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すれ違う二人
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*瑞紀side*
急いで学校から家に帰って来て自分の部屋に入り、クローゼットの中身を探ってお気に入りの水色のワンピースにクリーム色のトレンチコートを着て。
髪の毛はゆるく巻いてハーフアップ。
薄く化粧をして。
…よし。
出来た。
持っていたリップを机の上に置いてぱっと窓の外を見ると。
すでに外は暗くなり始めてる。
開いていたカーテンを閉めようと窓に近づくと。
「…あ。」
…朝はそんな予報じゃ無かったのに。
外は雨がポツポツと降り始めてて。
『今日は電車で行くよ。』
部屋の外に出て、傘立てを見ると。
…やっぱり。
知哉さん、濡れちゃう。
そろそろ、帰ってくる時間だし…
私は玄関まで歩いて行って傘立てに差してあった二本の傘を手に持った。
あのマンションから電車で行くと言ったらこの駅だよね。
薄いピンク色の傘を差して、黒色の私のより大きめの傘を手に持って駅の前をウロウロとしていると。
カラリ。
前の居酒屋さんのドアが開いて。
無意識にそちらを振り返ると。
…え。
目の前には。
広瀬先生と。
その腕を抱える様に持った知哉さん。
…え。
ちょっと待って。
何で。
一緒にいるの?
思考が。
ついていかない。
丁度二人の前に止まったタクシーに、乗り込む二人に。
知哉さんにもたれかかる様にして座る先生と。
その先生に何も言わずにほおずえをついて、私がいる方とは反対方向の窓を見ている知哉さんに。
小さく声を発する事しか出来ない。
「…と、もやさ」
二人がタクシーに乗り込んで。
強く振り出した雨の中
私が立つ横を
雨水を飛ばすようにしながら
先生と知哉さんを乗せたタクシーは
走り去って行った。
急いで学校から家に帰って来て自分の部屋に入り、クローゼットの中身を探ってお気に入りの水色のワンピースにクリーム色のトレンチコートを着て。
髪の毛はゆるく巻いてハーフアップ。
薄く化粧をして。
…よし。
出来た。
持っていたリップを机の上に置いてぱっと窓の外を見ると。
すでに外は暗くなり始めてる。
開いていたカーテンを閉めようと窓に近づくと。
「…あ。」
…朝はそんな予報じゃ無かったのに。
外は雨がポツポツと降り始めてて。
『今日は電車で行くよ。』
部屋の外に出て、傘立てを見ると。
…やっぱり。
知哉さん、濡れちゃう。
そろそろ、帰ってくる時間だし…
私は玄関まで歩いて行って傘立てに差してあった二本の傘を手に持った。
あのマンションから電車で行くと言ったらこの駅だよね。
薄いピンク色の傘を差して、黒色の私のより大きめの傘を手に持って駅の前をウロウロとしていると。
カラリ。
前の居酒屋さんのドアが開いて。
無意識にそちらを振り返ると。
…え。
目の前には。
広瀬先生と。
その腕を抱える様に持った知哉さん。
…え。
ちょっと待って。
何で。
一緒にいるの?
思考が。
ついていかない。
丁度二人の前に止まったタクシーに、乗り込む二人に。
知哉さんにもたれかかる様にして座る先生と。
その先生に何も言わずにほおずえをついて、私がいる方とは反対方向の窓を見ている知哉さんに。
小さく声を発する事しか出来ない。
「…と、もやさ」
二人がタクシーに乗り込んで。
強く振り出した雨の中
私が立つ横を
雨水を飛ばすようにしながら
先生と知哉さんを乗せたタクシーは
走り去って行った。
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