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第七部『エイジェント・オブ・クリミナル』
デッドエンド・バビロニアーその⑩
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上空から耳をつんざくような声が響いていく。それは恐らくヘリの音。強制捜査の絵を撮ろうとして何処かの会社が飛ばした取材のためのヘリだろう。
どうせ、どうでも良い事を喚き散らしているに違いない。大樹寺は上空のヘリでマイクを握りながら、いい加減な事を捲し立てるアナウンサーと思われるスーツ姿の女性を睨む。
だが、彼女はある方法を思い付く。不愉快だとしても、利用できるものは利用しておかなくては損だろう。
そんな思いから、彼女は懐から小型の音を拡散するための機械を取り出す。
四角い機械は翼が生えて主人の声を待ち侘びる。この機械は街頭演説の際に政治家が声を響かせるために重宝しているものであり、また一般人はキャンプなどの際に子どもがいつでも親の声が聞こえるように預けておくのだという。
大樹寺は音の拡声器を飛ばし、更に小型のマイクを取り出して演説を行う。
テレビカメラの向こう、一億人を超える日本共和国の人々に向かって。
「兄さんが目覚めたって!?」
柿谷淳太は親友の刈谷浩輔に向かって問い掛ける。浩輔は何も言わずに無言で首を縦に動かす。
淳太は親友が学校に行くよりも前に自分を強引に車に押し込んだわけを今、ようやく理解した気がした。
彼が懐かしの兄との再会を夢見て、胸を弾ませているとテレビからは強制捜査の様子を伝える音が車の中に響いていく。
教祖、大樹寺雫の演説が車という密閉された空間を支配する。二人は黙って教祖の演説に耳を澄ませていた。
彼女の演説は聞きやすくまた、敵をハッキリと位置付けており、非常に分かりやすかった。けれども、何処か腑に落ちない点があった。二人が固唾を呑んでその様を見守っていると、運転席に座っていた桃屋弁護士がテレビの演説に口を挟む。
「やはり、小説『神の正義』か……私の見たところ、彼女は大分、影響を受けているな。演説の端々にそれが垣間見えるよ」
「小説『神の正義』ってやっぱりあの?」
「あぁ、古来から存在する名著だよ。発表されたのは20世紀だが、既に300年も読み継がれている傑作だ。神とは何か、正義とは何か、という哲学を秘めた奴でね」
桃屋弁護士は『神の正義』の解説を終えると、大樹寺について思う事を二人に語っていく。彼は話した。例え、自身の仕えるボスとその親友の不興を買ったとしても自分の思うところは話しておきたかったのだ。
案の定、彼は眉を顰めて、
「大樹寺は必要だなんて意見には同意しかねるよ。大樹寺は人々の生き血を吸い取る吸血鬼の様な女じゃあないか!裁判所の記録を読んだの!?末端の信者が極貧の生活をする中、あいつは豪華なホテルの様な部屋で過ごし、昌原同様に教祖としての権限を幼い子どもにーー」
「だがね、バプテスト・アナベル教は社会的弱者救済の処置も取っていた。事実、家庭内暴力から逃げるために教団に駆け込んだ人も多数居たよ」
「そんなのーー」
「詭弁だと言いたいんだろう?だがね、その人たちにとっては教団の方がありがたいと思っていたんだろう。だから、あんな状況になったとしても彼ら彼女らは大樹寺に救いを求めたんだろう」
桃屋弁護士はそれだけ言うと後は黙ってアクセルを吹かし、ハンドルを握って空中浮遊車を前へ前へと動かしていく。
テレビカメラには相変わらず大樹寺の演説が垂れ流されていく。恐らく、中継を取るという目的があるため放送を中断する事もできないのだろう。
この世には居ないと思われた生物が火炎を噴き、警察相手に暴れ回る姿とそれに同調して警察を攻撃する信者の姿が大樹寺の声と共にテレビに映る。ホログラムで立体的に映る24世紀のテレビカメラの中に居る竜の姿は酷く不相応に見えた。
テレビカメラで警察とバプテスト・アナベル教の戦いを映し出している間、二人の少年は無言だった。
運転手役の弁護士は少年たちの意思を汲んでか、口を挟む事なく無言で車を走らせていく。
ビッグ・オオサカに辿り着いたのはその日の夕方だった。
柿谷淳太は車の扉が開くなり、兄の眠っている病院へと駆け込む。
装置を外し弱々しく看護師と談笑する兄の懐に愛らしい歳の離れた弟は飛び込む。
そして、涙を流しながら兄の帰還を喜ぶ。そんな弟の髪を兄は優しく撫でていく。
ひとしきり喜びの抱擁を終えた後に兄は弟に向かって言った。
「……淳太、おれはな、呉に行かなくちゃあ行けない。一刻も早く大樹寺の野望を砕かなくちゃあな」
そう発した途端に彼は体が痛むのかとうっと短い悲鳴を上げる。
淳太は慌てて兄の元に駆け寄り、兄の痛む箇所を押さえる。
「兄さんダメだよ!寝てなくちゃあ!」
「ダメだ……あそこには孝太郎や孝太郎の仲間が大樹寺を逮捕するために動いているんだ。おれが動かなくてどうする……」
すると、またしてもううと悲鳴を上げて唸り声を上げる淳一。弟がもう一度、彼に助けの手を差し伸べようとした時だ。
「無理はいかんよ。キミは大人しくしていなければ」
「……起きて早々、お前の面を見る事になるとはな。クソッタレ」
「おいおい、寝ていたキミの代わりにキミの弟の面倒を見ていた保護者にその言い分はないんじゃあないのか?」
見えない火花を飛ばして睨み合う二人の間に淳太と浩輔の二人が割り込む事により、一色触発の状態は脱していく。
だが、淳一は気分を害したらしく、浩輔と桃屋弁護士の両名を追い出し、弟と二人っきりになる。
それから、真剣な瞳で弟と向き合うと、
「お前、今すぐあいつの家を出ろ。また以前と同じ様におれと暮らすんだ」
「そのつもりだけど、でもなんで今すぐなんて急なーー」
ここで淳一は勢いよく弟の腕を掴んで、弟に自身の刈谷組への評価を語っていく。
「いいか!刈谷一族っていうのは白籠市を支配するヤクザなんだよ!あいつの兄の阿里耶はお前を人質におれに犯罪を見逃せって言ってきやがった!その時に出汁に使われたのがお前なんだ!」
「でも、浩輔くんは関係ないんじゃーー」
「刈谷一族だぞ!あの兄弟の悪行のために苦しんだ奴らが何人いると思う!?浩輔が悪行に加わらなかったのはたまたま小さかったからーー」
「違うよ!ぼくの友達を悪く言わないでよ!」
淳太が涙目になったところで淳一は言い過ぎに気が付いたのか、小さな声で謝罪の言葉を述べる。
その後は二人で積もる話をして追い出される時間ギリギリまで話した。
淳一は淳太と話す中で改めて決意を固めていく。こんな風にまた安心して話せるために、今夜中にでも病院を抜け出して呉に向かうと。
どうせ、どうでも良い事を喚き散らしているに違いない。大樹寺は上空のヘリでマイクを握りながら、いい加減な事を捲し立てるアナウンサーと思われるスーツ姿の女性を睨む。
だが、彼女はある方法を思い付く。不愉快だとしても、利用できるものは利用しておかなくては損だろう。
そんな思いから、彼女は懐から小型の音を拡散するための機械を取り出す。
四角い機械は翼が生えて主人の声を待ち侘びる。この機械は街頭演説の際に政治家が声を響かせるために重宝しているものであり、また一般人はキャンプなどの際に子どもがいつでも親の声が聞こえるように預けておくのだという。
大樹寺は音の拡声器を飛ばし、更に小型のマイクを取り出して演説を行う。
テレビカメラの向こう、一億人を超える日本共和国の人々に向かって。
「兄さんが目覚めたって!?」
柿谷淳太は親友の刈谷浩輔に向かって問い掛ける。浩輔は何も言わずに無言で首を縦に動かす。
淳太は親友が学校に行くよりも前に自分を強引に車に押し込んだわけを今、ようやく理解した気がした。
彼が懐かしの兄との再会を夢見て、胸を弾ませているとテレビからは強制捜査の様子を伝える音が車の中に響いていく。
教祖、大樹寺雫の演説が車という密閉された空間を支配する。二人は黙って教祖の演説に耳を澄ませていた。
彼女の演説は聞きやすくまた、敵をハッキリと位置付けており、非常に分かりやすかった。けれども、何処か腑に落ちない点があった。二人が固唾を呑んでその様を見守っていると、運転席に座っていた桃屋弁護士がテレビの演説に口を挟む。
「やはり、小説『神の正義』か……私の見たところ、彼女は大分、影響を受けているな。演説の端々にそれが垣間見えるよ」
「小説『神の正義』ってやっぱりあの?」
「あぁ、古来から存在する名著だよ。発表されたのは20世紀だが、既に300年も読み継がれている傑作だ。神とは何か、正義とは何か、という哲学を秘めた奴でね」
桃屋弁護士は『神の正義』の解説を終えると、大樹寺について思う事を二人に語っていく。彼は話した。例え、自身の仕えるボスとその親友の不興を買ったとしても自分の思うところは話しておきたかったのだ。
案の定、彼は眉を顰めて、
「大樹寺は必要だなんて意見には同意しかねるよ。大樹寺は人々の生き血を吸い取る吸血鬼の様な女じゃあないか!裁判所の記録を読んだの!?末端の信者が極貧の生活をする中、あいつは豪華なホテルの様な部屋で過ごし、昌原同様に教祖としての権限を幼い子どもにーー」
「だがね、バプテスト・アナベル教は社会的弱者救済の処置も取っていた。事実、家庭内暴力から逃げるために教団に駆け込んだ人も多数居たよ」
「そんなのーー」
「詭弁だと言いたいんだろう?だがね、その人たちにとっては教団の方がありがたいと思っていたんだろう。だから、あんな状況になったとしても彼ら彼女らは大樹寺に救いを求めたんだろう」
桃屋弁護士はそれだけ言うと後は黙ってアクセルを吹かし、ハンドルを握って空中浮遊車を前へ前へと動かしていく。
テレビカメラには相変わらず大樹寺の演説が垂れ流されていく。恐らく、中継を取るという目的があるため放送を中断する事もできないのだろう。
この世には居ないと思われた生物が火炎を噴き、警察相手に暴れ回る姿とそれに同調して警察を攻撃する信者の姿が大樹寺の声と共にテレビに映る。ホログラムで立体的に映る24世紀のテレビカメラの中に居る竜の姿は酷く不相応に見えた。
テレビカメラで警察とバプテスト・アナベル教の戦いを映し出している間、二人の少年は無言だった。
運転手役の弁護士は少年たちの意思を汲んでか、口を挟む事なく無言で車を走らせていく。
ビッグ・オオサカに辿り着いたのはその日の夕方だった。
柿谷淳太は車の扉が開くなり、兄の眠っている病院へと駆け込む。
装置を外し弱々しく看護師と談笑する兄の懐に愛らしい歳の離れた弟は飛び込む。
そして、涙を流しながら兄の帰還を喜ぶ。そんな弟の髪を兄は優しく撫でていく。
ひとしきり喜びの抱擁を終えた後に兄は弟に向かって言った。
「……淳太、おれはな、呉に行かなくちゃあ行けない。一刻も早く大樹寺の野望を砕かなくちゃあな」
そう発した途端に彼は体が痛むのかとうっと短い悲鳴を上げる。
淳太は慌てて兄の元に駆け寄り、兄の痛む箇所を押さえる。
「兄さんダメだよ!寝てなくちゃあ!」
「ダメだ……あそこには孝太郎や孝太郎の仲間が大樹寺を逮捕するために動いているんだ。おれが動かなくてどうする……」
すると、またしてもううと悲鳴を上げて唸り声を上げる淳一。弟がもう一度、彼に助けの手を差し伸べようとした時だ。
「無理はいかんよ。キミは大人しくしていなければ」
「……起きて早々、お前の面を見る事になるとはな。クソッタレ」
「おいおい、寝ていたキミの代わりにキミの弟の面倒を見ていた保護者にその言い分はないんじゃあないのか?」
見えない火花を飛ばして睨み合う二人の間に淳太と浩輔の二人が割り込む事により、一色触発の状態は脱していく。
だが、淳一は気分を害したらしく、浩輔と桃屋弁護士の両名を追い出し、弟と二人っきりになる。
それから、真剣な瞳で弟と向き合うと、
「お前、今すぐあいつの家を出ろ。また以前と同じ様におれと暮らすんだ」
「そのつもりだけど、でもなんで今すぐなんて急なーー」
ここで淳一は勢いよく弟の腕を掴んで、弟に自身の刈谷組への評価を語っていく。
「いいか!刈谷一族っていうのは白籠市を支配するヤクザなんだよ!あいつの兄の阿里耶はお前を人質におれに犯罪を見逃せって言ってきやがった!その時に出汁に使われたのがお前なんだ!」
「でも、浩輔くんは関係ないんじゃーー」
「刈谷一族だぞ!あの兄弟の悪行のために苦しんだ奴らが何人いると思う!?浩輔が悪行に加わらなかったのはたまたま小さかったからーー」
「違うよ!ぼくの友達を悪く言わないでよ!」
淳太が涙目になったところで淳一は言い過ぎに気が付いたのか、小さな声で謝罪の言葉を述べる。
その後は二人で積もる話をして追い出される時間ギリギリまで話した。
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