35 / 99
アールランドリー大陸編
世の中には知らなくても良い事もありますのよ
しおりを挟む
シャーロットもといアリステリアは皇帝一家の養女として、社交界の中で立派に立ち回っていたとも言えるだろう。
本日、適当な理由を付けられ、宮殿の大広間とその庭を併用して行われた立食式のダンスパーティーにおいて、彼女は愛らしい笑顔と可愛らしい仕草、そして、皇帝の娘に相応しい完璧な礼儀作法で、このパーティーに出席した紳士淑女の方々を存分に楽しませた。
養父にしてルーベルンラント帝国皇帝であるジェームズ二世はここぞとばかりに、貴族達に自慢の娘を持て囃す。
だが、それが気に入らなかったのだろう。大公の子供達の全員が嫉妬と羨望の目を新しく現れた養女に向けていた。
この中で、大公の子供の中の最年長にして既にアンブリッジ伯爵称号を持つエリザベスはその場での我慢の抑えが効かなかったのだろう。他の子供達が止めるのも聞かずに、彼女はパーティーの端の方から、中心となっているアリスの席へと向かう。
皇帝の娘こと自分達の家に土足で踏み上がってきた忌しき平民の娘の元に近付いていく。
そして、優しい微笑を浮かべてグラスを持つ美少女に向かって高慢に言い放つ。
「失礼、卑しい平民のアリス様。あなた様は先程から、ずっと我々崇高なるルーベルンラント帝国貴族に向かって、もっともらしい事をペラペラと喋っておりますけれども、あなた、ご自分の身分を分かっておいでなの?少し前まで、あなたは道の街ばたで食べ物を求める卑しい平民の乞食に過ぎなかったの慈悲深き我らが皇帝陛下がわざわざお前を繋ぎの娘としてお抱えになったのよ!それを忘れない事ね!」
エリザベスが大きな声で興奮気味に語ったためか、それとも、大公家長女にしてアンブリッジ伯の称号を持つ生まれた時からの貴族であるエリザベスが余裕を失っている姿があまりにも意外過ぎたか、それとも先程、彼女が述べた内容の中に皇帝とその妻である皇妃を暗喩する意思があったと感じ取ったのか、その場にいた貴族達は彼女のいう事に同調する事なく、何も無かったかのようにパーティーを楽しもうと、顔に引きつった笑顔を浮かべて引き続きアリスに話し掛けようとしたが、エリザベスは反応が無かった事に腹を立てたのだろう。
彼らの無理に出した笑い声をかき消すような大声で彼らに向かって叫ぶ。
「聞きなさいよ!この小娘は帝国帝室を国民の穢らわしい血で乗っ取るために、現れた簒奪者よ!それをあなた達は理解するべきよ!」
ここまで叫んだ所で、ようやく彼女の周りを取り囲んでいた貴族達は彼女に目を向けた。か、その目は冷えた氷よりも冷たい事に気が付く。
そして、彼女は平民の少女を更に弾劾するべく、人差し指を突き付けて、そこから彼女の悪行(少なくとも、エリザベスは悪行だと思っている事)を叫ぼうとした時だ。
皇帝の娘、アリスは顔から透明の液体を溢し、愛くるしい目線で周りの貴族達に訴え掛ける。
「どうして?どうして何です?どうして、私がこんな事を言われなくてはなりませんの。どうして……どうして……」
涙ながらに訴える少女に集まっていた貴族達の憐憫の情が一斉に集まったのだろう。
何人かの貴族がエリザベスに険しい視線を向けている。
エリザベスは一瞬たじろいだものの、何とか言葉を紡ぎ、心の底から叫ぼうとしたが、突然、体を突き飛ばされた事に気が付く。
エリザベスが突き飛ばした相手に無礼者と叫ぼうとしたものの、彼女は相手が分かってからはその声を飲み込む。
なぜなら、彼女を突き飛ばしたのは他ならぬ叔父にして皇帝、ジェームズ二世であったからだ。
恐らく、騒ぎが大きくなり、自分の娘が姪に責められている事を知ったのだろう。
泣きじゃくる養女を優しく抱き締め、彼女に部屋に行くように指示を出す。
顔に涙を浮かべながら、退出する皇帝の娘を全員が憐みの目を向け、同時に楽しい宴会を陰険な雰囲気へと変えた大公の娘を睨む。
エリザベスは最初こそ彼らを睨み返そうとしたものの、その雰囲気に押し潰されたのか、彼女は顔を紅潮させながら、その場を後にした。
そこに、彼女と入れ替わる形で大公ブレアフォードが現れ、娘の非礼を詫びる。
エリザベスにとってまた、他の大公の子供達にとってもこの日は最悪であった。
エリザベスはあの後、父である大公から激しく叱責され、あわやアンブリッジ伯の称号まで奪い取られそうになった。
他の子供は姉が余計な騒動を起こしたせいで、あの後に、アリスに意地悪をする事が出来ず、舞踏会の間に感じた苛立ちを腹の底に溜めながら、帰宅する事になったからだ。
後日、ブレアフォード大公は兄であるジェームズ二世に非礼を詫びるためという名目で、子供らを連れて王城を訪れ、正式に皇女アリステリアに頭を下げた。
頭を下げる父親につられ、三人の子供も詫びを入れたが、頭を下げたが、不満と怒りの心を抑えており、彼ら彼女らはそれを上手く隠しおおせたと思っていたが、シャーロットはそんな彼らの考えを見抜いていたのであった。
が、指摘するには及ばないと思っていたのか、彼女は黙って彼らの謝罪を受け入れた。
その日はそれで済んだのかと思われたのだが、悲劇はその日の晩、夕食を終えた後に起きた。
なんと、食後、運動のために城の中に散歩に出掛けたアンブリッジ伯エリザベスが屋敷の最上階で足を踏み外して事故死したのだという。
葬儀が営まれる中、大公の長男、ローレンス並びに次女、マルグリットは姉の死に疑問を抱き、葬儀の夜にこっそりと、アリスの跡を付け、ドアの隙間から部屋の中を覗く。
すると、中にはあの幼い体から大人の体型へと体を変貌させていく義理の従姉妹の姿を目撃したのであった。
二人はその姿を見て、思わず叫んだのだが、それが二人の命運を分ける事になってしまう。
叫び声を聞き付けたとアリスと思われる長い金髪の女性が逃げようとする少年の襟首を掴む。
彼女は二人の襟首を掴むと、勢い良く扉を閉めて、嫌がる二人の口を猿轡で閉め、何を見たのかを問う。
「ねぇ、何をご覧になりました?」
マルグリットは変貌した気弱な従姉妹に震えていたが、ローレンスは両親や周囲の召使い甘やかされ増長し、褒められて育てられていたためか、この状態においても勇ましい口調で叫び返す。
「お前が体を変えて、その姿になったのを見たんだよッ!私は見たんだッ!お前がいつもの小さな体から、その大きな体になったのを!きっと、お姉様もお前が殺したんだろう!?お姉様がお前のその姿を見たからッ!」
そう叫ぶ少年に金髪の美女はその幼い頬に口付けを行う。
それは挑発であり、尚且つ彼女の余裕があるという証拠であった。
頬に見知らぬ女に口付けを交わされた屈辱感と悔しさから彼は全身を震わせたが、彼女は椅子に縛られた二人を見下ろしながら言った。
「どうして、秘密を知ろうだなんて思ったの?世の中には知らなくて良い事も沢山ありますのに」
マルグリットは恐怖のため、ローレンスは悔しさと怒りのために、亡くなった姉のためだと答える事は出来なかった。
本日、適当な理由を付けられ、宮殿の大広間とその庭を併用して行われた立食式のダンスパーティーにおいて、彼女は愛らしい笑顔と可愛らしい仕草、そして、皇帝の娘に相応しい完璧な礼儀作法で、このパーティーに出席した紳士淑女の方々を存分に楽しませた。
養父にしてルーベルンラント帝国皇帝であるジェームズ二世はここぞとばかりに、貴族達に自慢の娘を持て囃す。
だが、それが気に入らなかったのだろう。大公の子供達の全員が嫉妬と羨望の目を新しく現れた養女に向けていた。
この中で、大公の子供の中の最年長にして既にアンブリッジ伯爵称号を持つエリザベスはその場での我慢の抑えが効かなかったのだろう。他の子供達が止めるのも聞かずに、彼女はパーティーの端の方から、中心となっているアリスの席へと向かう。
皇帝の娘こと自分達の家に土足で踏み上がってきた忌しき平民の娘の元に近付いていく。
そして、優しい微笑を浮かべてグラスを持つ美少女に向かって高慢に言い放つ。
「失礼、卑しい平民のアリス様。あなた様は先程から、ずっと我々崇高なるルーベルンラント帝国貴族に向かって、もっともらしい事をペラペラと喋っておりますけれども、あなた、ご自分の身分を分かっておいでなの?少し前まで、あなたは道の街ばたで食べ物を求める卑しい平民の乞食に過ぎなかったの慈悲深き我らが皇帝陛下がわざわざお前を繋ぎの娘としてお抱えになったのよ!それを忘れない事ね!」
エリザベスが大きな声で興奮気味に語ったためか、それとも、大公家長女にしてアンブリッジ伯の称号を持つ生まれた時からの貴族であるエリザベスが余裕を失っている姿があまりにも意外過ぎたか、それとも先程、彼女が述べた内容の中に皇帝とその妻である皇妃を暗喩する意思があったと感じ取ったのか、その場にいた貴族達は彼女のいう事に同調する事なく、何も無かったかのようにパーティーを楽しもうと、顔に引きつった笑顔を浮かべて引き続きアリスに話し掛けようとしたが、エリザベスは反応が無かった事に腹を立てたのだろう。
彼らの無理に出した笑い声をかき消すような大声で彼らに向かって叫ぶ。
「聞きなさいよ!この小娘は帝国帝室を国民の穢らわしい血で乗っ取るために、現れた簒奪者よ!それをあなた達は理解するべきよ!」
ここまで叫んだ所で、ようやく彼女の周りを取り囲んでいた貴族達は彼女に目を向けた。か、その目は冷えた氷よりも冷たい事に気が付く。
そして、彼女は平民の少女を更に弾劾するべく、人差し指を突き付けて、そこから彼女の悪行(少なくとも、エリザベスは悪行だと思っている事)を叫ぼうとした時だ。
皇帝の娘、アリスは顔から透明の液体を溢し、愛くるしい目線で周りの貴族達に訴え掛ける。
「どうして?どうして何です?どうして、私がこんな事を言われなくてはなりませんの。どうして……どうして……」
涙ながらに訴える少女に集まっていた貴族達の憐憫の情が一斉に集まったのだろう。
何人かの貴族がエリザベスに険しい視線を向けている。
エリザベスは一瞬たじろいだものの、何とか言葉を紡ぎ、心の底から叫ぼうとしたが、突然、体を突き飛ばされた事に気が付く。
エリザベスが突き飛ばした相手に無礼者と叫ぼうとしたものの、彼女は相手が分かってからはその声を飲み込む。
なぜなら、彼女を突き飛ばしたのは他ならぬ叔父にして皇帝、ジェームズ二世であったからだ。
恐らく、騒ぎが大きくなり、自分の娘が姪に責められている事を知ったのだろう。
泣きじゃくる養女を優しく抱き締め、彼女に部屋に行くように指示を出す。
顔に涙を浮かべながら、退出する皇帝の娘を全員が憐みの目を向け、同時に楽しい宴会を陰険な雰囲気へと変えた大公の娘を睨む。
エリザベスは最初こそ彼らを睨み返そうとしたものの、その雰囲気に押し潰されたのか、彼女は顔を紅潮させながら、その場を後にした。
そこに、彼女と入れ替わる形で大公ブレアフォードが現れ、娘の非礼を詫びる。
エリザベスにとってまた、他の大公の子供達にとってもこの日は最悪であった。
エリザベスはあの後、父である大公から激しく叱責され、あわやアンブリッジ伯の称号まで奪い取られそうになった。
他の子供は姉が余計な騒動を起こしたせいで、あの後に、アリスに意地悪をする事が出来ず、舞踏会の間に感じた苛立ちを腹の底に溜めながら、帰宅する事になったからだ。
後日、ブレアフォード大公は兄であるジェームズ二世に非礼を詫びるためという名目で、子供らを連れて王城を訪れ、正式に皇女アリステリアに頭を下げた。
頭を下げる父親につられ、三人の子供も詫びを入れたが、頭を下げたが、不満と怒りの心を抑えており、彼ら彼女らはそれを上手く隠しおおせたと思っていたが、シャーロットはそんな彼らの考えを見抜いていたのであった。
が、指摘するには及ばないと思っていたのか、彼女は黙って彼らの謝罪を受け入れた。
その日はそれで済んだのかと思われたのだが、悲劇はその日の晩、夕食を終えた後に起きた。
なんと、食後、運動のために城の中に散歩に出掛けたアンブリッジ伯エリザベスが屋敷の最上階で足を踏み外して事故死したのだという。
葬儀が営まれる中、大公の長男、ローレンス並びに次女、マルグリットは姉の死に疑問を抱き、葬儀の夜にこっそりと、アリスの跡を付け、ドアの隙間から部屋の中を覗く。
すると、中にはあの幼い体から大人の体型へと体を変貌させていく義理の従姉妹の姿を目撃したのであった。
二人はその姿を見て、思わず叫んだのだが、それが二人の命運を分ける事になってしまう。
叫び声を聞き付けたとアリスと思われる長い金髪の女性が逃げようとする少年の襟首を掴む。
彼女は二人の襟首を掴むと、勢い良く扉を閉めて、嫌がる二人の口を猿轡で閉め、何を見たのかを問う。
「ねぇ、何をご覧になりました?」
マルグリットは変貌した気弱な従姉妹に震えていたが、ローレンスは両親や周囲の召使い甘やかされ増長し、褒められて育てられていたためか、この状態においても勇ましい口調で叫び返す。
「お前が体を変えて、その姿になったのを見たんだよッ!私は見たんだッ!お前がいつもの小さな体から、その大きな体になったのを!きっと、お姉様もお前が殺したんだろう!?お姉様がお前のその姿を見たからッ!」
そう叫ぶ少年に金髪の美女はその幼い頬に口付けを行う。
それは挑発であり、尚且つ彼女の余裕があるという証拠であった。
頬に見知らぬ女に口付けを交わされた屈辱感と悔しさから彼は全身を震わせたが、彼女は椅子に縛られた二人を見下ろしながら言った。
「どうして、秘密を知ろうだなんて思ったの?世の中には知らなくて良い事も沢山ありますのに」
マルグリットは恐怖のため、ローレンスは悔しさと怒りのために、亡くなった姉のためだと答える事は出来なかった。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説

薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜
仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。
森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。
その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。
これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語
今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ!
競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。
まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
2回目の人生は異世界で
黒ハット
ファンタジー
増田信也は初めてのデートの待ち合わせ場所に行く途中ペットの子犬を抱いて横断歩道を信号が青で渡っていた時に大型トラックが暴走して来てトラックに跳ね飛ばされて内臓が破裂して即死したはずだが、気が付くとそこは見知らぬ異世界の遺跡の中で、何故かペットの柴犬と異世界に生き返った。2日目の人生は異世界で生きる事になった

おっさんの異世界建国記
なつめ猫
ファンタジー
中年冒険者エイジは、10年間異世界で暮らしていたが、仲間に裏切られ怪我をしてしまい膝の故障により、パーティを追放されてしまう。さらに冒険者ギルドから任された辺境開拓も依頼内容とは違っていたのであった。現地で、何気なく保護した獣人の美少女と幼女から頼られたエイジは、村を作り発展させていく。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
その他、多数投稿しています!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる