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第五部『征服王浪漫譚』
洞窟の中の妖魔ーその①
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夜の道を進み、彼らはその後、何日も掛けて隣国の奈良近くの町に泊まる事になった。この町に寄った目的は次の目的地へと向かうための用意である。
用意を進める中で、ある時、鬼麿がこの町の名物である洞窟に向かいたいとせがんだ。
主人の頼みを下男は受け入れ、彼の手を引きながら、町近くの洞窟へと向かう。
洞窟の前には少しばかり錆が見える石灯籠と壊れ掛けの木の長椅子が置かれていた。
そして、その前にはシャベルで突けば即座に壊れそうな程、脆そうな洞窟の入り口が見えた。
孝太郎は不安に思いながらも、洞窟の中へと入っていく。
生まれて初めて見る洞窟に鬼麿は目を輝かせていたが、孝太郎はと言えば、主人とは対照的に不安そうな顔だった。
鬼麿は道中に幻斎から渡された大きな刀を背中に下げているし、孝太郎も刀を腰に下げていたが、それでも十分に不安なのである。
見物が一通り、済んだら、このジメジメとした空間から去ろうと考えていたが、その孝太郎の思案は目の前に飛んだクナイのために遮られてしまう。
孝太郎は反射的に腰から下げていたから刀の鯉口を切り、銀色に光り輝く自慢の獲物を暗い空間の中でひけらかす。
と、ここでクナイが投げられた方向から両手を打つ音が聞こえた。
孝太郎が背後を振り向くと、そこには両目を瞑った丁髷姿の男が現れた。
孝太郎はその男に刀の剣先を突き付けながら言った。
「散髪脱刀令は既に施行されているぜ、刀はともかく、あんたはその時代外れの髪型は剃っちまわないのかい?」
孝太郎の問い掛けに対し、丁髷の男は口元を歪めて、嘲笑うような笑みを顔に浮かべていた。
「『ざんぎり頭を叩いてみれば文明開化の音がする』……か?下らん。ワシは忍じゃが、これでもこの髪型には不満を持っておらぬ。何の問題もない」
「けどな、そんな時代遅れの髪型なんてしていたら、他の奴らに笑われるぜ、いつまで徳川の時代に縋り付いているつもりだ?」
孝太郎の質問に対し、丁髷の男はけたたましく笑う。
一通り笑い終えると、彼は唇を一文字に結び、孝太郎に向けて刀の剣先を向ける。
「笑止ッ!武家の誇りを失って何が武士ぞ!何が侍ぞ!ワシは忍びじゃが、お主のような考えのような奴は一番嫌いじゃわ!!!」
男は刀を振り上げ、次に何処からか取り出したか分からないナイフを空中に掲げ、洞窟の中へと向けて飛ばす。
孝太郎は目の前の男は23世紀における初期魔法『武器保存』を使ったのだと推測した。
この魔法は他の魔法と併用しても使える数少ない魔法であったから、彼は忍びの中では二つの妖魔術を使える男だと噂されているのだろう。
孝太郎がその事を考えていると、孝太郎に向かってナイフが落ちてきてきた。
孝太郎は自分のいた場所から左に逸れ、ナイフを避けたが、ナイフは地面に落ちる事なく、正面から孝太郎の心臓を狙う。
体をずらし、彼は刀を持ってナイフを弾き飛ばし、ようやく男の攻撃を交わす。
孝太郎はそこで気が付く。男の右手からナイフが放たれてからと言うもの、男の姿が見えないのだ。
孝太郎は必死になり、男の姿を探すが、それでも男は姿を見せようとはしない。
孝太郎は背後で遊んでいた筈の鬼麿の姿を垣間見る。
鬼麿は先程まで浮かべていた子供らしい無邪気な笑顔を引っ込め、背中に下げていた刀を抜き、得体の知れない男の襲撃に備えていた。
孝太郎は鬼麿に向かって忠告の言葉を口にする。
「気を付けろッ!あの男は姿を消したッ!恐らく、透明になる妖魔術を使用しているのだろうッ!気を付けろ!」
「分かった……けれど、相手の姿が見えないんじゃあ、警戒のしようが無いんじゃあない?」
鬼麿の言葉に孝太郎は何処か突き刺さるようなものを感じたが、彼は反論する事なく、鬼麿の背中に付いてやり、彼に背中を預け、同時に彼の背中を預かった。
鬼麿は下男のその行動に対し、顔を明るくし、背後を振り返る事なく、前面の敵に備えた。
孝太郎が暫くの間、刀を向けていると、今度は彼の左脇、反射している鍾乳石からナイフが飛び出てきた。孝太郎は慌てて体を捻り、飛んできたナイフを手に持っていた刀で弾き返す。
孝太郎は自身の主人に怪我が無いかを確認し、主人が自分と共に体を左方向に捻らせ、負傷を防いだ事を知り、安堵した。
だが、孝太郎は次の瞬間にも背後から攻撃を繰り出され、負傷こそしなかったものの体の脇をかすめてしまう。
孝太郎の脇をかすめたのは小さなナイフであった。
ナイフは暗い洞窟の中で妖しく光ると、今度は孝太郎の額を狙い迫ってくる。
孝太郎は首を引っ込め、ナイフが勢いのまま洞窟の壁に突っ込む姿を見届けた。
一本の鋭いナイフが無惨にも洞窟の壁に突き刺さっていた。
次なる攻撃に備え、孝太郎はそのナイフに向かって刀を振り下ろしたが、その前に別のナイフが孝太郎の背後を狙っている事に気が付く。
鬼麿が危険を告げる声を叫んだ事により、ようやく、孝太郎は背後の脅威に気が付き、地面を蹴ってその勢いでその場から離れ、ナイフを避ける。
妖しく光るナイフの刃は先程のナイフとは異なり、洞窟の壁に突き刺さる事なく、跳ね返った時の勢いを利用し、孝太郎に向かっていく。
孝太郎は避けようとしたものの体が動かなかったために、鬼麿が代わりに神聖術を使用し、その光でナイフを包み込み、爆破させた。
孝太郎は主人に感謝の言葉を述べ、もう一度辺りを警戒していく。
孝太郎は刀を握り締め、何処から来るのか分からない相手を警戒していく。
何処から来るのか分からない相手に対し、孝太郎は不安を感じていたが、背後の鍾乳石に例の丁髷の男が映っている事に気が付く。
鍾乳石の男は何処からか取り出した大きな形の日本刀を取り出し、黒い鞘から光り輝く刀を抜く。
それを見た孝太郎はその場から離れ、鍾乳石に映らない箇所へと移動する。
男はそれに興を削がれたのか、刀で斬りかかる事なく、ごく普通に出入り口から人が出入りするように鍾乳石から出てきた。
男は出てきた後には迷う事なく、孝太郎に向かって斬りかかっていき、孝太郎の頭を狙う。
孝太郎は刀を盾に斬撃を防ぐ。もう一度、今度は左斜め下から男が刀を振るう。
孝太郎はその刃を左斜め下に向けて防ぎ、男の斬撃を防ぐ。
男は自分の刀と相手の刀がかち合うのと同時に小さな声で囁く。
「邪魔をするなよ……頭領の『国取り物語』の……」
孝太郎は男の言葉でシリウスが何をしようしているのかを悟った。
シリウスはこの国を乗っ取るつもりなのだ。
用意を進める中で、ある時、鬼麿がこの町の名物である洞窟に向かいたいとせがんだ。
主人の頼みを下男は受け入れ、彼の手を引きながら、町近くの洞窟へと向かう。
洞窟の前には少しばかり錆が見える石灯籠と壊れ掛けの木の長椅子が置かれていた。
そして、その前にはシャベルで突けば即座に壊れそうな程、脆そうな洞窟の入り口が見えた。
孝太郎は不安に思いながらも、洞窟の中へと入っていく。
生まれて初めて見る洞窟に鬼麿は目を輝かせていたが、孝太郎はと言えば、主人とは対照的に不安そうな顔だった。
鬼麿は道中に幻斎から渡された大きな刀を背中に下げているし、孝太郎も刀を腰に下げていたが、それでも十分に不安なのである。
見物が一通り、済んだら、このジメジメとした空間から去ろうと考えていたが、その孝太郎の思案は目の前に飛んだクナイのために遮られてしまう。
孝太郎は反射的に腰から下げていたから刀の鯉口を切り、銀色に光り輝く自慢の獲物を暗い空間の中でひけらかす。
と、ここでクナイが投げられた方向から両手を打つ音が聞こえた。
孝太郎が背後を振り向くと、そこには両目を瞑った丁髷姿の男が現れた。
孝太郎はその男に刀の剣先を突き付けながら言った。
「散髪脱刀令は既に施行されているぜ、刀はともかく、あんたはその時代外れの髪型は剃っちまわないのかい?」
孝太郎の問い掛けに対し、丁髷の男は口元を歪めて、嘲笑うような笑みを顔に浮かべていた。
「『ざんぎり頭を叩いてみれば文明開化の音がする』……か?下らん。ワシは忍じゃが、これでもこの髪型には不満を持っておらぬ。何の問題もない」
「けどな、そんな時代遅れの髪型なんてしていたら、他の奴らに笑われるぜ、いつまで徳川の時代に縋り付いているつもりだ?」
孝太郎の質問に対し、丁髷の男はけたたましく笑う。
一通り笑い終えると、彼は唇を一文字に結び、孝太郎に向けて刀の剣先を向ける。
「笑止ッ!武家の誇りを失って何が武士ぞ!何が侍ぞ!ワシは忍びじゃが、お主のような考えのような奴は一番嫌いじゃわ!!!」
男は刀を振り上げ、次に何処からか取り出したか分からないナイフを空中に掲げ、洞窟の中へと向けて飛ばす。
孝太郎は目の前の男は23世紀における初期魔法『武器保存』を使ったのだと推測した。
この魔法は他の魔法と併用しても使える数少ない魔法であったから、彼は忍びの中では二つの妖魔術を使える男だと噂されているのだろう。
孝太郎がその事を考えていると、孝太郎に向かってナイフが落ちてきてきた。
孝太郎は自分のいた場所から左に逸れ、ナイフを避けたが、ナイフは地面に落ちる事なく、正面から孝太郎の心臓を狙う。
体をずらし、彼は刀を持ってナイフを弾き飛ばし、ようやく男の攻撃を交わす。
孝太郎はそこで気が付く。男の右手からナイフが放たれてからと言うもの、男の姿が見えないのだ。
孝太郎は必死になり、男の姿を探すが、それでも男は姿を見せようとはしない。
孝太郎は背後で遊んでいた筈の鬼麿の姿を垣間見る。
鬼麿は先程まで浮かべていた子供らしい無邪気な笑顔を引っ込め、背中に下げていた刀を抜き、得体の知れない男の襲撃に備えていた。
孝太郎は鬼麿に向かって忠告の言葉を口にする。
「気を付けろッ!あの男は姿を消したッ!恐らく、透明になる妖魔術を使用しているのだろうッ!気を付けろ!」
「分かった……けれど、相手の姿が見えないんじゃあ、警戒のしようが無いんじゃあない?」
鬼麿の言葉に孝太郎は何処か突き刺さるようなものを感じたが、彼は反論する事なく、鬼麿の背中に付いてやり、彼に背中を預け、同時に彼の背中を預かった。
鬼麿は下男のその行動に対し、顔を明るくし、背後を振り返る事なく、前面の敵に備えた。
孝太郎が暫くの間、刀を向けていると、今度は彼の左脇、反射している鍾乳石からナイフが飛び出てきた。孝太郎は慌てて体を捻り、飛んできたナイフを手に持っていた刀で弾き返す。
孝太郎は自身の主人に怪我が無いかを確認し、主人が自分と共に体を左方向に捻らせ、負傷を防いだ事を知り、安堵した。
だが、孝太郎は次の瞬間にも背後から攻撃を繰り出され、負傷こそしなかったものの体の脇をかすめてしまう。
孝太郎の脇をかすめたのは小さなナイフであった。
ナイフは暗い洞窟の中で妖しく光ると、今度は孝太郎の額を狙い迫ってくる。
孝太郎は首を引っ込め、ナイフが勢いのまま洞窟の壁に突っ込む姿を見届けた。
一本の鋭いナイフが無惨にも洞窟の壁に突き刺さっていた。
次なる攻撃に備え、孝太郎はそのナイフに向かって刀を振り下ろしたが、その前に別のナイフが孝太郎の背後を狙っている事に気が付く。
鬼麿が危険を告げる声を叫んだ事により、ようやく、孝太郎は背後の脅威に気が付き、地面を蹴ってその勢いでその場から離れ、ナイフを避ける。
妖しく光るナイフの刃は先程のナイフとは異なり、洞窟の壁に突き刺さる事なく、跳ね返った時の勢いを利用し、孝太郎に向かっていく。
孝太郎は避けようとしたものの体が動かなかったために、鬼麿が代わりに神聖術を使用し、その光でナイフを包み込み、爆破させた。
孝太郎は主人に感謝の言葉を述べ、もう一度辺りを警戒していく。
孝太郎は刀を握り締め、何処から来るのか分からない相手を警戒していく。
何処から来るのか分からない相手に対し、孝太郎は不安を感じていたが、背後の鍾乳石に例の丁髷の男が映っている事に気が付く。
鍾乳石の男は何処からか取り出した大きな形の日本刀を取り出し、黒い鞘から光り輝く刀を抜く。
それを見た孝太郎はその場から離れ、鍾乳石に映らない箇所へと移動する。
男はそれに興を削がれたのか、刀で斬りかかる事なく、ごく普通に出入り口から人が出入りするように鍾乳石から出てきた。
男は出てきた後には迷う事なく、孝太郎に向かって斬りかかっていき、孝太郎の頭を狙う。
孝太郎は刀を盾に斬撃を防ぐ。もう一度、今度は左斜め下から男が刀を振るう。
孝太郎はその刃を左斜め下に向けて防ぎ、男の斬撃を防ぐ。
男は自分の刀と相手の刀がかち合うのと同時に小さな声で囁く。
「邪魔をするなよ……頭領の『国取り物語』の……」
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