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嘘でしょ?ダンスパーティーなんて……お断りします!他の事だけでも手一杯なのに!?

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会いたいとか、あなたを愛してるとか、今更、もうそんなもの聞きたくない。
どうせ、そんな事を俺に言っている子は彼氏候補の男と舞踏会に行っているのだから。
と、世のモテない貴族の子息方はそう思っているに違いない。ちなみに上は俺が生前好きだったギャンブル漫画が二回目にアニメ化された時のエンディングテーマだ。ちなみに、悲しい事に、俺の前世も、その貴族の令息方と殆ど同じ境遇であった。
だから、そんな風にモテない、いわゆる『壁の花』みたいな男やそこから転生した女が参加したとしても意味がないと思う。
それを気が付かせるために、こんな替え歌を口ずさんでいたが、彼女は何も言わずに俺の手を取ってクルクルと踊っていく。
あぁ、情けない。今の俺は爆音でチャッ○モンチーを聴きたい気分だった。
優れた素晴らしい音楽を聴いたロック好きの俺は感動し、思わず『俺のエレキギターを聴いてくれないか?』とファンレターを送るかもしれない。
勿論、これも引用である。
それにしても、パラレルワールドのエレキギターを扱える俺は凄い。
と、言うのも、エレキギターなど今世でも、前世でも弾けなかった俺からすれば、それだけでも凄い事だし、プロに聴いてほしいという自信の程もうかがえる。きっと、聴いてもらえるだろう。
つまり、俺が何を言いたいのかといえば、波長と波長とが合う人は垣根を越えて話し合えるという事だ。
だから、ダンスにしろ、外交にしろ、そういう波長が合う人に任せれば良いのではないだろうか。
パラレルワールドの俺とプロのバンドの人がエレキギターやら、音楽やらで語り合うように。
だから、俺が無理矢理に舞踏会などに参観する必要などないのではないだろうか。
俺はダンスの練習相手を務めてくれているロージーに必死でその事を告げたのだが、無言で足を舞踏会用の踵の高い靴の尖った踵で踏まれてしまう。
人間が一番、痛覚を感じるのは足やら手やらの先端だというが、実際にその通りだ。
俺は思わずロージーから手を離し、地面の上でのたうち回ってしまう。
「なーに、馬鹿な事を、しかも長々と言ってるの?あんた、外交の場で失敗して、借金を負って、電気が通った鉄骨の上を命綱なしで渡りたい?」
「たかだか、一千万円でそんな苦労をしろと仰られますの!?あぁ、あなたは非道よ!傍系だからって、自分も王になる資格があるとか主張したイギリスさんにも劣るゲスなのだわ……」
「誰が、薔薇乙女の真似をしろと言った!」
そう言うと、彼女は俺を立たせ、無理矢理練習に戻していく。
何を隠そう、俺は一応、性悪女とグレースの記憶を受け継いでいるから、ダンスもできる筈なのだが、頭では思った通り動けているのに、体の方がついて行っていないから、リハビリのためにロージーを練習相手にさせてもらっているのだ。
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