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フレンチ・ファンタジア編
ファルコーニエーリ・ファミリーの結成式
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ファルコーニエーリ・ファミリーの首領を務めるレオナルド・“レオ”・ファルコーニエーリは用意された日本の拠点を一瞥する。
顎の割れた男は大きな照明が用意され、机やら書類棚が用意された部屋に満足していたのだろう。
顎の割れた男は腕を組みながら、タバコを吸いながら、用意された革張りのソファーの上に座り込む。
座り心地の良いソファーに腰を下ろしながら、レオは大きな声でエミリオを呼び付ける。
棚の前で書類をめくっていたエミリオはレオに呼び付けられ、彼の元へと寄っていく。
エミリオは一礼してから、用を尋ねる。
レオは自分にウィスキーを用意するように命令する。
だが、エミリオは頭を下げたまま動こうとはしない。レオはその態度に苛つかされだのだろう。目の前の無垢材で作られた黒色の重厚のある机を叩く。
レオは人差し指を突きつけながら、
「エミリオッ!お前はオレの元に付けられた執事だろう?それなのに、何故主人の命令を聞こうとしないッ!」
エミリオは黙ったまま答えない。それを宣戦布告と受け取ったのだろうか。レオは座っていた革張りのソファーの上から立ち上がり、エミリオの胸倉を強く掴む。
「テメェ!ぶっ殺してやろうかッ!え?酒を持ってこいと言っているんだッ!」
エミリオは胸ぐらを掴まれた事により、ようやく相手と視線を合わせる事に成功した。エミリオは呆れたように両眉を眉間に寄せて臨時の主人の乱暴を諫める。
「確かに、ボクは執事です。あなたのご命令に従う義務がある……ですが、元のご主人様からはこう命じられました『あなたが驕ることなく、日本において例の新薬を売られるように監視しろ』と」
エミリオの言葉にドン・ファルコーニエーリことファルコーニエーリ男爵はついたじろいでしまう。
エミリオはレオナルドの愛称であるレオと一声掛けてから、酒を出せない理由を説明していく。
「我々が進出した白籠市には今、我々の他に強力な暴力組織が存在しています。しかも、そこのボスは前の時とは違い、義侠心に強い男なんです。我々と連帯を組むのは不可能と言うべきでしょう」
エミリオは険しい顔付きのまま話を続けていく。
「その上、この街の警察に強力な魔力を秘めた男がいます。その男を排除するまでは安心はできません。この開いたばかりの事務所もいつ襲われるかどうか分からないのです。ですから、常に用心をするためにお酒をお出しできないのです。お分かりですか?」
エミリオの剣幕にレオは怯んだが、二人の間に一人の冷血動物のように顔色の悪い男が挟まり、冷たい声で言った。
「まぁまぁ一杯くらいならば良いでしょう?今すぐに警察が来るわけでは無いのですし」
「お言葉ですが、ミスターマルコーニ。レオにお酒を飲ませるのは危険過ぎます。警察と刈谷組との戦いは一刻も争う事ですので、部下が戦いを繰り広げようとしている矢先にお酒を飲んでいては部下に示しが付きませんし、何よりもレオは一度酒を口にすると、止まりません。バッカスのようにずっと飲み続けますよ」
マルコーニとエミリオに呼ばれた男は口元を大きく歪めて、
「フン、お前は大袈裟過ぎるんだよ。大体閣下が折角日本での初めてのお酒を楽しもうとしている所に、お前が口を出すでは無い。興が冷めるでは無いか」
エミリオは口の中でレオに媚びを売る血色の悪い従者に不快感を表す言葉を何度も呟いたが、本当に出す訳にはいかずに、やむを得ずに戸棚に飾られている上等のブランデーとグラスを手に取り、取り立ての葡萄のように真っ赤な液体が注がれた派手な装飾のグラスをレオに差し出す。
レオは満足そうな表情でエミリオから酒を奪い取り、満面の笑みで酒を飲み干す。レオはエミリオにおかわりを要求した。
「おいッ!執事!オレのグラスに酒を注げ!」
「男爵閣下はそう仰られておる。早く、酒を注げ執事」
レオと一緒になりマルコーニは野次を飛ばす。
エミリオは自分に爵位が無いことを疎んだ。自分に爵位が存在していれば、こんな奴らなど直ぐに一喝させられるのにと。
エミリオはやり切れない思いを抱えたまま二杯目をグラスに注ぐ。
ファルコーニエーリ・ファミリーの事務所が設立されてから二週間後の深夜。
白籠市の中心街、白籠町。人を運ぶための拠点として白籠駅の存在する市の中心部には多くの光が灯っていた。この時期には多くの若者が居酒屋やらバーに入り込み、音楽を片手に酒を呷っていた。
特に白籠駅の側に存在する『マロニエ・ブレイカー』と言う店では若者達が音楽に合わせて狂ったように踊っていた。
歓楽街の飲み屋を思わせるような笑い声が店の外にまで響いていく。
白籠駅を利用し、郊外やビッグ・トーキョーの中心部の職場から家に帰ろうとする真面目な人々は馬鹿な人間の起こす馬鹿騒ぎに耳を塞ぎながら歩む足の速さを強めていく。
そんな時だ。バー『マロニエ・ブレイカー』の周りを大勢のパトカーが取り囲む。
パトカーから出てきた警察官がマロニエ・ブレイカーを囲み、中の客と店主を押し除け、店の中に入っていく。
銃で身を固めた警察官達は店のバーテンの裏に備え付けられた地下へと降りていく階段を降っていき、山のように積まれた段ボールの箱から、大量の麻薬が出ていた事を発見する。
警察官達は即座に麻薬捜査班に電話を入れ、麻薬の回収に向かわせた。
押収された麻薬とバーで麻薬を吸っていたと思われる客と麻薬を売っていた人間を連行し、周りの刑事達は尋問に掛けたが、誰も麻薬の入手経路を知らないと断言した。
麻薬はいつも路地裏でこっそり捌かれ、麻薬の売人は大元では無い人間から麻薬を受け取り、捌いていると言う。
孝太郎は『マロニエ・ブレイカー』の一件から、麻薬の大元はエミリオ・デニーロとボルジア家にあると考えた。捜査の末にチンピラ風の男から次の取り引きの場所を聞き出す事に成功した。男は端末に送られたメモを指差し、繁華街の何処かだと明言した。
孝太郎はタバコを吸いながら、一人暗い街の中で覆面パトカーの中で路地裏の怪し気な人間を見定めていた。
孝太郎は麻薬を売り捌いていると思われる人間を見定めていくが、一向に成果は表れない。
孝太郎はタバコを車の中に備え付けられた簡素な灰皿の中にねじ込む。
もう一つのタバコを吸おうかと思案していた時だ。一人の青色のスーツを着た男がいかにも楽しそうに一人で踊る人間に一つの粉を手渡したのだ。
孝太郎は男達二人とは距離を置いた所に車を停め、積まれた荷物に身を隠しながら、取り引きの様子を目撃した。
どうやら、これが男の言っていた取り引きの正体だったらしい。
孝太郎は拳銃を構えながら、取り引きを目撃していた。
顎の割れた男は大きな照明が用意され、机やら書類棚が用意された部屋に満足していたのだろう。
顎の割れた男は腕を組みながら、タバコを吸いながら、用意された革張りのソファーの上に座り込む。
座り心地の良いソファーに腰を下ろしながら、レオは大きな声でエミリオを呼び付ける。
棚の前で書類をめくっていたエミリオはレオに呼び付けられ、彼の元へと寄っていく。
エミリオは一礼してから、用を尋ねる。
レオは自分にウィスキーを用意するように命令する。
だが、エミリオは頭を下げたまま動こうとはしない。レオはその態度に苛つかされだのだろう。目の前の無垢材で作られた黒色の重厚のある机を叩く。
レオは人差し指を突きつけながら、
「エミリオッ!お前はオレの元に付けられた執事だろう?それなのに、何故主人の命令を聞こうとしないッ!」
エミリオは黙ったまま答えない。それを宣戦布告と受け取ったのだろうか。レオは座っていた革張りのソファーの上から立ち上がり、エミリオの胸倉を強く掴む。
「テメェ!ぶっ殺してやろうかッ!え?酒を持ってこいと言っているんだッ!」
エミリオは胸ぐらを掴まれた事により、ようやく相手と視線を合わせる事に成功した。エミリオは呆れたように両眉を眉間に寄せて臨時の主人の乱暴を諫める。
「確かに、ボクは執事です。あなたのご命令に従う義務がある……ですが、元のご主人様からはこう命じられました『あなたが驕ることなく、日本において例の新薬を売られるように監視しろ』と」
エミリオの言葉にドン・ファルコーニエーリことファルコーニエーリ男爵はついたじろいでしまう。
エミリオはレオナルドの愛称であるレオと一声掛けてから、酒を出せない理由を説明していく。
「我々が進出した白籠市には今、我々の他に強力な暴力組織が存在しています。しかも、そこのボスは前の時とは違い、義侠心に強い男なんです。我々と連帯を組むのは不可能と言うべきでしょう」
エミリオは険しい顔付きのまま話を続けていく。
「その上、この街の警察に強力な魔力を秘めた男がいます。その男を排除するまでは安心はできません。この開いたばかりの事務所もいつ襲われるかどうか分からないのです。ですから、常に用心をするためにお酒をお出しできないのです。お分かりですか?」
エミリオの剣幕にレオは怯んだが、二人の間に一人の冷血動物のように顔色の悪い男が挟まり、冷たい声で言った。
「まぁまぁ一杯くらいならば良いでしょう?今すぐに警察が来るわけでは無いのですし」
「お言葉ですが、ミスターマルコーニ。レオにお酒を飲ませるのは危険過ぎます。警察と刈谷組との戦いは一刻も争う事ですので、部下が戦いを繰り広げようとしている矢先にお酒を飲んでいては部下に示しが付きませんし、何よりもレオは一度酒を口にすると、止まりません。バッカスのようにずっと飲み続けますよ」
マルコーニとエミリオに呼ばれた男は口元を大きく歪めて、
「フン、お前は大袈裟過ぎるんだよ。大体閣下が折角日本での初めてのお酒を楽しもうとしている所に、お前が口を出すでは無い。興が冷めるでは無いか」
エミリオは口の中でレオに媚びを売る血色の悪い従者に不快感を表す言葉を何度も呟いたが、本当に出す訳にはいかずに、やむを得ずに戸棚に飾られている上等のブランデーとグラスを手に取り、取り立ての葡萄のように真っ赤な液体が注がれた派手な装飾のグラスをレオに差し出す。
レオは満足そうな表情でエミリオから酒を奪い取り、満面の笑みで酒を飲み干す。レオはエミリオにおかわりを要求した。
「おいッ!執事!オレのグラスに酒を注げ!」
「男爵閣下はそう仰られておる。早く、酒を注げ執事」
レオと一緒になりマルコーニは野次を飛ばす。
エミリオは自分に爵位が無いことを疎んだ。自分に爵位が存在していれば、こんな奴らなど直ぐに一喝させられるのにと。
エミリオはやり切れない思いを抱えたまま二杯目をグラスに注ぐ。
ファルコーニエーリ・ファミリーの事務所が設立されてから二週間後の深夜。
白籠市の中心街、白籠町。人を運ぶための拠点として白籠駅の存在する市の中心部には多くの光が灯っていた。この時期には多くの若者が居酒屋やらバーに入り込み、音楽を片手に酒を呷っていた。
特に白籠駅の側に存在する『マロニエ・ブレイカー』と言う店では若者達が音楽に合わせて狂ったように踊っていた。
歓楽街の飲み屋を思わせるような笑い声が店の外にまで響いていく。
白籠駅を利用し、郊外やビッグ・トーキョーの中心部の職場から家に帰ろうとする真面目な人々は馬鹿な人間の起こす馬鹿騒ぎに耳を塞ぎながら歩む足の速さを強めていく。
そんな時だ。バー『マロニエ・ブレイカー』の周りを大勢のパトカーが取り囲む。
パトカーから出てきた警察官がマロニエ・ブレイカーを囲み、中の客と店主を押し除け、店の中に入っていく。
銃で身を固めた警察官達は店のバーテンの裏に備え付けられた地下へと降りていく階段を降っていき、山のように積まれた段ボールの箱から、大量の麻薬が出ていた事を発見する。
警察官達は即座に麻薬捜査班に電話を入れ、麻薬の回収に向かわせた。
押収された麻薬とバーで麻薬を吸っていたと思われる客と麻薬を売っていた人間を連行し、周りの刑事達は尋問に掛けたが、誰も麻薬の入手経路を知らないと断言した。
麻薬はいつも路地裏でこっそり捌かれ、麻薬の売人は大元では無い人間から麻薬を受け取り、捌いていると言う。
孝太郎は『マロニエ・ブレイカー』の一件から、麻薬の大元はエミリオ・デニーロとボルジア家にあると考えた。捜査の末にチンピラ風の男から次の取り引きの場所を聞き出す事に成功した。男は端末に送られたメモを指差し、繁華街の何処かだと明言した。
孝太郎はタバコを吸いながら、一人暗い街の中で覆面パトカーの中で路地裏の怪し気な人間を見定めていた。
孝太郎は麻薬を売り捌いていると思われる人間を見定めていくが、一向に成果は表れない。
孝太郎はタバコを車の中に備え付けられた簡素な灰皿の中にねじ込む。
もう一つのタバコを吸おうかと思案していた時だ。一人の青色のスーツを着た男がいかにも楽しそうに一人で踊る人間に一つの粉を手渡したのだ。
孝太郎は男達二人とは距離を置いた所に車を停め、積まれた荷物に身を隠しながら、取り引きの様子を目撃した。
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