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母に呼ばれたので、振り向く俺、なぜか、気が付けば、俺のせいにされていました

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(ふざけないでねぇぇぇぇ~!!)

と、俺は心の中で涙を流しながら、叫ぶ。なぜ、俺は自宅の中へと呼び出されているのだ。
どう考えても、おかしいだろう。これ。もう一度だけ繰り返すが、俺は単に元樹くんを送り届けただけだ。
その俺がどうして、そんな目に遭わされなくてはならないのだ。おかしいだろう。

思わず抗議の声を上げそうになったが、大広間に呼ばれ、親族に取り込まれれば、そんな事は言えなくなってしまう。

「さてと、あんただね、ウチの大事な娘をたぶらかした桐生誠太郎の息子っていうのは?」

そんな事を言う、涼子のお母様は俺をもの凄く、威圧的な目で睨んでいらっしゃる。
と、いうか元樹くんはあのショタの蜘蛛の鬼なのだから、お母さんは白髪の大人しい、けれども美人な人にしておくべきだろう。
なんで、こんなに気が強そうなのだろう。
しかも、涼子のお母様はえげつない事を喋っておられる。

「単刀直入に伺うけれど、あんたのお父さんはウチの娘に何かやってない?」

「いや、同じ寝室で寝てるけど、変な声は聞こえてこないし、大丈夫ーー」

「同じ寝室ゥゥゥゥ~!!」

いけない。こめかみに怒りの筋が集中しておられる。
怒りが頂点に達したのか、お母様は机を強く叩いて叫ぶ。

「許せない!あの男、涼子をたぶらかしただけでは飽き足らず、まさか手を出しているなんて、許せない!許せない!今からでも、あの結婚は無効にしてやるッ!」

「待ってくださいよ。親父は本当に手を出してませんから」

「そうだよ。ぼくも様子を伺ったけど、何にも変なところはなかったってーー」

「取り敢えず、拷問を受けましょうか?桐生零くん」

涼子のお母様は今、何を仰ったのだろう。拷問?この現代に何を言っているのだろう。

「安心して、零くんは罰を受けて生まれ変わるんだよ。大丈夫、途中で、特殊な薬を使うから零くんには何の後遺症もないから!辛いだろうけど、一緒に頑張りましょうね!」

「ふざけないでねぇぇぇぇぇぇぇ~!!」

俺は思わず本音を叫んでしまう。いや、誰だって、先程、会ったばかりの人からあんな事を言われればそう叫んでしまうだろう。

「そうだよ!母さん!いきなり、拷問をするなんて酷いじゃあないか!せめて、彼に一言くらい謝ってから!」

「いや、一言謝ったらいいんかい!」

元樹くんの斜め上の擁護に俺は思わず叫んでしまう。
だが、まだ俺はこの家にいる以上、桐生家の面々に生殺与奪の権を握られている状況である。
だが、それで俺が拷問を執行されて死ぬなど真平である。
だから、俺は涼子のお母様にある質問をする。
「あの、小説はお好きですか?」

「小説、何を言ってるの?そりゃあ、まぁ、人並みには読むけど……」

「なら、オレは面白い小説を書きます!あなたを満足させる小説を!お願いします!ですので、執行猶予をください!」

「みすみす捕らえた小鳥を逃がせと?」

「一週間後に必ず戻ってきます!もし、戻ってこなければ、一週間後にオレの家を戻しても構いません!」

俺は慌てて口を両手で覆ったのだが、もう後の祭り。
既に、座布団の上で魔女は笑っていた。
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