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魔法学園のトーナメント
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なんやかんやあり、いよいよ、本日、学園に国王陛下をお招きしての魔法披露会が開催された。
国王陛下が臨席なされるのは、学園の庭園に急遽、設置された朱色をした派手な椅子。
金色に輝く冠をかむり、威厳たっぷりの髭を生やした、現国王陛下の姿はまさに御伽噺に出てくる立派な国王だった。
その隣に臨席するのは俺の大好き、ウィニー第二王子。兄の活躍が見られるためか、嬉しそうな表情を浮かべている。
ニコニコとした顔で笑うウィニーくんは今回の癒しである。
そして、その席の前に今回、魔法を披露する生徒たちが立ち並ぶ。
女子生徒。つまり、俺たちは管轄外であるので、周りでその様を見つめていた。
その臨席する席の前で、生徒の代表として今回の祝辞を読む、サミュエルは何処か緊張していた。
まるで、敏達天皇の崩御の際に、緊張で体を震わせる物部守屋の様であった。
ここに、もし、祝辞を読む完璧王子に敵がいたとすれば、『体を震わせて鐘のようだ』とか揶揄する声が飛んだに違いない。
だが、相手は完璧王子。万が一の報復が怖いからか、そんなものは飛ばない。
はたまた、完璧王子のたまに見せる欠点に煽る心よりも同情の方が勝ったのか。
それは分からない。現に野次などは飛ぶ事なく、無事に開幕したのだ。
普段とは違い、学園の庭に白線が敷かれ、ただならぬ雰囲気が漂う。
いよいよをもって睨み合う生徒や騎士たち。
その姿はこれから、世代間に分かれて、決戦を行おうとする特撮ヒーローたちの様だ。その映画を観た事がある俺だからこそ言える。
或いは戦場で挟んで睨み合う戦国の武将たちの様である。
その後、集まっていた男子生徒や騎士の方々は一旦離れ、一対一の魔法やお披露目が始まっていく。
そこからは怒号の展開の連続であった。どれも面白かったのだが、敢えてセレクトをさせてもらうのならば、サミュエルの氷魔法とガブリエルの炎魔法との対決。ディビッドの草魔法とロイヤルの土魔法との対決、ロイヤルとリチャードの土魔法と闇魔法の対決は正気に残る対決であったかもしれない。
生前に見た特撮ヒーローものよりも凄まじかったかもしれない。
そんな事を考えているうちに、魔法のお披露目の戦いはいよいよ、決勝戦へと進む。
決勝戦で対決するのは完璧王子のサミュエル、そして、世にも珍しい闇魔法でここまで勝ち上がったリチャードである。
サミュエルは闇魔法というこれまで、あまり見なかった魔法の持ち主と対峙するためか、少し唇が震えていたが、やがて、両手を広げてリチャードの前に氷の塊を作り出していく。
今、ここに決勝戦の火蓋が切って落とされた。
国王陛下が臨席なされるのは、学園の庭園に急遽、設置された朱色をした派手な椅子。
金色に輝く冠をかむり、威厳たっぷりの髭を生やした、現国王陛下の姿はまさに御伽噺に出てくる立派な国王だった。
その隣に臨席するのは俺の大好き、ウィニー第二王子。兄の活躍が見られるためか、嬉しそうな表情を浮かべている。
ニコニコとした顔で笑うウィニーくんは今回の癒しである。
そして、その席の前に今回、魔法を披露する生徒たちが立ち並ぶ。
女子生徒。つまり、俺たちは管轄外であるので、周りでその様を見つめていた。
その臨席する席の前で、生徒の代表として今回の祝辞を読む、サミュエルは何処か緊張していた。
まるで、敏達天皇の崩御の際に、緊張で体を震わせる物部守屋の様であった。
ここに、もし、祝辞を読む完璧王子に敵がいたとすれば、『体を震わせて鐘のようだ』とか揶揄する声が飛んだに違いない。
だが、相手は完璧王子。万が一の報復が怖いからか、そんなものは飛ばない。
はたまた、完璧王子のたまに見せる欠点に煽る心よりも同情の方が勝ったのか。
それは分からない。現に野次などは飛ぶ事なく、無事に開幕したのだ。
普段とは違い、学園の庭に白線が敷かれ、ただならぬ雰囲気が漂う。
いよいよをもって睨み合う生徒や騎士たち。
その姿はこれから、世代間に分かれて、決戦を行おうとする特撮ヒーローたちの様だ。その映画を観た事がある俺だからこそ言える。
或いは戦場で挟んで睨み合う戦国の武将たちの様である。
その後、集まっていた男子生徒や騎士の方々は一旦離れ、一対一の魔法やお披露目が始まっていく。
そこからは怒号の展開の連続であった。どれも面白かったのだが、敢えてセレクトをさせてもらうのならば、サミュエルの氷魔法とガブリエルの炎魔法との対決。ディビッドの草魔法とロイヤルの土魔法との対決、ロイヤルとリチャードの土魔法と闇魔法の対決は正気に残る対決であったかもしれない。
生前に見た特撮ヒーローものよりも凄まじかったかもしれない。
そんな事を考えているうちに、魔法のお披露目の戦いはいよいよ、決勝戦へと進む。
決勝戦で対決するのは完璧王子のサミュエル、そして、世にも珍しい闇魔法でここまで勝ち上がったリチャードである。
サミュエルは闇魔法というこれまで、あまり見なかった魔法の持ち主と対峙するためか、少し唇が震えていたが、やがて、両手を広げてリチャードの前に氷の塊を作り出していく。
今、ここに決勝戦の火蓋が切って落とされた。
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