111 / 133
第三部 トゥー・ワールド・ウォーズ
世界審判教の乱心ーその⑤
しおりを挟む
「つまり、この事件は世界審判教が捜査の目をあなた方に向けるためにワザワザホワイトハウスの門を吹き飛ばしたとでも?」
「そうとも言えるし、違うとも言えるわ」
ルーシーの言葉の意味がジムには分からない。仮にこの事件の真犯人が教団だったのなら、動機はFBIの捜査の目を誤魔化す。それ以外には考えられないだろう。
「となると……原因は何でしょうか?」
ルーシーは話す前にコーヒーを飲みたいとジムに言った。
「勿論ですよ、ジョージ !悪いけれどコーヒーを持ってきてくれないかい?」
ジョージはすぐさま三人分のコーヒーを持ってきた。
「あら、あなたも飲みたいの?」
ルーシーの言葉にジョージは首を縦に振った。
「勿論さ、オレもキミらの話に興味があるからね、エリオット・ネスと違って、オレはギャングの話でも一応は聞く事にしようとしているんだ」
ジョージは口元を緩めた。
「嬉しいわね、じゃあ根拠を話しましょうか」
ルーシーは二人に向き合って世界審判教の後ろに巨大な組織がバックにいると伝えた。
「つまり、世界審判教には強力なバックボーンが付いているという事か……」
「そいつは誰だ?ソビエトか?中国共産党か?それともナチ供の残党が……」
ルーシーはジョージの話したバックボーンはどれも違うとばかりに首を横に振ってみせた。
「いいえ、それよりももっと強大な存在よ、彼の背後にいるのは皇帝よ、異世界の皇帝エドワード・デューダレア……彼がライター・ヘンプのバックについているのよ」
その言葉を聞いた瞬間に二人は顔を見合わせる。彼女は自分たちをからかっていたのだろうか。いや、それにしては顔つきは真剣そのものだと。
「どうかしたの?」
「いいや、キミの話に突拍子があり過ぎたものでね、異世界?皇帝?帝国?少し想像が難しくてね、つまりキミの話を統合すると……」
「この事件は異世界の皇帝がアメリカ政府を倒すために駒を使ったと……」
ルーシーはジムが言おうとした言葉を代わりに言ってやる。
「これは大ニュースだぜッ!オレ達の世界以外にも世界はあったと……」
興奮するジョージを尻目にルーシーは口元に人刺し指を当てる。
「お静かにね、異世界の事をアメリカ政府に知られたら、アメリカ政府はどうすると思うの?既にある異世界の国を滅ぼし、乗っ取るに間違いないわ、アメリカ大陸を見つけた大英帝国が先住民を滅ぼしたように……」
ルーシーの言葉に二人は生唾を飲み込む。
「図星みたいね、でもあながち教団が捜査の目を撹乱するためにホワイトハウスを爆発させたのは間違いないと思うわよ、それにこれはギャングに罪をなすり付ける事も目的だったと思うの、確かクレメンテ・ファミリーの妨害事件以降から、被害者の会が勢いを増したんじゃなかったかしら?」
ルーシーの言葉の裏付けを取るためにジムは棚から世界審判教関連の書類を取り出す。
「確かに……あれ以来ヘンプは講演会を減らされ、演説の機会も全部その地域の地元のギャングたちの妨害で失敗したんだっけ……で、教団は力を失っていったと……」
「まぁ、オレはギャングもおかしな教団もどっちも市民には必要ないと思うがね」
ジョージは腕を組みながら、ジムのファイルを覗き込んでいる。
「まぁ、教団が犯行を起こした可能性は充分に高い事が分かったでしょう?あなた達から上に言うことは可能じゃなくて?」
ジムは頭を左右に揺れさせている。悩んでいるようだ。
「どうなの?」
ルーシーが催促すると、ようやくジムは口を開く。
「難しいよ、お偉いさん方やペギーマン大統領は鼻から犯行をギャング連中の仕業だと決めつけているからね、一応は言ってみるけれど……」
その時だった。足を走らせてブルーノが取調室に入ってくる。
「どうしたんだい、ブルーノ?」
ジムは荒い息を吐いているブルーノを心配そうに見つめる。
「どうしたもこうしたもない……早くテレビを付けるんだ !」
ブルーノの言葉に全員が警察署の応接間へと足を急がせた。
「皆さん !番組の途中ですが、ここで世界審判教の教祖ライター・ヘンプ氏が今朝のホワイトハウス爆発事件について政府に何か喋りたいようです !」
ここで、カメラがテレビ局に姿を現したライター・ヘンプに変わった。
「皆さま、私は世界審判教の教祖ライター・ヘンプです。今回の事件の原因は明らかにアメリカ政府への怒りです !皆さまも今回の事件には大きな衝撃を受けた筈です !今回の事件の原因は私はアメリカ政府にあると考えております」
そのヘンプの言葉に会場内がざわつく。
「アメリカ政府はおろかにもギャング撲滅宣言を発表し、全米のギャングを敵に回しました。これは政府の怠慢以外の何者でもありません、私はアメリカ政府がこの事件の根本的な原因だと考えております。私はここにアメリカの政府への抗議を……」
その途中に一人の番組スタッフと思われる男が番組の中に入ってくる。
「なんだッ!今生放送中だぞ !」
アナウンサーは収録中に入ってきた男を叱りつけるが、男はそんなものには構ってはいられないとばかりに一枚の紙をアナウンサーに手渡す。
「うん……これは」
アナウンサーは書類を読み終わると同時にすぐにマイクを持って会場内に響き渡るように叫ぶ。
「たった今ですね !世界審判教の被害者の会の代表であるポール・ミッドウェーさんが、殺害された事が判明しました !更にですね、世界審判教に批判的な意見を述べていたトム・ジョーズさんも同様に殺害された事が判明致しました !ペギーマン大統領はこの報告を受けると同時にホワイトハウス爆発事件の容疑者を全米のギャングと思われる人物から世界審判教に切り替える事を発表致しました !」
アナウンサーの言葉が響くと同時に多数の警察官がヘンプの元へと駆け寄る。
「ライター・ヘンプ !建造物爆発示唆容疑並びにポール・ミッドウェー、トム・ジョーズ両名の殺害容疑でお前を逮捕するッ!」
警察官の襲来にもヘンプは動じる事なく笑ってみせた。
「あっはっはっ、あなた方は私を見くびり過ぎていたようだ !」
すると、ヘンプはどこからか一本の黒い剣を取り出す。
「言っておくが、この剣は貴様らの今いる建物を破壊する事くらいの事はできるんだ !」
ヘンプは剣の矛先を警察隊に向けながら言った。
「そうとも言えるし、違うとも言えるわ」
ルーシーの言葉の意味がジムには分からない。仮にこの事件の真犯人が教団だったのなら、動機はFBIの捜査の目を誤魔化す。それ以外には考えられないだろう。
「となると……原因は何でしょうか?」
ルーシーは話す前にコーヒーを飲みたいとジムに言った。
「勿論ですよ、ジョージ !悪いけれどコーヒーを持ってきてくれないかい?」
ジョージはすぐさま三人分のコーヒーを持ってきた。
「あら、あなたも飲みたいの?」
ルーシーの言葉にジョージは首を縦に振った。
「勿論さ、オレもキミらの話に興味があるからね、エリオット・ネスと違って、オレはギャングの話でも一応は聞く事にしようとしているんだ」
ジョージは口元を緩めた。
「嬉しいわね、じゃあ根拠を話しましょうか」
ルーシーは二人に向き合って世界審判教の後ろに巨大な組織がバックにいると伝えた。
「つまり、世界審判教には強力なバックボーンが付いているという事か……」
「そいつは誰だ?ソビエトか?中国共産党か?それともナチ供の残党が……」
ルーシーはジョージの話したバックボーンはどれも違うとばかりに首を横に振ってみせた。
「いいえ、それよりももっと強大な存在よ、彼の背後にいるのは皇帝よ、異世界の皇帝エドワード・デューダレア……彼がライター・ヘンプのバックについているのよ」
その言葉を聞いた瞬間に二人は顔を見合わせる。彼女は自分たちをからかっていたのだろうか。いや、それにしては顔つきは真剣そのものだと。
「どうかしたの?」
「いいや、キミの話に突拍子があり過ぎたものでね、異世界?皇帝?帝国?少し想像が難しくてね、つまりキミの話を統合すると……」
「この事件は異世界の皇帝がアメリカ政府を倒すために駒を使ったと……」
ルーシーはジムが言おうとした言葉を代わりに言ってやる。
「これは大ニュースだぜッ!オレ達の世界以外にも世界はあったと……」
興奮するジョージを尻目にルーシーは口元に人刺し指を当てる。
「お静かにね、異世界の事をアメリカ政府に知られたら、アメリカ政府はどうすると思うの?既にある異世界の国を滅ぼし、乗っ取るに間違いないわ、アメリカ大陸を見つけた大英帝国が先住民を滅ぼしたように……」
ルーシーの言葉に二人は生唾を飲み込む。
「図星みたいね、でもあながち教団が捜査の目を撹乱するためにホワイトハウスを爆発させたのは間違いないと思うわよ、それにこれはギャングに罪をなすり付ける事も目的だったと思うの、確かクレメンテ・ファミリーの妨害事件以降から、被害者の会が勢いを増したんじゃなかったかしら?」
ルーシーの言葉の裏付けを取るためにジムは棚から世界審判教関連の書類を取り出す。
「確かに……あれ以来ヘンプは講演会を減らされ、演説の機会も全部その地域の地元のギャングたちの妨害で失敗したんだっけ……で、教団は力を失っていったと……」
「まぁ、オレはギャングもおかしな教団もどっちも市民には必要ないと思うがね」
ジョージは腕を組みながら、ジムのファイルを覗き込んでいる。
「まぁ、教団が犯行を起こした可能性は充分に高い事が分かったでしょう?あなた達から上に言うことは可能じゃなくて?」
ジムは頭を左右に揺れさせている。悩んでいるようだ。
「どうなの?」
ルーシーが催促すると、ようやくジムは口を開く。
「難しいよ、お偉いさん方やペギーマン大統領は鼻から犯行をギャング連中の仕業だと決めつけているからね、一応は言ってみるけれど……」
その時だった。足を走らせてブルーノが取調室に入ってくる。
「どうしたんだい、ブルーノ?」
ジムは荒い息を吐いているブルーノを心配そうに見つめる。
「どうしたもこうしたもない……早くテレビを付けるんだ !」
ブルーノの言葉に全員が警察署の応接間へと足を急がせた。
「皆さん !番組の途中ですが、ここで世界審判教の教祖ライター・ヘンプ氏が今朝のホワイトハウス爆発事件について政府に何か喋りたいようです !」
ここで、カメラがテレビ局に姿を現したライター・ヘンプに変わった。
「皆さま、私は世界審判教の教祖ライター・ヘンプです。今回の事件の原因は明らかにアメリカ政府への怒りです !皆さまも今回の事件には大きな衝撃を受けた筈です !今回の事件の原因は私はアメリカ政府にあると考えております」
そのヘンプの言葉に会場内がざわつく。
「アメリカ政府はおろかにもギャング撲滅宣言を発表し、全米のギャングを敵に回しました。これは政府の怠慢以外の何者でもありません、私はアメリカ政府がこの事件の根本的な原因だと考えております。私はここにアメリカの政府への抗議を……」
その途中に一人の番組スタッフと思われる男が番組の中に入ってくる。
「なんだッ!今生放送中だぞ !」
アナウンサーは収録中に入ってきた男を叱りつけるが、男はそんなものには構ってはいられないとばかりに一枚の紙をアナウンサーに手渡す。
「うん……これは」
アナウンサーは書類を読み終わると同時にすぐにマイクを持って会場内に響き渡るように叫ぶ。
「たった今ですね !世界審判教の被害者の会の代表であるポール・ミッドウェーさんが、殺害された事が判明しました !更にですね、世界審判教に批判的な意見を述べていたトム・ジョーズさんも同様に殺害された事が判明致しました !ペギーマン大統領はこの報告を受けると同時にホワイトハウス爆発事件の容疑者を全米のギャングと思われる人物から世界審判教に切り替える事を発表致しました !」
アナウンサーの言葉が響くと同時に多数の警察官がヘンプの元へと駆け寄る。
「ライター・ヘンプ !建造物爆発示唆容疑並びにポール・ミッドウェー、トム・ジョーズ両名の殺害容疑でお前を逮捕するッ!」
警察官の襲来にもヘンプは動じる事なく笑ってみせた。
「あっはっはっ、あなた方は私を見くびり過ぎていたようだ !」
すると、ヘンプはどこからか一本の黒い剣を取り出す。
「言っておくが、この剣は貴様らの今いる建物を破壊する事くらいの事はできるんだ !」
ヘンプは剣の矛先を警察隊に向けながら言った。
0
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説

異世界に来ちゃったよ!?
いがむり
ファンタジー
235番……それが彼女の名前。記憶喪失の17歳で沢山の子どもたちと共にファクトリーと呼ばれるところで楽しく暮らしていた。
しかし、現在森の中。
「とにきゃく、こころこぉ?」
から始まる異世界ストーリー 。
主人公は可愛いです!
もふもふだってあります!!
語彙力は………………無いかもしれない…。
とにかく、異世界ファンタジー開幕です!
※不定期投稿です…本当に。
※誤字・脱字があればお知らせ下さい
(※印は鬱表現ありです)
もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」
授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。
途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。
ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。
駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。
しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。
毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。
翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。
使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった!
一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。
その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。
この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。
次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。
悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。
ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

弟のお前は無能だからと勇者な兄にパーティを追い出されました。実は俺のおかげで勇者だったんですけどね
カッパ
ファンタジー
兄は知らない、俺を無能だと馬鹿にしあざ笑う兄は真実を知らない。
本当の無能は兄であることを。実は俺の能力で勇者たりえたことを。
俺の能力は、自分を守ってくれる勇者を生み出すもの。
どれだけ無能であっても、俺が勇者に選んだ者は途端に有能な勇者になるのだ。
だがそれを知らない兄は俺をお荷物と追い出した。
ならば俺も兄は不要の存在となるので、勇者の任を解いてしまおう。
かくして勇者では無くなった兄は無能へと逆戻り。
当然のようにパーティは壊滅状態。
戻ってきてほしいだって?馬鹿を言うんじゃない。
俺を追放したことを後悔しても、もう遅いんだよ!
===
【第16回ファンタジー小説大賞】にて一次選考通過の[奨励賞]いただきました
若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!
古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。
そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は?
*カクヨム様で先行掲載しております
前世は冷酷皇帝、今世は幼女
まさキチ
ファンタジー
2、3日ごとに更新します!
コミカライズ連載中!
――ひれ伏せ、クズ共よ。
銀髪に青翡翠の瞳、人形のような愛らしい幼女の体で、ユリウス帝は目覚めた。数え切れぬほどの屍を積み上げ、冷酷皇帝として畏れられながら大陸の覇者となったユリウス。だが気が付けば、病弱な貴族令嬢に転生していたのだ。ユーリと名を変え外の世界に飛び出すと、なんとそこは自身が統治していた時代から数百年後の帝国であった。争いのない平和な日常がある一方、貧困や疫病、それらを利用する悪党共は絶えない。「臭いぞ。ゴミの臭いがプンプンする」皇帝の力と威厳をその身に宿す幼女が、帝国を汚す悪を打ち払う――!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる