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三神官編
哀れな王子は禁断の果実を口にした
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タンプルは私が追放されるまでの経緯を聞くと、黙って林檎を齧って聞いていたが、やがてその林檎を食べ終えると再び身を乗り出して、私がどうして生計を立てているのかを問い掛けた。
「あぁ、それに関しては傭兵みたいなもので稼いでるんだ」
「傭兵?」
「うん。各地を回って天使たちが暴れた時に私が力を貸すの。そこで力を貸してお金をもらうんだ」
「なるほどね、今のオレと同じことをしてるわけか」
タンプルは感心したように告げた。
「じゃあさぁ、私たち同じ孤児院の出身だし、同じく人間に化けた天使という繋がりもあるんだし、よかったら一緒に旅しない?」
「馬鹿言うなよ。男と女が同じ屋根の下で過ごそうっていうのかよ」
「そう言えばタンプルも男の子だったね。ごめん。ごめん」
私は苦笑しながら林檎を齧る。穏やかなひとときだ。空は青く美しいし、街をゆく人々も穏やかに談笑している。
呆れ返るほど平和である。私がベンチの上でそんなことを考えていた時だ。
突然、空から天使が降ってきた。
数は50体は有に超えているだろう。おまけに指揮官までいるではないか。
厄介な相手だ。私は雄叫びを上げて電気の鎧を身に纏い、翼を生やして指揮官に立ち向かっていく。
隣のタンプルも同様に翼を生やし、狼へとその姿を変えた。そのまま敵の群れに突っ込む。
私たちを迎え撃つ相手の指揮官は淡水エイとトビエイに似た怪物であった。私とタンプルはお互いに背中を守り、雑魚を倒しつつ、お互いの手で指揮官を仕留めたのである。私が淡水エイを仕留め、タンプルがトビエイを仕留めていったのである。
指揮官がいなくなれば後の天使たちなど敵ではなかった。一瞬で片付けることができた。
ここの討伐隊が駆け寄る頃にはエイの怪物二体は既に仕留められ、雑魚も掃討された後であったから、討伐隊の面々は唖然としていた。
たまにはこういう事があってもいいだろう。私とタンプルはそう言って笑い、討伐隊の責任者から資金を提供された。
まとまった資金が入ったので、私とタンプルは宿屋に併設されている食堂で昼食を取ることにした。
「うん。美味いな」
タンプルは宿屋で出された鴨のオレンジソース煮を絶賛していた。
私もタンプルと同じ感想を持っていた。異世界にも鴨がいたということにも感動を覚えるが、何よりオレンジソースという技術がこの異世界で確立されていたことにも感銘を受けたのだ。
こうしたご馳走が宿屋の食堂で安く食べられているのもいいものだ。
私が舌鼓を打っていると、タンプルが鴨のオレンジソース煮と共に出てきた春キャベツのサラダも勧めてきた。
試しに食べてみると絶品であった。野菜というのは素のままで食べた方がいいとと聞くが、不思議なことにドレッシングをかけるとその調和が際立つのである。
サラダにドレッシングという概念はこの世界にもあったことを感謝しなくてはならない。
そんなことを考えながら私は食事を平らげた。その後で追加注文したデザートの林檎のコンポートもまた絶品であった。
食事にしろ、デザートにしろこの世界の料理はどれも最高に美味い。
そう考えていると仲間たちもここに連れてきたかったという思いが強まっていく。
マリアやティー、クリス、オットシャック、ポイゾ。そして死んでしまったブレードとともこんな風に食卓を囲みたかった。
もう会うことができない仲間たちの考えていると、私の両目から透明の雫が零れ落ちていく。
そんな私の背中をタンプルは優しく摩ってくれた。ぶっきらぼうではあるがそこが彼の見せる優しさでもあったのだ。
慰めの言葉は言葉が出なかったからなのか、彼の口からは出なかったが、代わりに私が泣き止むまで無言で背中を摩ってくれていた。
ようやく私が落ち着いたかと思うと、タンプルは紅茶を飲みに戻っていた。
運ばれて来た時には湯気が立っていた紅茶であったが、私を慰め終える頃には湯気は消えており、冷たくなっているのは容易に推測できる。
私は申し訳ない気持ちになり、立ち上がってタンプルの元にまで近寄り、頭を下げようとしたが、タンプルがそれを止めたので席に戻って自分が頼んだ紅茶を啜っていく。
食後のお茶を終え、店を出る際にタンプルは言った。
「お前さ、そろそろミーティアに帰った方がいいぜ」
「えっ、それってどういうこと?」
「お前の仲間たちに危機が迫ってるってことさ」
タンプルは私に近付いて、額に手をあてるとそこからここ最近になって仲間たちに何があったのかを見せていく。
タンプルから見せられた光景にはブレードの姿が映っていた。それだけでも信じられない光景であったのだが、仲間たちを纏め上げて演説を行なっていたのだ。
それはあからさまな女王に対する反骨の意志を含んだ危険な演説であった。
例えるのならば19世紀という時代に不敬罪が制定された強権国家でそこの君主を堂々と批判するようなものだ。
唖然としていたのだが、次第にその光景が信じられずに私は反射的に叫んでいた。
「嘘だッ!嘘だッ!こんな光景があるなんてあるはずがないッ!」
「ところがどっこい。夢じゃありませんってな。お前、死んだ時にブレードの首筋にキスをしただろ?」
「う、うん」
「あれでブレードが天使になって復活したんだ。お前の眷属としてな……」
「眷属?私にそんな力があったの?」
「あぁ、これはルシフェルみたいな特別な天使しか使えない特性でな、死ぬ直前の生物の首筋に自らの命を与えることで天使として復活させることになるんだ」
タンプルの説明は淡々としていたが、私には信じられないことであった。
尚も否定を続ける私に対してタンプルはまたしても私の額に手をかざして今度はブレードが天使として覚醒する場面を見せた。
初めに見えたのは死体安置所にて横たわるブレードであった。
やがて、横たわるブレードの死体が眩く輝いたかと思うとブレードがすぐに起き上がったのだ。
だが、起き上がった時の姿は人間の姿とは大きく異なったものであった。
起き上がった時のブレードは馬の怪物へと変貌していたのである。
美しい白い毛をした馬であり、その姿は御伽噺で王子様が乗るような白馬を思い起こさせた。
二本の足で歩くブレードには一般の天使たちが使っている鎧の他に馬を思わせる肩当てや脛当てなどが装備されていた他に利き手には魔剣と称してもいい剣を持っており、もう片方の手には丸い盾を装備していた。
実際にブレードは容姿端麗な王子様であるので白馬に乗っていても違和感はないのだが、まさか彼自身が白馬になるとは思わなかった。
私が苦笑しながらその姿を見つめていた時だ。ブレードは翼を生やしたかと思うと、その勢いのまま死体安置所の扉を蹴破ってどこかに向かう。
「あぁ、それに関しては傭兵みたいなもので稼いでるんだ」
「傭兵?」
「うん。各地を回って天使たちが暴れた時に私が力を貸すの。そこで力を貸してお金をもらうんだ」
「なるほどね、今のオレと同じことをしてるわけか」
タンプルは感心したように告げた。
「じゃあさぁ、私たち同じ孤児院の出身だし、同じく人間に化けた天使という繋がりもあるんだし、よかったら一緒に旅しない?」
「馬鹿言うなよ。男と女が同じ屋根の下で過ごそうっていうのかよ」
「そう言えばタンプルも男の子だったね。ごめん。ごめん」
私は苦笑しながら林檎を齧る。穏やかなひとときだ。空は青く美しいし、街をゆく人々も穏やかに談笑している。
呆れ返るほど平和である。私がベンチの上でそんなことを考えていた時だ。
突然、空から天使が降ってきた。
数は50体は有に超えているだろう。おまけに指揮官までいるではないか。
厄介な相手だ。私は雄叫びを上げて電気の鎧を身に纏い、翼を生やして指揮官に立ち向かっていく。
隣のタンプルも同様に翼を生やし、狼へとその姿を変えた。そのまま敵の群れに突っ込む。
私たちを迎え撃つ相手の指揮官は淡水エイとトビエイに似た怪物であった。私とタンプルはお互いに背中を守り、雑魚を倒しつつ、お互いの手で指揮官を仕留めたのである。私が淡水エイを仕留め、タンプルがトビエイを仕留めていったのである。
指揮官がいなくなれば後の天使たちなど敵ではなかった。一瞬で片付けることができた。
ここの討伐隊が駆け寄る頃にはエイの怪物二体は既に仕留められ、雑魚も掃討された後であったから、討伐隊の面々は唖然としていた。
たまにはこういう事があってもいいだろう。私とタンプルはそう言って笑い、討伐隊の責任者から資金を提供された。
まとまった資金が入ったので、私とタンプルは宿屋に併設されている食堂で昼食を取ることにした。
「うん。美味いな」
タンプルは宿屋で出された鴨のオレンジソース煮を絶賛していた。
私もタンプルと同じ感想を持っていた。異世界にも鴨がいたということにも感動を覚えるが、何よりオレンジソースという技術がこの異世界で確立されていたことにも感銘を受けたのだ。
こうしたご馳走が宿屋の食堂で安く食べられているのもいいものだ。
私が舌鼓を打っていると、タンプルが鴨のオレンジソース煮と共に出てきた春キャベツのサラダも勧めてきた。
試しに食べてみると絶品であった。野菜というのは素のままで食べた方がいいとと聞くが、不思議なことにドレッシングをかけるとその調和が際立つのである。
サラダにドレッシングという概念はこの世界にもあったことを感謝しなくてはならない。
そんなことを考えながら私は食事を平らげた。その後で追加注文したデザートの林檎のコンポートもまた絶品であった。
食事にしろ、デザートにしろこの世界の料理はどれも最高に美味い。
そう考えていると仲間たちもここに連れてきたかったという思いが強まっていく。
マリアやティー、クリス、オットシャック、ポイゾ。そして死んでしまったブレードとともこんな風に食卓を囲みたかった。
もう会うことができない仲間たちの考えていると、私の両目から透明の雫が零れ落ちていく。
そんな私の背中をタンプルは優しく摩ってくれた。ぶっきらぼうではあるがそこが彼の見せる優しさでもあったのだ。
慰めの言葉は言葉が出なかったからなのか、彼の口からは出なかったが、代わりに私が泣き止むまで無言で背中を摩ってくれていた。
ようやく私が落ち着いたかと思うと、タンプルは紅茶を飲みに戻っていた。
運ばれて来た時には湯気が立っていた紅茶であったが、私を慰め終える頃には湯気は消えており、冷たくなっているのは容易に推測できる。
私は申し訳ない気持ちになり、立ち上がってタンプルの元にまで近寄り、頭を下げようとしたが、タンプルがそれを止めたので席に戻って自分が頼んだ紅茶を啜っていく。
食後のお茶を終え、店を出る際にタンプルは言った。
「お前さ、そろそろミーティアに帰った方がいいぜ」
「えっ、それってどういうこと?」
「お前の仲間たちに危機が迫ってるってことさ」
タンプルは私に近付いて、額に手をあてるとそこからここ最近になって仲間たちに何があったのかを見せていく。
タンプルから見せられた光景にはブレードの姿が映っていた。それだけでも信じられない光景であったのだが、仲間たちを纏め上げて演説を行なっていたのだ。
それはあからさまな女王に対する反骨の意志を含んだ危険な演説であった。
例えるのならば19世紀という時代に不敬罪が制定された強権国家でそこの君主を堂々と批判するようなものだ。
唖然としていたのだが、次第にその光景が信じられずに私は反射的に叫んでいた。
「嘘だッ!嘘だッ!こんな光景があるなんてあるはずがないッ!」
「ところがどっこい。夢じゃありませんってな。お前、死んだ時にブレードの首筋にキスをしただろ?」
「う、うん」
「あれでブレードが天使になって復活したんだ。お前の眷属としてな……」
「眷属?私にそんな力があったの?」
「あぁ、これはルシフェルみたいな特別な天使しか使えない特性でな、死ぬ直前の生物の首筋に自らの命を与えることで天使として復活させることになるんだ」
タンプルの説明は淡々としていたが、私には信じられないことであった。
尚も否定を続ける私に対してタンプルはまたしても私の額に手をかざして今度はブレードが天使として覚醒する場面を見せた。
初めに見えたのは死体安置所にて横たわるブレードであった。
やがて、横たわるブレードの死体が眩く輝いたかと思うとブレードがすぐに起き上がったのだ。
だが、起き上がった時の姿は人間の姿とは大きく異なったものであった。
起き上がった時のブレードは馬の怪物へと変貌していたのである。
美しい白い毛をした馬であり、その姿は御伽噺で王子様が乗るような白馬を思い起こさせた。
二本の足で歩くブレードには一般の天使たちが使っている鎧の他に馬を思わせる肩当てや脛当てなどが装備されていた他に利き手には魔剣と称してもいい剣を持っており、もう片方の手には丸い盾を装備していた。
実際にブレードは容姿端麗な王子様であるので白馬に乗っていても違和感はないのだが、まさか彼自身が白馬になるとは思わなかった。
私が苦笑しながらその姿を見つめていた時だ。ブレードは翼を生やしたかと思うと、その勢いのまま死体安置所の扉を蹴破ってどこかに向かう。
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