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第二部 王国奪還
人生とは流れいく川
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ヴィトはマリアに小説の内容を自分も読みながら、話していた。
そして、マリアも熱心にヴィトが話す内容にすっかり心を奪われており、気がついた時には深い夢の世界へと向かっていた。
「おやすみ」
ヴィトはマリアの頰に口づけをすると、彼女をいわゆるお姫様抱っこという形で、寝室に運び、ベッドに丁寧に置いた。
そこで、彼も自分の寝室へと戻ろうとした時だった。ルーシーの部屋から光が漏れているのに気がつく。普段ならもう寝ている時間なのだが……。
ヴィトは何かあったのだろうかとルーシーの寝室のドアをノックする。
「どうしたのよ、ヴィト?」
部屋の扉を開けたルーシーは相変わらずの黒のネクジェという姿だった。
「いいや、キミの部屋から光が見えていたもので……」
「大丈夫よ、わたし今晩は眠れなくて……部屋で本を読んでいたのよ」
ヴィトは書斎に置いてあった本と同じ本だろうか、と考え、ルーシーに尋ねるも、ルーシーは否定の言葉を発した。
「違うわ、わたしが読んでいたのは『007カジノロワイヤル』よ」
ヴィトはルーシーが読んでいた小説のタイトルが意外だったので、思わず苦笑する。
「キミが007を?」
「そうよ、わたしだってスパイ小説くらい読むわ」
「悪い、悪い、そう言えば『カジノロワイヤル』ってどんな話だっけ?」
ヴィトの疑問にルーシーは丁寧に物語を説明してやった。
この物語はル・シッフルと呼ばれる男が、ソビエトから預かったお金を派遣ビジネスに投資したものの、その国で取り締まりが強くなったために失敗をくらい、それを取り返そうとするが、阻止しようとしたのが、007こと、ジェームズ・ボンドであった。
「で、最終的にボンドは勝つのかい?」
だが、この問いにだけはルーシーも答えたくないようで、うふふと笑って誤魔化す。
「それを言うと、お楽しみがなくなるでしょう?あらかじめ結末が分かった物語なんてつまらないと思わない?」
ルーシーは大抵映画を観る時に雑誌を読むのを避け、予備知識なしに未知の世界へと踏み込むタイプであった。
「そう言えば、去年に出た新刊だろ?何回も読んだのかい?」
「もう三回も読んだわ」
ルーシーは自信満々に言った。
「そんなに面白いのか?」
「勿論よ、今度貸しましょうか?」
ルーシーの質問に対し、ヴィトは了承の印として、親指を上に挙げた。
「うふふ、そう言えば……今日ねお父さんの事を思い出したの」
「ゴッドファーザーの?」
ルーシーはヴィトの問いに頷く。
「父さんが死んだ日の事は鮮明に覚えているわ……」
それは、遠くない昔の話だった。
ドン・ドメニコ・カヴァリエーレは娘のルーシーを庭に呼び出して、話をしていた。
その日は太陽が照りつける暑い日であり、同時に青空が雲一つない快晴の日だった。
「近頃良くワインを飲む……昔は好きでは、いやエマが入れてくれたワインは飲んでいたがな……」
話に出たエマーー彼の相談役であるエマ・ロマゾワーノは引退し、二年前からカリフォルニアで平穏に暮らしているらしい。
現在は見習いを終えたルーシーが相談役として活躍していた。
「どんな味だったの?」
ルーシーは父親のグラスにワインを注ぎながら尋ねた。
「うむ、甘いブドウの味だった……山の奥にある新鮮なブドウ……その場で取れたような味わい深さがあったよ」
ドメニコは飲み終わったグラスをしみじみと眺めていた。余程美味かったのだろう。彼の頰に赤みがかかっている。
「昔のことも良く思い出すよ、今でこそお前は冷静沈着だが、中学を卒業するまでは、短気だったんだ」
ルーシーは過去の自分は粗野で男勝りの腕白な子どもだという事を思い返す。
中学を出るまでのルーシーは短気な性格で、学校中の人間は彼女に従うか、或いは彼女を恐れるかの二択だった。
ルーシーが恐れられた原因は父親も原因の一つだったが、何より彼女の戦闘スタイルであった。
彼女が男に負けなかったのは身軽な動きとそれから、急所への適度な攻撃であった。不意を突かれたところを一網打尽に叩く。それは複数の場合でも同じ事だった。だからこそ、彼女は恐れられていたのだった。
「そんな事もあったわね」
「だが、お前は変わったよ、今にして思えば、ワシがナポリ人のヤクの売人に襲われ、負傷を負った時だったな、あれ以来お前は短気をやめたんだったな」
ルーシーは父が自分の短気のために負傷したのをずっと心に覚えていた。
そこから、彼女は冷静に物事を考えるようになり、また戦略や戦術等を張り巡らせる事を意識し始めた。
「そんな事もあったわね……」
ルーシーは庭の木を見つめながら言った。あの木は彼女が小さい頃からお気に入りの場所であり、父と喧嘩をした時はよく、あの木の下で泣いていたのを覚えている。
「お前に一つ言っておこう、これから先にワシが死ぬ事があれば、それはミラノリアにチャンスを与える事になる。あいつ個人は麻薬を売りさばく事と人に媚を売る事しか能がないが、奴のファミリーとメアリー・クイーンズには気をつけなけねばならん、いいな、お前がこの先この街の暗黒街の女帝として君臨するのならば、まずミラノリアを全力で排除しなければならん」
ドメニコの言葉には重みがあった。同時に彼がルカを追い出せなかった申し訳なさも混じっていた。
「分かったわ、わたしは必ずこの街を手に入れるわ」
「うむ、最後になるが……ワシは人から恐れられる事はあっても、人から侮られたり、バカにされる事はなかった。お前もそうしろ、友情と尊敬は何よりも大事だ。友こそが、ファミリーの存続に繋がるのだ。だから、麻薬や派遣ビジネスにも手を出すな、あの二つはいかん、人と人との関係を壊す。だからこそワシはファミリーの若い者にもそう教えてきた。いいな、仁義と友情だ……この二つを忘れるなよ、カリーナ、ワシの愛する娘よ」
ドメニコは彼女の手の甲に口づけを交わし、そのまま座っていた椅子に全体を預けた。
その瞬間に彼の視界が揺れていくのが感じられた。突然今までの自分の人生がまるで、映画を観ている時のように駆け巡る。クリミーネに母親を殺された時。アメリカへ渡った時。ジーノを殺害し、街の人から尊敬を集めた時。最愛の妻と結婚した時。最愛の娘が産まれた時。全てが彼の頭の中をよぎった。彼は自分の人生は恵まれたものだと、涙を流し、最後に呟いた。
「人生とは流れ行く川のようなもの……どこまでもワシの魂は流れていくだろう」
ドメニコは安らかに目を閉じた。
そして、マリアも熱心にヴィトが話す内容にすっかり心を奪われており、気がついた時には深い夢の世界へと向かっていた。
「おやすみ」
ヴィトはマリアの頰に口づけをすると、彼女をいわゆるお姫様抱っこという形で、寝室に運び、ベッドに丁寧に置いた。
そこで、彼も自分の寝室へと戻ろうとした時だった。ルーシーの部屋から光が漏れているのに気がつく。普段ならもう寝ている時間なのだが……。
ヴィトは何かあったのだろうかとルーシーの寝室のドアをノックする。
「どうしたのよ、ヴィト?」
部屋の扉を開けたルーシーは相変わらずの黒のネクジェという姿だった。
「いいや、キミの部屋から光が見えていたもので……」
「大丈夫よ、わたし今晩は眠れなくて……部屋で本を読んでいたのよ」
ヴィトは書斎に置いてあった本と同じ本だろうか、と考え、ルーシーに尋ねるも、ルーシーは否定の言葉を発した。
「違うわ、わたしが読んでいたのは『007カジノロワイヤル』よ」
ヴィトはルーシーが読んでいた小説のタイトルが意外だったので、思わず苦笑する。
「キミが007を?」
「そうよ、わたしだってスパイ小説くらい読むわ」
「悪い、悪い、そう言えば『カジノロワイヤル』ってどんな話だっけ?」
ヴィトの疑問にルーシーは丁寧に物語を説明してやった。
この物語はル・シッフルと呼ばれる男が、ソビエトから預かったお金を派遣ビジネスに投資したものの、その国で取り締まりが強くなったために失敗をくらい、それを取り返そうとするが、阻止しようとしたのが、007こと、ジェームズ・ボンドであった。
「で、最終的にボンドは勝つのかい?」
だが、この問いにだけはルーシーも答えたくないようで、うふふと笑って誤魔化す。
「それを言うと、お楽しみがなくなるでしょう?あらかじめ結末が分かった物語なんてつまらないと思わない?」
ルーシーは大抵映画を観る時に雑誌を読むのを避け、予備知識なしに未知の世界へと踏み込むタイプであった。
「そう言えば、去年に出た新刊だろ?何回も読んだのかい?」
「もう三回も読んだわ」
ルーシーは自信満々に言った。
「そんなに面白いのか?」
「勿論よ、今度貸しましょうか?」
ルーシーの質問に対し、ヴィトは了承の印として、親指を上に挙げた。
「うふふ、そう言えば……今日ねお父さんの事を思い出したの」
「ゴッドファーザーの?」
ルーシーはヴィトの問いに頷く。
「父さんが死んだ日の事は鮮明に覚えているわ……」
それは、遠くない昔の話だった。
ドン・ドメニコ・カヴァリエーレは娘のルーシーを庭に呼び出して、話をしていた。
その日は太陽が照りつける暑い日であり、同時に青空が雲一つない快晴の日だった。
「近頃良くワインを飲む……昔は好きでは、いやエマが入れてくれたワインは飲んでいたがな……」
話に出たエマーー彼の相談役であるエマ・ロマゾワーノは引退し、二年前からカリフォルニアで平穏に暮らしているらしい。
現在は見習いを終えたルーシーが相談役として活躍していた。
「どんな味だったの?」
ルーシーは父親のグラスにワインを注ぎながら尋ねた。
「うむ、甘いブドウの味だった……山の奥にある新鮮なブドウ……その場で取れたような味わい深さがあったよ」
ドメニコは飲み終わったグラスをしみじみと眺めていた。余程美味かったのだろう。彼の頰に赤みがかかっている。
「昔のことも良く思い出すよ、今でこそお前は冷静沈着だが、中学を卒業するまでは、短気だったんだ」
ルーシーは過去の自分は粗野で男勝りの腕白な子どもだという事を思い返す。
中学を出るまでのルーシーは短気な性格で、学校中の人間は彼女に従うか、或いは彼女を恐れるかの二択だった。
ルーシーが恐れられた原因は父親も原因の一つだったが、何より彼女の戦闘スタイルであった。
彼女が男に負けなかったのは身軽な動きとそれから、急所への適度な攻撃であった。不意を突かれたところを一網打尽に叩く。それは複数の場合でも同じ事だった。だからこそ、彼女は恐れられていたのだった。
「そんな事もあったわね」
「だが、お前は変わったよ、今にして思えば、ワシがナポリ人のヤクの売人に襲われ、負傷を負った時だったな、あれ以来お前は短気をやめたんだったな」
ルーシーは父が自分の短気のために負傷したのをずっと心に覚えていた。
そこから、彼女は冷静に物事を考えるようになり、また戦略や戦術等を張り巡らせる事を意識し始めた。
「そんな事もあったわね……」
ルーシーは庭の木を見つめながら言った。あの木は彼女が小さい頃からお気に入りの場所であり、父と喧嘩をした時はよく、あの木の下で泣いていたのを覚えている。
「お前に一つ言っておこう、これから先にワシが死ぬ事があれば、それはミラノリアにチャンスを与える事になる。あいつ個人は麻薬を売りさばく事と人に媚を売る事しか能がないが、奴のファミリーとメアリー・クイーンズには気をつけなけねばならん、いいな、お前がこの先この街の暗黒街の女帝として君臨するのならば、まずミラノリアを全力で排除しなければならん」
ドメニコの言葉には重みがあった。同時に彼がルカを追い出せなかった申し訳なさも混じっていた。
「分かったわ、わたしは必ずこの街を手に入れるわ」
「うむ、最後になるが……ワシは人から恐れられる事はあっても、人から侮られたり、バカにされる事はなかった。お前もそうしろ、友情と尊敬は何よりも大事だ。友こそが、ファミリーの存続に繋がるのだ。だから、麻薬や派遣ビジネスにも手を出すな、あの二つはいかん、人と人との関係を壊す。だからこそワシはファミリーの若い者にもそう教えてきた。いいな、仁義と友情だ……この二つを忘れるなよ、カリーナ、ワシの愛する娘よ」
ドメニコは彼女の手の甲に口づけを交わし、そのまま座っていた椅子に全体を預けた。
その瞬間に彼の視界が揺れていくのが感じられた。突然今までの自分の人生がまるで、映画を観ている時のように駆け巡る。クリミーネに母親を殺された時。アメリカへ渡った時。ジーノを殺害し、街の人から尊敬を集めた時。最愛の妻と結婚した時。最愛の娘が産まれた時。全てが彼の頭の中をよぎった。彼は自分の人生は恵まれたものだと、涙を流し、最後に呟いた。
「人生とは流れ行く川のようなもの……どこまでもワシの魂は流れていくだろう」
ドメニコは安らかに目を閉じた。
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