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3.夜の街と再会
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「ふーん。それじゃお前は、そのイケメンの生徒に袖にされて怒ってんの?」
照明が絞られた落ち着いたバーの店内で、グラスを持った男が俺の隣で首を傾ける。俺はふざけた物言いが頭にきて、カウンターを拳で叩いた。
「はあ? んなわけねえだろ! どこをどう聞いてたらそういう話になんだよ!」
「まあまあ、落ち着けよ。ちょっとした冗談じゃん」
はははと呑気に笑っているこの男は、名前を土屋俊介と言う。俺と同じゲイで、十年来の付き合いの悪友だ。百八十を超える身長に三白眼という厳つい見た目に反して、心理カウンセラーの仕事をしている。
ちなみに俺の勤務先の高校にも週に三回、スクールカウンセラーとして来ているので半分同僚のようなものでもある。だからこそ先日の一ノ宮とのやりとりを相談しているというのに、この言いぐさ。まったくなんて奴だ。
「まあそれは冗談だけどさ、その傷ってのは確かに気になるよな。担任はなんて言ってんの?」
土屋が真面目に話を始めたので、しぶしぶ俺も怒りを引っ込めた。
「そうなんだよ。それがなあ……」
さんざん悩んだ末に、背中のやけど痕について、一之宮の担任教諭の佐々木先生に報告をしたのはつい先日のことだ。
生徒の身体に不自然な傷があった場合、俺たちのような人間がまっさきに疑うのは虐待やいじめだ。特に児童虐待が疑われる傷を見つけた場合、学校は児童相談所に連絡しなければならない。今回のように確信を持てない場合でも、教員間で情報を共有しておく必要があるのだ。
俺はそう思って話をしたのだが、担任の佐々木先生の返答は、
「『昔の傷』と本人が言っているのなら、昔の傷なんでしょう。それにもう完治しているんですよね? それなら問題はないのでは?」
というそっけないものだった。
よくよく聞けば、新学期も始まって三か月以上経つのに、ほとんどの生徒の家庭状況を把握していないらしい。
確かに一之宮の背中の傷は何年も経っているような状態だ。だからといって、心の傷のほうは完治しているかどうかなんてわかりはしないのに。
「なんかあの学校、受験だ模試だって先生たちも殺気立っててさ。担任も成績が悪い生徒は目に入ってないっていうか、どっちかっていうと邪険にしてるような感じなんだよな」
「なんとも呑気なことだねえ。受験とか模試の結果よりもよっぽど優先しなくちゃいけない問題だと思うけどな」
「俺もそう思うよ。世の中親に恵まれる生徒ばかりじゃないからね。子供ってのは本当に非力だよ。特に家庭の中ってのは、逃げ場がない。だからこそ、俺たちみたいな存在が受け皿になんなきゃいけないのに。取りこぼしは許されないわけ。絶対に誰一人としてね」
「……元ヤンの千草ちゃんが、本当にえらくなったよなあ」
「おい! それは言うなよ!」
土屋は「ははは」と笑った後、真面目な顔で俺を覗き込んできた。
「お前が気になるってのなら、気にかけておくのは悪いことじゃねえと思うぞ。だけどあんまり深入りすんなよ。お前は俺みたいな専門の心理職じゃない、養護職だ。気持ちはわかるが、一人の生徒に必要以上に構ってると身が持たないぞ。他人が家庭の問題を簡単にどうこう出来るもんじゃねえって、お前が一番わかってんだろ?」
土屋の言葉に、俺は唇を引き結んで頷いた。
「わかってるよ」
土屋の言う通りだ。養護教諭になってまだ三か月のひよっこの自分が、すべての問題を解決できるわけがない。だとしてもこの職をついた以上、見て見ぬふりは出来ない。そういう生徒の力になりたくて選んだ職業でもあるのだから。
土屋は小さくため息をついて、眉を下げた。
「お前はほんと強情だから言っても無駄だろうけどな。なんかあったら相談しろよ」
「……ありがと」
やっぱり持つべきものは出来る友達だ。
まだ一人で飲むという土屋を残し、ひとり店を出た。俺はいっさい酒を呑まない。というか呑めないので、長居するのは少しばかり肩身が狭いのだ。
とはいっても変な輩が声を掛けてきたりもしないし、普段隠しているゲイという本当の自分を解放できる唯一の場所ではあるので、このバーにはちょくちょく通ってはいるのだが。
重厚な木の扉を閉めると、一気に喧騒に包まれる。
土曜の夜の繁華街である。通りを行き交う人々は仲良さげに腕を組むカップルばかり。独り身の寂しさが染みる。
空を見上げると、ネオンの光に紛れて細い三日月が夜空に浮かんでいるのが見えた。頼りなく光る月は、まるで俺自身のようだ。
はあ、とため息をついて歩き出そうとしたとき、俺はあまりの驚きで思わず立ち止まった。
道の向こうから歩いてきた若い男に見覚えがあったのだ。
「一之宮?」
俺の声が聞こえたのか、一之宮は顔をあげた。立ち止まり、驚いたように目を見開く。
確かにここは地方都市で、歓楽街といえばこの界隈しかない。だからといって、夜の街で生徒に会ってしまうなんて気まずすぎる。
と、そこまで考えてはっと我に返った。今は夜十一時だ。いくら週末だとしても、高校生がふらふらしていて良い時間じゃない。
俺はつかつかと一之宮に近寄り、逃げられないように腕を掴んだ。
「君、何してるの? こんな時間に」
一之宮は黒いシャツに同じく黒のスラックス姿だった。シャツのボタンをいくつか外し、胸元をさらしていて着崩している。恰好からするとホストクラブの客引きかボーイってとこだろう。
俺がじっと見つめると、一之宮は視線を地面に下げた。観念したように小さな声で呟く。
「バイトです」
「高校生は働けない時間だよ? それにその恰好なに? もしかして夜の仕事やってたりとかする?」
一之宮は答えない。
「確かにうちの高校はバイト禁止じゃないけど、こういう仕事は駄目だ。昼間の学校生活に支障が出るし、なによりも君はまだ高校生なんだ。こういう世界に関わるのはリスクが大きすぎる。お金は稼げるかもしれないけど、ろくな結果にはならないよ」
一之宮はしばらくの間地面を見つめていたが、やがて顔を上げまっすぐに俺の目を見つめてきた。
「そんなえらそうなこと、先生は言えるんですか?」
「……どういう意味?」
「先生はゲイなんでしょう?」
「え?」
一之宮の黒い瞳が底光りした。突然の指摘に息が止まり、とっさに否定の言葉が出てこない。
口ごもる俺の顔を見た後、一之宮は俺の背後に視線をやった。俺が出てきたバーのドアをじっと見つめている。
「俺知ってますよ。先生が出てきたそこの店、ゲイの人しか入れないんですよね? ゲイ専用のバーだって、店の先輩に教えてもらったことあるんで」
「それは……」
なんて言う? どうやって誤魔化せばいい?
焦りが身体中を巡ったが、すぐに諦めがやってきた。一之宮はすでに確信しているだろうし、俺も俺で嘘は得意じゃない。
めんどくさい。それならもう、お上品な先生は辞めだ。俺は溜息をつき、一之宮を睨みつけた。
「性的指向は人がとやかく言うことじゃないと思うけど?」
俺の顔つきと態度が変わったことに驚いたのか、一之宮は一瞬目を瞬いた。だがすぐに反論してくる。
「まあ一般の人なら。でもあなたは学校の先生じゃないですか」
「なんでだよ? ゲイだってのはそんなに悪いことなのか? 犯罪でもなんでもないだろうが」
「でも、学校にばれたら居ずらくなるんじゃないですか?」
「はあ? 何が言いたいんだ?」
俺たちは視線を合わせ、にらみ合った。
「先生にはこの前世話になったので、俺は先生がゲイだってことは言いません。そのかわり先生も今日見たことは黙っていてください。このバイトがなくなるのは、俺にとって死活問題なんです」
一之宮はそう言い放つと、踵を返し夜の街に消えていったのだった。
照明が絞られた落ち着いたバーの店内で、グラスを持った男が俺の隣で首を傾ける。俺はふざけた物言いが頭にきて、カウンターを拳で叩いた。
「はあ? んなわけねえだろ! どこをどう聞いてたらそういう話になんだよ!」
「まあまあ、落ち着けよ。ちょっとした冗談じゃん」
はははと呑気に笑っているこの男は、名前を土屋俊介と言う。俺と同じゲイで、十年来の付き合いの悪友だ。百八十を超える身長に三白眼という厳つい見た目に反して、心理カウンセラーの仕事をしている。
ちなみに俺の勤務先の高校にも週に三回、スクールカウンセラーとして来ているので半分同僚のようなものでもある。だからこそ先日の一ノ宮とのやりとりを相談しているというのに、この言いぐさ。まったくなんて奴だ。
「まあそれは冗談だけどさ、その傷ってのは確かに気になるよな。担任はなんて言ってんの?」
土屋が真面目に話を始めたので、しぶしぶ俺も怒りを引っ込めた。
「そうなんだよ。それがなあ……」
さんざん悩んだ末に、背中のやけど痕について、一之宮の担任教諭の佐々木先生に報告をしたのはつい先日のことだ。
生徒の身体に不自然な傷があった場合、俺たちのような人間がまっさきに疑うのは虐待やいじめだ。特に児童虐待が疑われる傷を見つけた場合、学校は児童相談所に連絡しなければならない。今回のように確信を持てない場合でも、教員間で情報を共有しておく必要があるのだ。
俺はそう思って話をしたのだが、担任の佐々木先生の返答は、
「『昔の傷』と本人が言っているのなら、昔の傷なんでしょう。それにもう完治しているんですよね? それなら問題はないのでは?」
というそっけないものだった。
よくよく聞けば、新学期も始まって三か月以上経つのに、ほとんどの生徒の家庭状況を把握していないらしい。
確かに一之宮の背中の傷は何年も経っているような状態だ。だからといって、心の傷のほうは完治しているかどうかなんてわかりはしないのに。
「なんかあの学校、受験だ模試だって先生たちも殺気立っててさ。担任も成績が悪い生徒は目に入ってないっていうか、どっちかっていうと邪険にしてるような感じなんだよな」
「なんとも呑気なことだねえ。受験とか模試の結果よりもよっぽど優先しなくちゃいけない問題だと思うけどな」
「俺もそう思うよ。世の中親に恵まれる生徒ばかりじゃないからね。子供ってのは本当に非力だよ。特に家庭の中ってのは、逃げ場がない。だからこそ、俺たちみたいな存在が受け皿になんなきゃいけないのに。取りこぼしは許されないわけ。絶対に誰一人としてね」
「……元ヤンの千草ちゃんが、本当にえらくなったよなあ」
「おい! それは言うなよ!」
土屋は「ははは」と笑った後、真面目な顔で俺を覗き込んできた。
「お前が気になるってのなら、気にかけておくのは悪いことじゃねえと思うぞ。だけどあんまり深入りすんなよ。お前は俺みたいな専門の心理職じゃない、養護職だ。気持ちはわかるが、一人の生徒に必要以上に構ってると身が持たないぞ。他人が家庭の問題を簡単にどうこう出来るもんじゃねえって、お前が一番わかってんだろ?」
土屋の言葉に、俺は唇を引き結んで頷いた。
「わかってるよ」
土屋の言う通りだ。養護教諭になってまだ三か月のひよっこの自分が、すべての問題を解決できるわけがない。だとしてもこの職をついた以上、見て見ぬふりは出来ない。そういう生徒の力になりたくて選んだ職業でもあるのだから。
土屋は小さくため息をついて、眉を下げた。
「お前はほんと強情だから言っても無駄だろうけどな。なんかあったら相談しろよ」
「……ありがと」
やっぱり持つべきものは出来る友達だ。
まだ一人で飲むという土屋を残し、ひとり店を出た。俺はいっさい酒を呑まない。というか呑めないので、長居するのは少しばかり肩身が狭いのだ。
とはいっても変な輩が声を掛けてきたりもしないし、普段隠しているゲイという本当の自分を解放できる唯一の場所ではあるので、このバーにはちょくちょく通ってはいるのだが。
重厚な木の扉を閉めると、一気に喧騒に包まれる。
土曜の夜の繁華街である。通りを行き交う人々は仲良さげに腕を組むカップルばかり。独り身の寂しさが染みる。
空を見上げると、ネオンの光に紛れて細い三日月が夜空に浮かんでいるのが見えた。頼りなく光る月は、まるで俺自身のようだ。
はあ、とため息をついて歩き出そうとしたとき、俺はあまりの驚きで思わず立ち止まった。
道の向こうから歩いてきた若い男に見覚えがあったのだ。
「一之宮?」
俺の声が聞こえたのか、一之宮は顔をあげた。立ち止まり、驚いたように目を見開く。
確かにここは地方都市で、歓楽街といえばこの界隈しかない。だからといって、夜の街で生徒に会ってしまうなんて気まずすぎる。
と、そこまで考えてはっと我に返った。今は夜十一時だ。いくら週末だとしても、高校生がふらふらしていて良い時間じゃない。
俺はつかつかと一之宮に近寄り、逃げられないように腕を掴んだ。
「君、何してるの? こんな時間に」
一之宮は黒いシャツに同じく黒のスラックス姿だった。シャツのボタンをいくつか外し、胸元をさらしていて着崩している。恰好からするとホストクラブの客引きかボーイってとこだろう。
俺がじっと見つめると、一之宮は視線を地面に下げた。観念したように小さな声で呟く。
「バイトです」
「高校生は働けない時間だよ? それにその恰好なに? もしかして夜の仕事やってたりとかする?」
一之宮は答えない。
「確かにうちの高校はバイト禁止じゃないけど、こういう仕事は駄目だ。昼間の学校生活に支障が出るし、なによりも君はまだ高校生なんだ。こういう世界に関わるのはリスクが大きすぎる。お金は稼げるかもしれないけど、ろくな結果にはならないよ」
一之宮はしばらくの間地面を見つめていたが、やがて顔を上げまっすぐに俺の目を見つめてきた。
「そんなえらそうなこと、先生は言えるんですか?」
「……どういう意味?」
「先生はゲイなんでしょう?」
「え?」
一之宮の黒い瞳が底光りした。突然の指摘に息が止まり、とっさに否定の言葉が出てこない。
口ごもる俺の顔を見た後、一之宮は俺の背後に視線をやった。俺が出てきたバーのドアをじっと見つめている。
「俺知ってますよ。先生が出てきたそこの店、ゲイの人しか入れないんですよね? ゲイ専用のバーだって、店の先輩に教えてもらったことあるんで」
「それは……」
なんて言う? どうやって誤魔化せばいい?
焦りが身体中を巡ったが、すぐに諦めがやってきた。一之宮はすでに確信しているだろうし、俺も俺で嘘は得意じゃない。
めんどくさい。それならもう、お上品な先生は辞めだ。俺は溜息をつき、一之宮を睨みつけた。
「性的指向は人がとやかく言うことじゃないと思うけど?」
俺の顔つきと態度が変わったことに驚いたのか、一之宮は一瞬目を瞬いた。だがすぐに反論してくる。
「まあ一般の人なら。でもあなたは学校の先生じゃないですか」
「なんでだよ? ゲイだってのはそんなに悪いことなのか? 犯罪でもなんでもないだろうが」
「でも、学校にばれたら居ずらくなるんじゃないですか?」
「はあ? 何が言いたいんだ?」
俺たちは視線を合わせ、にらみ合った。
「先生にはこの前世話になったので、俺は先生がゲイだってことは言いません。そのかわり先生も今日見たことは黙っていてください。このバイトがなくなるのは、俺にとって死活問題なんです」
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