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取り敢えずの会議終了と引き続きの王子警戒体制
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「昔の偉い人は言いました。戦略も固まらないのに、戦術のみを考案するのはアホのする事だと」
「かなり意訳が入っていますが、おおむね、副議長俺の言う通りです。どうにかして、サミュエル王子の追及を乗り切らねば、我々に明日はありません!」
議長俺の言葉に会議に集まった面々が賛同の合唱を始めていく。
「取り敢えず、様々なオレの意見を聞こうでありませんか!では、まず副議長俺!」
「はいッ!まず、ピー(自主規制)無罪という言葉は聞いた事がありませんか?」
俺の言葉に会議に集まった一同が首を縦に動かしていく。
「つまり、追求された時にクジラック○やバカう○んの漫画に出てくるヤベー奴を真似すれば良いのでは?」
「成る程、ですが、演技とバレれば不味いのでは?」
議長俺の突っ込みに、一同が一斉に首を縦に動かす。
「では、次の案です!」
立ち上がったのは娯楽担当委員の俺。
「まず、世界的有名悪役令嬢作品では、主人公は攻略対象の第三王子を『おもしれー女』と定義させ、破滅を乗り切りました。それで、いくというのは?」
「悪くはありませんな」
議長俺の言葉にその作品を知らない元の人格を除く全員がうんうんと唸っていく。
そして、この結論のまま会議が終了しようとした時だ。
突然、勉学担当委員の俺が異議を唱える。
「待って!よく考えたら、今からだと厳しくない!?畑作ったり、木登りしたとしても、親父の不正がバレている以上は圧倒的不利だ!今更『おもしれー女』扱いされたぐらいじゃあ間に合わねーぞ」
流石は委員の中で一番賢い人格。そういわれては、この結論も難しい気がする。
加えて、ダメ押しの一言が放たれる。
「そもそも前世でも今世でも登った事がないのに、木なんか登れるのか?」
「確かに」
全俺の人格が同意する。と、なると、また会議は振り出しに戻ってしまう。弱った。どうすれば……。
一堂が悩んでいると、天啓にも等しい一言が娯楽担当委員の俺が告げる。
「……そう言えば、例の悪役令嬢作品だけれども、主人公はヒロインを虐めなく、作品の外でヒロインとのカップリングができるくらいに仲が良くなったんだよね?なら、それを我々がすれば良いのでは」
「マンセー!マンセー!」
俺の人格が一斉にこだまする。そして、娯楽担当委員の俺を褒めちぎっていく。
盛り上がりがピークに達した時だ。木槌が鳴る音が聞こえ、議長俺が厳かに告げた。
「では、結論としてはヒロインに近付いて、仲良くなる事。以上ッ!では、今日はこれにて閉幕ッ!」
議長俺の一言で次々と俺の人格は元の脳内の場所へと戻り、元の綺麗な人格のヒロインは自ら、性悪ヒロインの人格は両腕を警備員俺に掴まれ、心の奥底へと戻っていった。
「かなり意訳が入っていますが、おおむね、副議長俺の言う通りです。どうにかして、サミュエル王子の追及を乗り切らねば、我々に明日はありません!」
議長俺の言葉に会議に集まった面々が賛同の合唱を始めていく。
「取り敢えず、様々なオレの意見を聞こうでありませんか!では、まず副議長俺!」
「はいッ!まず、ピー(自主規制)無罪という言葉は聞いた事がありませんか?」
俺の言葉に会議に集まった一同が首を縦に動かしていく。
「つまり、追求された時にクジラック○やバカう○んの漫画に出てくるヤベー奴を真似すれば良いのでは?」
「成る程、ですが、演技とバレれば不味いのでは?」
議長俺の突っ込みに、一同が一斉に首を縦に動かす。
「では、次の案です!」
立ち上がったのは娯楽担当委員の俺。
「まず、世界的有名悪役令嬢作品では、主人公は攻略対象の第三王子を『おもしれー女』と定義させ、破滅を乗り切りました。それで、いくというのは?」
「悪くはありませんな」
議長俺の言葉にその作品を知らない元の人格を除く全員がうんうんと唸っていく。
そして、この結論のまま会議が終了しようとした時だ。
突然、勉学担当委員の俺が異議を唱える。
「待って!よく考えたら、今からだと厳しくない!?畑作ったり、木登りしたとしても、親父の不正がバレている以上は圧倒的不利だ!今更『おもしれー女』扱いされたぐらいじゃあ間に合わねーぞ」
流石は委員の中で一番賢い人格。そういわれては、この結論も難しい気がする。
加えて、ダメ押しの一言が放たれる。
「そもそも前世でも今世でも登った事がないのに、木なんか登れるのか?」
「確かに」
全俺の人格が同意する。と、なると、また会議は振り出しに戻ってしまう。弱った。どうすれば……。
一堂が悩んでいると、天啓にも等しい一言が娯楽担当委員の俺が告げる。
「……そう言えば、例の悪役令嬢作品だけれども、主人公はヒロインを虐めなく、作品の外でヒロインとのカップリングができるくらいに仲が良くなったんだよね?なら、それを我々がすれば良いのでは」
「マンセー!マンセー!」
俺の人格が一斉にこだまする。そして、娯楽担当委員の俺を褒めちぎっていく。
盛り上がりがピークに達した時だ。木槌が鳴る音が聞こえ、議長俺が厳かに告げた。
「では、結論としてはヒロインに近付いて、仲良くなる事。以上ッ!では、今日はこれにて閉幕ッ!」
議長俺の一言で次々と俺の人格は元の脳内の場所へと戻り、元の綺麗な人格のヒロインは自ら、性悪ヒロインの人格は両腕を警備員俺に掴まれ、心の奥底へと戻っていった。
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