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カタカタ、と先ほど手を止めてしまった遅れを取り戻すかのように夢中になって手を動かしていると。
「…あ、あの…っ」
最初は小さすぎて俺に話しかけて来たとは思わなかった。
だけど
「松永…さん…」
その声に
ゆっくりと横を向くと。
そこには立石さんがいた。
「…なに」
俺が素っ気なく返して、またパソコンに向き直ると
「あの、明日から秘書になります立石です、お願いします…」
そのか細い声に
どこか震えている声に
なぜかむしゃくしゃしながら。
「…あぁ」
しばらく無言が続いて、二人の間をパソコンのキーボードの音が行き交う。
その空気に耐えられなくなったのか、
立石さんが
「じゃ、じゃあ失礼します…っ」
と言ってどこか急いでるようなそぶりを見せながら去っていこうとした後ろ姿に急いで呼びかける。
「…立石さん」
自分の名前を呼ばれたことに驚いたのか、クルッと振り向いて
俺の目を
まっすぐに見た。
色白な肌に
大きな瞳
薄い唇に
可愛らしく
整った顔立ち。
すらっとした手足。
決して高いとは言えない背。
その全てを見ながら。
「…期待してるから。
明日からよろしく。」
その言葉に
彼女は
ニッコリと笑って
頷きながら返事をした
「…あ、あの…っ」
最初は小さすぎて俺に話しかけて来たとは思わなかった。
だけど
「松永…さん…」
その声に
ゆっくりと横を向くと。
そこには立石さんがいた。
「…なに」
俺が素っ気なく返して、またパソコンに向き直ると
「あの、明日から秘書になります立石です、お願いします…」
そのか細い声に
どこか震えている声に
なぜかむしゃくしゃしながら。
「…あぁ」
しばらく無言が続いて、二人の間をパソコンのキーボードの音が行き交う。
その空気に耐えられなくなったのか、
立石さんが
「じゃ、じゃあ失礼します…っ」
と言ってどこか急いでるようなそぶりを見せながら去っていこうとした後ろ姿に急いで呼びかける。
「…立石さん」
自分の名前を呼ばれたことに驚いたのか、クルッと振り向いて
俺の目を
まっすぐに見た。
色白な肌に
大きな瞳
薄い唇に
可愛らしく
整った顔立ち。
すらっとした手足。
決して高いとは言えない背。
その全てを見ながら。
「…期待してるから。
明日からよろしく。」
その言葉に
彼女は
ニッコリと笑って
頷きながら返事をした
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