48 / 99
アールランドリー大陸編
パチャテク帝国攻略史ーその11
しおりを挟む
パチャテク帝国皇帝、ビラコマクはこの様な日が来るのを知っていた様な気がする。だが、彼は慌てる事もせずに、ただ黙って石で作られた固い玉座の上に座りながら、玉座の周りを囲む自身の息子とそれに従う部下を眺めつつも、彼は何もしようとはしない。
彼は達観した様子でクーデターを眺めていた。
そして、自身の首元に刃物を突き付ける息子に向かって問う。
「これで、お前の計画は終わりか?随分と呆気ないのだな」
「お黙りなさい!父上!これはあなたがしてきた事の報いですッ!」
「儂が何をした?言ってみろ」
玉座の上で平然とした様子を続ける父の様子にこの若者はやせ我慢をしているのだと思ったのだろう。
ナイフを彼の首元に近付け、威嚇の目標もあるのか、僅かに刃を立てて、彼の首から血を流させていくのだが、皇帝は一切動じる様子を見せようとはしない。
血を流しても動じないこの老人にワアンは思わずたじろぎ、石の玉座の前から離れてしまう。
その様子を皇帝はじっと玉座に座りながら、問い掛ける。どうやら、この剣幕にワアンと同時に決起した若い兵士達も動けずにいられないらしい。
それぞれが、制圧した近衛兵の上に覆い被さりながらも、恐ろしいものを見るかのような目で玉座の上の皇帝を眺めていた。
「儂がこの国に、お前に対して何をした?儂が余分な税を取ったか?儂が無意味な戦争を仕掛けたか?儂が自分の贅沢のためだけに無意味な物を作らせたか?言ってみろッ!ワアンッ!」
血気盛んな若き指導者はその剣幕の前に思わずたじろいでしまう。
男がたじろぐ隙を見て、老皇帝は無言で玉座から立ち上がり、両手の掌を広げて、何やら口で何かをぶつぶつと呟いていく。
すると、彼の体の周りを多くの光の玉が包んでいき、ワアンはそれがもう使えない筈の精霊魔法や神々の力であるという事を悟る。
「な、何だ?その力は?」
ワアンが言葉を震わせて自身の父であるビラコマクに尋ねるが、父は無言のまま息子に近付いていき、その両手に秘められ力を解き放つ。
すると、玉座の間全てを真っ白な光が包み込んでいく。
真っ白な光に照らされた後に、老皇帝は大きく溜息を吐く。
それから、辺りを見渡し、側に息子の死体が転がっている事に気が付く。
それと同時に、息子に同調していた若い兵の殆ども死に絶え、残った兵も力を失ったのか、王の側に付いていた近衛兵に制圧されていた。
「残念じゃな、我が息子よ。若者共よ。お主らがよもや異形のものに唆されていたとは……儂の魔法は太古の昔に英雄、ククルカンを助けた我が一族に伝わる闇の神を聖なる光で浄化する魔法よ。これに触れた魔に魅入られし者は眩しさに耐え切れずに死亡する。まさか、息子や我が軍の兵士に使う事になるとは……」
皇帝がもう一度溜息を吐こうとした時だ。彼は背後からの殺気を感じ、咄嗟に足を右足で蹴り、その場から離れていく。
その彼の判断は間違いでは無かったらしい。なぜなら、彼の背後には弓と矢を持った一人の美少年が立っていたからだ。
恐らく、クーデターの間は何処かに隠れていたに違いない。
彼は苦々しい顔を浮かべて、
「チッ、惜しかったか、もう少しでその眉間を射抜けたのに……」
「お主、何者……いや、正体は分かっておる。お主が息子を唆した人間じゃな?誰の部下じゃ言うてみろ?」
皇帝の言葉が聞こえたのか、弓と矢を側の近衛兵から奪ったと思われる真っ白な肌を持つ美少年は丁寧に頭を下げてから、芸術品のように穏やかで愛らしい声を奏でながら、
「お初にお目にかかりまする。私の名前はナルシー。偉大なる魔界の摂政殿下にお仕えし者でござりまする」
皇帝の両眉が微かに上がった。どうやら、『魔界』という名に聞き覚えがあるらしい。
「魔界……噂でしか聞いた事が無いが、そこは異形のものが支配する地らしいな?」
「ええ、摂政殿下はそこを支配されるお方、魔王は今の所はライジア様となっておられまするが、私はあのお方こそが真の統治者に相応しいと思うておりまする!」
美少年は愛らしい声で勇ましく叫んだのだが、皇帝は意に返さないどころか、嘲笑した様子で、
「なるほど、どうやら、儂の息子がこの国に招き入れたのは想像以上に厄介な闇らしいな。が、勿論降り掛かる火の粉は払うまでッ!おい、剣を貸せッ!」
そう叫ぶと、皇帝の側にいた近衛兵の一人が鞘に収められた剣を手にとり、皇帝に向かって放り投げる。
投げられた剣を受け止め、そのまま鞘から彼は剣を抜き取り、その剣の刃先の先端を美少年、ナルシーに向ける。
が、ナルシーも流石は魔界のものと称賛するべきなのだろう。
弓と矢を下ろす事なく、皇帝に向かって矢を向ける。
「摂政殿下よりの御命令はこの国の乗っ取りの手助けじゃが、この場で主を殺したとしてもあのお方も文句は言わぬだろう。まぁ、後に明治の世を治める帝を始末する前の小手調べとしてお主をッ!」
その言葉を発した際にナルシーはこれまで味わった事のない頭痛を味わう。
まるで、中々破れない殻を破ろうとする蛾や蝶の成虫のように。
『明治』という言葉の意味が彼には理解できなかった。『明治』という言葉が何処かの国を指しているものだとしても、その様な国は二つの大陸のうちの何処にも存在しない。
なぜ、自分は知らない国を示す言葉を知っていたのだろうか。
加えて、それを治める帝と先程、自身の口から発した事を思い出す。
その人物は一体何者なのだろうか。その人物はとにかく偉大であったというのは覚えているのだが……。
ナルシーはどうしても思い出せない。
懸命に首を横に振ってその考えを頭から追い出そうとするが、その隙を突かれて目の前から皇帝、ビラコマクが剣を構えて突っ込む。
間に合わないと両目を閉じて、死を覚悟した時だ。
突如、玉座の間と王城のバルコニーを繋ぐ大きな石の扉が開かれ、そこに荒い息を吐く一人の中年の兵士が現れた。
「へ、陛下!大変でございます!先に、二王国の国王を処刑し、今、その領土を支配する〈世界皇帝〉なる男が旗を掲げて、攻め入って来ました!」
「やはりな、アタワルパめ、魔王と内通しておったか……待っておれ!アタワルパもろとも〈世界皇帝〉を始末してくれるわ!」
その時意気込んだのが、悪かったのだろう。ナルシーはその隙を逃す事なく、咄嗟に弓を引き、彼の肩を射抜く。
ナルシーはそれから、入り口の前にて動揺している兵士の眉間を撃ち抜く。
彼は一人が殺され、皇帝が負傷して動揺している近衛兵の隙を突いて、空いている扉からバルコニーへと出ていく。
かくして、ナルシーはこういう卑劣なる手段を取る事によって脱出に成功したのであった。
彼は達観した様子でクーデターを眺めていた。
そして、自身の首元に刃物を突き付ける息子に向かって問う。
「これで、お前の計画は終わりか?随分と呆気ないのだな」
「お黙りなさい!父上!これはあなたがしてきた事の報いですッ!」
「儂が何をした?言ってみろ」
玉座の上で平然とした様子を続ける父の様子にこの若者はやせ我慢をしているのだと思ったのだろう。
ナイフを彼の首元に近付け、威嚇の目標もあるのか、僅かに刃を立てて、彼の首から血を流させていくのだが、皇帝は一切動じる様子を見せようとはしない。
血を流しても動じないこの老人にワアンは思わずたじろぎ、石の玉座の前から離れてしまう。
その様子を皇帝はじっと玉座に座りながら、問い掛ける。どうやら、この剣幕にワアンと同時に決起した若い兵士達も動けずにいられないらしい。
それぞれが、制圧した近衛兵の上に覆い被さりながらも、恐ろしいものを見るかのような目で玉座の上の皇帝を眺めていた。
「儂がこの国に、お前に対して何をした?儂が余分な税を取ったか?儂が無意味な戦争を仕掛けたか?儂が自分の贅沢のためだけに無意味な物を作らせたか?言ってみろッ!ワアンッ!」
血気盛んな若き指導者はその剣幕の前に思わずたじろいでしまう。
男がたじろぐ隙を見て、老皇帝は無言で玉座から立ち上がり、両手の掌を広げて、何やら口で何かをぶつぶつと呟いていく。
すると、彼の体の周りを多くの光の玉が包んでいき、ワアンはそれがもう使えない筈の精霊魔法や神々の力であるという事を悟る。
「な、何だ?その力は?」
ワアンが言葉を震わせて自身の父であるビラコマクに尋ねるが、父は無言のまま息子に近付いていき、その両手に秘められ力を解き放つ。
すると、玉座の間全てを真っ白な光が包み込んでいく。
真っ白な光に照らされた後に、老皇帝は大きく溜息を吐く。
それから、辺りを見渡し、側に息子の死体が転がっている事に気が付く。
それと同時に、息子に同調していた若い兵の殆ども死に絶え、残った兵も力を失ったのか、王の側に付いていた近衛兵に制圧されていた。
「残念じゃな、我が息子よ。若者共よ。お主らがよもや異形のものに唆されていたとは……儂の魔法は太古の昔に英雄、ククルカンを助けた我が一族に伝わる闇の神を聖なる光で浄化する魔法よ。これに触れた魔に魅入られし者は眩しさに耐え切れずに死亡する。まさか、息子や我が軍の兵士に使う事になるとは……」
皇帝がもう一度溜息を吐こうとした時だ。彼は背後からの殺気を感じ、咄嗟に足を右足で蹴り、その場から離れていく。
その彼の判断は間違いでは無かったらしい。なぜなら、彼の背後には弓と矢を持った一人の美少年が立っていたからだ。
恐らく、クーデターの間は何処かに隠れていたに違いない。
彼は苦々しい顔を浮かべて、
「チッ、惜しかったか、もう少しでその眉間を射抜けたのに……」
「お主、何者……いや、正体は分かっておる。お主が息子を唆した人間じゃな?誰の部下じゃ言うてみろ?」
皇帝の言葉が聞こえたのか、弓と矢を側の近衛兵から奪ったと思われる真っ白な肌を持つ美少年は丁寧に頭を下げてから、芸術品のように穏やかで愛らしい声を奏でながら、
「お初にお目にかかりまする。私の名前はナルシー。偉大なる魔界の摂政殿下にお仕えし者でござりまする」
皇帝の両眉が微かに上がった。どうやら、『魔界』という名に聞き覚えがあるらしい。
「魔界……噂でしか聞いた事が無いが、そこは異形のものが支配する地らしいな?」
「ええ、摂政殿下はそこを支配されるお方、魔王は今の所はライジア様となっておられまするが、私はあのお方こそが真の統治者に相応しいと思うておりまする!」
美少年は愛らしい声で勇ましく叫んだのだが、皇帝は意に返さないどころか、嘲笑した様子で、
「なるほど、どうやら、儂の息子がこの国に招き入れたのは想像以上に厄介な闇らしいな。が、勿論降り掛かる火の粉は払うまでッ!おい、剣を貸せッ!」
そう叫ぶと、皇帝の側にいた近衛兵の一人が鞘に収められた剣を手にとり、皇帝に向かって放り投げる。
投げられた剣を受け止め、そのまま鞘から彼は剣を抜き取り、その剣の刃先の先端を美少年、ナルシーに向ける。
が、ナルシーも流石は魔界のものと称賛するべきなのだろう。
弓と矢を下ろす事なく、皇帝に向かって矢を向ける。
「摂政殿下よりの御命令はこの国の乗っ取りの手助けじゃが、この場で主を殺したとしてもあのお方も文句は言わぬだろう。まぁ、後に明治の世を治める帝を始末する前の小手調べとしてお主をッ!」
その言葉を発した際にナルシーはこれまで味わった事のない頭痛を味わう。
まるで、中々破れない殻を破ろうとする蛾や蝶の成虫のように。
『明治』という言葉の意味が彼には理解できなかった。『明治』という言葉が何処かの国を指しているものだとしても、その様な国は二つの大陸のうちの何処にも存在しない。
なぜ、自分は知らない国を示す言葉を知っていたのだろうか。
加えて、それを治める帝と先程、自身の口から発した事を思い出す。
その人物は一体何者なのだろうか。その人物はとにかく偉大であったというのは覚えているのだが……。
ナルシーはどうしても思い出せない。
懸命に首を横に振ってその考えを頭から追い出そうとするが、その隙を突かれて目の前から皇帝、ビラコマクが剣を構えて突っ込む。
間に合わないと両目を閉じて、死を覚悟した時だ。
突如、玉座の間と王城のバルコニーを繋ぐ大きな石の扉が開かれ、そこに荒い息を吐く一人の中年の兵士が現れた。
「へ、陛下!大変でございます!先に、二王国の国王を処刑し、今、その領土を支配する〈世界皇帝〉なる男が旗を掲げて、攻め入って来ました!」
「やはりな、アタワルパめ、魔王と内通しておったか……待っておれ!アタワルパもろとも〈世界皇帝〉を始末してくれるわ!」
その時意気込んだのが、悪かったのだろう。ナルシーはその隙を逃す事なく、咄嗟に弓を引き、彼の肩を射抜く。
ナルシーはそれから、入り口の前にて動揺している兵士の眉間を撃ち抜く。
彼は一人が殺され、皇帝が負傷して動揺している近衛兵の隙を突いて、空いている扉からバルコニーへと出ていく。
かくして、ナルシーはこういう卑劣なる手段を取る事によって脱出に成功したのであった。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説

薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜
仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。
森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。
その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。
これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語
今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ!
競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。
まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。


ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
最強の英雄は幼馴染を守りたい
なつめ猫
ファンタジー
異世界に魔王を倒す勇者として間違えて召喚されてしまった桂木(かつらぎ)優斗(ゆうと)は、女神から力を渡される事もなく一般人として異世界アストリアに降り立つが、勇者召喚に失敗したリメイラール王国は、世界中からの糾弾に恐れ優斗を勇者として扱う事する。
そして勇者として戦うことを強要された優斗は、戦いの最中、自分と同じように巻き込まれて召喚されてきた幼馴染であり思い人の神楽坂(かぐらざか)都(みやこ)を目の前で、魔王軍四天王に殺されてしまい仇を取る為に、復讐を誓い長い年月をかけて戦う術を手に入れ魔王と黒幕である女神を倒す事に成功するが、その直後、次元の狭間へと呑み込まれてしまい意識を取り戻した先は、自身が異世界に召喚される前の現代日本であった。

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる