5 / 13
4*雫サイド*
しおりを挟む
「おはようございます…」
誰もいないだろう、早朝の秘書課のフロアに少し小さめの声で挨拶をした。
…もしかしたら誰かいるかもしれないし…
今日から、松永さん専属の秘書になるということで、秘書課にある私の荷物を松永さんの横に配置されてるだろう机に全て移動させねばならない。
…
コートを着たまま、なぜか秘書課にだけある制服にも着替えずに自分の机に向かって歩き机の上をゆっくりとなぞる。
結構、気に入ってたなぁ。
ここの人達も
ここの場所も
ここの席も
これからも同じ会社にいるはずなのに
秘書になるとその人にかかりきりになるため、ここにいる仲の良い人とも多分あんまり会えなくなる。
松永さんはあくまで仕事上の関係しか持ってくれなそうだし、一緒にお昼とかいってくれるだろうか。
ご飯も一人で食べるのだろうか。
…できれば、誰かと話しながら食べたいのになぁ。
そう考えながら、秘書課が専属秘書になる時荷物を移動させるために用意されている大きめの収納ボックスみたいなものに荷物を入れて行く。
だんだんと、自分の中が空っぽになる気がした。
こんなに朝も早ければきっと誰もいないだろうと、制服に着替えずそのまま昨日松永さんに挨拶をするために緊張しながら通ったフロアを通る。
目に映ったのは今まで私がいた職場とは比べ物にならないくらい、時間が早く動き人々が自分の思いを発散する活発なところだった。
なぜか、秘書課の自分がこの場にいるのが恥ずかしくなって思わず俯いて足早に松永さんの元に向かったのを覚えている。
『期待してるから』
あの時の、優しく少し笑った松永さんの顔と声を思い出す。
その表情にすごく安心した。
…けど、やっぱりうまくやれる気はしない。
そんなことを考えながら、松永さんのデスクのすぐ隣の角をまがり、デスクの正面に行こうとすると。
ガラガラと台車を押してきた私にも気づかず、一心不乱にパソコンと向き合っている松永さんがいた。
…え?
この人何時から仕事してるんだろう。
こんな早くから、まだ誰もきていない時間からたった一人で仕事をしているのだろうか。
松永さんは思わず立ち止まった私に気づいたのか、ふっと手を止めてゆっくりと私を見据える。
そんな私に対して松永さんは
「…おはよう。
早いね。」
と言った。
誰もいないだろう、早朝の秘書課のフロアに少し小さめの声で挨拶をした。
…もしかしたら誰かいるかもしれないし…
今日から、松永さん専属の秘書になるということで、秘書課にある私の荷物を松永さんの横に配置されてるだろう机に全て移動させねばならない。
…
コートを着たまま、なぜか秘書課にだけある制服にも着替えずに自分の机に向かって歩き机の上をゆっくりとなぞる。
結構、気に入ってたなぁ。
ここの人達も
ここの場所も
ここの席も
これからも同じ会社にいるはずなのに
秘書になるとその人にかかりきりになるため、ここにいる仲の良い人とも多分あんまり会えなくなる。
松永さんはあくまで仕事上の関係しか持ってくれなそうだし、一緒にお昼とかいってくれるだろうか。
ご飯も一人で食べるのだろうか。
…できれば、誰かと話しながら食べたいのになぁ。
そう考えながら、秘書課が専属秘書になる時荷物を移動させるために用意されている大きめの収納ボックスみたいなものに荷物を入れて行く。
だんだんと、自分の中が空っぽになる気がした。
こんなに朝も早ければきっと誰もいないだろうと、制服に着替えずそのまま昨日松永さんに挨拶をするために緊張しながら通ったフロアを通る。
目に映ったのは今まで私がいた職場とは比べ物にならないくらい、時間が早く動き人々が自分の思いを発散する活発なところだった。
なぜか、秘書課の自分がこの場にいるのが恥ずかしくなって思わず俯いて足早に松永さんの元に向かったのを覚えている。
『期待してるから』
あの時の、優しく少し笑った松永さんの顔と声を思い出す。
その表情にすごく安心した。
…けど、やっぱりうまくやれる気はしない。
そんなことを考えながら、松永さんのデスクのすぐ隣の角をまがり、デスクの正面に行こうとすると。
ガラガラと台車を押してきた私にも気づかず、一心不乱にパソコンと向き合っている松永さんがいた。
…え?
この人何時から仕事してるんだろう。
こんな早くから、まだ誰もきていない時間からたった一人で仕事をしているのだろうか。
松永さんは思わず立ち止まった私に気づいたのか、ふっと手を止めてゆっくりと私を見据える。
そんな私に対して松永さんは
「…おはよう。
早いね。」
と言った。
0
お気に入りに追加
111
あなたにおすすめの小説



シチュボ(女性向け)
身喰らう白蛇
恋愛
自発さえしなければ好きに使用してください。
アドリブ、改変、なんでもOKです。
他人を害することだけはお止め下さい。
使用報告は無しで商用でも練習でもなんでもOKです。
Twitterやコメント欄等にリアクションあるとむせながら喜びます✌︎︎(´ °∀︎°`)✌︎︎ゲホゴホ
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる