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第十五話 ドイツ人街の戦いーその⑦
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しばらくの間、二人の空中での追いかけっこは続き、とうとうカルロはルーシーのもとい、カヴァリエーレ・ファミリーの本拠地にまで到達した。
「フハハハハハハ~!ここから、オレの金棒を使って、ルーシーもろともお前の女王陛下とやらをブッ殺してやるぜ」
カルロは余裕たっぷりに笑うが、ヴィトは絶望の表情を浮かべるどころか、何と彼も自分と同様に笑っていたのだ。
「何がおかしいッ!」
「いいや、おかしいのさ、何がおかしいって?オレ達ギャングの世界ではな『ブッ殺した』なんて使うもんじゃあないぜ、それじゃあ、ストリートにたむろするゴロツキと何も変わらねえよ、こう言うのさ『ブッ殺した』とね。現在形じゃあなくて過去形を使う……これで任務は完了って寸法さ」
そう言い終わると、ヴィトはカルロに向かい、剣を構え戦闘態勢に入った事を表す。
「成る程ね、なら訂正してやるッ!『ブッ殺した』!!」
カルロはなるべく怒りを隠しながら、金棒を持って襲い掛かる。今度は何やら呪文も唱えて。
「やる気かッ!」
ヴィトは剣を構え、カルロが自分に突っ込む前に自分からカルロに突っ込む。
「へん、今度のオレは今までのオレと一味違うって事を見せてやるぜ」
カルロがそう言うと、金棒がピカッと光り、次の瞬間に空中にものすごい振動が鳴り響く。
「ぐっ、まさか貴様……」
「そうさ、初めに言っただろ?おれは地震の力を使えると……おれはこの地震の力でお前を殺し、ルーシーを殺し、カヴァリエーレ・ファミリーを一網打尽にする !その後はコミッションの連中を皆殺しにし、ホワイトハウスをぶっ壊す !そしてアメリカはオレと甥の物になるって寸法さ」
ヴィトは怒らなかった。いや、この場合は敢えて「静かに怒ってみせた」と表現するべきだろう。何にせよ、ヴィトがすごく怒っていた事には間違いない。
「どうした、ボウズ?とうとう、自分の部相応というものを弁えたか?分かったんなら、サッサとおれに殺されな」
その瞬間だった。再びヴィトが姿を消したのだ。そう、また例の魔法を使って。
「クソッ!」
カルロは忌々しげに吐き捨てた。この魔法の利点は空間を自在に行き来できる事だろう。空間から攻撃できない分、どこから現れるか分からない。上か、下か、或いは左右か。
「卑怯だぞッ!姿を現しやがれッ!」
カルロがそう叫んでいると、自分の帽子が何かに、いや、剣に貫かれた事に気がつく。そう、例のヴィトの剣で。
「何ッ!」
カルロが背後を振り向くと、背後にはヴィトが剣を構えて立っていた。
「終わりなのは……お前さんの方だな」
ヴィトは平静を装った怒りを見せながら、カルロに向かって進む。
「ちっ、ちくしょォォォォォォォォォ~~!」
カルロが絶望に酔いしげ、ふと何気なしに屋敷の庭を見ると、そこには例の金髪のお姫様の姿が見えたのだ。
(チャンスだ……神はおれを見放さなかった……アイツを人質に取れば)
もはや、彼にマフィアやギャングの仁義というものは残っていなかった。
マリアはその日何気なしに庭に出ていた。やはり、かつて自分が所有していた城の庭に比べれば劣るものの、見たこともない置物がたくさんあり、マリアはそれが気になっていたのだ。
そんな時だった。上の方から、一人の太っただが、どこか恰幅の良さそうな男が降りてきたのだ。
「なっ、何よ、あんた!?」
マリアは咄嗟に身構えた。だが、太った男は動じる事なくマリアの側に寄る。
「お前には人質になってもらうぜッ!」
カルロはマリアの腕を乱暴に掴み、自分の元へと引き寄せようとする。
「離してよッ!無礼な平民ッ!」
「驚いた……完全に中世のヨーロッパの王族の態度じゃあねえか、生意気な小娘だぜ」
カルロはとうとうマリアを人質にしてしまった。
ヴィトが駆けつけた時にはもう、マリアは人質に取られていた。
「くっ、やはりというべきか……」
ヴィトは剣を構えるものの、やはりマリアの安否が気になり、思うように剣を振るうことができない。
「どうした、ヴィトォ!ニューホーランドシティーの二大マフィアの相談役の名が泣くぜェェ~~!」
「仁義を忘れたゲス野郎にそんな事を言われたくはねえな」
ヴィトのその言葉を聞くなり、カルロはふんと鼻を鳴らす。
「何回も言っただろ?これからの時代にはそんなものは不利だって !これからは新しい時代のマフィアの出番だぜッ!」
「仁義を忘れるのが、新しい時代のマフィアだって?なら……そんなものは糞食らえだッ!」
ヴィトは自分が悪党だという自覚があった。ファミリーの相談役として悪事を重ねた事なんて数えきれない。だが、麻薬や売春で稼ごうなんて思ったことはなかった。
ましてや、こんな卑怯な戦法を使い相手を倒すなんて論外だ。
「攻撃できるんなら、してみろよ !ただし、その時はあんたのお姫様が死ぬ事になるぜッ!」
「ヴィト !やっちゃいなさいよッ!あたしは誇り高き、フランソワ王国の女王よ !こんなゲスの言うことには従わないと決めているのッ!」
マリアがそうキッパリと言い放つ。
「だってよ、お望み通りにしてやれよ !」
カルロもそれに便乗するが、ヴィトはカルロを倒し、マリアも助ける方法を頭の中で練る。そして、思いついた末の最終手段を考え出した。
ヴィトはマリアに何やら目配せすると、マリアはそれを見て頷く。
「へっへっ、もう終わりだな」
カルロがマリアを殺そうとした時だった。マリアの足がカルロの男性器を思いっきり蹴ったのだ。
「アガガガガガ……」
カルロは蹴られた部分を抑え、その場に崩れ落ちる。
「さてと……お前をようやく処刑できるって事だよな?」
カルロは必死に体を起こし、逃げようとする。
「ちくしょう !ちくしょう !」
カルロはしばらく後ずさりをした後に浮遊魔法を使い、飛び上がる。が、ヴィトはそれを逃さずに同じく魔法を使用し、カルロを追いかける。
「くっ、オレが負けるわけはねえんだァァァァァァァ~~!」
カルロは金棒を振り上げ、ヴィトに向かってくる。だが、もうヴィトにとってカルロは敵ではなかった。何故なら、マリアに近づいた瞬間に自分の伝説の剣が輝き、力がみなぎる事に気がついていたからだ。
ヴィトは冷静にカルロに対処し、剣を振り上げる。
剣はカルロに命中し、カルロは魔法の効果のためか、或いは剣の性質のためか、爆発した。
ヴィトはそれを見届けると、屋敷に戻る。
「もう、助けに来るのが遅いわよ !平民 !」
「悪かったよ、だけれど……きみの危機を救ったのもおれだぜ」
「知ってるわよ !」
マリアは赤くなって顔をヴィトから背ける。そして小声でヴィトに感謝の言葉を述べていた。だが、当のヴィトはそんな様子に気づく素振りも見せずにマリアの頭を撫でて、感謝の言葉を述べた。
「ありがとう、オレの合図に気がついてくれて」
「何よ、平民の分際で頭を撫でないでよ !それに騎士の考えを姫が分からなくてどうするのよ !」
マリアは再び顔を下にし、赤く顔を染めながら小声で「こっちこそありがとう」と呟いた。そんなマリアに気づき、ヴィトは思わずクスリと笑う。
「何笑ってんのよ !」
マリアはヴィトに優しく摑みかかる。
「ゴメンゴメン、オレはこのままルーシーに相談に行くから、きみはここで遊んでな」
ヴィトは優しくマリアを放し、屋敷へと向かって歩いて行く。
そんなヴィトを尻目にマリアは小声で「子供扱いしないでよ」と呟く。
「フハハハハハハ~!ここから、オレの金棒を使って、ルーシーもろともお前の女王陛下とやらをブッ殺してやるぜ」
カルロは余裕たっぷりに笑うが、ヴィトは絶望の表情を浮かべるどころか、何と彼も自分と同様に笑っていたのだ。
「何がおかしいッ!」
「いいや、おかしいのさ、何がおかしいって?オレ達ギャングの世界ではな『ブッ殺した』なんて使うもんじゃあないぜ、それじゃあ、ストリートにたむろするゴロツキと何も変わらねえよ、こう言うのさ『ブッ殺した』とね。現在形じゃあなくて過去形を使う……これで任務は完了って寸法さ」
そう言い終わると、ヴィトはカルロに向かい、剣を構え戦闘態勢に入った事を表す。
「成る程ね、なら訂正してやるッ!『ブッ殺した』!!」
カルロはなるべく怒りを隠しながら、金棒を持って襲い掛かる。今度は何やら呪文も唱えて。
「やる気かッ!」
ヴィトは剣を構え、カルロが自分に突っ込む前に自分からカルロに突っ込む。
「へん、今度のオレは今までのオレと一味違うって事を見せてやるぜ」
カルロがそう言うと、金棒がピカッと光り、次の瞬間に空中にものすごい振動が鳴り響く。
「ぐっ、まさか貴様……」
「そうさ、初めに言っただろ?おれは地震の力を使えると……おれはこの地震の力でお前を殺し、ルーシーを殺し、カヴァリエーレ・ファミリーを一網打尽にする !その後はコミッションの連中を皆殺しにし、ホワイトハウスをぶっ壊す !そしてアメリカはオレと甥の物になるって寸法さ」
ヴィトは怒らなかった。いや、この場合は敢えて「静かに怒ってみせた」と表現するべきだろう。何にせよ、ヴィトがすごく怒っていた事には間違いない。
「どうした、ボウズ?とうとう、自分の部相応というものを弁えたか?分かったんなら、サッサとおれに殺されな」
その瞬間だった。再びヴィトが姿を消したのだ。そう、また例の魔法を使って。
「クソッ!」
カルロは忌々しげに吐き捨てた。この魔法の利点は空間を自在に行き来できる事だろう。空間から攻撃できない分、どこから現れるか分からない。上か、下か、或いは左右か。
「卑怯だぞッ!姿を現しやがれッ!」
カルロがそう叫んでいると、自分の帽子が何かに、いや、剣に貫かれた事に気がつく。そう、例のヴィトの剣で。
「何ッ!」
カルロが背後を振り向くと、背後にはヴィトが剣を構えて立っていた。
「終わりなのは……お前さんの方だな」
ヴィトは平静を装った怒りを見せながら、カルロに向かって進む。
「ちっ、ちくしょォォォォォォォォォ~~!」
カルロが絶望に酔いしげ、ふと何気なしに屋敷の庭を見ると、そこには例の金髪のお姫様の姿が見えたのだ。
(チャンスだ……神はおれを見放さなかった……アイツを人質に取れば)
もはや、彼にマフィアやギャングの仁義というものは残っていなかった。
マリアはその日何気なしに庭に出ていた。やはり、かつて自分が所有していた城の庭に比べれば劣るものの、見たこともない置物がたくさんあり、マリアはそれが気になっていたのだ。
そんな時だった。上の方から、一人の太っただが、どこか恰幅の良さそうな男が降りてきたのだ。
「なっ、何よ、あんた!?」
マリアは咄嗟に身構えた。だが、太った男は動じる事なくマリアの側に寄る。
「お前には人質になってもらうぜッ!」
カルロはマリアの腕を乱暴に掴み、自分の元へと引き寄せようとする。
「離してよッ!無礼な平民ッ!」
「驚いた……完全に中世のヨーロッパの王族の態度じゃあねえか、生意気な小娘だぜ」
カルロはとうとうマリアを人質にしてしまった。
ヴィトが駆けつけた時にはもう、マリアは人質に取られていた。
「くっ、やはりというべきか……」
ヴィトは剣を構えるものの、やはりマリアの安否が気になり、思うように剣を振るうことができない。
「どうした、ヴィトォ!ニューホーランドシティーの二大マフィアの相談役の名が泣くぜェェ~~!」
「仁義を忘れたゲス野郎にそんな事を言われたくはねえな」
ヴィトのその言葉を聞くなり、カルロはふんと鼻を鳴らす。
「何回も言っただろ?これからの時代にはそんなものは不利だって !これからは新しい時代のマフィアの出番だぜッ!」
「仁義を忘れるのが、新しい時代のマフィアだって?なら……そんなものは糞食らえだッ!」
ヴィトは自分が悪党だという自覚があった。ファミリーの相談役として悪事を重ねた事なんて数えきれない。だが、麻薬や売春で稼ごうなんて思ったことはなかった。
ましてや、こんな卑怯な戦法を使い相手を倒すなんて論外だ。
「攻撃できるんなら、してみろよ !ただし、その時はあんたのお姫様が死ぬ事になるぜッ!」
「ヴィト !やっちゃいなさいよッ!あたしは誇り高き、フランソワ王国の女王よ !こんなゲスの言うことには従わないと決めているのッ!」
マリアがそうキッパリと言い放つ。
「だってよ、お望み通りにしてやれよ !」
カルロもそれに便乗するが、ヴィトはカルロを倒し、マリアも助ける方法を頭の中で練る。そして、思いついた末の最終手段を考え出した。
ヴィトはマリアに何やら目配せすると、マリアはそれを見て頷く。
「へっへっ、もう終わりだな」
カルロがマリアを殺そうとした時だった。マリアの足がカルロの男性器を思いっきり蹴ったのだ。
「アガガガガガ……」
カルロは蹴られた部分を抑え、その場に崩れ落ちる。
「さてと……お前をようやく処刑できるって事だよな?」
カルロは必死に体を起こし、逃げようとする。
「ちくしょう !ちくしょう !」
カルロはしばらく後ずさりをした後に浮遊魔法を使い、飛び上がる。が、ヴィトはそれを逃さずに同じく魔法を使用し、カルロを追いかける。
「くっ、オレが負けるわけはねえんだァァァァァァァ~~!」
カルロは金棒を振り上げ、ヴィトに向かってくる。だが、もうヴィトにとってカルロは敵ではなかった。何故なら、マリアに近づいた瞬間に自分の伝説の剣が輝き、力がみなぎる事に気がついていたからだ。
ヴィトは冷静にカルロに対処し、剣を振り上げる。
剣はカルロに命中し、カルロは魔法の効果のためか、或いは剣の性質のためか、爆発した。
ヴィトはそれを見届けると、屋敷に戻る。
「もう、助けに来るのが遅いわよ !平民 !」
「悪かったよ、だけれど……きみの危機を救ったのもおれだぜ」
「知ってるわよ !」
マリアは赤くなって顔をヴィトから背ける。そして小声でヴィトに感謝の言葉を述べていた。だが、当のヴィトはそんな様子に気づく素振りも見せずにマリアの頭を撫でて、感謝の言葉を述べた。
「ありがとう、オレの合図に気がついてくれて」
「何よ、平民の分際で頭を撫でないでよ !それに騎士の考えを姫が分からなくてどうするのよ !」
マリアは再び顔を下にし、赤く顔を染めながら小声で「こっちこそありがとう」と呟いた。そんなマリアに気づき、ヴィトは思わずクスリと笑う。
「何笑ってんのよ !」
マリアはヴィトに優しく摑みかかる。
「ゴメンゴメン、オレはこのままルーシーに相談に行くから、きみはここで遊んでな」
ヴィトは優しくマリアを放し、屋敷へと向かって歩いて行く。
そんなヴィトを尻目にマリアは小声で「子供扱いしないでよ」と呟く。
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