231 / 365
第五部『征服王浪漫譚』
水炎と火花ーその⑤
しおりを挟む
ダツの群れを生み出した彼女は龍一郎が斬りかかってくるのと同時に、彼女は別の方向に向けていた群れを自分の正面に置き、攻撃用に繰り出した群れを防御用へと転換させていた。
転向したとは言え、元々は相手を仕留めるために、彼女の繰り出す小さな海の中から作り上げられた存在である。
依然として彼らは鋭い口の端を美少年に向けていた。
少年は魚の群れが発射されるのと同時に、彼は自分の右手から新たに糸を作り出し、彼らの最大の武器である口の端を紡いでいく。
それどころか、彼は刀を握った右手を動かし、縛り付けていた魚を反対に本来の主である乃木桃葉へと向けていく。
乃木は中段の印術を繰り出し、繰り出されてきた魚の群れを吹き飛ばす。
彼女が魚を吹き飛ばしている間に生じた隙を突いて、龍一郎は上空から飛び上がり、乃木桃葉の頭上を狙う。
今度こそ仕留められるかと思ったものの、彼女は飛び上がる少年の目の前に例の水の膜を作り出し、今度は大きな牙を持った大型の魚を繰り出す。
あまりにも大き過ぎて、目の前に広がるコップ一杯分くらいの水では足りないのだろう。
少量の水から飛び出したと思われる大きな鮫の頭のみが龍一郎を狙う。
アホ毛が特徴の少年はその頭に向かって自分の妖魔術を繰り出す。
蜘蛛の糸のように絡み合った幾重もの糸が目の前の巨大な魚のような怪物の口を強引に閉ざす。
糸の操り主はここぞとばかりに声を振り上げて、魚の真上から刀を振り下ろす。
少年忍者の刀を受けた巨大な魚は悲鳴を上げ、次に頭が真っ二つになった後に、元の水の中へと顔を戻す。
桃葉は舌を打ち、真上から弧を描いて刀を振るう少年の刀を自分の手に持っていた刀を盾にして防ぐ。
二つの刃が重なり合うと同時に金属がぶつかり合う独特の音が夜の街の中に響いていく。
縦に、横に、刀の打ち合う音が響いていく。
二人の剣舞に隙は見えない。だが、疲労の色が先に現れたのは龍一郎の方らしい。彼が口から吐き出す呼吸の音が徐々に荒くなっていく事を乃木は見逃さなかった。
「ウフフフ、流石に限界が来たようね。坊や……やはり、子供が大人相手に粋がるものじゃなくてよ?」
くノ一は刀を勢いよく振るいながら言う。
「……。うるさい。オレは絶対にお前達、妖魔党を討ち滅ぼし、里のみんなの仇を取るんだッ!」
少年の刀の塚を握る力が強くなっていく。幼い少年の家族を殺された怨念が刀を通して聞こえてくるかのようだ。
すると、美しい顔の女性は隙が生じてしまったのだろうか。
彼女の握っていた刀が地面に劣勢だった筈の少年によって弾き飛ばされ、刀が音を立てて転がっていく音を彼女は耳にした。そして、冷や汗をかいて背後を振り返ると、そこにはとっくの昔に地上に落ちていた自分の刀の姿が見えた。
その上、更に悪い事には悪い事が重なるものだ。
暗い街の中に一人の顔の整った青年が姿を見せていた。
だが、その青年は普通の人達は異なり、ペンキで塗ったかのような赤い肌をしていたのだ。乃木は確信を得た。
彼こそが、頭領直々に始末を命じられている赤い肌を持つ若造だと。
彼女がこっそりと懐に忍ばせていた手裏剣を真下から天井に登っている自分達を見上げる青年に向かって放り投げようとしたが、彼女は手に持っていた手裏剣を放り投げる前に彼女の右手に大きな激痛が走ったために、彼女は処分される寸前の牛のような大きな悲鳴を上げ、負傷した右手で持っていた手裏剣を乱暴に放り投げていく。彼女の右手から解放された四つの刃に分かれた手裏剣が瓦の上で転がっていき、地面の下に落ちていく。
桃葉は真下の青年を眺めると、青年が手に何かを持っている姿を見つけた。
彼女は青年が握っているものを見て、思わず口を大きく開けてしまう。
その少年が持っていたのはかつて、自分達の新たなる頭領が就任した際に不満を口にした忍び、村田三蔵を殺害した時と同じ物だったから……。
放心する桃葉の姿を見た龍一郎は隙を突いて、背後から乃木桃葉を狙う。
白い閃光が暗闇の中で光るのと同時に彼女は先程よりも大きな悲鳴を上げて屋根瓦の上に倒れ込む。
龍一郎は倒れている彼女の目の前に刀を突き付け、小さな声で囁く。
「お前の負けだ。降伏を認め、新たなる頭領の秘密を教えてくれるのなら、お前の命だけは助けてやってもいいぞ」
「誰が話すもんですか……」
言葉とは対照的に弱々しい口調であった。龍一郎は哀れなる女性の忍びを冷たい視線で突き刺すように眺めていた。
彼の目には『憐憫』や『憐情』と言った表情は一切ない。
本当に彼女が憎いと言わんばかりの視線で突き刺す表情に乃木は戦慄した。
この少年には得意の武器も通用しないだろう。彼女は諦めの感情を理解し、目を閉じたが、その前に彼女と龍一郎の間に弥太郎との戦いを抜けたと思われる彼女の双子の兄である乃木桃矢が現れ、彼女に目で合図を送る。
兄の指示に従い、彼女は右手の代わりに、左手で小さな水を宙に作り出す。
その水の上に電気鰻を作り上げ、その水ごと彼女は龍一郎の目の前に放り投げる。
そして、その水と少年が接触する寸前に、彼女の兄が粉を放り投げ、水の中に入れてその水を爆弾に変えて爆発させた。
龍一郎は水が迫るのと同時に忍びらしく勢いを付けて背後に転がったために、怪我をした訳では無かったが、爆風のために窮地に立たされたのは事実である。
双子の兄は妹を助け起こし、彼女の手を優しく握って笑う。
「大丈夫ですよ!姉上!ぼくが付いてますから、あんな奴らは直ぐに片付けてご覧にいれますよ。姉上も直ぐにご準備をーー」
双子の兄が彼女に向かって話しかけていた時に、彼の妹が受けたのと同様の苦痛を負って倒れてしまう。
「……。兄上?」
桃葉の問い掛けには桃矢は応じない。それもそうだろう。彼は地面の青年から腹に向かって撃たれた銃弾を喰らい意識を失いかけていたのだから。
茫然自失とする桃葉を他所に、背後から刀を振り上げた十文字の傷を持つ少年が現れ、彼女の兄である乃木桃矢の首を跳ね飛ばす。
その様子を桃葉は見て、彼女は信じられずに叫ぶ。桃葉は最愛の兄が死んだと言う事実を確認すると、戦闘を放棄し、三階建ての土蔵建築の建物の上から飛び降り、地面を伝って逃亡を試みたが、それも彼女は断念した。
彼女の目の前には大勢の西洋風の洋服を着た巡査達が立っていたのだから。
転向したとは言え、元々は相手を仕留めるために、彼女の繰り出す小さな海の中から作り上げられた存在である。
依然として彼らは鋭い口の端を美少年に向けていた。
少年は魚の群れが発射されるのと同時に、彼は自分の右手から新たに糸を作り出し、彼らの最大の武器である口の端を紡いでいく。
それどころか、彼は刀を握った右手を動かし、縛り付けていた魚を反対に本来の主である乃木桃葉へと向けていく。
乃木は中段の印術を繰り出し、繰り出されてきた魚の群れを吹き飛ばす。
彼女が魚を吹き飛ばしている間に生じた隙を突いて、龍一郎は上空から飛び上がり、乃木桃葉の頭上を狙う。
今度こそ仕留められるかと思ったものの、彼女は飛び上がる少年の目の前に例の水の膜を作り出し、今度は大きな牙を持った大型の魚を繰り出す。
あまりにも大き過ぎて、目の前に広がるコップ一杯分くらいの水では足りないのだろう。
少量の水から飛び出したと思われる大きな鮫の頭のみが龍一郎を狙う。
アホ毛が特徴の少年はその頭に向かって自分の妖魔術を繰り出す。
蜘蛛の糸のように絡み合った幾重もの糸が目の前の巨大な魚のような怪物の口を強引に閉ざす。
糸の操り主はここぞとばかりに声を振り上げて、魚の真上から刀を振り下ろす。
少年忍者の刀を受けた巨大な魚は悲鳴を上げ、次に頭が真っ二つになった後に、元の水の中へと顔を戻す。
桃葉は舌を打ち、真上から弧を描いて刀を振るう少年の刀を自分の手に持っていた刀を盾にして防ぐ。
二つの刃が重なり合うと同時に金属がぶつかり合う独特の音が夜の街の中に響いていく。
縦に、横に、刀の打ち合う音が響いていく。
二人の剣舞に隙は見えない。だが、疲労の色が先に現れたのは龍一郎の方らしい。彼が口から吐き出す呼吸の音が徐々に荒くなっていく事を乃木は見逃さなかった。
「ウフフフ、流石に限界が来たようね。坊や……やはり、子供が大人相手に粋がるものじゃなくてよ?」
くノ一は刀を勢いよく振るいながら言う。
「……。うるさい。オレは絶対にお前達、妖魔党を討ち滅ぼし、里のみんなの仇を取るんだッ!」
少年の刀の塚を握る力が強くなっていく。幼い少年の家族を殺された怨念が刀を通して聞こえてくるかのようだ。
すると、美しい顔の女性は隙が生じてしまったのだろうか。
彼女の握っていた刀が地面に劣勢だった筈の少年によって弾き飛ばされ、刀が音を立てて転がっていく音を彼女は耳にした。そして、冷や汗をかいて背後を振り返ると、そこにはとっくの昔に地上に落ちていた自分の刀の姿が見えた。
その上、更に悪い事には悪い事が重なるものだ。
暗い街の中に一人の顔の整った青年が姿を見せていた。
だが、その青年は普通の人達は異なり、ペンキで塗ったかのような赤い肌をしていたのだ。乃木は確信を得た。
彼こそが、頭領直々に始末を命じられている赤い肌を持つ若造だと。
彼女がこっそりと懐に忍ばせていた手裏剣を真下から天井に登っている自分達を見上げる青年に向かって放り投げようとしたが、彼女は手に持っていた手裏剣を放り投げる前に彼女の右手に大きな激痛が走ったために、彼女は処分される寸前の牛のような大きな悲鳴を上げ、負傷した右手で持っていた手裏剣を乱暴に放り投げていく。彼女の右手から解放された四つの刃に分かれた手裏剣が瓦の上で転がっていき、地面の下に落ちていく。
桃葉は真下の青年を眺めると、青年が手に何かを持っている姿を見つけた。
彼女は青年が握っているものを見て、思わず口を大きく開けてしまう。
その少年が持っていたのはかつて、自分達の新たなる頭領が就任した際に不満を口にした忍び、村田三蔵を殺害した時と同じ物だったから……。
放心する桃葉の姿を見た龍一郎は隙を突いて、背後から乃木桃葉を狙う。
白い閃光が暗闇の中で光るのと同時に彼女は先程よりも大きな悲鳴を上げて屋根瓦の上に倒れ込む。
龍一郎は倒れている彼女の目の前に刀を突き付け、小さな声で囁く。
「お前の負けだ。降伏を認め、新たなる頭領の秘密を教えてくれるのなら、お前の命だけは助けてやってもいいぞ」
「誰が話すもんですか……」
言葉とは対照的に弱々しい口調であった。龍一郎は哀れなる女性の忍びを冷たい視線で突き刺すように眺めていた。
彼の目には『憐憫』や『憐情』と言った表情は一切ない。
本当に彼女が憎いと言わんばかりの視線で突き刺す表情に乃木は戦慄した。
この少年には得意の武器も通用しないだろう。彼女は諦めの感情を理解し、目を閉じたが、その前に彼女と龍一郎の間に弥太郎との戦いを抜けたと思われる彼女の双子の兄である乃木桃矢が現れ、彼女に目で合図を送る。
兄の指示に従い、彼女は右手の代わりに、左手で小さな水を宙に作り出す。
その水の上に電気鰻を作り上げ、その水ごと彼女は龍一郎の目の前に放り投げる。
そして、その水と少年が接触する寸前に、彼女の兄が粉を放り投げ、水の中に入れてその水を爆弾に変えて爆発させた。
龍一郎は水が迫るのと同時に忍びらしく勢いを付けて背後に転がったために、怪我をした訳では無かったが、爆風のために窮地に立たされたのは事実である。
双子の兄は妹を助け起こし、彼女の手を優しく握って笑う。
「大丈夫ですよ!姉上!ぼくが付いてますから、あんな奴らは直ぐに片付けてご覧にいれますよ。姉上も直ぐにご準備をーー」
双子の兄が彼女に向かって話しかけていた時に、彼の妹が受けたのと同様の苦痛を負って倒れてしまう。
「……。兄上?」
桃葉の問い掛けには桃矢は応じない。それもそうだろう。彼は地面の青年から腹に向かって撃たれた銃弾を喰らい意識を失いかけていたのだから。
茫然自失とする桃葉を他所に、背後から刀を振り上げた十文字の傷を持つ少年が現れ、彼女の兄である乃木桃矢の首を跳ね飛ばす。
その様子を桃葉は見て、彼女は信じられずに叫ぶ。桃葉は最愛の兄が死んだと言う事実を確認すると、戦闘を放棄し、三階建ての土蔵建築の建物の上から飛び降り、地面を伝って逃亡を試みたが、それも彼女は断念した。
彼女の目の前には大勢の西洋風の洋服を着た巡査達が立っていたのだから。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
ニンジャマスター・ダイヤ
竹井ゴールド
キャラ文芸
沖縄県の手塚島で育った母子家庭の手塚大也は実母の死によって、東京の遠縁の大鳥家に引き取られる事となった。
大鳥家は大鳥コンツェルンの創業一族で、裏では日本を陰から守る政府機関・大鳥忍軍を率いる忍者一族だった。
沖縄県の手塚島で忍者の修行をして育った大也は東京に出て、忍者の争いに否応なく巻き込まれるのだった。
メトロポリス社へようこそ! ~「役立たずだ」とクビにされたおっさんの就職先は大企業の宇宙船を守る護衛官でした~
アンジェロ岩井
SF
「えっ、クビですか?」
中企業アナハイニム社の事務課に勤める大津修也(おおつしゅうや)は会社の都合によってクビを切られてしまう。
ろくなスキルも身に付けていない修也にとって再転職は絶望的だと思われたが、大企業『メトロポリス』からの使者が現れた。
『メトロポリス』からの使者によれば自身の商品を宇宙の植民星に運ぶ際に宇宙生物に襲われるという事態が幾度も発生しており、そのための護衛役として会社の顧問役である人工頭脳『マリア』が護衛役を務める適任者として選び出したのだという。
宇宙生物との戦いに用いるロトワングというパワードスーツには適性があり、その適性が見出されたのが大津修也だ。
大津にとっては他に就職の選択肢がなかったので『メトロポリス』からの選択肢を受けざるを得なかった。
『メトロポリス』の宇宙船に乗り込み、宇宙生物との戦いに明け暮れる中で、彼は護衛アンドロイドであるシュウジとサヤカと共に過ごし、絆を育んでいくうちに地球上にてアンドロイドが使用人としての扱いしか受けていないことを思い出す。
修也は戦いの中でアンドロイドと人間が対等な関係を築き、共存を行うことができればいいと考えたが、『メトロポリス』では修也とは対照的に人類との共存ではなく支配という名目で動き出そうとしていた。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
終末の運命に抗う者達
ブレイブ
SF
人類のほとんどは突然現れた地球外生命体アースによって、消滅し、地球の人口は数百人になってしまった、だが、希望はあり、地球外生命体に抗う為に、最終兵器。ドゥームズギアを扱う少年少女が居た
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
(完結)足手まといだと言われパーティーをクビになった補助魔法師だけど、足手まといになった覚えは無い!
ちゃむふー
ファンタジー
今までこのパーティーで上手くやってきたと思っていた。
なのに突然のパーティークビ宣言!!
確かに俺は直接の攻撃タイプでは無い。
補助魔法師だ。
俺のお陰で皆の攻撃力防御力回復力は約3倍にはなっていた筈だ。
足手まといだから今日でパーティーはクビ??
そんな理由認められない!!!
俺がいなくなったら攻撃力も防御力も回復力も3分の1になるからな??
分かってるのか?
俺を追い出した事、絶対後悔するからな!!!
ファンタジー初心者です。
温かい目で見てください(*'▽'*)
一万文字以下の短編の予定です!
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる