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パンゲール大陸攻略編
勇者パキラの決戦ーその③
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シリウスは皇帝の服の裾を乱暴に引っ張り、彼に向かって窓から見える紅蓮の炎を見せ付けた。
「フッハッハッ、見るが良いッ!これが帝国の最期を彩る紅蓮の炎ぞ!帝国の歴史もッ!栄誉もッ!全てを燃やし尽くす炎じゃ!」
だが、皇帝にはシリウスの言葉は届いていない。ただ唖然とした様子で燃え盛る城下町を眺めていた。
「あっ、あっ……どうして、どうして帝国が……」
「言っておくがオレが燃やしたのではないぞ、燃やしたのは貴様の国の民よ」
シリウスはそう言って髪を掴むと皇帝の顔を強制的に窓へと擦り付け、城下町を破壊し暴れ回る農民たちの姿を見せ付けた。
それを見て言葉を失う皇帝。いや、正確に言えば真下に広がる光景が信じられずに口を開いているというのが正しいのだろうか。
だが、彼は両目を瞑り、大きく頭を振った後に大きな声で自身の愛人の名前を叫ぶ。
現実からの逃避だろうか。はたまた不安になり、最期は自らが愛した女性と共に過ごしたいと思ったのだろうか。
だが、どちらとしても彼の思惑がズレたのは間違い無いだろう。
何故ならば、自らが囲っていた美しい愛人、ヴィクトリア・オランプはあの青白い顔の男の側に擦り寄り、彼の肩を持ち男の頬に口付けを寄せた。
聡明な皇帝はここで全てを察したのだろう。人差し指を震わせて懸命に喉から声を絞ろうと励んだのだが、結局、声が出たのは、かつての腹心であるラムジー・ホリスターが彼に向かって剣先を突き付けた時であった。
皇帝はあっという叫び声を上げた後に命乞いの言葉を紡ぎ出していく。
「わ、悪かった。そ、そうだ!余は退位をここに退位を宣言するッ!帝位はお主に譲り渡そう。何なら、この城もーー」
皇帝が最後の一言を紡ぎ終える前に、彼は例の妖しげな男に首元を抑えられ、ガラスにその体を密着させていた。
皇帝はなるべくならば平静を保って話そうと努めていたのだが、それとは反対にシリウスは眉間に眉を寄せて険しい表情で彼を睨む。
「退位?笑わせるでない。何処の世界にただ皇帝の位を退いたくらいで許される戦争がある。オレが必ず主を殺してこそ、初めてオレはこの国を治める皇帝となるのだ」
皇帝はいや、クラウス・ジュディベンは目の前の男の目から彼が決して脅しのために言っているのではないと容易に推測できた。彼はただ両の瞳に怯えの表情を映し出し、目の前の男を見つめる。
自分はここから突き落とされてしまのだろうか。はたまた、この炎に包み込まれて殺されてしまうのだろうか。
いや、そのどちらでもなく目の前の男のシリウスという名が本当であるのならば、他の皇帝や王と同様に処刑という手段により殺されてしまうのだろうか。
だが、答えはそのどれでもない。シリウスは乱暴にクラウスの体を城の床の上に放り投げて、
「新皇帝として主に命じよう。今、ここで命を絶て」
シリウスはそう言って凍てつく様な瞳で彼を射抜く。クラウスは蛇に睨まれた蛙のよう。
動きたくても動けないという状態に陥っていた。
彼はその場での逃走を試みたが、シリウスはクナイと呼ばれる小刀の様な武器を地面へと放り投げ、シリウスは目でクナイから皇帝へと追っていく。
わざと自分の目をクラウスにも分かる様に動かす。
賢明なかつての皇帝は新しい支配者の目的が分かったらしい。いや、この場合においては分かっていなくてもシリウスが半ば強制的に分からせたであろう。
クラウスが死を覚悟し、自身の首を断ち切ろうとした時だ。彼の中にある想いが芽生えて途端に首を突く真似を辞めさせようとさせていく。
思うような両手が動かない。まるで、手が自分の意思を離れて知らない何者かが動かしているかのようだ。
クラウスはその事を考えた際に思い出す。顔も知らない祖先の事を。
彼は短い時間の中で顔も知らない祖先が自分を思いとどまらせているのだと確信を抱き、本来ならば自害する様に用意された短剣でシリウスへの抵抗を試みた。
彼は刃を両手で構えてクラウスへと斬りかかろうとしたのだが、その前にかつての部下にして現時点ではシリウスの部下であるホリスターが剣で彼のクナイを受け止めた。
ホリスターは鋭い目で彼を睨みながら問い掛ける。
「どういうおつもりかな?クラウス殿下……何してあのお方の命を狙うのじゃ」
「しれた事よッ!あやつを殺して再び帝国を再建するッ!」
ホリスターの鼻息が鳴らす音がクラウスの耳に響く。
どうやら、あの男は相当に自分を下に見ているらしい。クラウスは最後の皇帝としての最後の意地を見せるために両腕を振るって何度も手に持っていたクナイでホリスターを斬り殺そうと試む。
だが、歴戦の将軍だけあり、ホリスターはクラウスの攻撃など寄せ付けようとはしない。
何度か打ち合った末に、クラウスは手に持っていたクナイを弾き飛ばされ、武器を失ってしまう。
ホリスターからサーベルを突き付けられ、冷や汗を垂らすという状況になっても尚、彼は睨み抵抗するという意思を辞めようとはしない。
それを見たシリウスは恐ろしさを感じてしまう。クラウス・ジュディベンという男への底無しとも言える恐ろしさを。
何処からこの男にはこの感情が来たのだろう。シリウスは堪らずに大きな声でホリスターに向かって命令する。
「何をしておる!早うその首を刎ねぬかッ!」
ホリスターはシリウスの言葉に従いサーベルを右横から振りかぶり、かつての皇帝の首を跳ね飛ばす。
シリウスはその様子を見てようやく安堵の息を漏らすのだが、やはり落ち着かない。
あの男の目は誰だろう。彼の脳裏によぎるのは遠い前世の記憶。
まだ、彼が帝国の特殊部隊の隊長と働いた時に対峙した時の記憶だ。
シリウスは腹心の部下と共にとある小さな王国の善良ではあるが、反帝国を掲げる国王の暗殺に向かい、そこで国王の代々の護衛兵である男と対峙し、その勝負が付いた時の台詞を思い出す。
「今回の勝負はお前の勝ちだ。だが、必ずやって来るぞ、大勢の人を殺し、大勢の人間の人生を狂わせたお前が罰せられる時がッ!」
シリウスは敗者の負け惜しみだと直ぐに頭を撃ち抜いたのだが、その次の任務が日本であり、そこで死んだ事を思い出すと彼の言葉はあながち間違いではないだろう。
シリウスは既に一度の死により、その罰とやらを受けた筈なのだが、未だにその言葉が頭の中に過ぎる。
忌々しい記憶だ。シリウスは既に事切れた青年の死体を一瞥した後に、二人の部下に城の外に出るように指示を出す。
「フッハッハッ、見るが良いッ!これが帝国の最期を彩る紅蓮の炎ぞ!帝国の歴史もッ!栄誉もッ!全てを燃やし尽くす炎じゃ!」
だが、皇帝にはシリウスの言葉は届いていない。ただ唖然とした様子で燃え盛る城下町を眺めていた。
「あっ、あっ……どうして、どうして帝国が……」
「言っておくがオレが燃やしたのではないぞ、燃やしたのは貴様の国の民よ」
シリウスはそう言って髪を掴むと皇帝の顔を強制的に窓へと擦り付け、城下町を破壊し暴れ回る農民たちの姿を見せ付けた。
それを見て言葉を失う皇帝。いや、正確に言えば真下に広がる光景が信じられずに口を開いているというのが正しいのだろうか。
だが、彼は両目を瞑り、大きく頭を振った後に大きな声で自身の愛人の名前を叫ぶ。
現実からの逃避だろうか。はたまた不安になり、最期は自らが愛した女性と共に過ごしたいと思ったのだろうか。
だが、どちらとしても彼の思惑がズレたのは間違い無いだろう。
何故ならば、自らが囲っていた美しい愛人、ヴィクトリア・オランプはあの青白い顔の男の側に擦り寄り、彼の肩を持ち男の頬に口付けを寄せた。
聡明な皇帝はここで全てを察したのだろう。人差し指を震わせて懸命に喉から声を絞ろうと励んだのだが、結局、声が出たのは、かつての腹心であるラムジー・ホリスターが彼に向かって剣先を突き付けた時であった。
皇帝はあっという叫び声を上げた後に命乞いの言葉を紡ぎ出していく。
「わ、悪かった。そ、そうだ!余は退位をここに退位を宣言するッ!帝位はお主に譲り渡そう。何なら、この城もーー」
皇帝が最後の一言を紡ぎ終える前に、彼は例の妖しげな男に首元を抑えられ、ガラスにその体を密着させていた。
皇帝はなるべくならば平静を保って話そうと努めていたのだが、それとは反対にシリウスは眉間に眉を寄せて険しい表情で彼を睨む。
「退位?笑わせるでない。何処の世界にただ皇帝の位を退いたくらいで許される戦争がある。オレが必ず主を殺してこそ、初めてオレはこの国を治める皇帝となるのだ」
皇帝はいや、クラウス・ジュディベンは目の前の男の目から彼が決して脅しのために言っているのではないと容易に推測できた。彼はただ両の瞳に怯えの表情を映し出し、目の前の男を見つめる。
自分はここから突き落とされてしまのだろうか。はたまた、この炎に包み込まれて殺されてしまうのだろうか。
いや、そのどちらでもなく目の前の男のシリウスという名が本当であるのならば、他の皇帝や王と同様に処刑という手段により殺されてしまうのだろうか。
だが、答えはそのどれでもない。シリウスは乱暴にクラウスの体を城の床の上に放り投げて、
「新皇帝として主に命じよう。今、ここで命を絶て」
シリウスはそう言って凍てつく様な瞳で彼を射抜く。クラウスは蛇に睨まれた蛙のよう。
動きたくても動けないという状態に陥っていた。
彼はその場での逃走を試みたが、シリウスはクナイと呼ばれる小刀の様な武器を地面へと放り投げ、シリウスは目でクナイから皇帝へと追っていく。
わざと自分の目をクラウスにも分かる様に動かす。
賢明なかつての皇帝は新しい支配者の目的が分かったらしい。いや、この場合においては分かっていなくてもシリウスが半ば強制的に分からせたであろう。
クラウスが死を覚悟し、自身の首を断ち切ろうとした時だ。彼の中にある想いが芽生えて途端に首を突く真似を辞めさせようとさせていく。
思うような両手が動かない。まるで、手が自分の意思を離れて知らない何者かが動かしているかのようだ。
クラウスはその事を考えた際に思い出す。顔も知らない祖先の事を。
彼は短い時間の中で顔も知らない祖先が自分を思いとどまらせているのだと確信を抱き、本来ならば自害する様に用意された短剣でシリウスへの抵抗を試みた。
彼は刃を両手で構えてクラウスへと斬りかかろうとしたのだが、その前にかつての部下にして現時点ではシリウスの部下であるホリスターが剣で彼のクナイを受け止めた。
ホリスターは鋭い目で彼を睨みながら問い掛ける。
「どういうおつもりかな?クラウス殿下……何してあのお方の命を狙うのじゃ」
「しれた事よッ!あやつを殺して再び帝国を再建するッ!」
ホリスターの鼻息が鳴らす音がクラウスの耳に響く。
どうやら、あの男は相当に自分を下に見ているらしい。クラウスは最後の皇帝としての最後の意地を見せるために両腕を振るって何度も手に持っていたクナイでホリスターを斬り殺そうと試む。
だが、歴戦の将軍だけあり、ホリスターはクラウスの攻撃など寄せ付けようとはしない。
何度か打ち合った末に、クラウスは手に持っていたクナイを弾き飛ばされ、武器を失ってしまう。
ホリスターからサーベルを突き付けられ、冷や汗を垂らすという状況になっても尚、彼は睨み抵抗するという意思を辞めようとはしない。
それを見たシリウスは恐ろしさを感じてしまう。クラウス・ジュディベンという男への底無しとも言える恐ろしさを。
何処からこの男にはこの感情が来たのだろう。シリウスは堪らずに大きな声でホリスターに向かって命令する。
「何をしておる!早うその首を刎ねぬかッ!」
ホリスターはシリウスの言葉に従いサーベルを右横から振りかぶり、かつての皇帝の首を跳ね飛ばす。
シリウスはその様子を見てようやく安堵の息を漏らすのだが、やはり落ち着かない。
あの男の目は誰だろう。彼の脳裏によぎるのは遠い前世の記憶。
まだ、彼が帝国の特殊部隊の隊長と働いた時に対峙した時の記憶だ。
シリウスは腹心の部下と共にとある小さな王国の善良ではあるが、反帝国を掲げる国王の暗殺に向かい、そこで国王の代々の護衛兵である男と対峙し、その勝負が付いた時の台詞を思い出す。
「今回の勝負はお前の勝ちだ。だが、必ずやって来るぞ、大勢の人を殺し、大勢の人間の人生を狂わせたお前が罰せられる時がッ!」
シリウスは敗者の負け惜しみだと直ぐに頭を撃ち抜いたのだが、その次の任務が日本であり、そこで死んだ事を思い出すと彼の言葉はあながち間違いではないだろう。
シリウスは既に一度の死により、その罰とやらを受けた筈なのだが、未だにその言葉が頭の中に過ぎる。
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