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第七部『エイジェント・オブ・クリミナル』
終わるのはお前か、オレかーその13
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刀と青龍刀とが打ち合い、小刻みの良い音を響かせるたびに彼の胸も自然と高鳴っていく。なんて楽しい戦いなのだろう。こうなってしまっては終わらせたくなくなる。手に握っている青龍刀を振るうたびにそう思ってしまう。
不謹慎であるのは分かっている。重い青龍刀を打つたびに左足から血が多少なりとも溢れる事も。
それでも、エドガー=袁はいや、袁高俅はこの時がずっと続いてほしいと思っていた。
武器や魔法をぶつけ合うこの魂のぶつかり合う戦が。
袁はそう思うと同時にこれまで、誰も防いだ事のない大きな破壊振動を巻き付けた青龍刀を彼の真下に向かって振るう。
自身の特大魔法。加えて真下からの攻撃。これは防ぎにくい。勝負の決着は付いてしまった様なものかもしれない。
だが、孝太郎は動じない。いや、よく見れば冷や汗をかいてはいるかもしれないが、それでも表立った動揺の様子は見せていない。
袁は心の中で心の底からの賛辞を贈る。ネイティブ・アメリカンの血を引く中村孝太郎。袁は彼を彼の祖先がアメリカの騎兵隊と戦っていた時に彼らをその勇気で怯えさせた姿と無意識のうちに被らせていた。あの偉大なる魂が、姿が第七騎兵隊を全滅させたのではないか。
袁はそう考えると感極まったものを感じて全身を震わせていく。
だが、青龍刀を真下から振るった際に体を震わせたのは間違いであったらしい。孝太郎は血に塗れて生命線やら感情線やらから血を溢れさせながらもまた新たに青龍刀の魔法を解除させ、そして、右足で地面を大きく踏み、両手で刀の柄を強く握り締め、袁の右足に向かって刀を構えていく。
ただし向ける刃は真剣ではない。あくまでも峰。
黒色の刃が腹に当たり、眠らせる三段なのだろう。袁はその思惑には乗るまいと、痛む左脚に無理矢理いう事を聞かせてその場を去っていく。
そして、もう一度、魔法を纏わせた青龍刀を構えて突っ込む。
今度は孝太郎も刀に破壊の魔法を纏わせて相殺を狙う。互いの武器が震わせて空中にて交わり合う。
金属と金属とが重なり合わさり、全てのものを衝撃のままに破壊していく魔法と物、魔法問わずに破壊する魔法とがぶつかり合い、嵐を思わせる轟音を周囲に吹き鳴らしていく。そして、嵐にはつきものの恐ろしい風や雨を思わせる魔法の余波とも言える衝撃波があちこちに刺さっていく。
その後は単なる斬り合い。真下から、真上から互いに剣を振るい、片方は命を、片方は隙を狙っていく。その様は時代劇の真剣勝負を思わせる戦いを見ている人々に思わせた。
何度打ち合ったのだろう。互いに時間を忘れさせるくらいに斬り合っていた。
戦いの様は彼の好きな古典中の古典『水滸伝』で関勝が彼と同じ様な青龍刀を用いて敵を倒していく様を思い起こさせた。
再度、刀を振るい孝太郎の命を狙おうとした時だ。彼の左足から更なる血が噴き出して地面の上を流れていく。雨が降った後で地面の上を残り香の様に流れる雨水の様にチョロチョロと。
もうそろそろ潮時かもしれない。そう考えた時に目の前の刑事も手から溢れ出る血のためか歯をガタガタと鳴らす様が見えてしまう。向こうも同じくらい弱っているのだろう。
袁高俅はならば……と最後の勝負を仕掛けた。彼が青龍刀を携えて孝太郎に最後の勝負を仕掛けた時だ。彼は不意に方角を変えて孝太郎の前に両手を広げて立ち塞がっていく。
同時に彼の体が左上から斬り裂かれ、彼の体から左足から流れ出る血とは比較にならないまでの血が吹き流れていく。
彼の体から出た血が背後に立っていた孝太郎の顔にまで飛んでいく。彼の温かい血が、生きていた証拠が頬の上を伝っていき、同時に茶色いはずのスーツを彼の血の色で染め上げていく。
顔の半分を血に染めた彼はようやく地面の上で大の字になり、倒れている袁高俅の元へと駆け寄っていく。
「おい!しっかりしろ!」
孝太郎の心配する瞳が彼の瞳にも映る。それを見て彼は口から血を流しながらも、安心した様な微笑みを浮かべて言う。
「……オレはもう終わりだ。あんたら警察には悪いがここで死なせてもらうぜ、だが、あんたは特別だ。いい事を教えてやろう」
「何だ?」
「……教団の奴ら、とんでもない爆弾を仕入れてる。恐らく今日の計画が失敗しても、次はそれを使ってのテロを起こすだろうな」
「その爆弾は何なんだ!?教えろ!」
先程までは仲間を殺された恨みからか、男に対して淡々とした口調であった彼も教団の更なる秘密を知れるとなると声を荒げて尋ねたのだろう。
その人間らしい反応に対し、彼は口元を微かに緩めて答える。
「……扈三娘の奴が大人の命令で持ってきた小型のーー」
それ以上、言い終わる前に短くて乾いた音が響き、彼の頭に銃弾が飛び、彼の生命を終わらせてしまう。
孝太郎はそれを見ると、咄嗟に背後へと飛び、刀を構える。
同時に、何もなかったはずの空間から男が姿を表す。
孝太郎はその男の顔に見覚えがあった。いや、あの顔は忘れたくても忘れられるものではないだろう。
孝太郎はその忌々しい名前を口から絞り出す様に言う。
「……氷上麗央」
男は歯を震わせる孝太郎に対し、氷上は余裕たっぷりの声で答える。
「久し振りだな。まさか、あんたがロシアの大司教、マリヤ・カレニーナの警備を担当していたとはな。どうやら、あんたとロシアとの縁は相当に深いものがあるらしい」
氷上のその言葉で彼はかつての事件を思い返す。
三年前、彼と彼の仲間とはロシアと並々ならぬ因縁があった。本多太郎市長の一件を始め、一行が20世紀の中頃に飛ぶ事になったのも一重にはロシアのせい。
いや、それは暴論か。でも、最初の聖杯の欠片を巡る争いでロシアのテロリストが絡まなければ事態はあそこまで複雑に絡まなかった様な気がしてならない。
孝太郎がそう考えていると、目の前に立っていたはずの氷上の姿が消えてしまった事に気が付く。
孝太郎が慌てて左右を確認すると、真後ろから彼が姿を見せた事に気が付く。
孝太郎はそれを刀を盾にして受け止める。が、氷上が両手に持つ仕込刀は袁高俅の刀とは違い、それ程までに強力な魔法などではない筈であるのに、孝太郎の右手に鋭い衝撃が走っていく。
その痛みに思わず両目を閉じる孝太郎。
彼の痛がる様子に耐えきれなかったのか、姉の絵里子が孝太郎の元へと駆け寄っていく。
それを見た氷上は孝太郎から手に持っていた仕込刀を離し、絵里子に向かって刀を突き立てていく。
孝太郎は背後から刀を振って止めるものの、刀の刃先と絵里子との距離はほんの僅か。かろうじて小さな羽虫が通れる程の距離。
孝太郎は痛みに耐えながら、第二戦を行う事を決意した。
不謹慎であるのは分かっている。重い青龍刀を打つたびに左足から血が多少なりとも溢れる事も。
それでも、エドガー=袁はいや、袁高俅はこの時がずっと続いてほしいと思っていた。
武器や魔法をぶつけ合うこの魂のぶつかり合う戦が。
袁はそう思うと同時にこれまで、誰も防いだ事のない大きな破壊振動を巻き付けた青龍刀を彼の真下に向かって振るう。
自身の特大魔法。加えて真下からの攻撃。これは防ぎにくい。勝負の決着は付いてしまった様なものかもしれない。
だが、孝太郎は動じない。いや、よく見れば冷や汗をかいてはいるかもしれないが、それでも表立った動揺の様子は見せていない。
袁は心の中で心の底からの賛辞を贈る。ネイティブ・アメリカンの血を引く中村孝太郎。袁は彼を彼の祖先がアメリカの騎兵隊と戦っていた時に彼らをその勇気で怯えさせた姿と無意識のうちに被らせていた。あの偉大なる魂が、姿が第七騎兵隊を全滅させたのではないか。
袁はそう考えると感極まったものを感じて全身を震わせていく。
だが、青龍刀を真下から振るった際に体を震わせたのは間違いであったらしい。孝太郎は血に塗れて生命線やら感情線やらから血を溢れさせながらもまた新たに青龍刀の魔法を解除させ、そして、右足で地面を大きく踏み、両手で刀の柄を強く握り締め、袁の右足に向かって刀を構えていく。
ただし向ける刃は真剣ではない。あくまでも峰。
黒色の刃が腹に当たり、眠らせる三段なのだろう。袁はその思惑には乗るまいと、痛む左脚に無理矢理いう事を聞かせてその場を去っていく。
そして、もう一度、魔法を纏わせた青龍刀を構えて突っ込む。
今度は孝太郎も刀に破壊の魔法を纏わせて相殺を狙う。互いの武器が震わせて空中にて交わり合う。
金属と金属とが重なり合わさり、全てのものを衝撃のままに破壊していく魔法と物、魔法問わずに破壊する魔法とがぶつかり合い、嵐を思わせる轟音を周囲に吹き鳴らしていく。そして、嵐にはつきものの恐ろしい風や雨を思わせる魔法の余波とも言える衝撃波があちこちに刺さっていく。
その後は単なる斬り合い。真下から、真上から互いに剣を振るい、片方は命を、片方は隙を狙っていく。その様は時代劇の真剣勝負を思わせる戦いを見ている人々に思わせた。
何度打ち合ったのだろう。互いに時間を忘れさせるくらいに斬り合っていた。
戦いの様は彼の好きな古典中の古典『水滸伝』で関勝が彼と同じ様な青龍刀を用いて敵を倒していく様を思い起こさせた。
再度、刀を振るい孝太郎の命を狙おうとした時だ。彼の左足から更なる血が噴き出して地面の上を流れていく。雨が降った後で地面の上を残り香の様に流れる雨水の様にチョロチョロと。
もうそろそろ潮時かもしれない。そう考えた時に目の前の刑事も手から溢れ出る血のためか歯をガタガタと鳴らす様が見えてしまう。向こうも同じくらい弱っているのだろう。
袁高俅はならば……と最後の勝負を仕掛けた。彼が青龍刀を携えて孝太郎に最後の勝負を仕掛けた時だ。彼は不意に方角を変えて孝太郎の前に両手を広げて立ち塞がっていく。
同時に彼の体が左上から斬り裂かれ、彼の体から左足から流れ出る血とは比較にならないまでの血が吹き流れていく。
彼の体から出た血が背後に立っていた孝太郎の顔にまで飛んでいく。彼の温かい血が、生きていた証拠が頬の上を伝っていき、同時に茶色いはずのスーツを彼の血の色で染め上げていく。
顔の半分を血に染めた彼はようやく地面の上で大の字になり、倒れている袁高俅の元へと駆け寄っていく。
「おい!しっかりしろ!」
孝太郎の心配する瞳が彼の瞳にも映る。それを見て彼は口から血を流しながらも、安心した様な微笑みを浮かべて言う。
「……オレはもう終わりだ。あんたら警察には悪いがここで死なせてもらうぜ、だが、あんたは特別だ。いい事を教えてやろう」
「何だ?」
「……教団の奴ら、とんでもない爆弾を仕入れてる。恐らく今日の計画が失敗しても、次はそれを使ってのテロを起こすだろうな」
「その爆弾は何なんだ!?教えろ!」
先程までは仲間を殺された恨みからか、男に対して淡々とした口調であった彼も教団の更なる秘密を知れるとなると声を荒げて尋ねたのだろう。
その人間らしい反応に対し、彼は口元を微かに緩めて答える。
「……扈三娘の奴が大人の命令で持ってきた小型のーー」
それ以上、言い終わる前に短くて乾いた音が響き、彼の頭に銃弾が飛び、彼の生命を終わらせてしまう。
孝太郎はそれを見ると、咄嗟に背後へと飛び、刀を構える。
同時に、何もなかったはずの空間から男が姿を表す。
孝太郎はその男の顔に見覚えがあった。いや、あの顔は忘れたくても忘れられるものではないだろう。
孝太郎はその忌々しい名前を口から絞り出す様に言う。
「……氷上麗央」
男は歯を震わせる孝太郎に対し、氷上は余裕たっぷりの声で答える。
「久し振りだな。まさか、あんたがロシアの大司教、マリヤ・カレニーナの警備を担当していたとはな。どうやら、あんたとロシアとの縁は相当に深いものがあるらしい」
氷上のその言葉で彼はかつての事件を思い返す。
三年前、彼と彼の仲間とはロシアと並々ならぬ因縁があった。本多太郎市長の一件を始め、一行が20世紀の中頃に飛ぶ事になったのも一重にはロシアのせい。
いや、それは暴論か。でも、最初の聖杯の欠片を巡る争いでロシアのテロリストが絡まなければ事態はあそこまで複雑に絡まなかった様な気がしてならない。
孝太郎がそう考えていると、目の前に立っていたはずの氷上の姿が消えてしまった事に気が付く。
孝太郎が慌てて左右を確認すると、真後ろから彼が姿を見せた事に気が付く。
孝太郎はそれを刀を盾にして受け止める。が、氷上が両手に持つ仕込刀は袁高俅の刀とは違い、それ程までに強力な魔法などではない筈であるのに、孝太郎の右手に鋭い衝撃が走っていく。
その痛みに思わず両目を閉じる孝太郎。
彼の痛がる様子に耐えきれなかったのか、姉の絵里子が孝太郎の元へと駆け寄っていく。
それを見た氷上は孝太郎から手に持っていた仕込刀を離し、絵里子に向かって刀を突き立てていく。
孝太郎は背後から刀を振って止めるものの、刀の刃先と絵里子との距離はほんの僅か。かろうじて小さな羽虫が通れる程の距離。
孝太郎は痛みに耐えながら、第二戦を行う事を決意した。
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