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第六部『鬼麿神聖剣』
吉田神道の逆襲ーその①
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「貴様らに問いたい。何故、貴様らはここまで弱いのか……貴様らの実力不足たる故か?それとも、あの男の魔法には勝てぬと言うのか?」
玉座の上に座るシリウスはその言葉を問いかけ終えた後に、手に握っていたグラスを粉々に砕く。
ワイングラスの欠片がその場にいた全員の頬をかすめた事から、彼がいかに不機嫌なのかをこの場に居座っていた全員が悟った。
全員が無表情で何も感じる事なく、目の前に座る男をジッと眺めていると、唯一先程、善弥に平伏するように指示を出した武士のような黒色の羽織袴を纏った男だけが、冷たい石の上で平伏し直し、彼に向かって低い声で言い訳の言葉を呟く。
「申し訳ござりませぬ。冷泉水平の死は私自らの手で償い致しましょう。頭領のご不興を買ったと言うのならば、天魔の頭とも言うべき、私が責を取るのが一般的ですからな」
男が羽織を脱ぎ、その場で腹を切ろうとするものの、彼はいつの間にか頭領の右手に自分の右手を絡め取られていた。
「と、頭領!?」
「面白い奴だ。その心意気も良し。だが、冷泉水平は妹が推挙した男、お主が責を取るものではない」
シリウスは流暢な日本語を呟き、男をその場に離す。
「では、頭領……あなた様の妹様がこの場にいらっしゃらぬのは『罰』とやらを受けているからでございますか?」
シリウスに問い掛けたのは彼の玉座の直ぐ近くに待機していた唯一の中での唯一のくノ一、出雲五葉。
と言っても今日の彼女は突如、召集されたために、現在の服は今となっては珍しい紫色の唐衣を中心に絹などで作られた着物で構成される豪華な服の象徴とも言える十二単。
彼女がこの時代外れの衣装を身に付けていたのには訳がある。
彼女は幼い頃からこの衣装でいる事を強いられているのだ。そのため、一昔前の朝廷の公家のような衣装を着ているのであった。
五葉の質問に対し、シリウスは頭を横に振って、
「いいや、妹は本日、我が義父コーンウォール氏と日本政府との要人の間に於いての会食の通訳を務めている」
シリウスの言葉は全員に聞けるように大きかった。それだけに、全員が頭領の最愛の妹が不在であった事を悟った。
か、シリウスは顔の上の不満そうな表情を消そうとはしない。
全員の疑問が解けたのが皮切りとなったのだろう。
彼は不機嫌そうな声で周りの忍び達に向かって言った。
「冷泉水平が殺されたとなれば、次にオレに対して忠誠を示すのは誰になる?よもや、できぬと申すのではあるまいな?」
シリウスの言葉に全員が肩を硬らせていく。
だが、そこに一人の男が手を挙げる。男の姿も忍びとは思えぬ歪な姿。
黒色の立鳥帽子。白色の狩衣。足の見えない白色の露先。彼の姿は誰が見てもこう言う言葉を送るだろう。陰陽師と。
その陰陽師の顔は文明開化の時代には似つかわしくない程、古代の平安の時代の人間を思わせる顔であった。
古代の平安時代の貴族を思わせるように、短くて太い黒色の髭を顎の下に生やした中年の男は手を挙げ、シリウスに自身の意見を述べた。
「恐れながら、私がその者どもを始末してご覧に入れましょう。奴らは恐らく、東京を目指すでありましょうから、つい最近列島の中に敷かれた汽車を利用するでしょう。その汽車に私が侵入すれば……」
「全て上手くいくと申すのだな?」
シリウスは玉座の肘掛の上に右手を置き、その右手に顔に頬を当てながら問い掛ける。
「勿論です。拙者は吉田神道を追放された身でござりまするが、まだこの力に陰陽師としての手解きを受けた時の感触は残っておりまする。何卒、ここは拙者に……」
玉座の上の若く美しい異国人の頭領は自分よりも何十歳も年上の吉田老人に対し、玉座の上に背中を深く埋めて、人差し指を突き付けて、
「良かろう。甲賀党全滅の任を貴様に任せるとしよう。弥一には貴様を奴らが汽車に乗るまでの時間をここで過ごすように指示を出しておく。それまで、貴様はそこで待機せぇ」
シリウスの命令に既に五十を過ぎていた吉田老人は恭しく返答し、頭を冷たい石の上に擦り付ける。
それを見届けると、シリウスは指をパチリと鳴らし、弥一を呼び出すと、吉田老人を除く天魔の忍び達を元の場所に送り返すように指示を出す。
弥一は頭を下げて指示に従い、彼らを元の場所へと返していく。
弥太郎を亡くした彼らは一刻も早く、東京へと急ぐ。
彼らの妖魔党への憎悪の念は増していく。
少なくとも、私怨を晴らすだけでは飽きたらない。
妖魔党は今後の日の本を荒らす火種となるだろう。
彼らはそれを見越して急ぐのだ。そして、駅までの時間を急ぎ、汽車をも利用して彼らの元へと向かうのだ。
彼らが電車に乗り込むと、電車はガタガタと動き出し、東京へと向かっていく。
東京へと至るまでの道はどうなる事かと思ったが、とにかく汽車に至るまでの道に妨害が無くて全員が安堵の表情を浮かべる中で、唯一幻斎のみが怪訝そうな顔をしていた。
幻斎の真向かいの席に座る孝太郎が彼にその理由を問うと、彼は両腕を組み、重い口を開いて言った。
「いや、妙じゃと思ってな」
「妙とは?」
「うむ、ここまで妖魔党の刺客が現れなかったと言う事じゃよ。奴らなら、わしらが汽車に乗るのは最大限まで妨害しようとする筈、何せ、昨年の汽車開通以来、全国にその鉄道網は広がり、あらゆる場所に短期間に行けるようになった。だからこそ、奴なら、汽車に乗る前にそれを阻止しようと目論む筈じゃ、なのに攻撃が無いとは……」
その時だ。幻斎の目の前に人形の紙が現れ、それが襲い掛かろうとしていた。
幻斎は慌てて対処しようとしたが、もう遅い。人形の紙は幻斎の顔を覆い隠し、彼の息を奪おうとしていた。
孝太郎は慌てて自分の魔法を使用し、人型の紙を破壊した。
紙が破壊されるのと同時に、幻斎は周囲の忍び達に他の人間に聞こえると言うリスクを顧みる事なく、大きな声で警告の言葉を叫ぶ。
「気を付けろ!この列車にいるぞ!」
その言葉に彼の周囲に座っていた三人の忍び達は一斉に懐に手を入れ、武器を取り出す。
当然、その様子を見た観客達からは悲鳴が聞こえてくる。
「奴め、こうなる事を見越していたな……」
孝太郎は歯を噛み締めながら、この作戦を実行している忍びに向かって憎悪の念を向けていく。
かくして、彼らは列車という密室の空間の中で、戦う事を余儀なくされたのであった。
玉座の上に座るシリウスはその言葉を問いかけ終えた後に、手に握っていたグラスを粉々に砕く。
ワイングラスの欠片がその場にいた全員の頬をかすめた事から、彼がいかに不機嫌なのかをこの場に居座っていた全員が悟った。
全員が無表情で何も感じる事なく、目の前に座る男をジッと眺めていると、唯一先程、善弥に平伏するように指示を出した武士のような黒色の羽織袴を纏った男だけが、冷たい石の上で平伏し直し、彼に向かって低い声で言い訳の言葉を呟く。
「申し訳ござりませぬ。冷泉水平の死は私自らの手で償い致しましょう。頭領のご不興を買ったと言うのならば、天魔の頭とも言うべき、私が責を取るのが一般的ですからな」
男が羽織を脱ぎ、その場で腹を切ろうとするものの、彼はいつの間にか頭領の右手に自分の右手を絡め取られていた。
「と、頭領!?」
「面白い奴だ。その心意気も良し。だが、冷泉水平は妹が推挙した男、お主が責を取るものではない」
シリウスは流暢な日本語を呟き、男をその場に離す。
「では、頭領……あなた様の妹様がこの場にいらっしゃらぬのは『罰』とやらを受けているからでございますか?」
シリウスに問い掛けたのは彼の玉座の直ぐ近くに待機していた唯一の中での唯一のくノ一、出雲五葉。
と言っても今日の彼女は突如、召集されたために、現在の服は今となっては珍しい紫色の唐衣を中心に絹などで作られた着物で構成される豪華な服の象徴とも言える十二単。
彼女がこの時代外れの衣装を身に付けていたのには訳がある。
彼女は幼い頃からこの衣装でいる事を強いられているのだ。そのため、一昔前の朝廷の公家のような衣装を着ているのであった。
五葉の質問に対し、シリウスは頭を横に振って、
「いいや、妹は本日、我が義父コーンウォール氏と日本政府との要人の間に於いての会食の通訳を務めている」
シリウスの言葉は全員に聞けるように大きかった。それだけに、全員が頭領の最愛の妹が不在であった事を悟った。
か、シリウスは顔の上の不満そうな表情を消そうとはしない。
全員の疑問が解けたのが皮切りとなったのだろう。
彼は不機嫌そうな声で周りの忍び達に向かって言った。
「冷泉水平が殺されたとなれば、次にオレに対して忠誠を示すのは誰になる?よもや、できぬと申すのではあるまいな?」
シリウスの言葉に全員が肩を硬らせていく。
だが、そこに一人の男が手を挙げる。男の姿も忍びとは思えぬ歪な姿。
黒色の立鳥帽子。白色の狩衣。足の見えない白色の露先。彼の姿は誰が見てもこう言う言葉を送るだろう。陰陽師と。
その陰陽師の顔は文明開化の時代には似つかわしくない程、古代の平安の時代の人間を思わせる顔であった。
古代の平安時代の貴族を思わせるように、短くて太い黒色の髭を顎の下に生やした中年の男は手を挙げ、シリウスに自身の意見を述べた。
「恐れながら、私がその者どもを始末してご覧に入れましょう。奴らは恐らく、東京を目指すでありましょうから、つい最近列島の中に敷かれた汽車を利用するでしょう。その汽車に私が侵入すれば……」
「全て上手くいくと申すのだな?」
シリウスは玉座の肘掛の上に右手を置き、その右手に顔に頬を当てながら問い掛ける。
「勿論です。拙者は吉田神道を追放された身でござりまするが、まだこの力に陰陽師としての手解きを受けた時の感触は残っておりまする。何卒、ここは拙者に……」
玉座の上の若く美しい異国人の頭領は自分よりも何十歳も年上の吉田老人に対し、玉座の上に背中を深く埋めて、人差し指を突き付けて、
「良かろう。甲賀党全滅の任を貴様に任せるとしよう。弥一には貴様を奴らが汽車に乗るまでの時間をここで過ごすように指示を出しておく。それまで、貴様はそこで待機せぇ」
シリウスの命令に既に五十を過ぎていた吉田老人は恭しく返答し、頭を冷たい石の上に擦り付ける。
それを見届けると、シリウスは指をパチリと鳴らし、弥一を呼び出すと、吉田老人を除く天魔の忍び達を元の場所に送り返すように指示を出す。
弥一は頭を下げて指示に従い、彼らを元の場所へと返していく。
弥太郎を亡くした彼らは一刻も早く、東京へと急ぐ。
彼らの妖魔党への憎悪の念は増していく。
少なくとも、私怨を晴らすだけでは飽きたらない。
妖魔党は今後の日の本を荒らす火種となるだろう。
彼らはそれを見越して急ぐのだ。そして、駅までの時間を急ぎ、汽車をも利用して彼らの元へと向かうのだ。
彼らが電車に乗り込むと、電車はガタガタと動き出し、東京へと向かっていく。
東京へと至るまでの道はどうなる事かと思ったが、とにかく汽車に至るまでの道に妨害が無くて全員が安堵の表情を浮かべる中で、唯一幻斎のみが怪訝そうな顔をしていた。
幻斎の真向かいの席に座る孝太郎が彼にその理由を問うと、彼は両腕を組み、重い口を開いて言った。
「いや、妙じゃと思ってな」
「妙とは?」
「うむ、ここまで妖魔党の刺客が現れなかったと言う事じゃよ。奴らなら、わしらが汽車に乗るのは最大限まで妨害しようとする筈、何せ、昨年の汽車開通以来、全国にその鉄道網は広がり、あらゆる場所に短期間に行けるようになった。だからこそ、奴なら、汽車に乗る前にそれを阻止しようと目論む筈じゃ、なのに攻撃が無いとは……」
その時だ。幻斎の目の前に人形の紙が現れ、それが襲い掛かろうとしていた。
幻斎は慌てて対処しようとしたが、もう遅い。人形の紙は幻斎の顔を覆い隠し、彼の息を奪おうとしていた。
孝太郎は慌てて自分の魔法を使用し、人型の紙を破壊した。
紙が破壊されるのと同時に、幻斎は周囲の忍び達に他の人間に聞こえると言うリスクを顧みる事なく、大きな声で警告の言葉を叫ぶ。
「気を付けろ!この列車にいるぞ!」
その言葉に彼の周囲に座っていた三人の忍び達は一斉に懐に手を入れ、武器を取り出す。
当然、その様子を見た観客達からは悲鳴が聞こえてくる。
「奴め、こうなる事を見越していたな……」
孝太郎は歯を噛み締めながら、この作戦を実行している忍びに向かって憎悪の念を向けていく。
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船山信次 史上最強カラー図解 毒の科学 毒と人間のかかわり
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