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世界に打ちのめされて、負ける意味を知った。だが、負けたくはない。なので、紅蓮の花を咲かせるために、対策案を練ようと思います
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「次々と人々を変え、癒して進んでいくのかと思いましたが、各委員のみなさまもご存知の通り、人気悪役令嬢作品第6巻、第7巻を見て、私は思わず危惧してしまいました。脳内最高評議会のみなさま方は覚えている筈です」
会議に参加していた生唾を飲み込む。そこから、副議長俺が告げる言葉はあまりにも、真理をつき過ぎているからだ。
だが、言わなくてはなるまい。副議長俺は宝物を守る石の扉の様に重く閉ざされていた唇を開く。
「そうです。悪役令嬢の悪役化です。第6巻や第7巻はその先走りだと言っても良いでしょう」
「すると、つまり、その……副議長が仰りたいのは、彼女が我々の悪役化の片鱗だということでしょうか?」
「ええ、俺たちは本来の筋書きであるならば、悪役令嬢のオリビアを虐めに見せかけて虐め、卒業パーティーでサミュエル王子に断罪されなければならないポジションの筈です。ですが、我々がそれをしない以上、物語は成り立ちません。ですので、新たに俺に虐めるように世界が彼女を見出し、魔法学園に編入させたのではないでしょうか?」
その驚きの推測に脳内の俺たちだけではなく、元の人格の二人も互いに顔を見つめる。
そのうち、各々のうちで話を始めたので、某有名裁判ゲームの主人公の様に、議長俺が何度も何度も木槌を強く叩いて、ざわめきを収めていく。
そして、落ち着いたところで、一旦、休憩となった。
休憩が終わり、再び会議が行われる。
「それでは、引き続き、彼女の事と、世界の破滅とをこの会議で語っていこうと思います」
「議長閣下!私に良い提案がございます!」
挙手をしたのは娯楽担当委員の俺。娯楽担当委員俺は神妙な顔をしながら、議長俺に告げる。
「休憩の間、私はずっと考えていたのですが、どう考えても我々はそんな卑劣な真似などしたくはありません。世界の破滅などの見えない恐怖に怯え、才能のあるいたいけな少女を虐める事の先棒を担ぐ事など、あってはならぬ事です!」
娯楽担当委員の俺は上層部に抗議し、命懸けのルートを作り上げた名誉ある将軍になった気分であったのだろう。
実際に彼が上層部に抗議した時の台詞の一部が混じっていた。
娯楽担当委員の俺の声に覇気の様なものを感じられた。
そして、我々に、いや、多くの我々の思考に似た人がありがたがる言葉を用いて、議長俺に向かって言った。
「世界の破滅が迫った時はその時です。その時にまた、我々の中で会議を招集すればよろしいのです!」
その言葉に最高評議会の面々が拍手を送る。元のグレースもその拍手に加わったが、唯一、性悪女はその渦には加わってくれなかった。
やはり、自分の意見が取り上げられない事を根に持っているのだろうか。
そんな遺恨を持ちながらも、議題はきちんと結論が出た上で終了した。
会議に参加していた生唾を飲み込む。そこから、副議長俺が告げる言葉はあまりにも、真理をつき過ぎているからだ。
だが、言わなくてはなるまい。副議長俺は宝物を守る石の扉の様に重く閉ざされていた唇を開く。
「そうです。悪役令嬢の悪役化です。第6巻や第7巻はその先走りだと言っても良いでしょう」
「すると、つまり、その……副議長が仰りたいのは、彼女が我々の悪役化の片鱗だということでしょうか?」
「ええ、俺たちは本来の筋書きであるならば、悪役令嬢のオリビアを虐めに見せかけて虐め、卒業パーティーでサミュエル王子に断罪されなければならないポジションの筈です。ですが、我々がそれをしない以上、物語は成り立ちません。ですので、新たに俺に虐めるように世界が彼女を見出し、魔法学園に編入させたのではないでしょうか?」
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そのうち、各々のうちで話を始めたので、某有名裁判ゲームの主人公の様に、議長俺が何度も何度も木槌を強く叩いて、ざわめきを収めていく。
そして、落ち着いたところで、一旦、休憩となった。
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「それでは、引き続き、彼女の事と、世界の破滅とをこの会議で語っていこうと思います」
「議長閣下!私に良い提案がございます!」
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その言葉に最高評議会の面々が拍手を送る。元のグレースもその拍手に加わったが、唯一、性悪女はその渦には加わってくれなかった。
やはり、自分の意見が取り上げられない事を根に持っているのだろうか。
そんな遺恨を持ちながらも、議題はきちんと結論が出た上で終了した。
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