に立派だ。スターターの冒険者ギルドと同じくらい大きいのではないのだろうか。
 そんな事を考えていると、ヒューリーは本庁舎の扉を開けて「ささ、参りましょう」と言ってアミナを先に中に入れた。

 内装は外と違って落ち着いており、The・仕事場といった感じで職員が待ち受けていたりした。そこにヒューリーが顔を出すと「ヒューリー様ですね」と言われていた。もうこの街で顔パスが使えるらしい。
 受付の女性が手元にある何かを探った後、申し訳なさそうな顔をして謝罪をしてきた。

「申し訳ありません。タットは今他の方との面会が急遽予定されてしまいまして……」

 どうやら先客がいたらしい。それに彼は一言「それは仕方ありませんね」とにこやかな笑顔を崩さずに受付嬢へと言った。
 すると奥から見慣れた黒い服装の男が1人と、見慣れないきっちりとした服を着た男が歩いてきた。

「あっ!ベルリオさん!」

 アミナは驚いて思わず叫ぶ。呼ばれた男は尖った耳をピンとさせてアミナの方を向いた。

「アミナ殿。どうしてここが?」

「ベルリオさんこそなんでこちらに?」

 その問いかけにベルリオは答えようとした。しかし、近くにいたヒューリーが目に入ってそれを止めた。

「あの……お2人はお知り合いなのですか?」

 ベルリオと一緒にいた男が口を開いた。恐らく、というかほぼ確実に彼がこの街の町長であるタットだろう。

「あぁ、昔の馴染みでな。この方も一緒に話を聞きたいのだが……構わんか?」

「はい、構いませんよ。さぁこちらへどうぞ。……ヒューリーさんすまんね、長くなるだろうからまたこちらから連絡しますよ」

 タットは禿げた頭をきらめかせながらアミナとベルリオを奥の階段へと案内する。そして去り際にヒューリーへと謝罪し、階段を上った。

「それはそれは。承知致しました」

 ヒューリーは既に誰もいない階段に向かって体を折り曲げてお辞儀をし、再び本庁舎の扉を開けてくぐって出ていった。

―――

 本庁舎の3階にある町長の自室へとアミナとベルリオは案内された。
 アミナとベルリオが隣り合って座り、タットがテーブルを挟んだ向かい側に座って話が始まった。

「あの……それで訊きたい事というのは何なのですか?帝都の騎士団長様がわざわざ私に……」

 先程からずっと疑問に思っていたのだろう。タットが2人に、特にベルリオに向かって言った。
 そこのところはアミナも気になっていたところだ。だがまぁ、大抵の予想はつく。

「今日町長に訊きたいのは、最近この街に変な所は無いか、という事だ」

 やっぱり、予想通りだった。
 前屈みになって手を組みながらベルリオは言った。
 アミナ以外のメンバーは複数人で探索をしている。その為アミナよりも早く行き詰まってしまったのだろう。
 そこでベルリオが考えたのが、街の顔に詳しく話を聞くという事だ。もっとも、この案を出したのは多分頭が切れるイーリルの方だろうが。

「はぁ……変な所ですか……?」

 突然言われた事に困惑しながらも、タットは必死に思い出しているかのように腕を組んで悩みだした。
「すーっ」「うーむ」「いや」等、様々唸り声を上げていたのがいい証拠だ。
 数分唸っても何も変化がないので、「では質問を変えよう」とベルリオが言った。

「ここ最近、魔人会の連中は見たか」

 急に直球な質問……これは言ってもいい事なのだろうか……。仮にタットさんが既に魔人会の構成員ならば、今すぐにでも壊滅作戦が決行されてしまうかもしれない。一か八かの賭けの質問……なんて返ってくる……。

「魔人会……?」

 目の奥で怪しい光が灯る。
 もしかして……とアミナの中に不安が生まれる。しかし顔は崩さずに、ただタットの言葉を待っている。
 そして「んんんん……」と低く唸った彼の姿を見てアミナは息を呑む。彼は突然顔をバッと上げた。

「……あんにゃろめぇ!!折角御者達が運んだ荷物を襲って盗みやがるんだ!!舐め腐りやがって!!どれだけ苦労して物資を運んでるのか分かっとりゃせんのか!!……もしかして、あいつ等がこの街に!?だったら私がこの手で始末してやりますよ!!」

 怒りの籠もった言葉にアミナは安心して胸を撫で下ろす。
 以前アミナが見た魔人会の構成員は自爆の寸前に狂ったように「尽くす」と言ってから自爆した。そんな連中が嘘でも自身の所属している組織を悪く言うとは思えない。

「しかしそれでも尚、私の中に違和感は無いのですよね……どうして魔人会がこの街にいる可能性があるのですか?」

 ここからは本格的に帝都の騎士団しか知らない話になる。だが先程の態度を見たアミナとベルリオは顔を見合わせて頷く。それは、この人は信用してもいいだろう、という合図だった。

「実はな―――」

 そこからベルリオは、この街に来た経緯を細々と伝えた。
 皇帝が何者かによって暗殺された事を、それが魔人会による犯行の可能性が最も高いという事を、先日の帝都での騒ぎで拘束した魔人会の構成員が吐いた情報のザストルクが壊滅されるかもしれないという事を。

 全てをありのままに話し、そして町長に協力を求めた。「どうか協力してくれないか」と。

「私の知らぬ所でそんな事が……」

 タットは絶句して俯いた。

「……私はしがない冒険者でした。生きる理由を見つけられずに生きていた中、皇帝陛下に拾われ、今のこの仕事をさせて頂いています。……陛下が殺されて、私の恩人が殺されて、黙っていられる訳がありません……!!少々お待ち下さい。必ず心当たりを見つけてみせます!!」

 突然立ち上がったタットは、部屋の奥にある扉の中へと入っていった。部屋が閉まる寸前に、大量の本が見えた。
 恐らくあれはこの街の様々な事に関する資料なのだろう。運ばれた物の数や人の数が細かく記されているに違いない。

 ベルリオとアミナはしばらくソファに腰掛けてタットの帰りを待った。
 そして1時間程経過した頃、いきなり奥の扉が勢い良く開いて、バンッ!!と大きな音を立てた。扉から出てきたタットは息が上がったようにゼーハーしていた。

「ありました!!1つ!!心当たりが!!」

 そう言って彼は本を一冊机の上に置いた。かなり分厚い本で、これ一冊で一体金貨いくらになってしまうのだろう、と俗的な事を考えてしまった。第四大陸では紙など珍しくもなんとも無いのだが、第二大陸に長く住んでいた弊害だろうか、そういった考え方をするようになってしまっていた。

「見て下さい。ここのページを」

「この資料は一体なんの資料なんだ?」

 ベルリオがタットに問いかける。彼はこういった資料を見慣れていないのだろうが、アミナは違った。
 彼女はメイド長をしていた経験から、屋敷に運ばれてくる物資を確認する時にこういった記録を録っていた。

「これはこの街に運ばれてきた荷物の量を記したものです。実がつい数日前から、運び込まれてくる物資の間隔が短くなっていっているんです。こういった事は珍しくは無いのですが、本当にここ数日であり得ない程短くなっているのです。一週間前の馬車による搬入と搬出の合計回数が32回だったのにも関わらず、2日前は搬入だけで40回を越えているのです。仮に搬入と搬出の回数を半々だとしても、2倍以上の増えよう……当時は何も思っていなかったのですが……。私の思った最近のこの街の変な所と言えば、これくらいです。お役に立てましたでしょうか?」

 予想外だった。
 こういった資料から可能性を導き出すというのは。
 現場百遍とは言ったものだが、時には俯瞰で物事を見て外堀から地道に埋めていくというのも、真っ直ぐ突き進むより早い事もある。
 思わぬ収穫に「十分だ」とベルリオは頭を下げて感謝の意を示した。それに続いてアミナも「ご協力感謝します」と立ち上がってお辞儀をした。
 そのお辞儀を受け取るのを「いえいえ」と拒んだタットは「それよりも」と言葉を続けた。

「私が愛するこの街の住人を、汗水垂らし必死に生きる私達を貶めようとする魔人会の連中を、是非に捕まえて下さい」

 そう言って2人よりも深々と頭を下げて頼んだ。
 アミナとベルリオは頷き、「勿論だ」「必ず阻止してみせます」と言って町長室を後にした。
 最初は駄目で元々の聞き込みだったが、町長から思わぬ収穫が得られた。他の皆へのいい手土産が手に入ったアミナとベルリオは、本庁舎から出て、再び街へ魔人会の探索の為に繰り出していった。

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