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第七部『エイジェント・オブ・クリミナル』
八本の蛸の様に
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「待ってよ。もー」
刈谷浩輔は学生鞄を下げながら帰り道の中で四人の友人を追い掛けていく。
四人の友人は浩輔の方に向き直って、
「早く行かないと置いていくぞー」
「そうそう、今日は小川先輩の合格発表の日でしょー!」
二人のカップルが浩輔に向かって叫ぶ。今日、浩輔を入れて四人は中学から帰ってきて先輩であり、友人の小川浩子を迎えに行っていたのだった。
小川浩子が受けるのは公立の南高校。中々に偏差値の高い高校である。なので、本日まで全員が遊ぶのを控え、彼女を全力で応援してきたのだ。なので、受験を終える戦士に労いの言葉を掛けるのは当然の義務であると言っても良い。
商店街を走り、通っている中学校より南の端に存在する白籠市内の私立高校へと向かう。
四人が到着するとそこにはちょうど、受験を終えたばかりの小川浩子の姿が見えた。四人が校門の前で待ち構えていると、中学のセーラー服を着た彼女の姿が見える。
浩輔は彼女の姿が見えると、大きく手を振っていく。
「先輩ー!先輩ー!お疲れ様でーす」
浩輔の声と共に小川浩子は彼の存在に気が付き、手を振り返す。
それから、大切な一個下の友人の元に抱きつかんばかりの勢いで駆けていく。
それでも、彼女は抱き着く事なく彼の両手を握る。
「ありがとう!手応えはあったよ!もしかしたら、受かってるかも……」
「良かったじゃないですか!これで受かれば、先輩はエリート街道まっしぐらですよ!」
浩輔の大袈裟な持ち上げに彼女は照れ臭くなったのか苦笑してしまう。
だが、すぐに満面の笑みを浮かべて笑い掛ける。
彼女が笑顔になった事を確認すると、グループ内のカップルの男、阿久津が腕を振り上げて、
「よっしゃーあ!じゃあ、今日は先輩の合格祝いを兼ねて、喫茶店で打ち上げといくかー」
「まだ、受かったわけじゃないってば」
そう嗜めるのは浩輔の親友にして同居人の柿谷淳太。
彼は幼さの残るあどけない顔の持ち主であり、下手をすれば浩輔と同様に女装すれば女性と間違えるほどの美貌を持つ少年であった。
淳太のその指摘に頬を膨らませる阿久津。
彼は暫くの間はそうしてブスッとした表情を浮かべていたが、直ぐに笑顔を取り戻して、別の事を提案する。
「じゃあ、今日は浩輔と淳太と裕子の家でパーティーしようぜ、お前らの家広いからいいだろ?」
「だーめ。今日は松原さんと桃屋さんが重要な話があるんだから。屋敷は使えないんだって」
彼を嗜めるのは夏に編入した橋本裕子と呼ばれる少女。
彼女はあれ以来、実母と絶縁し、あの時に知り合った浩輔と淳太の家に身を寄せていた。
当初は地方からの見知らぬ人間であるという事もあり、中々に馴染めなかったが、浩輔と淳太の二人が何の躊躇いもなく話し掛けている事もあり、彼女は難なくクラスに入れた。
そして、そのままグループの中に入り、小川浩子とも仲を深め、以降は仲良く付き合っているという事である。
だから、この場に彼女が居合わせてもおかしくはないのだ。
裕子はしょげる全員に対して代案を提案する。
「じゃあさ、この次、先輩の合格発表の日にでも、また何処かに行きましょうよ。全員で行けばきっと楽しい筈よ」
「だなー、じゃあさ、また映画館に行くのは?」
「だーめ、孝弘、絶対に自分の観たい映画選ぶじゃん」
恋人の指摘に苦笑いする仲間たち。浩輔はこの時の様な楽しい日々が続くのかとばかり思っていた。
だが、目の前に組員と思われる男の乗った車が現れると、浩輔は表情を一変させ、仲間たちに詫びの言葉を入れてその車の中に乗り込む。
慌てて去って行く浩輔の姿を眺めながら、仲間たちはのっぴきならぬ事態が起きた事を察した。
車の中に乗った真剣な表情の組員を見て、同じ様な顔で事態を尋ねる。
「何かあった?」
「ええ、バイカーの奴らがこっちの押さえを完全に無視してきやがりましてね。とうとう、あのクソどもうちの組員を襲いやがったんでさ」
「処置は?」
「へぇ、上手く撃退しやした」
「ご苦労様」
浩輔は労いの言葉を述べると、そのまま腕を組みながら無言で目の前を見つめていく。
無論、浩輔には伝えられてはいないが、このバイカーのメンバーにはそれ相応の報い、ドラム缶の罰が待っていたのは言うまでもあるまい。
浩輔はバイカーとの喧嘩の事が頭によぎり、最善の策を思案するが上手くはいかない。
加えて、屋敷の前ではわざわざ代行の村上が待ち構えていたのだから相当に拗れている事を中学生の組長は理解した。
村上に出迎えられた彼は桃屋弁護士との三者による会合で対策を練っていく。
『ヤクザとバイカーの戦争か』
孝太郎はこの見出しを見て思わず溜息を吐く。あのテロの事件から早くも一ヶ月。その間、ずっと密輸ルートを探っていたのだが、進展は見られない。
その上、郊外にまでこんな事件が発生したとなればますます捜査は遅れてしまうだろう。
友人に愚痴をぶち撒けたい気持ちであったが、そんな事をしても意味がないのは十分に知っているのでやめておく。
代わりに、孝太郎は煙草を噴かしてその鬱憤を晴らしていく。
部屋の中であるが、深夜の時間帯であり、仲間は誰も残っていないので吸っても大丈夫だろう。
孝太郎が煙草を吸いながら、携帯端末に表示された抗争のニュースを眺めていると、扉を叩く音が聞こえて慌てて煙草を消す。
入室を許可すると、そこには姉の姿が見えた。
「姉貴、帰ったんじゃ?」
「無茶をしている弟を放って帰れるわけじゃあない。あたしも手伝うから。あ、それと、これ差し入れ」
姉は袋に入った食品を置くと、普段、彼女が座る中央の席に座り、これまでのデータを洗い始めていく。
暫くの間は黙々と作業していたが、途中で孝太郎が愚痴を溢した事により、絵里子が抗争についての考察を表す。
と、言ってもそんな大掛かりなものではない。本当に何気ない一言である。
机の上に頬杖を突き、目の前のキーボードを意味もなく叩いている時に溢れた言葉である。
「ねぇ、バイカーって三年前の事件以来、大人しくなった筈よね?それに、鷲峰が殺された事で資金源も絶たれた筈。どうして、刈谷組の様な巨大組織と喧嘩する余裕なんかあるの?」
それを聞くと、孝太郎は勢いよく立ち上がって、
「そうだ!バイカーどもだ!奴らならば何かを知っているかもしれない!」
と、椅子の背にかけていた上着を手に取り、絵里子に手を伸ばす。
「姉貴、行こう、奴らの口から大樹寺の事を吐かせるんだ!」
それを聞いた絵里子は黙って頷き、弟の手を手に取る。
二人は共に部屋を出ると、真夜中の署を出てバイカーのいる郊外へと向かう。
刈谷浩輔は学生鞄を下げながら帰り道の中で四人の友人を追い掛けていく。
四人の友人は浩輔の方に向き直って、
「早く行かないと置いていくぞー」
「そうそう、今日は小川先輩の合格発表の日でしょー!」
二人のカップルが浩輔に向かって叫ぶ。今日、浩輔を入れて四人は中学から帰ってきて先輩であり、友人の小川浩子を迎えに行っていたのだった。
小川浩子が受けるのは公立の南高校。中々に偏差値の高い高校である。なので、本日まで全員が遊ぶのを控え、彼女を全力で応援してきたのだ。なので、受験を終える戦士に労いの言葉を掛けるのは当然の義務であると言っても良い。
商店街を走り、通っている中学校より南の端に存在する白籠市内の私立高校へと向かう。
四人が到着するとそこにはちょうど、受験を終えたばかりの小川浩子の姿が見えた。四人が校門の前で待ち構えていると、中学のセーラー服を着た彼女の姿が見える。
浩輔は彼女の姿が見えると、大きく手を振っていく。
「先輩ー!先輩ー!お疲れ様でーす」
浩輔の声と共に小川浩子は彼の存在に気が付き、手を振り返す。
それから、大切な一個下の友人の元に抱きつかんばかりの勢いで駆けていく。
それでも、彼女は抱き着く事なく彼の両手を握る。
「ありがとう!手応えはあったよ!もしかしたら、受かってるかも……」
「良かったじゃないですか!これで受かれば、先輩はエリート街道まっしぐらですよ!」
浩輔の大袈裟な持ち上げに彼女は照れ臭くなったのか苦笑してしまう。
だが、すぐに満面の笑みを浮かべて笑い掛ける。
彼女が笑顔になった事を確認すると、グループ内のカップルの男、阿久津が腕を振り上げて、
「よっしゃーあ!じゃあ、今日は先輩の合格祝いを兼ねて、喫茶店で打ち上げといくかー」
「まだ、受かったわけじゃないってば」
そう嗜めるのは浩輔の親友にして同居人の柿谷淳太。
彼は幼さの残るあどけない顔の持ち主であり、下手をすれば浩輔と同様に女装すれば女性と間違えるほどの美貌を持つ少年であった。
淳太のその指摘に頬を膨らませる阿久津。
彼は暫くの間はそうしてブスッとした表情を浮かべていたが、直ぐに笑顔を取り戻して、別の事を提案する。
「じゃあ、今日は浩輔と淳太と裕子の家でパーティーしようぜ、お前らの家広いからいいだろ?」
「だーめ。今日は松原さんと桃屋さんが重要な話があるんだから。屋敷は使えないんだって」
彼を嗜めるのは夏に編入した橋本裕子と呼ばれる少女。
彼女はあれ以来、実母と絶縁し、あの時に知り合った浩輔と淳太の家に身を寄せていた。
当初は地方からの見知らぬ人間であるという事もあり、中々に馴染めなかったが、浩輔と淳太の二人が何の躊躇いもなく話し掛けている事もあり、彼女は難なくクラスに入れた。
そして、そのままグループの中に入り、小川浩子とも仲を深め、以降は仲良く付き合っているという事である。
だから、この場に彼女が居合わせてもおかしくはないのだ。
裕子はしょげる全員に対して代案を提案する。
「じゃあさ、この次、先輩の合格発表の日にでも、また何処かに行きましょうよ。全員で行けばきっと楽しい筈よ」
「だなー、じゃあさ、また映画館に行くのは?」
「だーめ、孝弘、絶対に自分の観たい映画選ぶじゃん」
恋人の指摘に苦笑いする仲間たち。浩輔はこの時の様な楽しい日々が続くのかとばかり思っていた。
だが、目の前に組員と思われる男の乗った車が現れると、浩輔は表情を一変させ、仲間たちに詫びの言葉を入れてその車の中に乗り込む。
慌てて去って行く浩輔の姿を眺めながら、仲間たちはのっぴきならぬ事態が起きた事を察した。
車の中に乗った真剣な表情の組員を見て、同じ様な顔で事態を尋ねる。
「何かあった?」
「ええ、バイカーの奴らがこっちの押さえを完全に無視してきやがりましてね。とうとう、あのクソどもうちの組員を襲いやがったんでさ」
「処置は?」
「へぇ、上手く撃退しやした」
「ご苦労様」
浩輔は労いの言葉を述べると、そのまま腕を組みながら無言で目の前を見つめていく。
無論、浩輔には伝えられてはいないが、このバイカーのメンバーにはそれ相応の報い、ドラム缶の罰が待っていたのは言うまでもあるまい。
浩輔はバイカーとの喧嘩の事が頭によぎり、最善の策を思案するが上手くはいかない。
加えて、屋敷の前ではわざわざ代行の村上が待ち構えていたのだから相当に拗れている事を中学生の組長は理解した。
村上に出迎えられた彼は桃屋弁護士との三者による会合で対策を練っていく。
『ヤクザとバイカーの戦争か』
孝太郎はこの見出しを見て思わず溜息を吐く。あのテロの事件から早くも一ヶ月。その間、ずっと密輸ルートを探っていたのだが、進展は見られない。
その上、郊外にまでこんな事件が発生したとなればますます捜査は遅れてしまうだろう。
友人に愚痴をぶち撒けたい気持ちであったが、そんな事をしても意味がないのは十分に知っているのでやめておく。
代わりに、孝太郎は煙草を噴かしてその鬱憤を晴らしていく。
部屋の中であるが、深夜の時間帯であり、仲間は誰も残っていないので吸っても大丈夫だろう。
孝太郎が煙草を吸いながら、携帯端末に表示された抗争のニュースを眺めていると、扉を叩く音が聞こえて慌てて煙草を消す。
入室を許可すると、そこには姉の姿が見えた。
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姉は袋に入った食品を置くと、普段、彼女が座る中央の席に座り、これまでのデータを洗い始めていく。
暫くの間は黙々と作業していたが、途中で孝太郎が愚痴を溢した事により、絵里子が抗争についての考察を表す。
と、言ってもそんな大掛かりなものではない。本当に何気ない一言である。
机の上に頬杖を突き、目の前のキーボードを意味もなく叩いている時に溢れた言葉である。
「ねぇ、バイカーって三年前の事件以来、大人しくなった筈よね?それに、鷲峰が殺された事で資金源も絶たれた筈。どうして、刈谷組の様な巨大組織と喧嘩する余裕なんかあるの?」
それを聞くと、孝太郎は勢いよく立ち上がって、
「そうだ!バイカーどもだ!奴らならば何かを知っているかもしれない!」
と、椅子の背にかけていた上着を手に取り、絵里子に手を伸ばす。
「姉貴、行こう、奴らの口から大樹寺の事を吐かせるんだ!」
それを聞いた絵里子は黙って頷き、弟の手を手に取る。
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