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第四部Ⅱ 『入江の中の海賊』
ヘラクレスとアトラースの協奏曲ーその③
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「早くしなさい!この後にわたし達であいつらを葬り去るの!わたしのとっておきの力を使うわよ!」
ソフィアは英語で叫んだつもりだったが、彼女の胸ポケットの中に仕舞ってある携帯翻訳機が機能したままなのか、彼女の声はそのままエリヤの前に立っていた孝太郎の耳にも丸聞こえであった。
彼は慇懃な視線をソフィアに向けていたが、ソフィアはそんな孝太郎の態度になどおくびにも出さずに、両腕を宙に掲げていく。
すると、孝太郎の目の前の空間が歪んでいく。
例えるのなら、目の前の視界が歪み、大きな鳥籠が出来たという事だろうか。
孝太郎は適切な比喩表現が思い浮かばないまま、この目の前の現象に遭遇したのだ。すると、その空間の中に立っていた孝太郎の体に鋭い物が襲い掛かったような感覚に襲われた。例えるのなら、彼の体を丸い爆弾のようなものが襲って来たというべきだろうか。
孝太郎は痛みに耐えきれずに、膝を付いてしまう。
ソフィアは荒い息を吐きながら、地面で膝を付き自分を鋭い視線で睨む孝太郎の姿を見て、彼がピンチになった事を悟って、ホッとしたような調子で溜息を吐く。
「まさか、わたしの魔法を使う事になるなんてね……迂闊だったわ、奥の手を使う事になるなんて、でも、これであのお方に喜んでいただけるわ」
ソフィアは両手を広げてまるで、見えないものを触っているかのようにそっくりそのまま揃えながら、両手を動かしていく。
すると、鳥籠が迫っていき、彼の周りを集中的に物体が襲い掛かってきていた。
孝太郎はやっとの思いで起き上がり、自分の目の前に襲ってくる物体に対して右手の掌を広げて対処する。
彼の目の前で彼自身の使う魔法によって物質が破壊されていく。
孝太郎は目の前の光景をもう一度目を凝らしてよく見る。
彼を襲っていたのは周りから外れたアスファルトやら建物の破片だったのだ。
彼女は自分の使う魔法でこれらを破壊し、自分に飛ばしていたに違いない。
孝太郎はこの鳥籠のような空間全体を破壊するために、右手の掌を広げながら歩いていく。
彼の目論見は当たった。ソフィアが作ったと思われる空間は彼の手によっていとも簡単に破壊されていったのだった。
意気揚々と目の前に迫る孝太郎の姿を見て、ソフィアは焦りを覚えたのか、両手の掌と魔法の威力を孝太郎に向けて全神経を注いでいく。
それが、彼女の命運を分ける事になるとも知らずに。
ソフィアが自らの全神経を注いで孝太郎の排除を企んでいると、不意に彼女の体全体が強い力よって地面に叩き付けられた。
彼女は背中を強く打ったが、他の部分では怪我をしてはいない。
両手を動かそうとしたが、その両手の手首を目の前の青い髪のボブヘアーの女性によって掴まれて彼女はその場に捕らえられてしまう。
「あんたに一つ忠告しておくよ。自分の近くに捕らえていた相手の事を忘れないって事……あんたは軍人なんだろ?なら、捕虜から目を離して銃を奪われたりしたらどうするんだい?」
顔をニヤニヤとしながら問い掛ける女性の言葉に彼女はぐうの音も出ない。
大きく首をがくんと項垂れた後に、彼女は何も言わずに手錠を掛けれていく。
ソフィアの逮捕の様子を見たエリヤは自らの腕を伸ばして孝太郎に殴り掛かろうとしたが、孝太郎はそのゴムのように伸びた腕を捻り上げ、腕を辿ってエリヤの元に近寄る。
彼はエリヤの手首をまわして手錠を掛けた。
ここにキャンドール・コーブ計画に関わっていたと思われる二人の人間がこの国の警察官に捕縛された事になる。
孝太郎は自らの上げた功績に胸を張りながら、目の前の二人にシリウス・A・ペンドラゴンの行方を尋ねる。
「お前達二人に聞くぞ、シリウスは今何処にいる?」
二人は頑なに首を横に振って答えない。
「さっさと言った方がお前達の罪は軽くなるんだぜ、シリウスの居場所を吐くんだったら、直ぐの方が良いと思うよぉ~まぁ、答える答えないはあんたの自由だから、別に答えなくても良いけどサ、でもあたしとしては答える事を推奨するけど、どうする?」
聡子は自分の手で捕らえたソフィアの耳元で男を惑わして自分の餌を取るサキュバスのように甘い声で囁く。
聡子の説得が功を奏したのか、ソフィアは涙目で声を掠れさせながら話していく。
「い、言うわ!言うから助けてくれないかしら?」
「勿論、警察の檻の中は世界一安全な場所だからな、早く答えなよ」
「分かったわ、あのお方は聖杯を目指しているわ!あたし達が出向く前にできるだけ長い時間、あなた達を引き付けておくように言われたわ」
「シリウスの目的は聖杯の欠片なんだな?」
ソフィアは聡子の問いを首肯する。
「ええ、それであなた達を始末した後に、本国からの追手も始末するように言われたわ、CIAの……」
と、ここで彼女の体が炎に包まれていく。地獄の中の業火のように真っ赤に燃え上がる火は彼女に奇妙な踊りを踊らせていく。
彼女は大きな声で助けを求めていたが、途中から携帯翻訳機が壊れたためだろうか、ノイズ混じりの言葉が飛んでいき、その後に英語で助けを求めてから、彼女は地面に倒れていく。
聡子は消炭の中から、焼け焦げた小型のテープレコーダーのような機械を発見した。
孝太郎はその機械を掴み、逆時計回りに回しながら調べていく。
彼は確信し、その正体を聡子に向かって言った。
聡子は眉根を顰めながら、
「本当ですか?」
「間違い無いだろうな、この機械は小型の発火装置だ。これでシリウスはアンソニーや彼女を焼き殺したんだろう。おまけにこの機械の中には盗聴器も含まれている……恐らく、シリウスの奴は部下が自分にとって不都合な事を喋るのと同時に、何処かで暇になって電子書籍の本をめくるのと同じくらいの手間暇で発火装置のスイッチを押したんだろう」
孝太郎は悲しげな微笑みを見せながら言った。彼は死亡したソフィアに同情の念を寄せているのだろう。聡子が何か言おうと口を開こうとした時だ。
エリヤが大きな声を上げて天に向かって首を垂れた。
「お許しください!お許しください!私はあの女と違って、絶対に彼奴らに情報を喋ったりはしません!ですから、お許しを……」
その瞬間にエリヤの体が炎に包み込まれていく。
エリヤは業火に包まれながら、地面の上をのたうち回っていく。
孝太郎は拳を握り締め、天井を見上げてシリウスに向かって憎悪の言葉を叫ぶ。
聡子はそんな孝太郎の様子をじっと眺めていた。彼女は応援が来るまで側にいてあげようと心の底から願っていた。
ソフィアは英語で叫んだつもりだったが、彼女の胸ポケットの中に仕舞ってある携帯翻訳機が機能したままなのか、彼女の声はそのままエリヤの前に立っていた孝太郎の耳にも丸聞こえであった。
彼は慇懃な視線をソフィアに向けていたが、ソフィアはそんな孝太郎の態度になどおくびにも出さずに、両腕を宙に掲げていく。
すると、孝太郎の目の前の空間が歪んでいく。
例えるのなら、目の前の視界が歪み、大きな鳥籠が出来たという事だろうか。
孝太郎は適切な比喩表現が思い浮かばないまま、この目の前の現象に遭遇したのだ。すると、その空間の中に立っていた孝太郎の体に鋭い物が襲い掛かったような感覚に襲われた。例えるのなら、彼の体を丸い爆弾のようなものが襲って来たというべきだろうか。
孝太郎は痛みに耐えきれずに、膝を付いてしまう。
ソフィアは荒い息を吐きながら、地面で膝を付き自分を鋭い視線で睨む孝太郎の姿を見て、彼がピンチになった事を悟って、ホッとしたような調子で溜息を吐く。
「まさか、わたしの魔法を使う事になるなんてね……迂闊だったわ、奥の手を使う事になるなんて、でも、これであのお方に喜んでいただけるわ」
ソフィアは両手を広げてまるで、見えないものを触っているかのようにそっくりそのまま揃えながら、両手を動かしていく。
すると、鳥籠が迫っていき、彼の周りを集中的に物体が襲い掛かってきていた。
孝太郎はやっとの思いで起き上がり、自分の目の前に襲ってくる物体に対して右手の掌を広げて対処する。
彼の目の前で彼自身の使う魔法によって物質が破壊されていく。
孝太郎は目の前の光景をもう一度目を凝らしてよく見る。
彼を襲っていたのは周りから外れたアスファルトやら建物の破片だったのだ。
彼女は自分の使う魔法でこれらを破壊し、自分に飛ばしていたに違いない。
孝太郎はこの鳥籠のような空間全体を破壊するために、右手の掌を広げながら歩いていく。
彼の目論見は当たった。ソフィアが作ったと思われる空間は彼の手によっていとも簡単に破壊されていったのだった。
意気揚々と目の前に迫る孝太郎の姿を見て、ソフィアは焦りを覚えたのか、両手の掌と魔法の威力を孝太郎に向けて全神経を注いでいく。
それが、彼女の命運を分ける事になるとも知らずに。
ソフィアが自らの全神経を注いで孝太郎の排除を企んでいると、不意に彼女の体全体が強い力よって地面に叩き付けられた。
彼女は背中を強く打ったが、他の部分では怪我をしてはいない。
両手を動かそうとしたが、その両手の手首を目の前の青い髪のボブヘアーの女性によって掴まれて彼女はその場に捕らえられてしまう。
「あんたに一つ忠告しておくよ。自分の近くに捕らえていた相手の事を忘れないって事……あんたは軍人なんだろ?なら、捕虜から目を離して銃を奪われたりしたらどうするんだい?」
顔をニヤニヤとしながら問い掛ける女性の言葉に彼女はぐうの音も出ない。
大きく首をがくんと項垂れた後に、彼女は何も言わずに手錠を掛けれていく。
ソフィアの逮捕の様子を見たエリヤは自らの腕を伸ばして孝太郎に殴り掛かろうとしたが、孝太郎はそのゴムのように伸びた腕を捻り上げ、腕を辿ってエリヤの元に近寄る。
彼はエリヤの手首をまわして手錠を掛けた。
ここにキャンドール・コーブ計画に関わっていたと思われる二人の人間がこの国の警察官に捕縛された事になる。
孝太郎は自らの上げた功績に胸を張りながら、目の前の二人にシリウス・A・ペンドラゴンの行方を尋ねる。
「お前達二人に聞くぞ、シリウスは今何処にいる?」
二人は頑なに首を横に振って答えない。
「さっさと言った方がお前達の罪は軽くなるんだぜ、シリウスの居場所を吐くんだったら、直ぐの方が良いと思うよぉ~まぁ、答える答えないはあんたの自由だから、別に答えなくても良いけどサ、でもあたしとしては答える事を推奨するけど、どうする?」
聡子は自分の手で捕らえたソフィアの耳元で男を惑わして自分の餌を取るサキュバスのように甘い声で囁く。
聡子の説得が功を奏したのか、ソフィアは涙目で声を掠れさせながら話していく。
「い、言うわ!言うから助けてくれないかしら?」
「勿論、警察の檻の中は世界一安全な場所だからな、早く答えなよ」
「分かったわ、あのお方は聖杯を目指しているわ!あたし達が出向く前にできるだけ長い時間、あなた達を引き付けておくように言われたわ」
「シリウスの目的は聖杯の欠片なんだな?」
ソフィアは聡子の問いを首肯する。
「ええ、それであなた達を始末した後に、本国からの追手も始末するように言われたわ、CIAの……」
と、ここで彼女の体が炎に包まれていく。地獄の中の業火のように真っ赤に燃え上がる火は彼女に奇妙な踊りを踊らせていく。
彼女は大きな声で助けを求めていたが、途中から携帯翻訳機が壊れたためだろうか、ノイズ混じりの言葉が飛んでいき、その後に英語で助けを求めてから、彼女は地面に倒れていく。
聡子は消炭の中から、焼け焦げた小型のテープレコーダーのような機械を発見した。
孝太郎はその機械を掴み、逆時計回りに回しながら調べていく。
彼は確信し、その正体を聡子に向かって言った。
聡子は眉根を顰めながら、
「本当ですか?」
「間違い無いだろうな、この機械は小型の発火装置だ。これでシリウスはアンソニーや彼女を焼き殺したんだろう。おまけにこの機械の中には盗聴器も含まれている……恐らく、シリウスの奴は部下が自分にとって不都合な事を喋るのと同時に、何処かで暇になって電子書籍の本をめくるのと同じくらいの手間暇で発火装置のスイッチを押したんだろう」
孝太郎は悲しげな微笑みを見せながら言った。彼は死亡したソフィアに同情の念を寄せているのだろう。聡子が何か言おうと口を開こうとした時だ。
エリヤが大きな声を上げて天に向かって首を垂れた。
「お許しください!お許しください!私はあの女と違って、絶対に彼奴らに情報を喋ったりはしません!ですから、お許しを……」
その瞬間にエリヤの体が炎に包み込まれていく。
エリヤは業火に包まれながら、地面の上をのたうち回っていく。
孝太郎は拳を握り締め、天井を見上げてシリウスに向かって憎悪の言葉を叫ぶ。
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