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第7章 対決! 3人の十二神!
1話 俺たちが領主様だ!
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キナラ村を出発して数日。実験体一号にもらった鳥の羽根型の鍵が突然光り始めたので、その反応に従って森の中を進むと、強く反応を示す場所を見つけた。
「ここね。周囲には人工物らしきものはないから、地面に埋まっているのかも」
「掘り返しましょうか」
シルバーが腕まくりをしながら言った。
「ええ、フロストも手伝わせましょう。でも召喚って地味に魔力を消費するのよね。省エネ召喚できないかしら……はい、出でよ、フロスト」
そんなことを考えながら召喚したフロストは、忠犬と名高い中型犬の姿をしていた。フロストわんこは、自分の姿を見て飛び跳ねた。
「な、何だこれはーー!?」
「あら、本当に省エネ召喚しちゃったわ! 魔力もそれほど消費しなかったし、これは使えるかも!」
「視線が低い!? 常に四つん這い!?」
「くるりと巻いた尻尾が可愛いじゃないの~! 聖女に嫌われたあげく、仲間にも見捨てられた可哀想なフロストくん?」
「うぐっ!? それは……」
フロストは、しゅんっと悲しげな顔をしてうつむいた。
「クゥン……もう誰も、俺を必要としてくれないんだな。昔からそうだった。必要とされたのはこの氷の魔法だけで、俺そのものを必要としてくれる人なんていなかった……」
「お黙り。あなたの過去なんて興味ないの」
「ひどいっ!!」
フロストは地面に伏せの状態になって、前足で顔を覆った。
「うう……こんな姿にされて、もう生きている意味なんてない」
「面倒ねぇ」
私は屈みこんで、フロストの顔を両手でなで回した。フロストは驚いたように目を丸くした。
「落ちこむ必要はないわ。これからは私が思う存分可愛がってあげる! 美味しいご飯もあげるし、散歩もしてあげるわよ!」
「え……」
フロストは期待するように丸い瞳を輝かせて、尻尾を振った。
「ほ、本当かい? 俺はきみにひどいことをしてきたのに、それでも優しくしてくれるのか?」
「当然じゃない。でもね、私は、私に従順な犬が好きなの」
うんと優しく微笑んでから、突き放すようにぱっと手を離す。すると、フロストは不安そうな顔で私を見上げてきた。
「何ぼーっとしているの? 私に可愛がられたいならどうすればいいのか、賢いフロストならわかるわよね?」
「が、頑張って掘るから、見ていてくれ!」
フロストは前足で勢いよく地面を掘り始めた。その様子を見ていたシルバーが気味悪そうにつぶやいた。
「何です、あれ……」
「元十二神ちょろいわぁ~! さあ、何が出てくるのか楽しみね! おーほほほほ!!」
魔術師の墓場にある村のひとつ、シューラ村。デケンベルの名で商売を始めて活気づいてきた村のひとつだ。
村の広場では、ラヴァの力強い声が響いていた。
「みなさまの暮らしを良くするため、臨時的に軍資金を集めます。ですから、ここに書いてある税金を納めてください」
広場に張り出された紙を見た村人たちは、不満そうに声を上げた。
「何だよこれ、こんな大金あるわけないだろ!」
「しかも、領地内の無給労働だと? こんな決まりを守ってたら生活にならないぞ!」
ラヴァは涼しい顏で言った。
「さらなる発展のために必要なことです。今日から私たちが、ここの領主になります。これがラピスブルー王国の決定なのです」
ラヴァの態度に、村人たちの不満は爆発した。
「俺たちを見捨てたくせに、今更国の名前を持ち出してんじゃねぇよ!」
「そうよ! 今まで助けてくれなかったくせに、図々しいにもほどがあるわよ!」
俺の隣で、反抗する村人たちを眺めていたパロットが、ぼそりと何かをつぶやいた。
すると、強風が吹き荒れ、村人たちの悲鳴が上がった。
「ふふ、やめときなよ。僕たちに逆らうってことは、王様に逆らうってことだからさぁ」
「ち、ちくしょう! 山賊がいなくなって、やっとまともに暮らせるようになったのに……」
まだ不満そうなやつはいるが、実力の差を見せつけられて怖気づいちまったみたいだ。これだから魔法の使えない雑魚は。
ざわめきが静まるのを待ってから、ラヴァは俺とパロットに向き直って言った。
「ではパロット、ロック、この場はお任せします。私は村の外に用があるので」
「おう、任せとけ」
「了解。アビーが来たら連絡するよ」
ラヴァはそう言って、行き先も告げずにひとりでどこかに行っちまった。
「ロック、僕は眠いから、先に屋敷に戻っているよ。アビーを見つけても殺すなよ?」
「わかってるって!」
パロットを見送ってから、俺は広場に残った村人たちの顔を見回した。全員、いい感じに絶望してやがる。こいつらを使って暇つぶしでもするかな。
「おいおい、何をそんなに悲観することがあるんだ?」
笑いながら村人たちに近づくと、近づいた分だけ距離が離れる。失礼なやつらだ。
「ここには売れるものがいっぱいあんだろ? それをロック・ユニウスの名義で売ればいい! デケンベルよりも売れるぞ!」
村人たちは黙りこんだ。おいおい、ノリが悪いな。
すると、背後で、こそこそと文句を言う男たちの声が聞こえてきた。
「アビー様は、俺たちに職を与える目的で名前を貸してくださったんだ」
「こいつらは自分たちの儲けのためだけに、俺たちを働かせるつもりだぞ」
「ああ?」
俺が振り返ると、背後にいた男ふたりが顔を引きつらせた。俺には聞こえないとでも思ったか?
「文句ばっかりうるせぇな。よし、お前らを俺の部下にして、鍛え直してやる! そいつらを捕らえろ!」
「ひっ!」
「や、やめてくれ!」
部下たちが取り囲むと、男たちは恐怖で身体を震わせた。俺は目の前の獲物に狙いを定めて、舌なめずりをする。
「まずは俺の家紋を背中に刻んでやる。農民から俺の部下に大出世だ! 名誉なことだぞ!」
「嫌だ、助けてくれ!」
「わはは! 泣くほど嬉しいか! よしよし、今日から俺の奴隷としてこき使ってやるからな! まずは二度とご主人様に逆らえないように、しっかりとしつけてやる!」
俺が拳を振り上げると、ふたりの男は恐怖に震えて悲鳴を上げた。と同時に、森の中から巨大な岩石が飛んできた。
「は?」
岩石は真っ直ぐこっちに突進してくる。待て、避けられない!!
「んなっ!? がはぁっ!?」
「ロック様!?」
俺は巨大な岩石に激突され、民家の壁と挟まれて潰された。
全身からボキボキッと軽快な音が鳴り響く。
「いったい、何、が……ごほっ!」
俺は大量の血を吐きながら気を失った。
「ここね。周囲には人工物らしきものはないから、地面に埋まっているのかも」
「掘り返しましょうか」
シルバーが腕まくりをしながら言った。
「ええ、フロストも手伝わせましょう。でも召喚って地味に魔力を消費するのよね。省エネ召喚できないかしら……はい、出でよ、フロスト」
そんなことを考えながら召喚したフロストは、忠犬と名高い中型犬の姿をしていた。フロストわんこは、自分の姿を見て飛び跳ねた。
「な、何だこれはーー!?」
「あら、本当に省エネ召喚しちゃったわ! 魔力もそれほど消費しなかったし、これは使えるかも!」
「視線が低い!? 常に四つん這い!?」
「くるりと巻いた尻尾が可愛いじゃないの~! 聖女に嫌われたあげく、仲間にも見捨てられた可哀想なフロストくん?」
「うぐっ!? それは……」
フロストは、しゅんっと悲しげな顔をしてうつむいた。
「クゥン……もう誰も、俺を必要としてくれないんだな。昔からそうだった。必要とされたのはこの氷の魔法だけで、俺そのものを必要としてくれる人なんていなかった……」
「お黙り。あなたの過去なんて興味ないの」
「ひどいっ!!」
フロストは地面に伏せの状態になって、前足で顔を覆った。
「うう……こんな姿にされて、もう生きている意味なんてない」
「面倒ねぇ」
私は屈みこんで、フロストの顔を両手でなで回した。フロストは驚いたように目を丸くした。
「落ちこむ必要はないわ。これからは私が思う存分可愛がってあげる! 美味しいご飯もあげるし、散歩もしてあげるわよ!」
「え……」
フロストは期待するように丸い瞳を輝かせて、尻尾を振った。
「ほ、本当かい? 俺はきみにひどいことをしてきたのに、それでも優しくしてくれるのか?」
「当然じゃない。でもね、私は、私に従順な犬が好きなの」
うんと優しく微笑んでから、突き放すようにぱっと手を離す。すると、フロストは不安そうな顔で私を見上げてきた。
「何ぼーっとしているの? 私に可愛がられたいならどうすればいいのか、賢いフロストならわかるわよね?」
「が、頑張って掘るから、見ていてくれ!」
フロストは前足で勢いよく地面を掘り始めた。その様子を見ていたシルバーが気味悪そうにつぶやいた。
「何です、あれ……」
「元十二神ちょろいわぁ~! さあ、何が出てくるのか楽しみね! おーほほほほ!!」
魔術師の墓場にある村のひとつ、シューラ村。デケンベルの名で商売を始めて活気づいてきた村のひとつだ。
村の広場では、ラヴァの力強い声が響いていた。
「みなさまの暮らしを良くするため、臨時的に軍資金を集めます。ですから、ここに書いてある税金を納めてください」
広場に張り出された紙を見た村人たちは、不満そうに声を上げた。
「何だよこれ、こんな大金あるわけないだろ!」
「しかも、領地内の無給労働だと? こんな決まりを守ってたら生活にならないぞ!」
ラヴァは涼しい顏で言った。
「さらなる発展のために必要なことです。今日から私たちが、ここの領主になります。これがラピスブルー王国の決定なのです」
ラヴァの態度に、村人たちの不満は爆発した。
「俺たちを見捨てたくせに、今更国の名前を持ち出してんじゃねぇよ!」
「そうよ! 今まで助けてくれなかったくせに、図々しいにもほどがあるわよ!」
俺の隣で、反抗する村人たちを眺めていたパロットが、ぼそりと何かをつぶやいた。
すると、強風が吹き荒れ、村人たちの悲鳴が上がった。
「ふふ、やめときなよ。僕たちに逆らうってことは、王様に逆らうってことだからさぁ」
「ち、ちくしょう! 山賊がいなくなって、やっとまともに暮らせるようになったのに……」
まだ不満そうなやつはいるが、実力の差を見せつけられて怖気づいちまったみたいだ。これだから魔法の使えない雑魚は。
ざわめきが静まるのを待ってから、ラヴァは俺とパロットに向き直って言った。
「ではパロット、ロック、この場はお任せします。私は村の外に用があるので」
「おう、任せとけ」
「了解。アビーが来たら連絡するよ」
ラヴァはそう言って、行き先も告げずにひとりでどこかに行っちまった。
「ロック、僕は眠いから、先に屋敷に戻っているよ。アビーを見つけても殺すなよ?」
「わかってるって!」
パロットを見送ってから、俺は広場に残った村人たちの顔を見回した。全員、いい感じに絶望してやがる。こいつらを使って暇つぶしでもするかな。
「おいおい、何をそんなに悲観することがあるんだ?」
笑いながら村人たちに近づくと、近づいた分だけ距離が離れる。失礼なやつらだ。
「ここには売れるものがいっぱいあんだろ? それをロック・ユニウスの名義で売ればいい! デケンベルよりも売れるぞ!」
村人たちは黙りこんだ。おいおい、ノリが悪いな。
すると、背後で、こそこそと文句を言う男たちの声が聞こえてきた。
「アビー様は、俺たちに職を与える目的で名前を貸してくださったんだ」
「こいつらは自分たちの儲けのためだけに、俺たちを働かせるつもりだぞ」
「ああ?」
俺が振り返ると、背後にいた男ふたりが顔を引きつらせた。俺には聞こえないとでも思ったか?
「文句ばっかりうるせぇな。よし、お前らを俺の部下にして、鍛え直してやる! そいつらを捕らえろ!」
「ひっ!」
「や、やめてくれ!」
部下たちが取り囲むと、男たちは恐怖で身体を震わせた。俺は目の前の獲物に狙いを定めて、舌なめずりをする。
「まずは俺の家紋を背中に刻んでやる。農民から俺の部下に大出世だ! 名誉なことだぞ!」
「嫌だ、助けてくれ!」
「わはは! 泣くほど嬉しいか! よしよし、今日から俺の奴隷としてこき使ってやるからな! まずは二度とご主人様に逆らえないように、しっかりとしつけてやる!」
俺が拳を振り上げると、ふたりの男は恐怖に震えて悲鳴を上げた。と同時に、森の中から巨大な岩石が飛んできた。
「は?」
岩石は真っ直ぐこっちに突進してくる。待て、避けられない!!
「んなっ!? がはぁっ!?」
「ロック様!?」
俺は巨大な岩石に激突され、民家の壁と挟まれて潰された。
全身からボキボキッと軽快な音が鳴り響く。
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