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第六部『鬼麿神聖剣』
海賊パーシーの逆襲ーその①
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「そう言えば知ってる?東京の方で流行っている噂話」
「噂話?」
長く続く田んぼ道を歩く時の退屈凌ぎに問われた話題について、彼の左隣を歩いていた鬼麿は全くと言って良い程、知識が無かったために首を傾げるしかない。
だが、龍一郎は鬼麿に構う事なく、話を続けていく。
「なんでも、子供ばかりを狙う悪質な人身売買業者がいるんだって、その人は紙芝居の人を装って、子供を集めて、虜にして誘拐していくらしいよ」
龍一郎は真剣な顔で人差し指を出して言った。
「じゃあ、もう紙芝居は一生見れないって事かな?」
鬼麿の問い掛けに龍一郎は軽く首を横に振ってから、
「ううん、その紙芝居屋さんにだけ気を付ければ良いと思うよ。それに、ここは東京から大きく離れた位置にあるんだから、ここまではやって来ないって」
龍一郎は安心させるように、例の可愛らしい顔で優しく笑うが、それに対し、何故か彼の右隣を歩いていた弥太郎は不満気な様子を見せていた。
「おいおい、そんな奴らがいるんだって知ったら、東京の方に行くの怖くなっちまったじゃねーか。どうすんだよ。行けなくなったら」
弥太郎は頬を赤く染めながら、両頬を膨らませており、その様子を見て二人は大きな声を立てて笑っていく。
「な、何がおかしいんだよ!」
弥太郎は顔を真っ赤にして叫ぶが、二人は笑うばかり。
何回か笑った後で、瞳から笑いの涙を滲ませながら龍一郎が理由を述べていく。
「ごめん、ごめん、君がそんな噂話をまともに取るもんだからさ、大丈夫だって、そんなの居ないよ。それに、オレ達は忍びじゃあないか?仮に誘拐されたとしても印術や妖魔術を使用して脱出すれば良いじゃあないか?」
ぐうの音も出ないと言うのは今のような状況の事を言うのかもしれない。
弥太郎は頬をプルプルと震わせながら、黙って田んぼの続く道を歩いていく。
その様子を二人は笑いながら、追い掛けていく。
明治の道は江戸期の頃と殆ど変わらないと言っても良いだろう。人々は馬車や馬に乗って移動するなんて事は無く、主な移動手段は歩きであり、大きな荷物を運ぶ場合には荷車と呼ばれるカタカナの「ロ」の字の枠をした荷台の後方に、木が組んで作られた板が付き、その板の左右に車輪が付いていると言う物を使用した時代だ。
それに、西洋においても自動車が大衆に向けて販売されるのは1908年の事であり、明治6年の時代においては遠い未来の話だと言っても良いだろう。
孝太郎はそんな事を考えながら、田んぼの道を歩いていく。
23世紀と言う時代に生まれた孝太郎にとっては車の音が聞こえない道と言うのは新鮮であった。
だからこそ、最初に道を歩いた時には微妙な違和感感じたものだ。
孝太郎は主人と自分の二人分の荷物を持ちながら、その事を思い出して口元に柔らかい微笑を浮かべた。
と、ここで甲賀党の一行の前に、大小のサイズの木製の家々の姿が飛び込む。
恐らく、目的の宿場町には間違い無いだろう。
幻斎は今晩の宿はここにすると決め、年相応にはしゃいでいた子供達を並べて宿場町に向かう。
孝太郎はまだ映像が白黒であった時代に公表された映画で見た事があったのだが、この時代の宿場町には旅人をもてなすための店が多く並んでいる事に気が付く。
人馬の継立や助郷賦課を担当する中継基地のような役割を持つ問屋場、飯屋を始めとした商店、一般の旅人に向けての旅籠、金を部屋代と薪代のみで賄っている木賃宿、武士や公家が宿泊に使用したとされる本陣と呼ばれる本格的な宿、脇本陣と呼ばれるそれに次ぐ高価な宿(だが、部屋が空いていた場合にはこの部屋も一般の客に貸し出されたらしい)が揃っており、ここに住む人間は人が来るのを待ちわびているらしい。
孝太郎は適当な二階建ての旅籠に目を付け、他の宿屋の旅人の勧誘を目論む旅籠の女性の手を乱暴に取っ払い、そこに滑り込む。
幸いにも部屋の予約は取れ、その部屋で一日を過ごす事になった。
荷物を部屋に置いた後は龍一郎と弥太郎の二人で街の見回りをする事となった。
この宿場町の印象としては何処にでもある宿場町と言った所だろうか。
どの宿屋にも客引きの女性が熱心に旅人を泊めようとしている様子が見えた。
龍一郎と弥太郎の二人が顔を見合わせていると、宿屋の街並みの所にそこにだけ建物を建て忘れたかのように空き地が立っていた。
多くの建物に囲まれる中で、そこだけ空き地だった事に二人は違和感を感じたが、この宿場町の子供達が集まっている様子を見て、元からここにあったのだと知り、先程までの違和感は床に落ちていた埃のようにいとも簡単に拭い取られたのだった。
二人もついでだからと、空き地へと集まっていく。
空き地の周りには上は既に丁稚奉公を務めて数年になると思われる少年から、下はまだでんでん太鼓を持って離さない幼児まで粒揃いであった。
この街の子供達が全員、集まったと言っても良いと過言では無いだろう。
龍一郎と弥太郎はそれらの子供に混じり、その中央に位置する洋服を着た高身長の男を見上げた。
男はそれこそ御伽噺に出てくる入道のように巨大であり、この和風の街には似つかわしい洋服を纏っていた。
スリーピースの上着もズボンもバフタイもシャツさえも黒色であった事から、二人は少しだけ警戒心を強めていく。
男は紙芝居の道具を取り出し、紙芝居の鑑賞料と化している飴を催促する事なく、子供達に笑顔で話し掛けていく。
この時代の紙芝居は俗に言う写し絵であり、真っ白な紙の後ろに人形を作り、影が出てきた時にその人形を映し出し、芝居を繰り広げると言う内容が一般的であったとされる。
男は陽も殆ど沈み掛けていると言う状態を利用し、紙芝居を始めていく。
龍一郎と弥太郎は男の繰り出す紙芝居の話に夢中になっていく。
紙芝居の内容は入江の中の海賊と海賊を志望するパーシーと言う少女が手を組み、世界のお宝を求めていくと言う話であった。
異国や異国人が主人公という事もあり、当初は子供達は興味を示さなかったらしいが、内容の面白さがそれらの偏見を打破したらしい。
聞けば聞く程、彼らはこの紙芝居に夢中になっていく。
紙芝居が終わる頃には夜になっていたが、それでも彼らは我慢をして聞いていた。
目を輝かせながら、彼らは紙芝居をする男に尋ねた。
「ねぇ、おじさん!?この紙芝居のタイトルは何て言うの?」
高身長の男はニヤリと笑って答えた。
「この紙芝居のタイトルかい?坊やにはちょっと難しいかもしれないけど、こう言うんだよ。キャンドール・コーブとね」
そう言って高身長の男は優しく少年の頭を撫で回す。
「噂話?」
長く続く田んぼ道を歩く時の退屈凌ぎに問われた話題について、彼の左隣を歩いていた鬼麿は全くと言って良い程、知識が無かったために首を傾げるしかない。
だが、龍一郎は鬼麿に構う事なく、話を続けていく。
「なんでも、子供ばかりを狙う悪質な人身売買業者がいるんだって、その人は紙芝居の人を装って、子供を集めて、虜にして誘拐していくらしいよ」
龍一郎は真剣な顔で人差し指を出して言った。
「じゃあ、もう紙芝居は一生見れないって事かな?」
鬼麿の問い掛けに龍一郎は軽く首を横に振ってから、
「ううん、その紙芝居屋さんにだけ気を付ければ良いと思うよ。それに、ここは東京から大きく離れた位置にあるんだから、ここまではやって来ないって」
龍一郎は安心させるように、例の可愛らしい顔で優しく笑うが、それに対し、何故か彼の右隣を歩いていた弥太郎は不満気な様子を見せていた。
「おいおい、そんな奴らがいるんだって知ったら、東京の方に行くの怖くなっちまったじゃねーか。どうすんだよ。行けなくなったら」
弥太郎は頬を赤く染めながら、両頬を膨らませており、その様子を見て二人は大きな声を立てて笑っていく。
「な、何がおかしいんだよ!」
弥太郎は顔を真っ赤にして叫ぶが、二人は笑うばかり。
何回か笑った後で、瞳から笑いの涙を滲ませながら龍一郎が理由を述べていく。
「ごめん、ごめん、君がそんな噂話をまともに取るもんだからさ、大丈夫だって、そんなの居ないよ。それに、オレ達は忍びじゃあないか?仮に誘拐されたとしても印術や妖魔術を使用して脱出すれば良いじゃあないか?」
ぐうの音も出ないと言うのは今のような状況の事を言うのかもしれない。
弥太郎は頬をプルプルと震わせながら、黙って田んぼの続く道を歩いていく。
その様子を二人は笑いながら、追い掛けていく。
明治の道は江戸期の頃と殆ど変わらないと言っても良いだろう。人々は馬車や馬に乗って移動するなんて事は無く、主な移動手段は歩きであり、大きな荷物を運ぶ場合には荷車と呼ばれるカタカナの「ロ」の字の枠をした荷台の後方に、木が組んで作られた板が付き、その板の左右に車輪が付いていると言う物を使用した時代だ。
それに、西洋においても自動車が大衆に向けて販売されるのは1908年の事であり、明治6年の時代においては遠い未来の話だと言っても良いだろう。
孝太郎はそんな事を考えながら、田んぼの道を歩いていく。
23世紀と言う時代に生まれた孝太郎にとっては車の音が聞こえない道と言うのは新鮮であった。
だからこそ、最初に道を歩いた時には微妙な違和感感じたものだ。
孝太郎は主人と自分の二人分の荷物を持ちながら、その事を思い出して口元に柔らかい微笑を浮かべた。
と、ここで甲賀党の一行の前に、大小のサイズの木製の家々の姿が飛び込む。
恐らく、目的の宿場町には間違い無いだろう。
幻斎は今晩の宿はここにすると決め、年相応にはしゃいでいた子供達を並べて宿場町に向かう。
孝太郎はまだ映像が白黒であった時代に公表された映画で見た事があったのだが、この時代の宿場町には旅人をもてなすための店が多く並んでいる事に気が付く。
人馬の継立や助郷賦課を担当する中継基地のような役割を持つ問屋場、飯屋を始めとした商店、一般の旅人に向けての旅籠、金を部屋代と薪代のみで賄っている木賃宿、武士や公家が宿泊に使用したとされる本陣と呼ばれる本格的な宿、脇本陣と呼ばれるそれに次ぐ高価な宿(だが、部屋が空いていた場合にはこの部屋も一般の客に貸し出されたらしい)が揃っており、ここに住む人間は人が来るのを待ちわびているらしい。
孝太郎は適当な二階建ての旅籠に目を付け、他の宿屋の旅人の勧誘を目論む旅籠の女性の手を乱暴に取っ払い、そこに滑り込む。
幸いにも部屋の予約は取れ、その部屋で一日を過ごす事になった。
荷物を部屋に置いた後は龍一郎と弥太郎の二人で街の見回りをする事となった。
この宿場町の印象としては何処にでもある宿場町と言った所だろうか。
どの宿屋にも客引きの女性が熱心に旅人を泊めようとしている様子が見えた。
龍一郎と弥太郎の二人が顔を見合わせていると、宿屋の街並みの所にそこにだけ建物を建て忘れたかのように空き地が立っていた。
多くの建物に囲まれる中で、そこだけ空き地だった事に二人は違和感を感じたが、この宿場町の子供達が集まっている様子を見て、元からここにあったのだと知り、先程までの違和感は床に落ちていた埃のようにいとも簡単に拭い取られたのだった。
二人もついでだからと、空き地へと集まっていく。
空き地の周りには上は既に丁稚奉公を務めて数年になると思われる少年から、下はまだでんでん太鼓を持って離さない幼児まで粒揃いであった。
この街の子供達が全員、集まったと言っても良いと過言では無いだろう。
龍一郎と弥太郎はそれらの子供に混じり、その中央に位置する洋服を着た高身長の男を見上げた。
男はそれこそ御伽噺に出てくる入道のように巨大であり、この和風の街には似つかわしい洋服を纏っていた。
スリーピースの上着もズボンもバフタイもシャツさえも黒色であった事から、二人は少しだけ警戒心を強めていく。
男は紙芝居の道具を取り出し、紙芝居の鑑賞料と化している飴を催促する事なく、子供達に笑顔で話し掛けていく。
この時代の紙芝居は俗に言う写し絵であり、真っ白な紙の後ろに人形を作り、影が出てきた時にその人形を映し出し、芝居を繰り広げると言う内容が一般的であったとされる。
男は陽も殆ど沈み掛けていると言う状態を利用し、紙芝居を始めていく。
龍一郎と弥太郎は男の繰り出す紙芝居の話に夢中になっていく。
紙芝居の内容は入江の中の海賊と海賊を志望するパーシーと言う少女が手を組み、世界のお宝を求めていくと言う話であった。
異国や異国人が主人公という事もあり、当初は子供達は興味を示さなかったらしいが、内容の面白さがそれらの偏見を打破したらしい。
聞けば聞く程、彼らはこの紙芝居に夢中になっていく。
紙芝居が終わる頃には夜になっていたが、それでも彼らは我慢をして聞いていた。
目を輝かせながら、彼らは紙芝居をする男に尋ねた。
「ねぇ、おじさん!?この紙芝居のタイトルは何て言うの?」
高身長の男はニヤリと笑って答えた。
「この紙芝居のタイトルかい?坊やにはちょっと難しいかもしれないけど、こう言うんだよ。キャンドール・コーブとね」
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