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そんな、俺の小テストがボロボロなんて、嘘だそんなことー!!

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「ウソダドンドコドーン!」
俺は翌日の小テストの結果を見て思わず叫ぶ。昨日、大事な時に妄想していた事や復帰してから、あまり集中できていなかった事もあり、小テストはボロボロだった。
思わず、人生で二度目のオンドゥル語を叫んでしまう。
俺が肩を落としていると、オリビア嬢から声を掛けられて、小テストを見られてしまう。
あまりにも酷い結果だったので、オリビアが両肩を震わせている。
そして、その後に彼女は無言で俺の頭を叩く。
俺は頭を抑えたが、彼女はそれに留まらず、今度は耳まで引っ張る。
「ちょ、ちょ、痛いですわ!めちゃくちゃ痛いですから、引っ張らないでくださいませー」
「私の心の方があんたよりもっと痛いんだからね!さぁ、今日から、みっちりお勉強だよ!あんた、放課後には私の家に来ること!」
どうやら、自主的な補習を言い渡されてしまったらしい。しかし、困ったな。
放課後には剣の鍛錬があるのだが……。
そこで、俺は夜にも一応、復習をしている事を根拠に挙げ、授業を週一に、彼女の屋敷で教えてもらうという代替案を提案した。
彼女は渋々であるが、それを承認したが、一方である事を釘に刺す。
「忘れないでね!一週間に一回、小テストを行うから、それにちゃんと合格する事!あんたがちゃんと復習できるてるかの証明ですからね!」
そう凄まれては、逃げ道を取り繕う島もない。
俺は諦めて、それを承認した。
こうして、剣の稽古に加え、更に多量の復習が俺の肩に乗り掛かっていく。
加えて、最近はエミリオが冒険小説を次々とオススメしてくれるから、それも読んでいたら、つい眠るのが遅くなってしまう。
「では、読む時間を減らせば良いのでは?」
そう指摘したのは、俺が愚痴を溢した俺のお付きのメイドである。
彼女は明らかに『何言ってんだ、こいつ?』と言わんばかりの呆れた顔で俺を見つめていた。
なので、俺は自分の考えを声高に主張して、彼女を分からせてやる事にした。
「何言ってるの!冒険小説を読むのは私のライフルマーク!これだけは外せませんのことよ!」
「お嬢様、それを言うのなら、ライフルワークですわ。ライフルマークって、何を狙うんですか?小説のように、現実でも、ドラゴンを狙うおつもりなのですか?」
お付きのメイドは今度は頭を抑えて、深い溜息を吐く。
同時に、俺の頭の中に素晴らしいアイディアが思い浮かぶ。
学校を自主的に休学し、ドラゴンを捕まえて、俺のペットにするのだ。
そして、僅かな確率でもあるが、二人が断罪しようとした時にはドラゴンを召喚し、その背中に乗って逃げれば良い。
我ながら、良いアイディアだと思っていると、顔がニヤけている事に気付かされたのか、またメイドが呆れ顔で俺を注意する。
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