政略結婚が恋愛結婚に変わる時。

美桜羅

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二人の間にある距離

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気分が悪い。

予定では、今日の体調は万全のはずだったのに。

気持ち悪い。

だるい。

体が重い。

マイナス面が体に残っただけだ。

カタカタとキーボードを打ち続ける。

今日の株で一番の上がり株は…

ここで間違えたら、会社に何億の損害を与えるか分からない。

女関係で体調を壊すなんてあり得ない。

イライラする。

そのせいか頭も痛い。

額を手で覆いながら。

それでも画面に写っている株のグラフを必至で目で追い続けた。

「あれ、悠河君今日は帰るの?」

いつも誰よりも遅く帰る俺が、定時で帰る準備をしていた時。

それを不審に思った部長がファイルを手に持って歩いてきたタイミングで、そう声をかけてきた。

その言葉にバツが悪く感じながら、
「…すいません。体調が悪くて。明日休むよりは今日早めに帰った方が、と思ったので。」
と頭を下げると。

その言葉に部長は優しく笑って。

「そうなのか、それは大変だね!さっさと帰って治しなさいね。」

「…ありがとうございます。」




外に出ると。

夜風がまた寒さを取り戻して

コートを掻き寄せた。
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