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第三十二話 天文台の決戦ーその②
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ヴィトは後ろのトランクから、散弾銃を、ルーシーは丸い弾倉が正面についたトンプソン機関銃を取り出す。
「ヴィト、この銃……あなたが持たなくていいの?」
「いいや、背後から迫る敵を一掃するには、ショットガンが一番なのさ」
ヴィトは慣れた手つきでショットガンに弾を込めながら言った。
「あなた機関銃しか使わないイメージがあったけど、散弾銃も使えるのね」
「そうだ。それに拳銃も剣もコートの下に潜ませている……ルカが銃を使おうが、銃を使おうが、オレは怯まない」
ヴィトは弾を込め終わったショットガンを掴み、上に持ち上げる。もう準備は万端。
そんな様子だった。
「分かったわ、いきましょう……」
ルーシーはトンプソンを封鎖されている天文台の門の正面に向けながら言った。
「よし、全員ッ!門をぶち破れッ!オレたちの手でルカとミラノリア・ファミリーに引導を渡してやるんだッ!」
ヴィトの指示で門を破るための装置を持ったヴィトとルーシと共に行動する囮班の部下が突っ込み、鉄でできた門はもろくも開け放しとなる。
ヴィトは散弾銃や機関銃を携えた部下に突撃するように指示した。
ミラノリアの構成員たちも門の方に起きた異変を察したのか、グリーズガンを持った構成員たちが駆けつける。
ヴィトは構成員に散弾銃を撃ち放つ。
一気に三人の人間が地面に打ち付けられた。ルーシーもヴィトの後ろに隠れてトンプソンを次々と出てくる敵に対抗している。
囮班の奮闘のためか、これ以上門からミラノリアが出てくる事はない。
「よし、二人で突っ込むぞ、その後ろに同じく囮班の部下たちが突撃してくれるはずだからな」
ルーシーは首を縦に動かした。
「行くぞォォォォォォォ~!」
ヴィトは天文台へと突っ込む。
天文台の中に入ると、そこは本当に崩れた建物という印象を受けた。
壁はところどころ崩れているし。床もかつて貼ってあったと思われる白色のタイルがほとんど剥がれ、無機質な茶色のコンクリートが露わになっている。
「ルカはどこに立て籠もっていやがる」
部下の一人がこのボロボロの天文台に嫌気がさしたのか、苦々しげに呟く。
「ルカは恐らくだが、シアタールームにいると思う」
「どうしてなの?」
ルーシーはトンプソン機関銃を正面に構えながら自身の左横にいるヴィトに言った。
「ルカが他の手下と一緒にオレ達を待ち伏せするとしたら、中央のシアタールームしかない、あそこなら手下を大量に隠せるだろうしな」
「でも、手下を大量に隠せると言っても、私は精々五、六人だと思うわ」
そう言うと、ルーシーはヴィトの目をじっと見つめる。
「何故だい?」
ヴィトはルーシーの意見に思わず眉をしかめる。
「だってさっき出てきた敵は精々十二、三人くらいだわ、それ以上の戦力をミラノリアがもう持っているとは、思えないの」
「落ち目のファミリーだからな」
そう言うと、ヴィトは目をじっと細めた。
「そうよ、だから正面に気をつけながらいけばいいじゃないかしら?」
ルーシーの提案にヴィトは思わず親指を上げたくなったが、代わりに部下に何やら耳打ちする。
「どうしたの?」
「あぁ、オレがシアタールームのドアを開けるから、お前達は後ろに待機してろと命令したのさ、手榴弾を使われたら厄介だからなと言ったのさ」
ヴィトはフッと鼻を鳴らす。
「分かったわ、あなたがドアを開けてね」
と、歩いているうちにシアタールームと思われる重厚な黒色の扉が見えてきた。
「いいな、オレがドアを開ける……」
ヴィトは左手で後ろに寄れと合図してドアをギィィィと開けるとすぐに、散弾銃の銃口を正面に向けた。
「動くなッ!ルカ・ミラノリアッ!」
だが、その部屋で待機していたルカは動揺する事なく、むしろようやくたどり着いたかと言うような目でヴィトとルーシーをあざ笑う。
「はっはっはっ、よくたどり着いたな、ここまで、えっ、ヴィト・プロテッツイオーネ !」
ルカはオペラ歌手のような高音を部屋に響かせながら叫ぶ。
「それが、お前の遺言か?」
ヴィトは挑発するように呟く。
「いいや、違うね、オレは説教してやろうと思っているのさ、お前は駒に過ぎないんだよ、ヴィトッ!」
ルカはここでヴィトの顔が赤くなるのだろうと予測したが、ヴィトは相変わらず冷静な表情を浮かべたままである。
「微動だにせんのか?」
「いいや、お前の嘘にオレが怯むとでも思っていたのか?オレは騎士なんだよ、二人のお姫様を守るな……」
「お前が騎士だとッ!自惚れもいい加減にしろッ!小僧ッ!」
ルカは手をプルプルと震わせながら叫ぶ。
「どうでもいいさ、お前がどう思おうと、オレはどうでもいいからな」
ルカは青筋を立てていたが、すぐさま怒りを引っ込めてニヤリと笑う。
「まぁいい、ところでお前はオレの部下にならんか?オレの部下になれば優遇してやるぞ、お前の実力があれば、恐れるものはないッ!もう、コミッションのアホどもや、別世界のイカれた皇帝、それにFBIのクズどもを恐れる必要はなくなるんだッ!さぁ、オレの手下になれッ!」
ルカは手を差し出したが、ヴィトはその手を取ることなく、散弾銃の銃口をルカに向けた。
「分からんな、小僧……」
「分からなくて結構さ、この街を手に入れるのは、カヴァリエーレ・ファミリーだ」
ヴィトはそう言い終わると、すぐさまショットガンを放つ。
「ぐっ」
ルカはシアタルームの台に身を隠し、ショットガンから身を凌いだ。
ヴィトは冷徹に空になった弾倉をその場に投げ捨てる。そしてヴィトの銃弾の音を聞きつけたのか、後ろに待機していた他の味方が部屋に突入する。
「大人しく降伏しろ、ルカ !」
ルカはシアタルームの台に隠れながら、忌々しげに呟く。
「ふん、おれをどうする気だ」
「降伏すれば、殺しはしないよ……この街から追放するだけでいい、二度とこの街に姿を現さなければいいんだ」
ヴィトはショットガンに新たに弾を込めながらルカに問いかける。
「バカが、言うことなんて聞くと思うのか?」
ルカはコーヒー色のアルマーニの高級スーツの横にかけてある剣の鞘をギュッと握る。
「ヴィト、この銃……あなたが持たなくていいの?」
「いいや、背後から迫る敵を一掃するには、ショットガンが一番なのさ」
ヴィトは慣れた手つきでショットガンに弾を込めながら言った。
「あなた機関銃しか使わないイメージがあったけど、散弾銃も使えるのね」
「そうだ。それに拳銃も剣もコートの下に潜ませている……ルカが銃を使おうが、銃を使おうが、オレは怯まない」
ヴィトは弾を込め終わったショットガンを掴み、上に持ち上げる。もう準備は万端。
そんな様子だった。
「分かったわ、いきましょう……」
ルーシーはトンプソンを封鎖されている天文台の門の正面に向けながら言った。
「よし、全員ッ!門をぶち破れッ!オレたちの手でルカとミラノリア・ファミリーに引導を渡してやるんだッ!」
ヴィトの指示で門を破るための装置を持ったヴィトとルーシと共に行動する囮班の部下が突っ込み、鉄でできた門はもろくも開け放しとなる。
ヴィトは散弾銃や機関銃を携えた部下に突撃するように指示した。
ミラノリアの構成員たちも門の方に起きた異変を察したのか、グリーズガンを持った構成員たちが駆けつける。
ヴィトは構成員に散弾銃を撃ち放つ。
一気に三人の人間が地面に打ち付けられた。ルーシーもヴィトの後ろに隠れてトンプソンを次々と出てくる敵に対抗している。
囮班の奮闘のためか、これ以上門からミラノリアが出てくる事はない。
「よし、二人で突っ込むぞ、その後ろに同じく囮班の部下たちが突撃してくれるはずだからな」
ルーシーは首を縦に動かした。
「行くぞォォォォォォォ~!」
ヴィトは天文台へと突っ込む。
天文台の中に入ると、そこは本当に崩れた建物という印象を受けた。
壁はところどころ崩れているし。床もかつて貼ってあったと思われる白色のタイルがほとんど剥がれ、無機質な茶色のコンクリートが露わになっている。
「ルカはどこに立て籠もっていやがる」
部下の一人がこのボロボロの天文台に嫌気がさしたのか、苦々しげに呟く。
「ルカは恐らくだが、シアタールームにいると思う」
「どうしてなの?」
ルーシーはトンプソン機関銃を正面に構えながら自身の左横にいるヴィトに言った。
「ルカが他の手下と一緒にオレ達を待ち伏せするとしたら、中央のシアタールームしかない、あそこなら手下を大量に隠せるだろうしな」
「でも、手下を大量に隠せると言っても、私は精々五、六人だと思うわ」
そう言うと、ルーシーはヴィトの目をじっと見つめる。
「何故だい?」
ヴィトはルーシーの意見に思わず眉をしかめる。
「だってさっき出てきた敵は精々十二、三人くらいだわ、それ以上の戦力をミラノリアがもう持っているとは、思えないの」
「落ち目のファミリーだからな」
そう言うと、ヴィトは目をじっと細めた。
「そうよ、だから正面に気をつけながらいけばいいじゃないかしら?」
ルーシーの提案にヴィトは思わず親指を上げたくなったが、代わりに部下に何やら耳打ちする。
「どうしたの?」
「あぁ、オレがシアタールームのドアを開けるから、お前達は後ろに待機してろと命令したのさ、手榴弾を使われたら厄介だからなと言ったのさ」
ヴィトはフッと鼻を鳴らす。
「分かったわ、あなたがドアを開けてね」
と、歩いているうちにシアタールームと思われる重厚な黒色の扉が見えてきた。
「いいな、オレがドアを開ける……」
ヴィトは左手で後ろに寄れと合図してドアをギィィィと開けるとすぐに、散弾銃の銃口を正面に向けた。
「動くなッ!ルカ・ミラノリアッ!」
だが、その部屋で待機していたルカは動揺する事なく、むしろようやくたどり着いたかと言うような目でヴィトとルーシーをあざ笑う。
「はっはっはっ、よくたどり着いたな、ここまで、えっ、ヴィト・プロテッツイオーネ !」
ルカはオペラ歌手のような高音を部屋に響かせながら叫ぶ。
「それが、お前の遺言か?」
ヴィトは挑発するように呟く。
「いいや、違うね、オレは説教してやろうと思っているのさ、お前は駒に過ぎないんだよ、ヴィトッ!」
ルカはここでヴィトの顔が赤くなるのだろうと予測したが、ヴィトは相変わらず冷静な表情を浮かべたままである。
「微動だにせんのか?」
「いいや、お前の嘘にオレが怯むとでも思っていたのか?オレは騎士なんだよ、二人のお姫様を守るな……」
「お前が騎士だとッ!自惚れもいい加減にしろッ!小僧ッ!」
ルカは手をプルプルと震わせながら叫ぶ。
「どうでもいいさ、お前がどう思おうと、オレはどうでもいいからな」
ルカは青筋を立てていたが、すぐさま怒りを引っ込めてニヤリと笑う。
「まぁいい、ところでお前はオレの部下にならんか?オレの部下になれば優遇してやるぞ、お前の実力があれば、恐れるものはないッ!もう、コミッションのアホどもや、別世界のイカれた皇帝、それにFBIのクズどもを恐れる必要はなくなるんだッ!さぁ、オレの手下になれッ!」
ルカは手を差し出したが、ヴィトはその手を取ることなく、散弾銃の銃口をルカに向けた。
「分からんな、小僧……」
「分からなくて結構さ、この街を手に入れるのは、カヴァリエーレ・ファミリーだ」
ヴィトはそう言い終わると、すぐさまショットガンを放つ。
「ぐっ」
ルカはシアタルームの台に身を隠し、ショットガンから身を凌いだ。
ヴィトは冷徹に空になった弾倉をその場に投げ捨てる。そしてヴィトの銃弾の音を聞きつけたのか、後ろに待機していた他の味方が部屋に突入する。
「大人しく降伏しろ、ルカ !」
ルカはシアタルームの台に隠れながら、忌々しげに呟く。
「ふん、おれをどうする気だ」
「降伏すれば、殺しはしないよ……この街から追放するだけでいい、二度とこの街に姿を現さなければいいんだ」
ヴィトはショットガンに新たに弾を込めながらルカに問いかける。
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