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パンゲール大陸攻略編
魔界の神々との最終決戦ーその③
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パキラは起き上がるのと同時に慌てて辺りを見渡す。あの男が化け物へと変貌とした時に自分は何をしていたのだろう。パキラは詳しい事を思い出せない。どうも目を覚ます前の記憶が朧げだ。
だが、何か痛いものにぶつかり、そのまま今、自分が背もたれに使用している木に当たった事だけは覚えている。
一度当たっただけで自分を弾き飛ばすものなのだ。忘れる訳がないと思うのだが……。
パキラは剣を杖代わりに木の側から立ち上がり、自身の目の前から消えたシリウスの姿を探す。
シリウスは何処にいるのだろう。彼が辺りを見渡していると、目の前にシリウスが共に過ごしていた筈の美男子が死体となり、木の枝に体が突き刺さってしまっている姿を見つめる。
パキラは死体となってしまった美男子の姿を眺めていると、その死体があまりにも奇妙である事に気付く。
頭の上からざっくりと割れ、まるで何かが体から抜き出た様である。
パキラが暫くの間、その死体を眺めていると、海岸の方で悲鳴の様な声が轟く。
パキラは剣を持って海岸へと急ぐ。
パキラが海岸に向かうと、そこには幼帝の体を掴み、今にも捕食しようとする竜の形をした怪物の姿。
竜の腕の中に捕らえられた幼帝はか細い声で呟く。
「化け物め……オレの仲間を、部下を返せ……」
「返せだと?甚だ図々しい奴だ。後は貴様さえ殺せば私の天下よ。何せ、私の背後にはもう一つのアールランドリー大陸からかき集め、改造した兵士たちが控える大船団があるからな。喜べ、貴様が死んだ後にはその兵士とオレとでこの国土を喰らい尽くしてやるわ!」
「き、貴様……何処まで腐っておる。肥溜めの中に巣食う蝿よりも下衆な男め、今回はお主の勝ちであるが、いずれ、お主を罰する存在が現れるだろう」
「ふん、世迷言を。オレは神に許された存在。神により力を与えられし存在。主が幾ら神仏に祈ろうとも、このオレに罰とやらが与えられる事はないな」
シリウスが腕に掴んだ少年を体の中に溢れた捕食するための小さな口から、捕食しようとした時だ。彼の目の前に眩いばかりの輝きを放つ剣を両手に構えた少年が現れて、彼を斬り伏せていく。
勿論、シリウス本人には何の打撃もない。が、思わぬ出来事に幼帝を離してしまう。
パキラは幼帝を抱き締めて、彼を地面の上に優しく置く。
ローレンスはいや、才蔵は自分を助けた勇気のある少年の姿を眺めていく。
才蔵はまだ記憶が戻らなかった時の自分の記憶が頭の中に溢れていく。
あの少年の姿はかつてシャーロットに捕らえられ、拷問を受けていた妹と自分を助けてくれた存在ではないか。
才蔵が震える手で少年へと手を伸ばすと、少年はその手にしっかりと応えた。
彼は才蔵の手をしっかりと握り返して、
「安心してください。皇帝陛下。必ず、オレがあの化け物を倒し、この世界に平和をもたらしてみせますから」
と、照れ臭そうに笑ってから、その照明のために自分の胸を軽く叩いてから、改めて剣を両手で持って目の前の化け物の元へと向かっていく。
「……シリウス。オレはお前の正体を知ったよ。お前は悪魔だ。邪悪なる神々の僕にして、人々を脅かす悪鬼と呼ばれる存在……お前だけは生かしてはおけない」
「生かしてはおけないだと?ガキが大きく出たな。言っておくが、私にそんなものが通じるとでも?」
巨大な竜の怪物と化したシリウスは大きな爪の生えた人差し指でパキラが両手に持っている剣を指差す。
だが、パキラは表情を変えない。代わりに、剣に先程の光を纏わせてから、真っ直ぐにシリウスに向かって斬りかかっていく。
だが、シリウスは素早く翼を使って空中へと羽ばたき、そのまま地上のパキラへと大きな火炎を吐き散らす。
パキラは空中から襲い掛かってきた炎を自らの剣を盾にして防ぎ、暗黒の炎を聖なる光で浄化した後に、右足を使って大きく跳び、空中のシリウスに向かって斬りかかっていく。
が、シリウスはその剣さえも容易く避けてパキラへと爪の攻撃を喰らわせていく。
パキラは空中で剣を構えてその爪の攻撃を防いだ後に敢えて重力に逆らう事なく地面へと落下していく。
だが、最後の最後で彼は重力に抵抗し、足から落ちていった後にもう一度、地上から空中のシリウスを見上げる。
鬼の形相でシリウスを睨むパキラとは対照的に、シリウスは余裕を持った笑みを浮かべて笑っていた。
彼は今の状況が楽しくて仕方ないのだ。この神にも等しい力をもっと試したいのだ。その実験台として何度も煮湯を飲まされたあの少年は最適である。
同時に、何度も転移衆や魔界の部下を奪われた雪辱も晴らせる。
そう考えると晴れた日の雲が青い空の上に横に広がっていく様に、自然に口元が横へと広がっていくのだ。
シリウスは今度は頭上のパキラに向かって急降下し、彼の頭を爪で叩き落とそうと試みる。
更には失った筈の『征服王の計測』をも使用し、圧倒的なまでの力を彼に見せつけようと考えた。彼は未来と過去の像が蠢く空間へと入り込み、三秒先のパキラへと狙いを定めていく。
シリウスの爪が三秒先のパキラを狙おうとした時だ。その空間の中にヒビが入り、パキラがシリウスの前に乱入する。
二人だけの空間の中で戦いが開始される。
パキラは右横から大きく剣を振り、シリウスを両断しようと考えたのだが、シリウスはその剣を爪で防いだ後に、今度は頭上に炎を吐き、その炎から炎を象った暗色の剣を作り出していく。
その不気味な剣をシリウスはパキラに向かって振るい、パキラはそれを剣を盾にして防いだ後に、今度は目の前の竜の形をした怪物の肩を狙っていく。
が、竜の姿をした美男子は体を逸らし、その剣を交わし、パキラにカウンター攻撃を喰らわせていく。
シリウスの放った剣は真っ直ぐにパキラへと向かい、その体を鞘にして収めようとしている。
が、パキラは目の前に迫る息のしない蛇の頭を自らの剣を使って跳ね飛ばす。
さしものシリウスもそれを見て剣を引っ込めたが、勇敢な少年を嘲笑うかの様に直ぐに新しい剣を作り出す。
彼は大きな声で笑った後に新たな剣で少年へと襲い掛かっていく。
いや、剣ばかりではない。翼から無数の糸に操られた小型の剣を作り出し、それをパキラへと向かわせていく。
が、流石は勇者。彼は何度も剣を振ってシリウスの放った剣を弾いていく。
竜の姿をした人型の化け物は翼を生やしてパキラへと向かう。
パキラはそれを剣を構えて迎え撃つ。
勇敢な少年と竜に取り憑かれた暗黒神のお気に入りとの決戦はまだ始まったばかりである。
だが、何か痛いものにぶつかり、そのまま今、自分が背もたれに使用している木に当たった事だけは覚えている。
一度当たっただけで自分を弾き飛ばすものなのだ。忘れる訳がないと思うのだが……。
パキラは剣を杖代わりに木の側から立ち上がり、自身の目の前から消えたシリウスの姿を探す。
シリウスは何処にいるのだろう。彼が辺りを見渡していると、目の前にシリウスが共に過ごしていた筈の美男子が死体となり、木の枝に体が突き刺さってしまっている姿を見つめる。
パキラは死体となってしまった美男子の姿を眺めていると、その死体があまりにも奇妙である事に気付く。
頭の上からざっくりと割れ、まるで何かが体から抜き出た様である。
パキラが暫くの間、その死体を眺めていると、海岸の方で悲鳴の様な声が轟く。
パキラは剣を持って海岸へと急ぐ。
パキラが海岸に向かうと、そこには幼帝の体を掴み、今にも捕食しようとする竜の形をした怪物の姿。
竜の腕の中に捕らえられた幼帝はか細い声で呟く。
「化け物め……オレの仲間を、部下を返せ……」
「返せだと?甚だ図々しい奴だ。後は貴様さえ殺せば私の天下よ。何せ、私の背後にはもう一つのアールランドリー大陸からかき集め、改造した兵士たちが控える大船団があるからな。喜べ、貴様が死んだ後にはその兵士とオレとでこの国土を喰らい尽くしてやるわ!」
「き、貴様……何処まで腐っておる。肥溜めの中に巣食う蝿よりも下衆な男め、今回はお主の勝ちであるが、いずれ、お主を罰する存在が現れるだろう」
「ふん、世迷言を。オレは神に許された存在。神により力を与えられし存在。主が幾ら神仏に祈ろうとも、このオレに罰とやらが与えられる事はないな」
シリウスが腕に掴んだ少年を体の中に溢れた捕食するための小さな口から、捕食しようとした時だ。彼の目の前に眩いばかりの輝きを放つ剣を両手に構えた少年が現れて、彼を斬り伏せていく。
勿論、シリウス本人には何の打撃もない。が、思わぬ出来事に幼帝を離してしまう。
パキラは幼帝を抱き締めて、彼を地面の上に優しく置く。
ローレンスはいや、才蔵は自分を助けた勇気のある少年の姿を眺めていく。
才蔵はまだ記憶が戻らなかった時の自分の記憶が頭の中に溢れていく。
あの少年の姿はかつてシャーロットに捕らえられ、拷問を受けていた妹と自分を助けてくれた存在ではないか。
才蔵が震える手で少年へと手を伸ばすと、少年はその手にしっかりと応えた。
彼は才蔵の手をしっかりと握り返して、
「安心してください。皇帝陛下。必ず、オレがあの化け物を倒し、この世界に平和をもたらしてみせますから」
と、照れ臭そうに笑ってから、その照明のために自分の胸を軽く叩いてから、改めて剣を両手で持って目の前の化け物の元へと向かっていく。
「……シリウス。オレはお前の正体を知ったよ。お前は悪魔だ。邪悪なる神々の僕にして、人々を脅かす悪鬼と呼ばれる存在……お前だけは生かしてはおけない」
「生かしてはおけないだと?ガキが大きく出たな。言っておくが、私にそんなものが通じるとでも?」
巨大な竜の怪物と化したシリウスは大きな爪の生えた人差し指でパキラが両手に持っている剣を指差す。
だが、パキラは表情を変えない。代わりに、剣に先程の光を纏わせてから、真っ直ぐにシリウスに向かって斬りかかっていく。
だが、シリウスは素早く翼を使って空中へと羽ばたき、そのまま地上のパキラへと大きな火炎を吐き散らす。
パキラは空中から襲い掛かってきた炎を自らの剣を盾にして防ぎ、暗黒の炎を聖なる光で浄化した後に、右足を使って大きく跳び、空中のシリウスに向かって斬りかかっていく。
が、シリウスはその剣さえも容易く避けてパキラへと爪の攻撃を喰らわせていく。
パキラは空中で剣を構えてその爪の攻撃を防いだ後に敢えて重力に逆らう事なく地面へと落下していく。
だが、最後の最後で彼は重力に抵抗し、足から落ちていった後にもう一度、地上から空中のシリウスを見上げる。
鬼の形相でシリウスを睨むパキラとは対照的に、シリウスは余裕を持った笑みを浮かべて笑っていた。
彼は今の状況が楽しくて仕方ないのだ。この神にも等しい力をもっと試したいのだ。その実験台として何度も煮湯を飲まされたあの少年は最適である。
同時に、何度も転移衆や魔界の部下を奪われた雪辱も晴らせる。
そう考えると晴れた日の雲が青い空の上に横に広がっていく様に、自然に口元が横へと広がっていくのだ。
シリウスは今度は頭上のパキラに向かって急降下し、彼の頭を爪で叩き落とそうと試みる。
更には失った筈の『征服王の計測』をも使用し、圧倒的なまでの力を彼に見せつけようと考えた。彼は未来と過去の像が蠢く空間へと入り込み、三秒先のパキラへと狙いを定めていく。
シリウスの爪が三秒先のパキラを狙おうとした時だ。その空間の中にヒビが入り、パキラがシリウスの前に乱入する。
二人だけの空間の中で戦いが開始される。
パキラは右横から大きく剣を振り、シリウスを両断しようと考えたのだが、シリウスはその剣を爪で防いだ後に、今度は頭上に炎を吐き、その炎から炎を象った暗色の剣を作り出していく。
その不気味な剣をシリウスはパキラに向かって振るい、パキラはそれを剣を盾にして防いだ後に、今度は目の前の竜の形をした怪物の肩を狙っていく。
が、竜の姿をした美男子は体を逸らし、その剣を交わし、パキラにカウンター攻撃を喰らわせていく。
シリウスの放った剣は真っ直ぐにパキラへと向かい、その体を鞘にして収めようとしている。
が、パキラは目の前に迫る息のしない蛇の頭を自らの剣を使って跳ね飛ばす。
さしものシリウスもそれを見て剣を引っ込めたが、勇敢な少年を嘲笑うかの様に直ぐに新しい剣を作り出す。
彼は大きな声で笑った後に新たな剣で少年へと襲い掛かっていく。
いや、剣ばかりではない。翼から無数の糸に操られた小型の剣を作り出し、それをパキラへと向かわせていく。
が、流石は勇者。彼は何度も剣を振ってシリウスの放った剣を弾いていく。
竜の姿をした人型の化け物は翼を生やしてパキラへと向かう。
パキラはそれを剣を構えて迎え撃つ。
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