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第七部『エイジェント・オブ・クリミナル』
強制捜査への対処法
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大樹寺雫は厳かな顔付きで自分の周りに集まった幹部連中を見回していく。
セーラー服姿の教祖は未だに現れない幹部の氷上麗央を待ち侘びていたのか、些か乱暴に腰を掛けていた。椅子の上でふんぞり返ってはいたものの、そこは長年、部下を観察していたわけではない。
彼女はそれ以上の傲慢な態度を取る事なく、氷上を待っていた。
そして、ようやく氷上麗央が会議を行うための部屋に姿を表す。
氷上は平身低頭。彼は大樹寺に何度も頭を下げ、ようやく自分の椅子に腰を下ろす。
雫は彼が現れたのを見て咳払いをして、本題へと入っていく。
「……幹部のみんなに聞きたいんだけれども、強制捜査はあるよね?」
その言葉を聞いて全員が各々の態度は違えども首を縦に動かしていく。
それはそうだろう。教祖や教団への誹謗中傷を行う女性を論破し、コテンパンにし、その姿をテレビカメラの前で見せ付ける事により、今後は教団に逆らう人間を減らすための処置であの様な事になったのだから。
加えて、孝太郎から飛び出したあの言葉。あれで人々は大樹寺並びに教団への不審を強めていったに違いない。吉田稔も馬鹿な証言をしたものだ。
大樹寺は苛立ったのか、彼女の指に爪を噛んだ跡が見受けられた。
彼女はそれでもそれ以上の隙を与える事なく、教祖としての表情を作り上げて周りの幹部たちに向かって語り掛けていく。
「……強制捜査の手を免れるための良い手段はある?」
大樹寺の提案に彩湊が手を挙げて、
「私は東京都庁に小包を送るのが良いかと思われます。その上で大統領官邸に襲撃をかけ、大統領を人質に取ります。同時に伊勢皇国の方にも我ら教団の人間を潜り込ませ、皇国警察を制圧してから、皇室を人質に取る。それが妙案でしょう」
「国家そのものに戦争を仕掛けるという事だよね?でも、少し手間がかかり過ぎるんじゃあないかな?」
「と、言いますと?」
「第一に、今のわたし達に伊勢皇国の中に兵隊を潜り込ませる余裕なんてない。その上、爆弾の数が足らない。近隣住民やら連日張り付いている被害者の会の連中やらが、爆弾に纏わる音を聞いて証言を出せば一貫の終わり」
「何も終わりというわけではないでしょう?」
と、藩金蓮が口を挟む。彼女は真剣な表情で話を続けていく。今後の教団の方針を決めるための会議に。
「近隣住民や被害者の会を名乗る声だけが多い連中の証言がなんです。我々の力で奴らもろとも警察を人形に捧げれば良いだけの事でしょう」
「その通りです!」
赤い髪の女騎士、エリカ・スカーレットが机を叩いて叫ぶ。
「我々の力をこの国の政府や市民どもに見せつけてやりましょう!三年前の昌原道明以上の事をやってやろうではありませんか!」
『昌原道明以上の事』というエリカの言葉が大樹寺の破壊衝動だとか、テロ衝動の様なものを刺激したに違いない。
彼女は口元に微かな笑みを浮かべながら首を縦に動かす。
彩湊が提案し、二人の側近が後押ししたこの計画で纏まろうとした時だ。
突然、異議を唱える声が聞こえて全員がその方向に視線を向けていく。
異議を唱えたのはこのメンバーの中で唯一遅刻をした氷上麗央。
彼は口元の端を吊り上げて、腕を組みながら言う。
「待ちなよ。我がご主人様。あんた、このままでいいのかい?」
「そりゃあ、そうするしか……」
「違う、違う、おれが言いたいのはだな……スパイの言う事を間に受けていいのかって言いたいんだよ」
「無礼な!」
「わたし達を疑うつもり!?」
エリカは立ち上がり、藩金蓮はそれだけでは飽き足らずに氷上に向かって掴み掛かっていく。
だが、それでも尚、氷上は笑顔を崩さない。
「落ち着きなよ。おれはあんたじゃあないと言っているつもりだぜ。スパイの証拠はバッチリと掴んだ。今日、遅れたのはそのためさ」
氷上はそう言うと懐から一つの携帯端末を取り出す。
女性と思われるデザインから氷上のものではなさそうだが。
全員が困惑の表情を浮かべていると、氷上はニヤニヤとした顔で笑いながら告げる。
「そいつはエリカ・スカーレットの携帯端末さぁ。こいつを解読するのには苦戦したぜぇ」
氷上は携帯端末を取り上げると、親指を使って画面を操作していく。
そして、巧妙に隠されたある部分をその場に集まった全員に掲示させていく。
エリカ・スカーレットがスパイだという確固たる証拠。ユニオン帝国のCIAとの繋がりを示唆するやり取り。
これだけで十分過ぎただろう。全員がエリカに疑惑の目を向けていく。
エリカは即座に魔法を使用してその場から逃れようとしたが、その前に氷上が彼の首元に仕込刀を突き付けたので動けなくなってしまう。
「おっと、動くなよ。教祖、こいつをどうなさいますか?」
氷上は楽しそうな表情を浮かべて唇を舐め回す。その様子はまさにサディスト。
これから、人を甚振ろうと考える変態の表情。彼女を生かすも殺すも全ては中央に腰掛ける教祖の鶴の一声。
エリカはかつてない動悸を感じていく。
彼女はやっとの思いで声を絞り出し、教祖に命乞いを行う。
「お許しを……確かに、わたしはCIAのスパイでした。けれども、あなた様の素晴らしい教えを聞いて改心したんです!今までのわたしは間違っていたと……」
媚びる様な表情で請願する自分の姿は傍目に見たら随分と哀れに思えるだろう。
まるで、狼に命乞いする子羊。
だが、それでもしないよりはいいだろう。エリカは何とか子羊の仮面を被り、請願していく。
雫は暫くの間、氷上に脅されているエリカを見て侮蔑の目を向けていたが、直ぐに冷徹な声で宣告を行う。
「許す」
まさかの一言。どうやら、教祖は自分を許してくれたらしい。
エリカはホッとしたのだが、そこから更に続く教祖の言葉で彼女は奈落の底へと落とされてしまう。
「けれどね、状況が状況だからさ、あなたには改めてわたしの教えを受けてもらうよ」
彼女はそう言うと楽しげな表情で指を鳴らす。
すると、この場に集まった数人の幹部の手で彼女は拘束されてしまう。
「フフフ、確か、マリヤの護衛にもCIAの男がいたよね?CIAとCIAとが戦ったら面白いとは思わない?」
どうやら、騙せてはいなかったらしい。彼女は思わぬ事態により、別な計画が思い付いた事を心の底から喜ぶ。
マリヤもろともあの刑事を地獄へと叩き落とすのもそう遠い日の事ではないだろう。
セーラー服姿の教祖は未だに現れない幹部の氷上麗央を待ち侘びていたのか、些か乱暴に腰を掛けていた。椅子の上でふんぞり返ってはいたものの、そこは長年、部下を観察していたわけではない。
彼女はそれ以上の傲慢な態度を取る事なく、氷上を待っていた。
そして、ようやく氷上麗央が会議を行うための部屋に姿を表す。
氷上は平身低頭。彼は大樹寺に何度も頭を下げ、ようやく自分の椅子に腰を下ろす。
雫は彼が現れたのを見て咳払いをして、本題へと入っていく。
「……幹部のみんなに聞きたいんだけれども、強制捜査はあるよね?」
その言葉を聞いて全員が各々の態度は違えども首を縦に動かしていく。
それはそうだろう。教祖や教団への誹謗中傷を行う女性を論破し、コテンパンにし、その姿をテレビカメラの前で見せ付ける事により、今後は教団に逆らう人間を減らすための処置であの様な事になったのだから。
加えて、孝太郎から飛び出したあの言葉。あれで人々は大樹寺並びに教団への不審を強めていったに違いない。吉田稔も馬鹿な証言をしたものだ。
大樹寺は苛立ったのか、彼女の指に爪を噛んだ跡が見受けられた。
彼女はそれでもそれ以上の隙を与える事なく、教祖としての表情を作り上げて周りの幹部たちに向かって語り掛けていく。
「……強制捜査の手を免れるための良い手段はある?」
大樹寺の提案に彩湊が手を挙げて、
「私は東京都庁に小包を送るのが良いかと思われます。その上で大統領官邸に襲撃をかけ、大統領を人質に取ります。同時に伊勢皇国の方にも我ら教団の人間を潜り込ませ、皇国警察を制圧してから、皇室を人質に取る。それが妙案でしょう」
「国家そのものに戦争を仕掛けるという事だよね?でも、少し手間がかかり過ぎるんじゃあないかな?」
「と、言いますと?」
「第一に、今のわたし達に伊勢皇国の中に兵隊を潜り込ませる余裕なんてない。その上、爆弾の数が足らない。近隣住民やら連日張り付いている被害者の会の連中やらが、爆弾に纏わる音を聞いて証言を出せば一貫の終わり」
「何も終わりというわけではないでしょう?」
と、藩金蓮が口を挟む。彼女は真剣な表情で話を続けていく。今後の教団の方針を決めるための会議に。
「近隣住民や被害者の会を名乗る声だけが多い連中の証言がなんです。我々の力で奴らもろとも警察を人形に捧げれば良いだけの事でしょう」
「その通りです!」
赤い髪の女騎士、エリカ・スカーレットが机を叩いて叫ぶ。
「我々の力をこの国の政府や市民どもに見せつけてやりましょう!三年前の昌原道明以上の事をやってやろうではありませんか!」
『昌原道明以上の事』というエリカの言葉が大樹寺の破壊衝動だとか、テロ衝動の様なものを刺激したに違いない。
彼女は口元に微かな笑みを浮かべながら首を縦に動かす。
彩湊が提案し、二人の側近が後押ししたこの計画で纏まろうとした時だ。
突然、異議を唱える声が聞こえて全員がその方向に視線を向けていく。
異議を唱えたのはこのメンバーの中で唯一遅刻をした氷上麗央。
彼は口元の端を吊り上げて、腕を組みながら言う。
「待ちなよ。我がご主人様。あんた、このままでいいのかい?」
「そりゃあ、そうするしか……」
「違う、違う、おれが言いたいのはだな……スパイの言う事を間に受けていいのかって言いたいんだよ」
「無礼な!」
「わたし達を疑うつもり!?」
エリカは立ち上がり、藩金蓮はそれだけでは飽き足らずに氷上に向かって掴み掛かっていく。
だが、それでも尚、氷上は笑顔を崩さない。
「落ち着きなよ。おれはあんたじゃあないと言っているつもりだぜ。スパイの証拠はバッチリと掴んだ。今日、遅れたのはそのためさ」
氷上はそう言うと懐から一つの携帯端末を取り出す。
女性と思われるデザインから氷上のものではなさそうだが。
全員が困惑の表情を浮かべていると、氷上はニヤニヤとした顔で笑いながら告げる。
「そいつはエリカ・スカーレットの携帯端末さぁ。こいつを解読するのには苦戦したぜぇ」
氷上は携帯端末を取り上げると、親指を使って画面を操作していく。
そして、巧妙に隠されたある部分をその場に集まった全員に掲示させていく。
エリカ・スカーレットがスパイだという確固たる証拠。ユニオン帝国のCIAとの繋がりを示唆するやり取り。
これだけで十分過ぎただろう。全員がエリカに疑惑の目を向けていく。
エリカは即座に魔法を使用してその場から逃れようとしたが、その前に氷上が彼の首元に仕込刀を突き付けたので動けなくなってしまう。
「おっと、動くなよ。教祖、こいつをどうなさいますか?」
氷上は楽しそうな表情を浮かべて唇を舐め回す。その様子はまさにサディスト。
これから、人を甚振ろうと考える変態の表情。彼女を生かすも殺すも全ては中央に腰掛ける教祖の鶴の一声。
エリカはかつてない動悸を感じていく。
彼女はやっとの思いで声を絞り出し、教祖に命乞いを行う。
「お許しを……確かに、わたしはCIAのスパイでした。けれども、あなた様の素晴らしい教えを聞いて改心したんです!今までのわたしは間違っていたと……」
媚びる様な表情で請願する自分の姿は傍目に見たら随分と哀れに思えるだろう。
まるで、狼に命乞いする子羊。
だが、それでもしないよりはいいだろう。エリカは何とか子羊の仮面を被り、請願していく。
雫は暫くの間、氷上に脅されているエリカを見て侮蔑の目を向けていたが、直ぐに冷徹な声で宣告を行う。
「許す」
まさかの一言。どうやら、教祖は自分を許してくれたらしい。
エリカはホッとしたのだが、そこから更に続く教祖の言葉で彼女は奈落の底へと落とされてしまう。
「けれどね、状況が状況だからさ、あなたには改めてわたしの教えを受けてもらうよ」
彼女はそう言うと楽しげな表情で指を鳴らす。
すると、この場に集まった数人の幹部の手で彼女は拘束されてしまう。
「フフフ、確か、マリヤの護衛にもCIAの男がいたよね?CIAとCIAとが戦ったら面白いとは思わない?」
どうやら、騙せてはいなかったらしい。彼女は思わぬ事態により、別な計画が思い付いた事を心の底から喜ぶ。
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