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第五部『征服王浪漫譚』
魔の投棄物ーその①
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中村孝太郎は目の前の忍者の男が何をしようとしたのかを理解した。
彼は『妖魔術』と称した魔法を利用して、自分たち二人を襲うおうとしているのだと。
この当時の忍者の使ういわば『忍術』は現在の魔法なのだろう。
1950年代以前にも人間がそれらしき力を使えたと言うのは言うまでもないだろう。
孝太郎は目の前の少年を見据えて考えた。少なくとも、目の前の少年は生涯のうちに『魔法』と言う言葉を耳にする機会は無いかもしれない。
だが、少年にとってそれは不便でも何でもない事である。彼が異能の力を使用して葬るのに名称などに拘ってはいられないだろう。
孝太郎はもう少し哲学的な考えに浸っていたかったのだが、少年がそれを許さない。
孝太郎に向かって神社の参道に使用していた石を魔法の力で剥がして、孝太郎に向かって投げ付けていく。
孝太郎は左手を取り出し、その掌を使用して自分に直撃しようとしていた石板を粉々に砕いていく。
少年は眉を微かに動かしたらしいが、それ以降は動じる事なく攻撃を続けていく。
孝太郎は自分に向かって降り掛かろうとする石板を全て自分の魔法によって消し去っていく。
孝太郎は全てを消し去った際に、もう一度目の前の少年に向かって険しい視線で睨む。
少年は睨む姿の孝太郎を眺めて、背中に下げていた日本刀を抜いて、孝太郎に向かって斬りかかっていく。
猿のような軽い身のこなしを使用して、飛び上がった少年は空中で弧を描いてから、真下の孝太郎に向かって斬りかかっていく。
孝太郎は手に持っていた刀を盾に少年の刀を防ぐ。
少年は一度刃と刃が重なり合った後に、孝太郎の目の前から離れて、背後に下がり、今度は周囲の木の根っこを引き抜いて、孝太郎と鬼麿に向かって投げ付けていく。
孝太郎は背後の鬼麿の前に立ち、二人の前に向かって来ていた木を左手の魔法で壊していく。
孝太郎の『破壊』の魔法は現在でも有効らしい。2329年でも2332年でも1956年でも孝太郎や大切な人をあとりあらゆる脅威から助けてくれた最強の武器だ。
孝太郎はこの『武器』を使用してこれ以上被害が出る前に少年を倒そうと試みた。
刀は右手にしっかりと握り締めている。ならば、左手で彼に向かっていけばいい。
孝太郎は刀の峰を用いて少年を倒そうと試みた。
それを見透かしたのか、少年は鬼麿に従う下男の青年が下男に似つかわしくない立派な刀を持って突っ込んでくる様子を見て、口元を歪めてしてやったりとばかりの笑顔を浮かべていた。
元々、『刀』と『忍』が剣を結び合えば真っ当な侍ならば変説的な忍びの動きに翻弄され、勝負にならないと言っても良いだろう。
少年は青年が突撃するチャンスを待って、少年の刀を寸前の所で交わした後に、左斜め下から袈裟掛に斬りかかる予定である。
少年は新たなる頭領にも認められた自分の妖魔術と忍びとしての才能に自信を持っていた。
だからこそ、孝太郎の攻撃を見ても動じる事なく、刀を構え続けていたのだ。
目の前の男は勢いのままに頭上から刀を振り上げるつもりであろう。
そして、大きく刀を振り上げて胴や脚に隙を作った青年に向かって剣を振るうのは容易な事であろう。
少年はいや、長谷川小弥太は新たなる頭領から言われた言葉を思い出す。
頭領は可憐なる参謀を連れながら、里の外へと出ようとする際に、小弥太に振り返りこう言ったのだ。
「小弥太……お前の妖魔術には目を見張るものがあると言う噂を聞いておるぞ」
小弥太は西洋の神話に登場する英雄のような美しい顔立ちの男に自身の妖魔術を褒められて、顔全体がピンク色に染められている事に気が付く。
それを見たのか、彼は口元の右端を吊り上げて、
「ならば、お前に最初の任務を終えた後に引き続きの任務を頼んでも良いだろうな?」
「と、仰いますと?」
短い金色の髪の美男子は低い声で自らの首を跳ねる真似をして言った。
「朱色の絵具で塗ったような赤い肌を持った若造の首を私の前に献上しろ、そうしてくれれば、私はお前を次の伊勢同心の頭領に推薦してやっても良いぞ」
小弥太は言葉を失った。その赤い肌の男を殺しさえすれば自分は次期頭領になれるかもしれないという事実に。
戦慄さえした。自分は優れた妖魔術こそあれども、到底、頭領になれるような優れた家の出では無いのだ。
だが、今度の新しい頭領はその男を殺しさえすれば「頭領」の地位を与えるとさえ言ったのだ。
小弥太はもう一度目の前から刀を構える若い男を見遣る。
新しい頭領が「若造」と称するだけあって、若い男だ。そして、頭領が称しただけあって見慣れない不気味な程の赤い肌。
頭領が言っていた男で間違い無いだろう。
小弥太は高揚感に肩をピクピクと動かし、目の前に現れた若い男が上段に刀を構えた際に、予定通りに左斜め下から刀を振り上げようとした。
小弥太は勝利を確信した。
だが、その彼によって小弥太が抱いていた春の日の昼に見る夢のように儚く砕け散ってしまう。
小弥太の狙っていた少年は刀を上段から振り上げようとしていた訳ではなかったのだ。
彼は上段に刀を振り上げる真似をしていただけなのだ。目の前の赤い肌の青年は左斜め下から斬り上げた刀を自らの刀で防ぎ、そのまま全身で弧を描き、今度は胴元から刀を構えて斬りかかっていく。
孝太郎の振り下ろす刀は小弥太を危機に陥らせたと言っても良いだろう。
小弥太は慌てて両脚を使用して空中で弧を描いて、本殿の前に着地する。
小弥太は懐からクナイを取り出し、孝太郎に向かって投げ付けていく。
気休めにしかならないのは投げた本人が一番理解していた。
案の定、自分の目の前にクナイが跳ぼうとした際に、孝太郎は自分の刀を武器に下段に構えていた刀を振り上げて、クナイを地面へと弾き飛ばす。
小弥太は孝太郎の動作を確認すると、今度は刀に自らの奥の手を施していく。
伊勢同心の第二の妖魔術とも言うべき技術。すなわち、『印術』の使用である。
伊賀同心の使う印術は上、中、下の三種の種類に分かれており、このうち、小弥太が使用できるのは下の印術のみである。上と中の印術は年齢の高い者と里の中において序列の高い者のみが取得でき、大抵の人間は下を覚えるのみで終えるらしい。
小弥太はそれでも、この印術を使用できる天才であった。
彼はもう一度刀を左斜めに構えて、下の印術『風』を使用する事に決めた。
彼は『妖魔術』と称した魔法を利用して、自分たち二人を襲うおうとしているのだと。
この当時の忍者の使ういわば『忍術』は現在の魔法なのだろう。
1950年代以前にも人間がそれらしき力を使えたと言うのは言うまでもないだろう。
孝太郎は目の前の少年を見据えて考えた。少なくとも、目の前の少年は生涯のうちに『魔法』と言う言葉を耳にする機会は無いかもしれない。
だが、少年にとってそれは不便でも何でもない事である。彼が異能の力を使用して葬るのに名称などに拘ってはいられないだろう。
孝太郎はもう少し哲学的な考えに浸っていたかったのだが、少年がそれを許さない。
孝太郎に向かって神社の参道に使用していた石を魔法の力で剥がして、孝太郎に向かって投げ付けていく。
孝太郎は左手を取り出し、その掌を使用して自分に直撃しようとしていた石板を粉々に砕いていく。
少年は眉を微かに動かしたらしいが、それ以降は動じる事なく攻撃を続けていく。
孝太郎は自分に向かって降り掛かろうとする石板を全て自分の魔法によって消し去っていく。
孝太郎は全てを消し去った際に、もう一度目の前の少年に向かって険しい視線で睨む。
少年は睨む姿の孝太郎を眺めて、背中に下げていた日本刀を抜いて、孝太郎に向かって斬りかかっていく。
猿のような軽い身のこなしを使用して、飛び上がった少年は空中で弧を描いてから、真下の孝太郎に向かって斬りかかっていく。
孝太郎は手に持っていた刀を盾に少年の刀を防ぐ。
少年は一度刃と刃が重なり合った後に、孝太郎の目の前から離れて、背後に下がり、今度は周囲の木の根っこを引き抜いて、孝太郎と鬼麿に向かって投げ付けていく。
孝太郎は背後の鬼麿の前に立ち、二人の前に向かって来ていた木を左手の魔法で壊していく。
孝太郎の『破壊』の魔法は現在でも有効らしい。2329年でも2332年でも1956年でも孝太郎や大切な人をあとりあらゆる脅威から助けてくれた最強の武器だ。
孝太郎はこの『武器』を使用してこれ以上被害が出る前に少年を倒そうと試みた。
刀は右手にしっかりと握り締めている。ならば、左手で彼に向かっていけばいい。
孝太郎は刀の峰を用いて少年を倒そうと試みた。
それを見透かしたのか、少年は鬼麿に従う下男の青年が下男に似つかわしくない立派な刀を持って突っ込んでくる様子を見て、口元を歪めてしてやったりとばかりの笑顔を浮かべていた。
元々、『刀』と『忍』が剣を結び合えば真っ当な侍ならば変説的な忍びの動きに翻弄され、勝負にならないと言っても良いだろう。
少年は青年が突撃するチャンスを待って、少年の刀を寸前の所で交わした後に、左斜め下から袈裟掛に斬りかかる予定である。
少年は新たなる頭領にも認められた自分の妖魔術と忍びとしての才能に自信を持っていた。
だからこそ、孝太郎の攻撃を見ても動じる事なく、刀を構え続けていたのだ。
目の前の男は勢いのままに頭上から刀を振り上げるつもりであろう。
そして、大きく刀を振り上げて胴や脚に隙を作った青年に向かって剣を振るうのは容易な事であろう。
少年はいや、長谷川小弥太は新たなる頭領から言われた言葉を思い出す。
頭領は可憐なる参謀を連れながら、里の外へと出ようとする際に、小弥太に振り返りこう言ったのだ。
「小弥太……お前の妖魔術には目を見張るものがあると言う噂を聞いておるぞ」
小弥太は西洋の神話に登場する英雄のような美しい顔立ちの男に自身の妖魔術を褒められて、顔全体がピンク色に染められている事に気が付く。
それを見たのか、彼は口元の右端を吊り上げて、
「ならば、お前に最初の任務を終えた後に引き続きの任務を頼んでも良いだろうな?」
「と、仰いますと?」
短い金色の髪の美男子は低い声で自らの首を跳ねる真似をして言った。
「朱色の絵具で塗ったような赤い肌を持った若造の首を私の前に献上しろ、そうしてくれれば、私はお前を次の伊勢同心の頭領に推薦してやっても良いぞ」
小弥太は言葉を失った。その赤い肌の男を殺しさえすれば自分は次期頭領になれるかもしれないという事実に。
戦慄さえした。自分は優れた妖魔術こそあれども、到底、頭領になれるような優れた家の出では無いのだ。
だが、今度の新しい頭領はその男を殺しさえすれば「頭領」の地位を与えるとさえ言ったのだ。
小弥太はもう一度目の前から刀を構える若い男を見遣る。
新しい頭領が「若造」と称するだけあって、若い男だ。そして、頭領が称しただけあって見慣れない不気味な程の赤い肌。
頭領が言っていた男で間違い無いだろう。
小弥太は高揚感に肩をピクピクと動かし、目の前に現れた若い男が上段に刀を構えた際に、予定通りに左斜め下から刀を振り上げようとした。
小弥太は勝利を確信した。
だが、その彼によって小弥太が抱いていた春の日の昼に見る夢のように儚く砕け散ってしまう。
小弥太の狙っていた少年は刀を上段から振り上げようとしていた訳ではなかったのだ。
彼は上段に刀を振り上げる真似をしていただけなのだ。目の前の赤い肌の青年は左斜め下から斬り上げた刀を自らの刀で防ぎ、そのまま全身で弧を描き、今度は胴元から刀を構えて斬りかかっていく。
孝太郎の振り下ろす刀は小弥太を危機に陥らせたと言っても良いだろう。
小弥太は慌てて両脚を使用して空中で弧を描いて、本殿の前に着地する。
小弥太は懐からクナイを取り出し、孝太郎に向かって投げ付けていく。
気休めにしかならないのは投げた本人が一番理解していた。
案の定、自分の目の前にクナイが跳ぼうとした際に、孝太郎は自分の刀を武器に下段に構えていた刀を振り上げて、クナイを地面へと弾き飛ばす。
小弥太は孝太郎の動作を確認すると、今度は刀に自らの奥の手を施していく。
伊勢同心の第二の妖魔術とも言うべき技術。すなわち、『印術』の使用である。
伊賀同心の使う印術は上、中、下の三種の種類に分かれており、このうち、小弥太が使用できるのは下の印術のみである。上と中の印術は年齢の高い者と里の中において序列の高い者のみが取得でき、大抵の人間は下を覚えるのみで終えるらしい。
小弥太はそれでも、この印術を使用できる天才であった。
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