女王陛下と護衛兵たちの日々〜ワガママ女王陛下の騎士たちは王国の独立を夢見る

アンジェロ岩井

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第三部 トゥー・ワールド・ウォーズ

世界審判教の乱心ーその①

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ライター・ヘンプは教団の屋敷に帰還するやいなや、自分たちの教団の幹部たちにエドワードや帝国の事を話す。
「つまり、ゴッドーゴール……彼らはあなたのいう神なので……」
ビレジの言葉にヘンプは首を縦に振る。
「いいや、彼らは我々の新たなる理解者だよ、ビレジ……神は宇宙にいるのだが、エドワードは彼らが宇宙から見つけ出してくれた理解者たちなのだよ」
ヘンプの言葉に信徒たちは感銘の言葉を受けているようだ。
「おお、神々がその方たちをお遣わしになったのですね、ゴッドーゴール !」
ビレジは目を輝かせている。
「その通りだよ、彼らこそが私の最も偉大な信徒なのだよ、そこでだ……」
ヘンプは自分の人差し指を立てる。
「彼は仰ったのだよ、アメリカ政府を倒した後に、彼が我々の教えを広めてくれるらしいんだよ」
ヘンプはそれから、同席していた部屋のソファーの上に座っているレッドマウンテンに口を開く。
「なぁ、レッドマウンテン……アメリカのFBIの奴らは我々の方にどれくらい捜査の目を向けているんだ?」
ヘンプの言葉にレッドマウンテンはカバンの中から、一枚の書類を取り出す。
「我々の方には、かなり捜査の手が及んでいますね、あなた様があまりいらっしゃらなかったので、弁護士の奴らが我々に弾圧をかけてきていますね」
レッドマウンテンは深刻な顔つきでこれまでの記録が書かれた紙をヘンプに手渡す。
「うーむ、となるとやはり、我々の宗教はアメリカ政府に弾圧されているに違いないぞ !奴らは我々の宗教の浸透を心の底から恐ろしく思っているに違いない !」
ヘンプは握り拳を宙に上げて叫ぶ。
「それは、今の政治が悪いからだ。よって我々はホワイトハウスにいるアンドリュー・F・ペギーマンをするッ!」
ヘンプは今「浄化」と言った。
これは、世界審判教の言葉で殺人を意味する言葉であった。ヘンプはこれまでも自分たちに反抗的な相手を殺すように信徒たちに指示してきたのだ。
「つまり、ゴッドーゴール……あなたはホワイトハウスの人間を……アンドリュー・F・ペギーマンの政党共和党の党員たちを全て浄化するおつもりですか?」
流石のレッドマウンテンとビレジも驚きを隠さずにはいられない。
「いいや、共和党だけではない……」
ヘンプはこれまでにないくらいの大きな声で叫ぶ。
「ホワイトハウス内に待機している全ての政治家たちをするッ!」
ヘンプの言葉に二人は思わず顔を見合わせる。
「ゴッドーゴール……流石にそれは無理なのでは、その後のことを考えるとリスクが大き過ぎますよ、勿論あなたのお考えは分かりますが……」
ビレジは自分の教祖に遠慮しがちに反論する。
「分かっていないな、ビレジ、キミは……」
ヘンプは何故かため息を吐く。
「彼らは私に仰ったのだよ、もうじき我々がこの世界に降り立つので、我々に全てを浄化しろと仰ったのだよ、分かるかね?」
ビレジは思わず生唾を飲み込む。
「つまり、大規模な浄化が必要という事ですか?」
ヘンプは首を縦に動かす。
「分かりました。信徒の中からホワイトハウスに浄化を仕掛ける部隊はどうなさいますか?」
「うーん、この浄化は特に熱心な信徒に任せたいんだよ、指揮はビレジ……キミに任せるよ」
ビレジは首を縦に振った。
「決行は三日後だな、しかも我々がリュー・ダントウから仕入れた情報によれば、その日に別世界の理解者の敵であるカヴァリエーレ・ファミリーの連中は三龍会と会談するんだそうだ。つまり、我々は邪魔する人間がいないために有利な状況に立てるわけだよ」
ヘンプの言葉に二人は口元を緩めていた。

三日後になり、ワシントン・D・Cにて世界審判教によるテロが実行される日となった。
「いいですか、皆さんはゴッドーゴールに従い、尚且つ我々の神に認められた戦士です。相手がアメリカ政府の重鎮だからと言って遠慮する事はありません、我々の教えを弾圧する悪しき政府には我々の神からの報告がある事を教えなければなりませんッ!」
ビレジの激昂の元に五人の信徒たちが首を縦に振る。何人かはこれから起こす大テロを意識し、震えている人間もいる。
「大丈夫 !ゴッドーゴールを信じなさい !」
ビレジは震えている信徒に肩に手を当てて激昂する。
「分かりました……わっ、我々はゴッドーゴールを信じ、悪しき政府を打倒致します」
信徒の言葉にビレジは口元を緩めた。

アンドリュー・F・ペギーマンはその日の午前は会議の後に海外を視察に行く予定であった。
「ふう、疲れたな、それよりもこの後は海外視察か……少し休みたいな」
アンドリューはこれはいかんと頰を叩くと、この後に行く予定のアジアの国のことを考え、思慮にふけていた。
その時だった。突然ホワイトハウスの前に大きな爆発音が鳴った。
「なっ、なんだ !何が起きたッ!」
アンドリューの声に答えたのは、秘書のジョージであった。
「大変です !何者かが、ホワイトハウスの前に爆弾を仕掛けたとッ!」
アンドリューはその言葉に一瞬耳を疑う。
アメリカの政治の中心に爆弾を仕掛ける。正気ではない。そんな事をすれば、犯人が死刑になるのは間違いないだろうし、実行犯の死刑は免れないと考えたからだ。
「その爆弾の破壊力は?」
アンドリューは高価なドイツ製のネクタイを世話しなさそうに触りながら尋ねる。
「まだ、分かりませんが、今の爆発で警備員を始め、かなりの死人が出たという事で……」
アンドリューは深刻な顔つきでジョージを見つめる。
「キミはこの爆弾は誰が仕掛けたと思う?」
アンドリューの問いにジョージはハッキリとした声で答えた。
「決まってますよ !ギャングですよ !ギャング撲滅宣言を根に持ったギャングどもが我々に報復にきたに違いありませんよ !」
ジョージの間違いのない瞳にアンドリューはたじろぎながらも、全ての州の警察とFBIならびにCIAに犯人を探すように命令した。
「分かりました !ちなみに大統領 !今回の視察は……」
「今日の予定は全てキャンセル !我々は今から、この事件の犯人探しに全力を当てる !」
アンドリューの言葉にジョージは逆らう事なく首を縦に振った。
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